柴犬が人間や他の犬に物凄い勢いで吠える場合のしつけ方
今回、犬のしつけで御相談したい内容は下記の3点です。
1、人間や他の犬にたいして物凄い勢いで吠えます。
早朝3:00に新聞配達の人にも吠えるので、近所の手前、夫婦で交代で毎朝犬の番をするのが日課になっています。
家族以外の人すべてに対して吠えます。このままだと近所から苦情がきたら、犬を飼え無くなる可能性が考えられるので、何とか吠えないようにしたい。(とても落ち着きがありません)
2、散歩の時は、力強く、引っ張られる。(散歩が楽しくない)
3、リーダーウオークを実施したところ、散歩中のトイレはせず、犬小屋の回り、どこでも、トイレをする。なるべく一定の所でトイレをさせたい。
以上3点について、御指導よろしくお願いします。
(家族構成ですが)
私(50代)会社員、妻(50代)会社員、長女(20代)会社員、次女(高校生)の4人家族です。日中は家にはだれもいません。
愛犬の状況をご報告させていただきます。
・犬種:柴犬(黒)雄。飼いはじめて今日で258日が経ちました。
・現在の犬を飼う事になった動機は、前に飼っていた柴犬(茶)7年間目で病死、とても静かな犬でした。今まで家族の一員として生活を共にしていた愛犬が居なくなった淋しさから、妻と子供たちがまた犬を飼いたいとの要望から、飼いはじめる事になりました。
①過去のスキンシップ・遊び方
ボールや靴下の中にボールを入れた遊び道具を作って引っ張りこなどをしました。
②過去の躾け・叱り方
お手やお座り、待てなどを教えました、食事の時はお座りをして合図があるまで待っています。お座りも5割の確率で行動します。
③過去のオヤツ、抱っこ、声掛けなど
オヤツは、お座りや待てなどができたら、ご褒美にオヤツを与えました。声かけなどは、出勤前や帰宅時に声掛けや抱っこやジャレアイながらのスキンシップをしていました。
④過去の散歩は
散歩は朝と夕方、約30分ぐらいずつ、家の近所を散歩しています。基本的には散歩中にトイレをします。散歩の状況は犬が引っ張って人間が後に付いていく状況です。
⑤一日のタイムスケジュール
6:15~6:45 散歩・トイレ
6:45~6:50 食事
7:30 家族全員 出勤および登校
7:30~19:00 犬・・一匹で日中お留守番!!!
19:00 妻、帰宅
19:10~19:30 散歩およびトイレ
19:30~19:40 食事
基本的には犬を外で飼っているので、犬と接するのは、出社や帰宅時および散歩、食事の時ぐらいです。時間的には散歩で朝、夕で約1時間、帰宅時と食事をやる時で朝、夕で30分ぐらいで犬と接している時間は一日約1時間30分です。
⑥犬小屋の状況の写真を添付しました。犬小屋は以前の犬が使っていたものを再利用しています。
まず今回は、環境と関係作りの両方が必要ですので、環境を整えて、しつけと関係作りも頑張って続けていきましょう。
さて、先代の茶柴ちゃんはとても良い子でしたね。もちろん、良い思い出は大切にしていただきたいですが、しつけが楽だったことはもう忘れてください。
と言いますのは、どうしても比較したくなるのです。今回の黒柴君が悪い犬だというわけではないからです。犬としての普通の反応をしているだけなんです。
ではまず環境です。
犬の外飼いは、本来は難しいものなんです。
現行犯で教えられないのと、ストレスが強い環境だからです。心身ともに負荷が大きいですので、今回の黒柴君も寿命は短くなることはご承知ください。
外飼いでワイヤーやチェーンなどの直接の繋ぎ飼いですと、なおさらになります。
柵も無いですし居場所が袋小路にもなっています。
「敵は侵入できる・でも自分は逃げられない」という状況です。これはものすごいストレスになります。
私の本音としては、犬は家の中で飼っていただきたいです。(玄関ではなく、お部屋で)
寿命も長くなりますし、犬との生活も楽しめますし、吠えも現行犯で教えられます。
ただ、色々ご事情もあっての外飼いだと思います。その場合は、添付写真のように改善されてください。
ワイヤーの繋ぎ飼いを止めて、柵を設置しましょう。
ペット用のケージや、単品の柵も売っています。出入り口用の扉が付いた柵を1面使って、左右の倉庫の壁に留め金具でビス止めしてください。
他には、ガーデニング用とか玄関用のゲートも単品で売ってますので、見た目や値段の折り合いの中で、ご選択されてください。
犬の普段の居場所に運動場は要りません。
飼い主さんの主導のもとで、メリハリを持って時間を作って、たっぷり遊べば良いのです。
ワイヤー自体(今現在の行動範囲)は、遊びの時に使えますので、ワイヤーの留め具はそのまま残しましょう。
続いて犬との接し方しつけ方です。
先代の茶柴ちゃんが特別良い子でしたので、しつけ自体にはあまりご苦労されなかったかもしれませんが、本来は犬は知能が低くて権勢本能が強い動物ですので、大変なのです。
さらに黒柴君自体も、まだ成長期の途中です。
大変というのは、アレコレしなければいけないという意味ではなく、毅然さと主導性を保つのが精神的に大変なのです。
特に今回は、先代の良い子だった茶柴ちゃんが亡くなってしまった後ですので、余計に思い入れが強かったはずです。そういう心理もすべて影響しています。
そんな背景もあって、主従関係がしっかり作れないと、黒柴君も権勢本能が強くなりますし、吠えや引っ張りを止めるように教えても犬が聞きたいと思えない関係なのです。
散歩の時に吠えるかどうか記載がありませんでしたが、散歩中に人や犬に吠えるようでしたら、「シ!」などの注意音と同時に、リードや首輪をガツンと引き上げて教えてください。
いきなり対面させないで、遠目から優しいレベルから慣れさせていくことです。
注意と指示音が関連付けされてくると、家での吠えの時も有効です。そしてその教えが続けば、吠え自体も消えていきます。(もちろん主従関係があってのお話です)
それと、運動不足も少しあります。朝は忙しいと思いますので、もっと夜の運動を増やしましょう。散歩+遊びで1時間くらい欲しいところです。雨の日ならば車庫でコング遊びです。
引っ張りも、まずは家の敷地内から練習を初めてください。外はどうしても興奮の要素が激しいです。まずは比較的冷静になれる家の敷地内で、しっかり練習してください。そして、そのままの流れで外に出かけると良いです。
しばらくは散歩に出かける前に、家の敷地内でリーダーウォークをしてから外の散歩に出ましょう。
そうすると、すでに心地よい疲れがあるので大人しくなりますし、主従関係の意識が残っているので、何もしないで急に出かけるよりも良いです。もっと良いのは、主導型コング遊び→リーダーウォーク→外の散歩という流れです。
トイレですが、決まった位置にさせたいのであれば、メッシュカバー付の大きめでガッシリしたトイレトレーがあった方が良いです。足を上げてオシッコするようでしたら、壁付トイレも売っています。
外飼いの難しい面がトイレのしつけにも出ます。排泄の瞬間で褒めないと犬にはまったく理解できませんので、かなり時間はかかります。
場所を失敗した場合は、現行犯で見つけたとしても絶対に叱ってはいけません。犬はただ排泄しただけですので、叱られても意味が理解できず、余計に隠れてアチコチするようになってしまいます。
まずは、遊びやリーダーウォークで少し興奮を与えて、いったんケージ内に戻して、チチチチなどの音を出してトイレを指差しして促してください。もちろんそこですれば指示音ジェスチャーでさらに褒めますし、しなければまた出して少し遊んでまた入れて・・・で、排泄するまで粘り強く繰り返しましょう。
しかし難しいのは、もともとオシッコの場面を見つけて音出しして関連付けできる機会が少ない環境ですので、とても難しいのはご覚悟ください。
音の関連付けができるまでは、とにかくオシッコの場面にたくさん遭遇するようにして、遊び場でも散歩中でも、とにかくどこでしても叱らないで音出しすることです。
音の関連付けと、言うことを聞きたくなる主従関係が出来てくると、指示音ジェスチャーで排泄してくれるようになります。
とにかく排泄時の音の関連付けと、主従関係作りです。
さて、その主従関係作りに影響することですが、先ほどもお話した精神的背景・意識改革が重要です。必ずご家族皆さんで、本書とQ&Aサイトを熟読されてください。
>引っ張りこなどをしました・・
↑これは止めましょう。対面しての力比べになりますので、対抗心が出るのと、人間の動きに過敏に反応する癖が付き、噛み癖・引っ張り癖・興奮癖がつきやすくなります。
>ご褒美にオヤツを与えました・・
↑オヤツは止めましょう。栄養のバランスも崩れますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなる犬が多いです。
そして一番怖いのが、食べ物で釣って行動させることで本当の関係作りがどこまで出来ているか見えなくなってしまうからです。
>声かけなどは、出勤前や帰宅時に声掛けや抱っこやジャレアイながらのスキンシップ・・
↑出勤前や帰宅時は、何事もなかったように目も合せないで、自然に消えたり現れてください。
そこでかまうということは、長い留守番時とのギャップが大きくなるということです。この大きなギャップがストレスなんです。犬も人間もそうですが、良い事も悪い事も大きなギャップがストレスになります。
特に日中の留守番がかなり長いですので、余計にそうなります。家族としても「留守番が長くて犬にさみしい思いをさせているから」と、家にいる時にチヤホヤしたくなるのです。
そして、「人の姿=かまってもらえる」という感覚も定着しますので、人を見るたびに興奮のスイッチが入ったり要求吠えするようになります。
遊びやスキンシップは、時間を作って主導の元で、たっぷりすれば良いのです。
それと、「猫なで声でナデナデ」というのは、下位の犬が見せる「すり寄ってナメナメ」の従属的な挨拶と同じ事をしてしまっています。
オテでもスワレでも何でも良いので、何か犬に指示を出して行動させて褒める・・・指示で出来なければ型を作ってあげて褒めて教える・・・
そういうスキンシップにされてください。褒める時も、リーダーらしく静かに堂々と、ポンポンポンで褒めてください。
大げさや甲高い声は、犬の興奮をあおったり従属的に映ってしまいます。
さて、今回お話した内容はすでにQ&Aサイトでカバーしている内容です。必ず皆さんで熟読していただいて、知識と意識を深めていただきたいと思います・・・