犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬や他人に吠える犬のしつけ

質問内容堀川さま初めまして。先日しつけのマニュアルを購入させて頂きました〇〇と申します。

犬のしつけとは何てシンプルでわかりやすいのだろうと痛感しました。色々調べすぎて、(ネットの情報に踊らされて)頭でっかちになってしまっていました。根気強く、犬のことを信じてしつけに頑張って行こうと心に誓いました。ありがとうございます。

皆さんのQ&Aを拝見し、『あぁ 自分の犬だけじゃないんだこんな悩み!』と共感できることだらけで、勇気が持てました。これからも、隅から隅までQ&Aを読ませて頂こうと思います。

さて、我が家の犬の悩みも御相談に乗っていただけたら幸いです。よろしくお願い致します。

☆問題の内容:他人、犬に吠えること
☆チワワ:生後三ヶ月で迎え、只今生後11ヶ月になったばかりです。オス(生後半年の頃に去勢)。

☆同居:
●主人30代 平日は朝少し挨拶する程度  土日は自宅にいる時は膝にのせてナデナデしたり、散歩したり。
●私30代 自宅で仕事しているため、ほとんどの時間を一緒 マニュアルを読んでから現在まで、およそ二週間はリーダーとして頑張って接しています。ヒザに乗せたり抱っこはしません。
●娘5歳(しっかりしているほうです) 幼稚園の時間以外は一緒。でも結構ドライに接していて、私の真似をし、むやみになでたりヒザに抱いたりはしなくなりました。

過去の接し方
①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?

近く通るたびにカワイイネーと触り、抱っこやナデナデたくさんしてました。家族皆。

②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

吠える時は天罰方式や音をたてる、大きな声で怒る、首根っこを掴んで怒るなど色々試してみましたが、大きな声や体罰のようなものにはその後すごい反抗するようになり、逆効果でした。今は一切やめました。

③過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?

オヤツは人間のランチの時間に一緒にササミチップス1枚など、少しあげてます しつけでのオヤツはトイレトレーニングで使っています(今は回数減らして、オヤツなしでも失敗しなくなりました)  

④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?

一日一回か行ける時は二回。各20分程度。ひっぱられるまま、好きなペースにさせてました。チワワの体の割に、すごい力でグイグイ引っ張られてたので、相当な力だったと思います(10日程前から、リーダーウォークを始め、すごい効果が出てきました。リードがたるんでいる時間が少しづつ長くなってきてます。)

⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

朝7時朝ご飯
8時くらいに散歩
その後はフリー
昼寝など自由にしてる
14時から16時くらい留守番(ケージで)
17時くらい夕飯(二回目散歩行くときはこのへん)フリー
19時半就寝(朝まで静かにお利口してます)

⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、環境など(写真メール添付)

 

返答内容

今回のチワワ君の素性は良い子ですね。11か月まで大きな問題なくきましたし、飼い主さん家族に威嚇や要求もしないようですので、素性がすごく良い子です。

良い出会いに感謝して、しっかり犬のしつけを頑張っていきましょう。

もともと犬という動物は、番犬としての能力を人間が強化して作ってきた動物です。

知らない人や動物に吠えるのは、犬としてのごく自然な反応ですので、その特性は理解してあげて、すぐに結果は求めないでください。理解したうえで、〇〇家で暮らすためのルールや社会性を根気良く教えていきましょう。


さて今回は、まずお散歩の時間や回数を調整しましょう。

短時間で複数回・・ということは、「強い緊張が数多くあって・慣れる時間が少ない」という言い方もできます。

犬は散歩の始めに強い興奮を受けます。でも時間をじっくりかけることで慣れていくことができます。

つまり、回数を少なくして、1回の時間を長くすることです。もう子犬の月齢ではありませんので、私なら1回で1時間にします。

そうすれば興奮が強い回数が一回で済みますし、長時間ノンビリ外で過ごすことで慣れていくことができます。

また、後半から心地良い疲れが出てきますので、あり余ったエネルギーで吠えることも少なくなっていきます。

そこで教えて自信を付けさせることもできるからです。

そして、長時間の有酸素運動はとても健康に良いです。血行と免疫力を高めてくれます。もちろん、人間にとっても同じです。


いきなり犬や人に対面させないで、最初は少し距離を置いて観察させましょう。

もし前方から人や犬が来たら、いったん脇道にそれて通り過ぎるのを待ちましょう。

離れた距離でも吠えるようなら、「シ!」の注意音で口閉じするか、「シ!」の注意音でリードをチョンと引き上げて、「吠えていない型」を作ってあげます。

そして、「シ!」「・・〇〇良い子」で静かに堂々とポンポンして褒めてください。

今のチワワ君が何とかガマンできる距離感を探ってください。その距離でガマンできるようになったら、もう少し距離を詰めてまた慣れさせ、吠えたら同じ教えをします。

人や犬が通りすぎたら、あえてそれを追いかけてください。距離を保ちながら慣れさせていくことができます。途中で吠えたら、また同じ教えをします。

そんな繰り返しで慣れさせていきましょう。

もし、あまりにも吠えや興奮がひどいようでしたら、外では無理しないで最初は家の中で練習すると良いです。ユーチューブで犬や人が登場する動画はたくさんありますから、パソコンを犬に見せれば良いのです。

そんなところから慣れさせても良いです。

また、玄関チャイムに反応する場合でも、誰か家族に鳴らしてもらって、先ほどの口閉じやリードのチョン引きで教えていきます。

犬のしつけは何でもそうですが、「何をどうすれば良いのか」をシンプルに体現させて教えるだけなんです。犬は何をどうすれば良いのか分かっていない・・身に染みついていない・・だけなんです。慣れていないだけなんです。

だから、何をどうすれば良いのかをシンプルに何度も何度も体現で教え、慣れさせてあげてください。


ただし!

それには大前提があります。犬が教えを聞きたいと思える関係でなければ、どんな犬のしつけ法を表面的に行っても無意味なんです。

普段チヤホヤの接し方で犬が主従関係を誤解しているのに、そこに何か教えても犬は聞きたいと思えないですし、褒められても嬉しくもなんともないのです。

犬のしつけは全てつながっているのです。

意味なくジロジロ見つめて、猫なで声でナデナデ、抱っこにオヤツ・・

そういう日々の繰り返しで、犬は感じていきます。

もちろん、スキンシップは必要です。問題はそのやり方なわけです。ちょっとした接触も、オテやスワレなど何か指示を出して出来たら褒める・・出来なかったら型で教えて褒める・・遊びも主導型のコング遊び・・散歩もリーダーウォーク・・家でもリーダーウォーク・・

いつでもどこでも、主導性と毅然さを一貫して示すから、犬は認めるようになっていくのです。それまでは根競べです。

そして、旦那さんと接し方のギャップがあるようですが、犬は混乱してパニックになるだけです。必ず皆さんで一貫統一してください。

犬と「接するな」ではなく、接し方の問題です。

お嬢さんの年頃はちょうど良いんです。大人のマネを素直に実践しますし、子供は自己中心的なので、犬にはそれがかえって毅然さに見えるんです。

主導型の遊びを一緒にしましょう。犬の制御は大人がしてあげて、コングを転がす役をお嬢さんにさせてください。お嬢さんが遊びを仕切っているような演出を犬に見せることです。


体罰・天罰方式・怒声で怒ることは絶対にお止めください。

犬は、それらと自分のした行為を結び付けて反省する知能はありません。興奮癖や防衛本能が過敏になっていくだけです。ストレスの上塗りで抑えつけても逆効果になります。

オヤツも止めましょう。栄養バランスが崩れますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなる犬が多いです。

そして怖いことは、食べ物で釣って行動させてしまうことで、犬との本当の関係が見えなくなっていくことです。要注意です。安易な方法に逃げても、いずれツケは回ってきます。

では、今回はお話した内容でしばらく続けてみてください。大前提は犬との関係だということを飛ばさないようにご注意ください。それを飛ばしては、犬のしつけは絶対に成功しません・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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