犬のしつけがQ&Aで分かる!

無駄吠えと家族を威嚇する犬のしつけ

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犬の無駄吠えと家族への威嚇が問題となっております。私達家族の犬のしつけや接し方がどうだったか、今後どうするべきかご教示いただけるとありがたいです。

・犬種ミニチュアダックスフンド  ・年齢4才  ・性別オス
・家族全員の年齢、性別、一日の愛犬との同居時間
妻44才(6H) 息子19才(4H) 娘16才(4H)

・過去の接し方と、一日の流れ ※これは必ずお知らせください
①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?

朝起きた時、帰宅時にはもちろん、テレビを見ながらの抱っこ。(妻・娘)
など、人間の気ままでスキンシップ

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
特になし

③どういうタイミングで、どういう「しつけ」をされてきましたか?
2年前にしつけ教室に行き、お座り、お手、お変わりは出来るようになりましたが、無駄吠え、物を取り上げる際に牙をむいて唸る、を何とか克服したく、今回購入しました。

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
過保護にしております。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
週に1回、2回 30分程度で、散歩の際はリードを引っ張らず、飼い主に従順でした

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
7時起床
7時30分 ご飯
8時 家族全員 出勤など
18時 帰宅
20時 ご飯
22時 ゲージでねる

・愛犬のハウス周りの構成、環境など
ハウスにクッションと冬場は電気カーペット、毛布をしいており、就寝の際はクッションと毛布に潜り込んで寝ています。トイレは、おしっこはシートでしますが、うんちはテーブルの下で、シートにはしません。


m2.pngまず、ダックス君の素性がとても良いです。本来なら犬はしつけをしないと、成犬移行期の生後6ヶ月から1歳までに、明らかな問題行動が出始め、噛みつきや要求吠えが酷くてとても手がつけられなくなりますが、4年も大きな問題がなく暮らし、今も激しい噛み付きなどないわけですから、ダックス君の素性はとっても良い犬です。

この出会いに感謝して、しっかりダックス君をしつけていきましょう。それがダックス君の幸せです。

現状は明らかに主従関係が逆転しています。でもダックス君が良い犬なので、唸ったり無駄吠え程度で済んでいます。

まず抱っこは止めましょう。犬は自分の頭や足を、相手の体の上に乗せることで、自分の優位性を示し、またそれを相手が受け入れることで上下関係を認識します。

家族団らんでは、犬を人間の足元に寄せる感じで寄り添う・・そこまでにしてください。抱っこ・ナデナデ・オヤツ・意味のない声かけ・・・これらは犬のしつけではマイナスです。犬の本能の視点からは従属的に見えるだけなのです。

かといって、接しない・・ということでは、犬は何も学べませんしスキンシップがなければ犬を飼う楽しみや喜びもなくなってしまいます。大いに接して良いのですが、接し方の問題になります。接し方の中に、必ず「犬のしつけの要素」を加えることです。

「犬に指示を出す→犬が従う→犬を褒める」

どんな場面でも、犬との接点はこれをルールに決めると良いです。お手とお座りを覚えたということなので、犬とのチョットした接触もそれを最初に使えば良いです。意味なく声かけしたり、意味なくナデナデしないことです。褒めるときもナデナデは、犬の世界では従属的な挨拶(下位が上位を舐める行為に類似)なので、ナデナデではなく、頭か体を軽くポンポンポンとたたいて、堂々と落ち着いた声で「○○良い子!」と褒めます。それ以上大げさに褒めたり、高揚してかん高い声かけをしてはいけません。

それと意味なくかまう時間があったならば、ヒモ付ボール遊びや散歩をしましょう。まず出来る限り、毎日外の散歩をしてください。運動面もありますが、真の目的は他人や世界を見る社会化です。リーダーウォークが犬のしつけにもなりますし、また心地良い刺激がストレス発散にもなります。

そして犬は元々捕食動物ですし、ダックスは狭い穴に住む動物の狩猟犬として創出されました。本能のはけ口を作ってあげましょう。それには本書のヒモ付ボール遊びがオススメです。自由運動、ストレス発散、本能のはけ口、主従関係の構築・・良い要素がたくさん含まれています。

先ほどの「指示→従う→褒める」が必要ですので、投げる前に「お座り・待て」をさせ、出来たら褒めて投げる。これを基本にします。そしていずれはヒモ無しでも、合図でボールを持って来る・・そうなるように練習しましょう。

犬の行動はなんでもそうですが、動作をさせることそのものが重要ではないですし、それは単なる調教であって、関係作りではないのです。犬のしつけの本質は関係作りです。そして基盤は、普段の何気ない態度なのです。それをおろそかにして、リーダーウォークなどの手法のみを上塗りしても意味がないことをご理解ください。

犬の無駄吠えですが、家族に対してでしょうか? 来客に対してでしょうか?

まず共通する教え方としては、体現です。悪い型を止めさせ良い型をとらせ褒める・・シンプルに体現させてしつけないと、犬は何が悪くて何が良いのか分かりません。吠えたら、「ダメ」とハッキリ伝え同時に犬の口を軽く手で閉じます。当然吠えは止まりますので、そこで褒めます。開放するとまた吠えますので、再度「ダメ」とハッキリ伝え同時に・・・ひたすらこの繰り返しです。

そして来客に吠える場合は、社会化の不足もあります。先ほどの犬の散歩で多くの人を見せる・会わせる。そして例えば配達などのちょっとした来客時にも、避けるのではなく積極的に会わせます。来客があったらリードをつけて会わせましょう。そしてそこで吠えたら先ほどの型と音で教えます。

次に家族に吠える場合は、単なる要求ですので、ケージ内で吠える時は無視。目の前で吠える時は、先ほどの型と音の体現で教えましょう。またあお向けで叱っても良いですし、リードをつけている場面ならそのままリーダーウォークに移行してください。犬が唸ったときも同様にしてください。あお向けが怖ければ、リーダーウォーク中心にすると良いです。リードを付け、ワザと犬に物を渡し取り上げ唸ったら即リーダーウォーク・・これを繰り返してください。

もちろん先ほどお話したように、根本は普段の態度ですのでご家族全員で見直していきましょう。

ただし、4年間そういう接し方をしてきましたので、急に変えられないですから徐々に意識を高めていきましょう。毎日意識して家族で言い合うことで、少しずつ変わっていきます。

それからダックス君も、急に犬のしつけが強化されれば反発もします。今までの自分の優位性が失われていくのですから、当然抵抗してきます。でもそれに根負けしたら犬のしつけは進みません。それが犬の幸せなんだと理解し、心に植えつけないといけません。

では、頑張ってあせらずジックリ取り組んでください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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