犬のしつけがQ&Aで分かる!

家族の気配がなくなるとギャンギャン鳴く犬のしつけ

質問内容
はじめてまして。犬を飼い始めてから悩むことが多かった時にインターネットで堀川さんのホームページを見つけ読んでるうちに何か意識が変わり、そのまま本を購入させていただきました。現在も悩んでいることがあり、メールさせていただきました。

早速で恐縮ですが、現在の我が家の状況です。私と妻の二人暮らしと犬(一匹)です。犬は、ミニチュアダックスフンド♀で、我が家に来てから一ヵ月経ちました。平日は仕事があるため犬とは5時間程度接しています。妻は専業主婦なので常に一緒です。

【今までの状況】

スキンシップ・・・我が家に来て間もないため、触ったりや抱っこはあまりしていませんでした。

遊び・・・ゴムボールやロープなどをゲージの中に入れてあり、たまにサークルから出して遊んでいました。

犬のしつけ、ほめ方、叱り方・・・ほとんど怒ることはしませんでした。まだ幼いのでしつけはこれからと思ってました。

オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声掛け・・・まだオヤツは与えていません。抱っこやナデナデはたまにしていました。

散歩・・・先日2回目のワクチンが終わったばかりのため、散歩は一度も行ってません。

一日の流れ・・・7時に朝ご飯を与え、その後8時間起きに一日3回与えています。遊びなどは決まった時間ではなく、暇な時にです。

【環境】
サークルの中にクエートをいれて、そこで寝かせています。トイレは、同じサークル内にあります。(仕切り付き)

今はまず主従関係をしっかり認識させるため試行錯誤でやっています。すんなり行かないことばかりで悩みながらですが、ギャン鳴き(ギャンギャン鳴く)の対応方法について教えていただければと思います。

自分(犬)の視界に私か妻の姿があると全くと言っていいほど吠えることはなくとてもいい子なのですが、姿が見えなくなるとギャン鳴きが始まります。妻がトイレに行ってもいなくなるとギャン鳴きをします。戻ってくると落ち着いて大人しくしています。

トイレでそんな感じなので、2,3時間の外出ともなると帰宅した時はオシッコやウンチを居住区(トイレ区とは別でクレートを置いているスペース)でし、食糞までしています。

普段のトイレのしつけはほぼ出来ているのですが、一人で留守番をさせられると、もうやりたい放題です。食糞は普段でもしようとするので気付いた時はすぐ片づけるようにしています。

夜も午前5時くらいからギャン鳴きが始まります。リビングに犬を置き、私たちは寝室で寝ているのですが、ギャン鳴きが始まってしまうと結局、リビングに布団を敷いて寝ています。

そうしないとずっとギャン鳴きが続き、マンションなのでこの時間にこの声はまずいと思い、こっちが折れてしまいます。姿が見えなくとも気配を感じ取れれば納得するのか、ギャン鳴きは止まります。

このギャン鳴きを収めるためにはどのようなしつけ方法が有効なのでしょうか? 今は仰向け固めやおすわりなどまずは主従関係を築くように基本的なことを続けていますが、ギャン鳴きはどのようにすればよいのでしょうか?

かなりの長文となってしまい、申し訳ございません。よりアドバイスが頂けますと非常に助かります。


返答内容今回は、奥様の行動・接し方が重要なカギになります。専業主婦で終日家にいらっしゃいますので、犬にはそれが当たり前の環境になっているのと、そこにチヤホヤの接し方が重なるとこうなります。

おそらく、家に来てから最初の数日の接し方が少し甘かった可能性があります。ただし、これは犬の幼少期にありがちな自然なことでもありますので、それは理解してあげてください。(不安吠えと要求吠えが混じっている)。

では、これからしていただくことです。

まずは、特に奥様の意識改革です。お子様がいらっしゃらないご夫婦ですので、わが子同然に可愛くて仕方ないはずです。もちろんお気持ちは分かりますし、その愛情がない方は犬を飼う資格はないわけですが、犬にとってはそういった人間側の気持ちはまったく理解ができません。

相手の従属性を感じ取り、自分の優位性を高めていくだけです。そうなると、気に入らない時は吠える噛む・・言う事聞かない・・という問題が強くなっていきます。

犬の群れでも、リーダーのカップルの子犬は、生まれながらにして他の成犬からチヤホヤされて育ちます。それを通じて自分の優位性を高めリーダーとしての意識を持って行くのです。

ですので、人間家庭の群れに入った犬に、そういう勘違いをさせてはいけないのです。

基本は、見ない・声掛けしない・触らない・・・です。そして飼い主さんの判断(犬の要求に応じてではなく)でメリハリを付けてケージから出し、「主導して」遊び・運動・散歩をすればいいのです。

24時間・365日それを意識し続け、犬に示し続けるから主従関係が保てます。犬が認めるようになっていきます。

犬のしつけは、手法の上塗りでは絶対に成功しません。まずはご自分の中にその意識が自然に出せるようになるまで毎日続けることです。不思議なもので、意識というのは、知識から変わっていけます。

毎日意識して過ごしていると、「この方が良い」と気付きますし、いつの間にか自然にできていて態度やしぐさに無意識に現れるようになるのです。反対で言えば、今は甘さが無意識に出ている・・という段階です。

ただ、お話したように今のダックスちゃんの月齢は幼すぎて理解力もないですし、群れの温もりも必要な時期ですので、すぐ結果を求めないで毅然と淡々と続けることしかできないのです。

まずそういう意識の努力が大前提です。

では、次に具体的な方法です。「姿が見えなくとも気配を感じ取れれば・・」をいかに上手く利用するかになります。まずは、普段奥様が、ダックスちゃんに姿を見せる時間を少しずつ減らしていくことです。また、姿を見せても目を合せない・声掛けしない・触らない練習です。

部屋を一瞬出てすぐ戻る・・また出てすぐ戻る・・を繰り返しながら、少しずつ別の部屋に行っている時間を長くしていくことです。

ダックスちゃんがそれに慣れてきたら、今度はマンションの玄関を一瞬出てまたすぐに戻る・・また出てすぐに戻る・・を繰り返しながら、少しずつ外に出る時間を長くしていくことです。

犬のしつけは何でもそうですが、急にゼロから100にはできません。少しずつ優しいレベルから慣らし、徐々に難易度を上げていくと良いです。

出てもまたすぐに戻ってくる・・を繰り返していくと、ダックスちゃんは「どうせまたすぐ戻ってくる・・」ということを学習しますので、段々気にしなくなっていきます。

まずはそれを毎日少しずつで良いので続けることと、長時間出かける場合は、隣の部屋にテレビやラジオをつけて(音が聞こえるように)おいて、知らんぷりしてそっと出かけることです。それも、最初は数回玄関から静かに出たり入ったりしてみてください。

ですので、普段家に居る時も隣りの部屋でテレビやラジオの音を出しておいて、「テレビの音=誰か家に居る」という構図を植え付けておくと良いです。

いつも、「隣の部屋から音がする時は家族が居る・・」ということを学習しているわけですので、音がするだけで安心するようになっていきます。

そして、これから成長していく中で独立心も出ていきますので、それに合わせて、段々音を小さくしていき、最後はテレビもラジオをつけなくても平気で留守番できるようになります。

とにかく結果をすぐ求めないで、主従関係を積み上げていく努力と、少しずつ環境を変化させ慣れさせていくことです・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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