犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで吠える場合どうすればいいか

質問内容
犬のしつけで吠えることに困っています。ダックスフンドの雄、生後7か月半です。

家族構成は主人44歳、長女15歳、次女13歳、長男6歳、私44歳の5人家族です。

夏はほとんど家の中で飼っていましたが、外につなぐことが多くなりました。夜はあまりにも吠えるので、玄関にケージにいれています。

悩みは早朝から吠える事です。4時とか5時から吠えるので家中に響き、寝ていられません。子供たちは熟睡ですが・・私はクウンと鳴いたと同時にあるいは鳴く前まえから目が覚めて、ドキドキの毎日です。

あまりに吠えるので、外につれていき散歩にでかけています。吠える⇒えさ⇒散歩⇒外につなぐ⇒日中外⇒夕方玄関への繰り返し、日中は誰も家にいないので、外でお留守番です。ケージごと外にだし、ゲージには出入りは自由にしています。

外ではまず、朝の登校で小学生に吠えまくり、近所の人が通るたびに吠え、車が少しでも進入してきたら、またまた吠え。散歩はえさを手にもち時々、名前を呼んでお座りしたら与える。

先日講習にいった教室で先生がそう教えてくれました。アイコンタクトだそうです。

バイクや人にも犬にも吠えます。散歩もおっくうになりました。

①スキンシップは私はあまりしていませんでした。次女が飼うと言い出したので、私は手をださない約束でしたので・・ところがお世話するのも飽きてきたというか、疲れや宿題などを理由にあまりしなくなり、早朝にないたりするもので、とうとう困った私がやらなければ・・と思っているところです。

娘は帰宅時も学校に行くときも、車で出かけるときもほとんど声をかけているようでした。

②遊びはまたまた娘で、おもちゃを与えたりしていました。気が向いたときに・・

③なにしろ初めて犬を飼うので、しつけはよくわからず、でしたが、いつのまにかお座りは教えていて、他の家族がお座りといってもやってくれます。

④おやつ、抱っこ、ナデナデはそれこそ、かわいいさかりのときから、お散歩はまだだめ(予防接種がおわってないとき)といっても、抱っこして外に連れ出していました。おやつもそんなに与えなくていいといっても、かわいいからか自分で買ってはあたえていました。

⑤散歩は娘は夕方、ときどき行っています。私は夕方は忙しいので、早朝吠えることもあり、30~40分くらい、立ち止まってみたり、犬の行きたがる方向の反対にいってみたり、試していますが、ほとんど言うことをききません。

⑥子犬は5月の連休あけにやってきました。私はほとんどさわることなく、朝早く起床しても、しらんふり、一日中しらんふりで過ごしてました。お世話は子供の係りだったので。そのころは朝私を見ても犬も知らん顔でした。最近はお散歩に連れ出すので、お座りさせてはよしよししています。

出勤時や帰宅時は無視して家に入りますので、犬は私を見ても吠えません。しかし、朝は散歩なのか、エサなのか、吠え立てます。これも吠えたことに反応して、エサを与えたり、外に連れ出したりしたからでしょうか?

⑦最後に家の中では飼わない約束で飼ったので・・主人との約束で。家の中が臭いと怒られるもので・・・主人にもビクビクしている私です。

外で飼わないと無理なのです。こんな感じで、明日の朝も不安でたまりません。よいアドバイスをお願いします。


返答内容再メールをお願いして、お手数をおかけいたしました。詳細にお話いただきまして、ありがとうございました。背景が良く分かりました。

まず、このメールは必ずご主人にも見せてください。そして、お気を悪くなさらないでいただきたいのですが、やはり犬のしつけと、それのご家族への展開、子供さんへの指導は、ご主人が主人として実施していただきたいのです。

犬のしつけを甘く見てはいけません。本来は子供に全てできることではないのです。相手は雑食性の猛獣です。今回は、運よくダックス君の素性が良い子だったので、これで済んでいますが、素性の悪い犬でダックスのオスくらいであれば、本気で怒ったら人間の子供の指など簡単に食いちぎってしまう能力があります。

実際に犬のしつけに失敗し、噛まれ裂傷し病院で何針も縫うような方も少なからずいらっしゃいます。そして、凶暴化した犬は唸り威嚇し、近づくことすらできない・・やむなく保健所へ・・殺処分。という事例があとを絶たないのです。

ご主人は、「犬は臭いから外で飼え」と言われるくらいですから、あまり犬のしつけにも関心がなかったでしょうか。「外飼いなら臭くないからあとは任せた」というスタンスでしたでしょうか。

しかし現実は甘くありません。お話したように、犬は猛獣です。オオカミから進化して性格も変わったわけではないのです。見た目が変わった程度にすぎないのです。

犬はもともと番犬と非常食代わりの家畜でした。何万年も人間とそうやって暮らしてきましたし、今も番犬目的で飼う人も多いです。それがここ数十年で吠えなくなるわけがありません。

今はちょうど犬も反抗期です。歯の生え変わりはもう終わったと思いますが、まだ成長期ですのでホルモンバランスの変化でイライラもありますし、成犬本来の権勢本能が強く出てくる時期です。これからまだ強くなります。

そして、今までの接し方の間違いが、この成長期の後半になって結果として表れてきた・・ということです。

ご主人を中心として、ご家族全員が一貫した接し方で犬をしつけ、環境も整えないといけません。

まず、物理的な環境です。どうしても外飼い・・ということならそれで結構ですので、一貫しましょう。位置を変えてはいけません。犬のテリトリーが広くなり、守るべき範囲が大きいですし、決まった落ち着ける場所がないと当然ストレスになります。

ダックスはドイツで作出された犬ですので、寒さにも強いですから外飼いもできますが、冬は寝床に毛布を入れたり冷たい風が直接当たらないように壁など設置しないといけません。また、夏は壁を取って風通しを良くし、大きな屋根で広い範囲で日影を作ってあげて、絶対にハウス周辺に直射日光が当たらないようにしてください。

とにかくアチコチ移動しないで、落ち着ける場所で固定してください。また、鎖で直接つなぐのはいけません。犬からしたら、「敵は自分に近づける・でも自分は逃げられない」という状況を分かっていますので、非常に神経質になります。

ケージ(柵)があって、その中に四方天井が壁になったハウスとトイレと水ボトル、という4点セットです。特にダックスは、もともと穴グマやキツネの狩り用に作出された犬ですので、暗くて狭い穴倉が好きです。

続いて、一番大切な接し方です。

二番目のお姉ちゃんも、そろそろ高校受験なんかの準備もあるでしょうし、部活も忙しんじゃないでしょうか。そもそも子供さんには、犬のしつけはやっぱり無理なのです。経験のある大人ですら根気がいるのに、集中力も知識も意識もない子供には無理です。よほど素性の良い犬でないと、必ず問題が出てきます。

子供さん達に指導するためにも、まずご両親が学んで監督しなければいけません。犬は知能が低く、本能でシンプルに反応する動物です。意味なくジロジロ見つめ声掛けナデナデ抱っこにオヤツ・・これらは、犬の本能の視点からは「従属的」に映るのです。

成犬に近づいてきて、段々その本能が表面化してきた時に、今までの接し方の良し悪しが結果として分かります。

知能が高くなってくる時期ですので、オヤツは好き嫌いを覚えドライフードを食べなくなります。そして、オヤツで釣って行動させると、「犬との関係が出来ているんじゃないか」と錯覚してしまいます。これが最も怖いことなのです。

まず普段の何気ない接し方全体を見直しましょう。接することが悪いのではありません。いつでもどこでも「主導」で接してほしいのです。

難しく考えなくて良いです。例えば、ちょっと触りたい声をかけたい、と思われたら意味なく声掛けナデナデではなく、オテでもスワレでも何でも良いので何か犬に指示を出し、出来たら褒める、出来なければ型で教えて褒める。

遊びも、オモチャを投げて終わり・・ではなく、必ず投げる前にスワレ・マテの指示、できたら褒めて投げる・・できなければ型で教える・・投げたら回収しながらコイ・ダセの練習。という、いつでもどこでも「主導」を一貫してください。

ゴハンも遊びも散歩も何でも、犬の要求に応じてはいけません。必ず飼い主さんが主導することです。

以上が関係作りのアドバイスになりますが、並行して直接の教えもしていきましょう。

今回、少し難しいのが「外飼いの欠点」です。犬の外飼いには、「ベタベタしないので関係が大きく崩れない」というメリットもあるのですが、デメリットは犬と家族が離れているので「犬が悪い事をした時に現行犯で教えられない」ということです。

犬は数秒前のことを、「さっき吠えたでしょ!ダメ!」と叱られても理解できないのです。タイミングは現行犯でその瞬間です。

しかし、外飼いと決められたのならやるしかありません。いつでも、すぐに犬の所に行って教える準備をしないといけません。

また、時間をとって、わざと犬が吠えたくなるような状況を作って教えます。例えば、子供さんと犬の目の前でヒソヒソ話をしたり遊んだりして見せ、犬を無視しつつ楽しそうにしてみるのです。

すると、犬は自分も参加したいし興奮するので大抵吠えます。吠えたら「ダメ!」と厳しく伝え、犬の口を手で軽く閉じます。これで良い型になったので、口閉じしながら「シ~!」の音を関連付けてポンポン褒めてください。

褒め方は、大げさや猫なで声でナデナデはNGです。毅然と犬の肩をポンポンポンで褒めます。

褒めたら口をすぐ解放します。そしてまたヒソヒソ話をしましょう。吠えたら同じ教えを繰り返します。しばらくヒソヒソ話をしても、犬が吠えなかったら、「シ~!」の音を言いながら犬に近づき褒めてください。

そうやりながら、ヒソヒソ話をしている時の犬との距離を少しずつ伸ばしていきましょう。

もちろん誰かが一人で家に居る時や、ふいに通行人に吠えたりした時は、家族みんなで協力して、一番犬の近くに居る人が教えに行きます。ただし注意点は、犬をなだめるようだったり優しすぎる教え方では、犬はかえって「吠えたらかまってもらえる」と誤解してしまいます。

次は犬の散歩ですが、最低30分以上できれば1時間は毎日してください。そして、他人や犬を避けないでむしろ良く会う場所を探していきましょう。

前方に犬や人が見えたら、飼い主さんはしゃがんであげてください。犬の首輪をガッチリつかんでスワレ・マテの型をしっかり取らせキープさせます。

そして、犬に「シ~!」の指示を出してください。犬は吠えると思いますので、吠えたら先ほどお話した口閉じの教えを繰り返します。しばらくは吠えますが、毎日何度も経験していくと、シ~の指示で、吠えなくなる時がきます。そこで再度シ~音を関連付けながらしっかり褒めてください。

他人や犬とすれ違って見送るまで続けます。また歩き出して、人や犬が見えたら同じことを繰り返します。そしていると、なかなか距離を歩けませんが、それで良いです。散歩と言っても、たくさん距離を歩く必要はありません。犬の散歩の本当の目的は社会化なのです。

そして、どんな教え方をしても叱っても褒めても、犬との普段の関係次第でその効果がまったく違ってくるのです。ですので、普段の何気ない接し方しぐさ態度が根本になるのです。

ダックス君は素性が良い子ですから、頑張って続ければちゃんと結果は出ます。しかし、今は一番犬のしつけが難しい月齢なのです。1歳過ぎるまでは気を抜けませんし、もちろん犬の生涯正しい接し方をしてあげないといけません。

まずは、環境作り・普段の何気ない接し方の見直し・主導型の遊びの中にリーダーウォークと仰向けを徐々に混ぜ込んで教えていく・直接の教え。

これを淡々とやり続けます。もしすぐに結果が出なくても、あせらず感情的にならず淡々と続けることです。

では、頑張ってください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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