犬のしつけがQ&Aで分かる!

引っ越ししてから犬がひどく吠える場合のしつけ

質問内容愛犬の吠えに悩まされ、しつけグッズを買うかかなり悩んでおりました。

痛いこと苦痛な事をさせて、止めさせる事に私自身かなり抵抗があったため(元は私の育てた結果まねいた事だから・・・)もう一度きちんと理解してあげたくて、ネットで何かいい方法はないかと検索していた時に、堀川さんの犬しつけサイトを見つけました。
 
本当にこの本に出会えた事、感謝しています。
 
我が家は愛犬(ミニチュアダックス:オス8歳)と夫・娘2歳と私です。今年6月に新居(戸建)に引越してきました。それまではペット可のコーポでした。
 
問題点
家族の外出時にひどく吠えます(旦那は出勤時毎朝です)。
インターホンが鳴る度にひどく吠えます。
来客時に吠え・・・来客者が帰る時にまた吠えます。
散歩中他の犬と吠えながらすれちがいます。
 
1.スキンシップは近づいてすり寄ってきた時なでています。

2.遊びとしてかまってやれる事がほとんどなく、たまにお気に入りの象のぬいぐるみを持って引っ張り合ったり、音の鳴るおもちゃをバスタオルの下に隠してやり、それを犬が掘って見つけて遊ぶ、というのをやっています。

3.犬のしつけといえるのか・・・待て、ダメ、おすわりは号令と合図で普段からしますが、出来る時と全く出来ない時があります。

4.おいで、いいこなど声をかけ抱っこなどしています。

5.散歩:朝は主人が出勤前に、夕方は娘と私とで行きます。日によってコースも時間バラバラですがトイレを兼ねてます。

6.日中は家の中で自由に好きなところでゴロゴロして過ごす。庭に出て子供が遊ぶそばにいることもあります。

普段の生活ではほとんど支障なく過ごしているように見えますが、常に私の動きが見える位置までついてきます・・・気にせずのんびりさせてやりたいです、もしそれができたら外出時の異常な吠えもなくなる気がするのですが・・・まずはハウスの改善から始めました。

元々、部屋とトイレに分ける為のしきりがあるケージにキャリーケースを入れ、本来トイレとして使うスペースにご飯と水をセットできる容器をおいていました。

ケージの中にトイレシーツを敷き、水はボトルタイプのものに変え、ご飯の皿は食後すぐ撤去し、キャリーケースはそのまま入れてみました。

コングに紐を付けて遊んだ後、ケージに入れたところ、私を探すこともなく中のキャリーで寝ていました。落ち着いて過ごせる場所になっていけるといいですが・・・ケージ内に敷いたトイレシーツでオシッコをしてくれるかが気になります。
 
少しづつでも改善していけるよう頑張っていこうと思います。


返答内容8歳になってご相談されたということは、引っ越しするまでは今ほど大きな問題だったわけではないと、お察しいたしました。

と言いますのは、犬にとって引っ越しは非常にストレスの大きい事だからです。(人間にも)。特に周囲の臭い、音の違いに犬は敏感で、長く過ごしたほど変化がストレスになります。

ただ、落ち着ける環境であれば、時間と共にちゃんと適応して慣れてまた落ち着きますので、あせらず見守ってください。(引っ越し後に吠え癖が発生する犬は多いです)。

そして、さらに飼い主さんの接し方や関係が、犬のしつけにマイナスになっている部分もありますので、ご指摘させていただきます。

まず、犬のしつけグッズは忘れてください。最初からまったく効果がない犬もいますし、犬は適応力があるので、最初は効いても段々慣れて効果が無くなっていきます。

また、もしそれで表面上整ったとしても、それは関係作りができたことではありません。オヤツで釣ったりすることもそうですが、本当の関係作りがどれだけできているのか見なくなってしまうのが一番怖いのです。

多少苦労はしても、時間をかけて関係作りをするから、犬を飼う本当の意味が生まれます。

では、散歩中の吠えのしつけからお話します。

まず他人や犬との接触を避けてはいけません。慣れることができず余計に怖がりになります。だからと言って、急に接触させたりドッグランで放す、などされないでください。

距離を置いて徐々に慣れさせることです。まず、散歩中に犬や人が前方から見えたら、飼い主さんは一緒にしゃがんであげて、犬の首輪をガッチリつかみ、スワレ・マテの型を指示を出しながら作ってあげてキープしてください。

キープしている間は、「マテ・良い子」と音の関連付けをしながら褒めます。褒め方は猫なで声でナデナデではなく、犬の肩をポンポンして褒めます。

そのまま相手がすれ違って離れていくまで続けるわけですが、吠えたら「ダメ!」と同時に犬の口を手で軽く閉じてください。そして叱って終わりにしないで、口閉じをしながら「シ~!」の音を関連付けして褒めて口を解放します。

解放すると、また吠えると思いますので再度「ダメ!」と同時に・・・ひたすらこの繰り返しです。

そうやって教える場面・慣れる機会を積極的に作ってあげてください。毎日30分以上は外で過ごしましょう。

そして、これは家の中でのチャイム吠えや来客吠えでも同じことをすればいいのです。ご主人と協力してチャイムを鳴らしてもらったり、来客時にもそうすれば良いです。また一人の時でも、配達などのちょっとした来客がきたら、犬にリードを付けて会わせれば良いです。配達屋さんならちょっとくらい吠えられても文句は言わないです。

そして最も重要なことは、同じ教え方・叱り方・褒め方をしても、犬との関係次第でその効果がまったく違ってくる・・ということです。

飼い主さんに褒められて嬉しい・・叱られて気まずい・・という関係を作ることが、犬のしつけの全ての基盤なのです。それも、リーダーウォークなど表面上のマネ事ではなく、リーダーとしての主導する意識をしっかり持って行うから、本当の効果が出ます。

では、犬のしつけの態度しぐさについてお話します。

まず、意味の無い声掛けナデナデ抱っこにオヤツ・・は止めましょう。

態度そのものも犬の本能には従属的に映りますし、また犬の本能にとっては行動にも意味があります。

まず抱っこですが、犬同士を観察すると上位の犬は下位の犬の体の上に自分の前足やアゴを乗せてきます。マウンティングもそうですが、体位が関係性を表しているんですね。

ですので、人間の上に犬が乗る抱っこを誤解する犬がいます。

同じ理由でナデナデなんですが、下位の犬は上位やリーダーにすり寄ってナメナメします。この舐められる行為と、人間になでられる行為も、勘違いする犬がいます。

外出時と帰宅時は、一切目も合わせず完全無視してください。かまう・・ということは、その前後の一人ぼっちとのギャップが激しい・・ということになります。人間もそうですが、良い事も悪い事もギャップがストレスになります。

普段はケージ内に居させてください。トイレと水を常備し、遊びや運動・団らんはメリハリを付けてやれば良いのです。

今回まずは、犬が新居や新しい街に慣れることは待ってあげてください。そしてご夫婦でまず意識改革です。普段の何気ない態度しぐさ接し方から、徐々に修正していきましょう。

そして、仰向け、室内でのリーダーウォーク、主導型ヒモ付ボール遊びを通して関係作りをしてください。外での社会化、直接の教えも並行してやります。

では、頑張って続けてください(^-^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針