犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで特定の条件の時だけ吠える場合

質問内容
こんばんは。犬の要求吠えについて相談させてください。

・愛犬の犬種:トイプードル4ヶ月。約1.3kg程度の小振りな仔犬のオス。飼い始めて約2ヶ月。月齢2ヶ月ちょっと(68日くらい)でブリーダーから購入。

私が犬好きで、実家でも犬を飼っていたため、今年に入ってペット可のマンションに引っ越し飼い始めた。

・ご家族全員の年代:私40代、夫30代の二人。

・一日の愛犬との同居時間:二人とも交代勤務のため日によってまちまち。犬だけで留守番する時間は最長で9時間程度。

・問題の内容:

リビングから家人がトイレと洗面所+浴室に行った時だけ、その方向を見てキャンキャン吠えます。

ケージに入れている時はケージに足をかけて、フリーにしている時は出入り口のゲートに足をかけて吠えています。

(フリーにしてもリビングから他の部屋や廊下へ行けないよう、全ての出入り口にゲートを置いています)

リビング隣の部屋(私の寝室)、同じくリビング隣の和室(夫の寝室)に行った時は吠えません。

電話、インターホン、救急車・消防車・パトカーのサイレン、他の犬の吠え声などに反応して吠えることもありません。

リビングから廊下に出てトイレや洗面所(洗面所の奥に浴室)に行くと、少ししてキュンキュン鼻を鳴らし、そのうちエスカレートしてキャンキャンと鳴き始めます。

が、トイレや洗面所から出た瞬間鳴き止み、尻尾を振りながらこちらを見ています。

叱ろうにも、いなくなった途端に鳴く訳ではないので、トイレで用足し中や入浴中に飛び出てノー!とも言えず(苦笑)

傍にいないので口を閉じさせてシー!もできず、そもそもこちらの姿が見えた途端に鳴き止むのでタイミングが掴めません。

ブリーダーに相談したところ「とにかく無視してください」と言われましたが、鳴き止むまでトイレや風呂から出ないという訳にもいかず(笑)

どちらか一人がリビングにいると、もう一人がトイレなどに行ってもほぼ鳴かないのですが、私がいなくなると夫がリビングにいてもたまに鳴くことがあるようです。

その時はノー!と言うと鳴き止むそうですが、一人の時はノーもシーもできずひたすらキャンキャンと・・。

ケージやクレート内で眠っていても、こちらがトイレなどに向かうと起きて鳴き始めます。

いずれ治まるのではと期待しながら1ヶ月以上が経過してしまい、いくらペット可のマンションといえど、夜中にトイレに立った時や早朝仕事に行く準備をしている時にいつまでもキャンキャン鳴かれると流石に近所迷惑ではと、こちらがストレスを感じてしまいます。

結局根負けして、静かにしている時にケージから出し、トイレ前や浴室前までついて来れるよう廊下のゲートを外したところ、

トイレや風呂の時は必ず後をついてきて、出てくるまでドアの前でじっと静かに座ったり伏せたりして待っていました。

(トイレのしつけはできているので、待っている間に自分がトイレに行きたくなった時はケージ内のトイレトレーに戻って排泄し、再びドアの前に戻って来ています)

もうそれでも良いかなぁとも思っていたのですが、アイコンタクトがあまりできないのと、最近コマンドに対してしぶしぶ従っているような風情が見え始めたり、呼んでも聞こえないふり(チラチラと横目でこちらを見るが命令には従わない)をしたりといったことがあり、これはいけないなと思いまして。

そんな折に堀川さんのしつけ法を拝読して、ケージ内で待たせるようにしたのですが、途端にキャンキャン鳴きが再開したため弱り果てている次第です。

リーダーウォークは、大体は左横~やや後ろをついてきますが、途中で座り込んだり伏せたり、しまいにはひっくり返って動こうとしないことがあります。

ずっとそっぽを向いて無視していると、大抵は諦めてついて来ますがひっくり返ったまま起きようとしない時は、どれだけコマンドを出しても起きないため、こちらが起こして座らせるか伏せさせてから再開します。

ちなみにこの子は攻撃的なところが一切なく、こちらに向かって唸ったり威嚇で吠えたりしたことは一度もありません。

甘噛みもほとんどなく、最初のころはじゃれている時に勢いあまって少しだけ強く噛んでしまうことがありましたが、叱るとすぐに止め、今では甘噛みも全くしなくなりました。

テーブル・椅子の脚やカーテンなども最初の内は噛んでいましたが、何度か叱ってからは一切噛まなくなり、フリーにしていても悪戯はしません。

一人遊びをしているときもコロンとひっくり返って遊んでいて、なでて欲しい時も叱られた時もすぐに勝手に仰向けになります。

そのため仰向け固めをしてもひたすらじっとしています。

足先や尻尾、口周りなど、犬が嫌がると言われるポイントは全て触ることができます。

強制的に口を開けて歯を触ってもじっとしているので、歯のケアも容易にできます。

耳のケアや爪切りについては多少の抵抗はありますが、それでもちょっとジタバタしたり前足でそっとこちらの手を押しやろうとしたり(笑)する程度で、最終的には諦めてケアをさせてくれます。

逃げ出すというより、「もうしないでー」といった風情で、座っているこちらの膝の内側や小脇に顔を突っ込んでじっとしています。

その姿が物凄く可愛くて、ついついヨシヨシしてしまうんですが(笑)

四六時中ではないにしても、尻尾フリフリでまとわりついてくるので、私たちに懐いているのは間違いないと思うんですが、主従関係が築けているかと言うと、それは違う気がするので・・。

・過去の接し方と、一日の流れ:

※交代勤務で一日の流れが不定期なので、夫婦とも日勤の時のみを書きます。

朝は6時半過ぎ頃に夫が起き、まず身支度のため洗面所へ行く。

犬はケージからは出さない。鳴いていたら無視して部屋に戻り支度をする。

鳴き止んだらお座り・伏せの指示を出し、できたらケージから出す。

フードを準備しハウスでケージ内へ行かせ、お座り・待ての指示。できたらケージ内でフードを与える。

フードを食べたらケージから出し、顔回りの汚れを拭いて(ふやかしたフードなので顔回りの毛が汚れるため)、

歯のケア(犬用の乳酸菌パウダーを水で練ったものを歯茎にすり込む)をする。

7時前に私が起きてきて、そのままフリーにした状態で引き継ぐ。

7時過ぎに夫が出勤するので、ベランダ傍に駐車している車まで抱っこでお見送り。

そのままリビングでフリーにし、私が仕事の支度をする。

私が8時過ぎに出勤する前にハウスでケージへ戻し、出かける際に声はかけない。

※朝鳴き止まない時は、ケージから出さず無視して夫は仕事に行き、私が自室内(犬からは見えない位置)から様子を窺い、鳴き止んだタイミングで上記と同じことを行う。

どちらかが仕事から戻ると(夫は17時前後、私は17時半~18時の間)、事前に車の音で気付いており、家に入る前からケージに飛びつき尻尾を振り回しながらキャンキャン鳴くが、家に入るとほどなく鳴き止む。こちらの着替えや片付けが終わるまで無視。

ひと段落付いたらお座り・伏せの後ケージから出す。

(基本的にケージから出す前にはお座りと伏せをしてから)

散歩の時間(夏なので19時前頃)まではリビングでフリーにする。

おもちゃ遊びはそこまで好きではない様子で、ボール投げは少し遊んだらすぐに興味を失う。

齧りおもちゃ(ロープや木材)をひとりで齧っていることもあるが長時間ではない。

人の顔や足を舐めている方が好きで、ずっと傍で足を舐めていることもある。または人から少し離れたところ(特にソファの下)で横たわっている。

散歩の後はリビングでフリーかケージの中かは日によってまちまち。

夫婦で夕食を摂り、リビングで過ごす。20~21時半の間にフードを与える。

夫婦の食事が遅くなると、その後のフードも遅くなるので時間は固定していない。

フードを与えた後1時間くらいはあまり構わない。犬も静かに横になっているか、齧りおもちゃを齧るか、(フリーの時は)人の足や顔を舐めるかなどをしている。

自分でケージに戻って寝ていることもある。

食後1時間以上経つと、10~30分程度一緒に遊ぶ。

並行してお座り・伏せ・待て・ゴロン(うちではバーン!と言っています)などの訓練を10~15分程度。

夜の歯のケア、ブラッシングもこの頃行う。ブラッシングは20分以上かけて丁寧にやるが、その間はおとなしくしており、ウトウト眠っていることもある。

23時台にはケージに戻す。

夫婦はそのままリビングで過ごすか、それぞれ自室に戻る。この時は鳴かない。

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?

飛びついて顔を舐めてくるのでヨシヨシと応じていました。床に座っていたり横になったりしている身体の上によじ登ってまで舐めようとする時もあり、以前は許していましたが、最近では私はノー!と言って降ろしていました。

夫は「可愛い」と許していました。足も執拗に舐めますが、くすぐったくて我慢できない時以外はそのままにしていました。

尻尾を振りながら"構って~"という素振りをする時はヨシヨシとなでていました。

②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

トイレが成功した時、コマンドに従ったときはかなり大げさに「グッド~!いいこ!」となでまわしていました。

最初の内は毎回フードを一粒か砕いた半粒与えていました。(その分食事量は減らしました)

トイレの失敗は黙って片付け、叱ったことはありません。犬を叩いたこともありません。

徐々にトイレやコマンド成功時のフードは与えたり与えなかったりにしていました。

噛んではいけないものを噛んだときや甘噛みをしたときは厳しい顔をしてノー!と言い、時には仰向けにして抑え込んで睨んだり「ウーッ」とこちらが唸ってみせたりしました。

床を叩いて大きな音を立てたこともあります。

伏せと待てはチョークカラーを使用して教えました。

③過去はオヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?

トイレとコマンドが成功した時、耳ケアや爪切りなど嫌なことを頑張れた後のご褒美には与えていました。

尚、ドライフード以外の食べ物(ジャーキーなど犬用オヤツ)は与えていません。

抱っこ、トイレやコマンド成功時の猫なで声などはしていました。

④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?

散歩は15分程度で、人より前に出てリードを引っ張ることはなく、左横かやや後ろをついて来ます。

人より前に出そうになったらノー!と言って軽くリードを引くと出るのをやめて左横かやや後ろにつきます。

何もないところで突然座って動かないことがしばしばありますが、振り返って呼ぶとついてきます。

金網の溝蓋が嫌いで、その手前で座って踏ん張りますが、溝蓋の向こうからしゃがんで呼ぶと飛び越えて足元に潜り込んできます。

一度30分程度歩かせたところ、後半は歩きたがらなくなり、家に戻るとぐったりしていたので、今の所は15分程度にしています。

⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

始めの方に書いた通りです。

⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、放し飼い・つなぎ飼い環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします)

120cmの上と横が開くケージにキャリー(クレート)とトイレトレーを入れています。写真をご参照ください。

長くなってすみません。分かりづらい点が多々あるかと思いますがアドバイスをお願いいたします。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

今回は、トイプー君の素性が良い子で良かったです。

頭が良く、優しい子ですが、そのぶん少し寂しがり屋です。でもこの月齢にしたら、ガマン強いほうです。

まだ幼ないですし、群生が強い動物ですので、自然な反応になります。

さて、とても素性が良い子ですし、ご夫婦も犬のしつけを頑張ってこられましたが、子犬も知能が上がってきて成犬としての本能が出てくる時期ですので、ここから要注意です。

>尻尾フリフリでまとわりついてくるので、私たちに懐いているのは間違いないと思うんですが、主従関係が築けているかと言うと、それは違う気がするので・・

↑まだこの時期では、主従関係がはっきり決まる時期ではありません。

このころはまだ、世話をしてくれる人間を親犬のように見ています。

ですので、まとわりついたり甘え鳴きも多いですが、ある程度指示に素直に従う特性もあります。

しかし、生後5カ月付近から歯も生え変わりはじめ、精神も肉体も成犬へと変化していきます。

今までの犬とは違う反応も出てくるので、戸惑ったり心配になることもありますが、それも自然な成長過程だと理解しておいてください。

今までは親犬に従う特性を持っていましたが、そこから、親離れをし、強いリーダーに従う特性が出てきます。

人間の子供の反抗期と同じです。


さて今回の犬のしつけです。

まずはご夫婦で知識と意識を深めていただき、一貫・統一されることです。

ご夫婦で違いがあると、犬は矛盾やギャップで理解できませんし、イライラ反発することになるのと、どちらかを攻撃するようになる場合もあります。

飼い主さんの意識が変わると、自然と振る舞いや態度・行動が変わります。一貫性も出ます。

犬はそれを感じ続けて、認めるようになっていきます。


そして同時に、直接の対策もしていきましょう。

>トイレ前や浴室前までついて来れるよう廊下のゲートを外したところ、トイレや風呂の時は必ず後をついてきて、出てくるまでドアの前でじっと静かに座ったり伏せたりして待っていました・・

↑ご夫婦のライフスタイルとその子の素性からして、↑これでも良いのですが、帰宅時や夜トイレに行くときに吠えられると、さすがにマンションですと良くないですね。

今のうちに悪い習慣・癖は直しておいた方が良いです。


今回は二つしていただきたいです。

ご主人がリビングに居ても、奥様が浴室に行くと吠える時があるということですので、そこで練習しましょう。

まずご主人が、犬にリードを付けて持っておき、知らんぷりしてテレビでも見ておきます。

そして奥様に浴室に入っていただき、犬がクンクン鳴いたり吠えた時に、「シ!」の注意音と同時にチョンとリードを引き上げてください。

ご主人はそのまま知らんぷりしてテレビを見ていてください。

また犬が吠えたら、「シ!」の注意音と同時に・・・を繰り返して、教えていきます。


もう一つの方法ですが、メールを拝見する限り、まだ『布掛け目隠し』をされていないように思います。

浴室に入る前に、ケージに毛布などの厚手の布を掛けて、暗く目隠ししていただきたいのです。

イヌ科の動物は地面の穴倉を巣穴にして暮らしますが、暗くて狭い空間が、犬には落ち着けるのです。

それで落ち着いて、吠えなくなる犬もいます。

留守番させる時や夜寝る時も、掛けておいても良いです。

誰もいないリビングを眺めていても寂しいだけですので、それだったら巣穴感覚のほうが落ち着けます。

ただし、夏場はエアコンを忘れないことです。

それでは今日は以上です。Q&Aを熟読いただきながら、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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