子犬がケージ内で吠える・飛びつく場合のしつけ
トイプードル犬、3か月の男の子を我が家に迎えてまだ1週間なのですが、日に日に変化していく犬の行動にどう対応してよいのかわからず、インターネットでいろいろな犬のしつけサイトを検索していて、堀川さんにたどり着きました。
なにぶん、犬を飼うのは初めてで、知識もなくブリーダーさんから「犬の飼い方」という冊子をいただき、それ頼りにやっていたのですが、何かが違ったんでしょうね・・・
堀川さんのサイトを読み続けていくうちに「これだ!」と確信しました。
家族構成は、おじいちゃん、主人、私(主婦)、息子(中学生)です。日中、買い物などの外出以外は、私が自宅に居ます。
LDKにトイレがスライド扉で仕切れるゲージを設置し、ベッド、タオル、おもちゃを入れています。フードはゲージ内で食べさせています。お留守番の時や、来客の時などはゲージの中でいい子でいてくれるようにしつけたいです。
犬を迎えることになった経緯をお話します。私は幼少期に、目の前で犬が死んでいく姿を見て以来、どうしても動物を飼う気持ちになれませんでした。
一人っ子の息子は幼いときから犬を飼いたがっていましたが、「ごめんね・・・」となだめてきました。中学生になった息子が家に友達を連れてきた時のことです。「兄弟いないの?」と友達に聞かれた息子は「そーなの。兄弟げんかしたり、遊んだりしたいのに。俺、ずっと寂しいんだ・・・」と恥ずかしげもなく素直に話す彼の言葉に、私は胸が痛くなりました。
仔犬を飼いたいと、私にずーっと言いつづけてきたのも、その気持ちからきていたのかな・・・と思うと涙が止まりませんでした。息子には、軽度のADHDがあり、家の外や学校では、彼なりに頑張っているのですが、注意を受けたり叱られたりすることが多く、自信を無くしてしまったり、落ち込んだりすることがあります。
それでも、母親の私には心配かけまいと元気に振る舞う姿に、そんなに頑張らなくても、家では気持ちを緩めて安らいでほしい・・・と思うのです。息子念願の仔犬を家族に迎えることで、彼の心が癒され、彼に安らぎを与えてくれるのであればと思い、私も覚悟を決め、一つの命を迎える決心をしました。
とんとん拍子でいいブリーダーさんと出会い、良いタイミングでパピーを迎えることができました。
犬は、家に迎えることが決まってから2週間、ブリーダーさんのところでゲージ内に1匹で過ごしていました。そのときは吠えることなくお利口さんだったそうです。家に来た初日、2日目はとてもおとなしく、吠えることもありませんでした。
トイレも特に覚えさせたわけではないのに完璧で、フードもよく食べます。とても元気で活発な子です。
ストレスがたまらないようにと、朝と夕方の2回ゲージからリビングに放してやっていました。野兎のように走り回ります。3日目からゲージへ戻すとすぐに、出してアピールをはじめ、今ではバンバンゲージに飛びつき、ものすごい勢いで出せ出せと吠えまくります。
これに対しては無視をしていましたが、鳴きやまないので部屋を出ていき、鳴きやんで1時間くらいして部屋に戻るのですが、私を見つけるとまた同じ行動が始まります。
しばらく無視していると、諦めて鳴きやみますが、私が部屋を歩くたびに出して!と騒ぎます。
吠えているうちは、無視してゲージからは出さないようにしています。おとなしくなっていい子にしているときにゲージから出してやりますが、すごい勢いでとびかかってきて、しばらく興奮状態です。
まだパピーですけど、とびかかってこられるとびっくりします。
夜も同じで、寝るためにゲージに入れるのですが、ものすごい勢いで吠えます。部屋を薄暗くして、出ていくと10分程度吠え続けますが、その後はおとなしくなります。それ以降朝まで夜泣きはありません。
ですが、目覚めるとスゴイです・・・まるで虐待されているかのような吠え方なのと、日に日に鳴き声が大きくなるので困っています。
ゲージ内を掃除したり、トイレのシーツを換えるときも、手にとびかかってきます。
堀川さんのサイトを読んでいくにつれ、犬を室内に放しているときの私たち家族の接し方が悪かったんだろうな・・・と思います。
まず私は、可愛がりたいために、抱っこしたり、よしよし撫でたりしていました。
そのとき思ったのですが、撫でられるのを嫌がってる感じがしました。手にかみつこうと口を向けたりしましたし、「おいで」と両手を差し出しても、後ずさって尻尾も降りません。それでも抱っこしたい私は、無理に抱き上げていました。
主人の場合は、飛びかかってくるくらいやんちゃな方がいいと言って、こちょこちょしたり、わざと興奮させるような構い方をしていました。
それからだと思います。日に日に行動がひどくなってきました。
今では、目が合ってしばらくそらさないでいると唸って吠えてきます(悲しい)。
甘噛みもします、手や家具など。でもこれはすぐに口をつかんで「ダメ!」と教え、よしよしと褒めています。でも褒め方が堀川さんの言われるポンポンと軽い感じではなく、ディープな感じでした(苦笑)。
キッチンで洗い物をしていると、側でふせて待っています。上目遣いのその姿はとても愛らしいのですが、目が合うと飛びついてきます。抱っこかな??と思って手を出すのですが、後ずさりしてそっぽを向くので違うんですね・・・。
今の犬の行動を改善するために、私たち家族が具体的に何をどうすればよいのか教えていただけないでしょうか。
ワクチン終了が半月後の予定なのでお散歩はさせていませんが、抱っこ(スリング)で近所を歩いたりしています。
今回は良いブリーダーさんでしたね。
トイレトレーニングをしてくれる所は時々ありますが、ケージで留守番するクレートトレーニングまでしてくれるブリーダーさんはなかなかいないです。
しかし、子犬が家に来てからの接し方はやはり間違っておられました。そしてそれ以前に、最初の1週間は子犬をケージから出すこと自体もいけなかったのです。
ブリーダーさんがやってくれたことに対して、逆にギャップが大きくなってしまいました。
犬は新しい環境に来て、とても強い緊張と興奮を抱えています。
そこでケージから出したりベタベタ接すると、その緊張興奮があおられてしまいます。それはストレスです。
そして、犬は相手との最初の接触を基準値にしてしまうのです。
ケージから出たり家族からのベタベタが、当たり前の基準値になってしまうので、それが実行されない時にイライラ要求したくなります。
そして、さらにそれに人間が応えることによって、犬の成長にともなって主従関係を誤解していくのです。
さて今回のしつけですが、少し時間と根気はかかります。一番最初の大事な基準値が狂ってしまいましたので、これを修正していくのはなかなか大変です。
特に今の時期の子犬は、知能が低すぎて教えてもなかなか理解できません。あまりに無理し過ぎると、今度は防衛本能を刺激するだけになってしまいます。
まず、少しずつケージ内で過ごす時間を増やしていきましょう。いきなり入れっぱなしにしないで、毎日少しずつ増やすことです。
それと、犬を出す時はリードを付けてそれを飼い主さんが持っておく癖にされてください。
もう3か月過ぎたようですので、首輪とリードを付けても大丈夫です。遊びの中で慣らしながら付けてみてください。
犬にリードを付けて持って過ごすことで、暴走や飛びつきも制御できますし、トイレへの誘導もしやすく、誤飲事故なども防げます。
それと、犬の行動全体を主導する形になりますので、主従関係を作るのにとても良いです。もちろん態度しぐさも、今までと同じではいけません。意識設定をしっかり持って、必ず毅然さと主導性を保ってください。(ご家族全員で)
将来、関係作りも出来て犬の呼び戻しが出来るようになったら、もちろん家ではノーリードで良いです。
リードを付けて持っていることができない時間帯は、ケージ内に居させてください。
基本的には、団らん、遊び、運動、散歩の時間以外は犬を出さないでください。
遊びは主導型で、何気ないスキンシップもスワレやマテを型で作って教えて褒めてポンポンする・・・という形の接し方にされてください。いつでもどこでも主導性と毅然さを忘れないことです。
そして、犬が吠えた時の対処法です。
クンクン鳴きの段階では、無視してそっとしておいてください。
ワンワン・キャンキャン吠えになったら、「シ!」の注意音と同時に口閉じしたり・首輪をチョンと引き上げて教えてください。
4か月過ぎたら、「シ!・・シ!・・シ!」でリーダーウォークしても良いです。
いずれも、甘い態度でやってしまうと犬が「吠えればかまってもらえる」と誤解します。厳しい態度で淡々と教え続けてください。
それから、来客や家事で手が離せない時は、「布掛け」をしてください。
クレートハウスかケージに、毛布などの厚手の布を掛けて、暗く目隠ししてください。巣穴感覚で落ち着く犬が多いです。
夜も、部屋の灯りを消しただけでは意味がありません。犬は暗視力が高いですので、人間には暗闇でも犬には普通に見えています。
【その他】
>家に来た初日、2日目はとてもおとなしく・・
↑最初だけ、本能で警戒・様子見します。
>野兎のように走り回ります・・
↑生後半年くらいまでは、広い場所で全力疾走させたり激しい運動はさせないようにしましょう。
フローリングなどの滑りやすい床もNGです。脱臼癖がついたり、関節形成不全になりやすいです。
>抱っこしたり、よしよし撫でたりしていました・・
↑犬も人間もそうですが、相手の体の上に乗って自分の優位性を示そうとします。抱っこや膝に乗せたりして、犬を自分の体の上に乗せるのは、関係の誤解を与えてしまいます。
また、下位の犬は上位やリーダーにすり寄って見つめてナメナメ挨拶します。人間から犬への、「ジロジロ見つめて猫なで声でナデナデ」は、それと同じことをしてしまっています。
>目が合ってしばらくそらさないでいると唸って吠えてきます・・
↑だからこれでイライラしますし、動物の世界では相手を見つめることは威嚇行為だからです。
主従関係ができてきて、犬が飼い主さんからの指示を待つために目を合わせてくるのは良いことなのですが、人間から犬をジロジロ見つめてはいけません。
ただし、特に子犬期は体調管理をしなくてはいけませんのと、排泄行為と指示音の関連付けをしてあげなければいけませんので、横目でチラチラ見たり、鏡に映して観察してください。
>目が合うと飛びついてきます。抱っこかな?・・
↑マウンティング(抱きついてくる)もそうですが、遊びの要素もありますが、支配欲の表現でもあり、相手の反応を試している意味もあります。
たたいて振りほどいたりなど体罰的に扱ってはいけませんが、首輪やリードをチョンと引き上げながら「シ!」の音で注意して、首輪をつかんでスワレの型を作ってあげて、指示音ジェスチャーで褒めて教えてあげてください。
さておさらいしますと、まず犬との何気ない接し方を全体的に見直してください。意識設定や犬へのご理解が間違っておられますので、本書とQ&Aサイトを熟読していただいて、犬の特性を知ることと意識改革をされてください。ご家族全員で一貫もしなければいけません。
犬を出す時は、リードを付けて飼い主さんが持って過ごすことです。遊びも主導型のコング遊びにされてください。何気ない接触も、スワレやマテを型で教えて指示音ジェスチャーで褒める・・というスキンシップにされてください。
では今日は以上ですが、今日の内容はすでにQ&Aサイトにたくさん記事が載っているものでした。
必ず皆さんで熟読していただいて、情報のつまみ食いもされないように、全体的に根本から学ばれてください。
それと、子犬はしばらくは単なる猛獣状態です。知能も経験も何もありません。結果は期待しないで、やるべき事を淡々と続けて子犬の成長を待ってあげてください・・・