犬のしつけがQ&Aで分かる!

自分の居住空間に家族以外が入ってくると吠える犬のしつけ

質問内容
・問題の内容:来客への吠え、威嚇。テリトリー意識が強すぎるのか、自分の居住空間に家族以外が入ってくるのが許せないらしいです。ただし、例外も有り。犬を全く怖がっていない人、威嚇しても動じない人にはすぐ諦めるようです。

・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別、(飼い始めてからの年月日数も)
犬種:中型か大型犬のミックス
月齢:推定3才になるかどうか
性別:♀

飼い始めからの経緯:保護センターで殺処分予定のところ引き取り。当時すべての歯は生え変わっていたが、まだ1才未満だった様子。虐待された形跡有り。半年間我が家で預り、いったん別家庭で預り。そして再びまた我が家で預り。2年にわたり里親募集をしているが、扱いが難しいためなかなか決まらない。

・ご家族全員の年齢層、性別、一日の愛犬との同居時間:
私40代主婦:特に出かける用事さえなければ在宅。
主人40代:平日はほとんど犬と会う時間もなく、休日もあまりかかわらないが、すぐに無意味におやつをあげてしまう。
長男:朝と夕方以降は家にいるが、あまり犬にかまわない。
次男:長男と同じくあまり犬にはかまわない。
長女:同じく、朝と夕方以降くらいしか家にいないが、一番犬にかまう。スワレやフセなどさせ、よく背中にまたがったりしている。指示には従うが、下位に見られていると思う。

父70代:2世帯住宅なので合わない日も有り。外で会うとき、両親フロアに犬を連れて行ったときは普通に甘えるが、父がこちらのフロアに来ると威嚇する。
母70代:父と同じく。庭や外で会うときは嬉しそうに甘えるが、こちらのフロアに来ると激しく威嚇される。

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
基本、家にいてもそれほどかまっていません。犬の方から近づいてきた時に軽く撫でる程度。後はブラシがけなど。

②過去はどういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
2,3日に一度くらい。散歩の途中でボールのレトリーブ。雨の日は家のなかでボール遊び。庭でかくれんぼ。

③過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

犬のしつけは特にタイミングはないですが、スワレ、フセ、マテ、オイデ、おて、ツケ、ハウス等。ほめ方は指示に従った時にすぐ「ヨシ」の声かけ、なでる。おやつをあげる時もあり。

叱り方は現行犯「ノー」の声かけと首輪を掴んでやめさせる。吠えの時はマズルを掴む。

④過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
おやつは指示に従ったとき(毎回ではない)と、留守番の時にガムなど。抱っこは無理です。ナデナデは支持に従ったとき。犬の方から近づいてきたときに少し。仰向けにさせているときは長い時間なでています。

⑤過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
40~50分を2回。1回の散歩は、基本はゆっくり目の自転車引き15分+歩き15分+ゆっくりめの自転車引き15分。歩きの時は基本ツケの状態で、ランダムにスワレ、フセ、ストップ、マワレ等指示を出す。ボール遊びの時も有り。顔見知り、声をかけてくれる人には触ってもらう。家の外では知らない人に触られても平気です。

⑥過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

だいたい6時半くらいにケージから出し、トイレの後はまたケージ内でご飯。しばらく休憩。休日は少し遅い時間に。1時間くらいしてケージから出しフリーにする。和室と寝室は立ち入り禁止なのでドアが空いていても入らない。

午前中に散歩。季節や天気、その日の予定によって時間はまちまち。留守番の時はケージだが、それ以外は主にリビングでフリー。

午後も散歩。時間はまちまち。散歩に行かないときは庭で遊ばせる。夕方ケージ内で食事、休憩。その後リビングでフリー。9時頃ケージに入れる。

・愛犬のハウス周りの構成、環境など
ハウスはケージ。リビングの入口脇にあります。冬は周りを布で囲っていますが、夏はカバーはしてません。フリーにしていても自分でケージに入っていることもあり。

とにかく、吠え、威嚇は犬の居住区域内に限られています。家の外では人にも犬にも吠えや威嚇は全くありません。

以上、長くなりましたが、よろしくお願いいたします。


返答内容メールをいただきまして、また本サービスのご購入ありがとうございました。

もともと犬は良い子ですね。外で穏やかですし、主従関係もある程度理解して、下に見ているとしても小さい子にも対応しているからです。

直接やるべき点は二点ありますが、その前にやっぱり大前提は関係作りです。教えたことを聞きたくなるような関係作りはしっかりしないといけません。

毅然さを示しましょう。犬を猫なで声でナデナデしないで、褒める時はポンポンポンにしてください。犬の世界では、下位の犬が上位やリーダーにすり寄ってナメナメ挨拶します。

人間からの意味のない声かけナデナデは、それと同じ行為に映りやすいです。何気ない接触も、オテでも何でも良いので、何か指示を出し行動させポンポン褒める・・という主導型にしましょう。毅然さも保ってください。

指示で犬が行動しない場合は、型を作ってあげて教えます。

オヤツも止めましょう。表面上簡単に犬をコントロール出来てしまうために、本当の関係作りがどれだけできているのかを見失ってしまうからです。これは一番怖いことです。

普段の何気ない態度接し方すべてに毅然さと主導性を一貫し、関係をしっかり示し続けます。そして、物事は「悪い型を止めて・良い型を作り・指示音ジェスチャーで褒める」それでちゃんと覚えてくれます。

時間をかけて本物の関係作りをしていただきたいのです。

そして、関係作りをした上で実践していただきたいこと二点ですが、まずフリーの放し飼いが多いようですので逆にしてください。

今は必要な時にケージ内に・・という状況ですが、普段はケージ内で、必要な時だけ出す・・という形態にしてください。ケージと合体されたクレート型ハウスがあれば、犬は安心できます。

放し飼いによってテリトリーが広い・・ということは、それを守るための神経も余計に使います。これが威嚇や吠えにつながりやすくなります。

虐待の形跡もあった保護犬ということで、過去のトラウマも含まれていると思いますが、犬はもともと番犬としての特性を何万年もかけて人間に強化されてきた動物です。

テリトリーを守る特性はとても自然なことですので、それは理解してあげてください。

理解はした上で、改善出来るところは改善していきましょう。まずは先ほどの放し飼いです。

そして、今回は吠える条件がわりと分かりやすいので、状況をあえて作って積極的に練習しましょう。二世帯のご両親にも吠えるということで、協力してもらいやすいです。

まず犬をケージに居させリードを付けて、ケージの外からリードを短かめに持ち、知らんぷりしておきます。そして、ご両親に知らんぷりしてもらいながら部屋に入ってもらいましょう。

犬は吠えますので、「シ!」と厳しく注意音を出しながら、リードを一瞬上にチョンと引き上げてください。吠え止むまで何回か、「シ!」+チョン引きを繰り返してください。

繰り返しても変化がない場合は犬をケージから出して、「シ!・・シ!・・シ!・・」の音を出しながら厳しくリーダーウォークしてください。

以上をしばらく続けてみてください。威嚇や吠えの度合いがメールでは分かりませんでしたが、あまりにも激しいようでしたら、最初は無理せず、部屋から少し離れた場所にご両親に来ていただいて、急に部屋に入ってもらわないことです。

犬がなんとかガマンできるかできないか・・くらいの優しいレベルから始めて慣らしながら、徐々に難易度を上げていきましょう。

頭の良い子なので、環境を整えて主従関係をしっかり作って、少しずつ直接の教えをしていけば、ちゃんと理解してくれるはずです。期待しないで急がないで、気長に淡々と続けることです・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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