母と次女だけを噛む犬のしつけ
初めてメールさせていただきます。
■問題:母と次女を噛みます。(餌やおやつ等を食べた後に。または餌をあげた直後・途中)父のことは噛みません。
火がついたように豹変して噛みついてきます。
食べ物がらみ以外は噛まなかったのですが、最近は家に来た知人を噛みそうになりました。
それ以外は甘えてきますし、じゃれたりよく遊びます。すわれ・まて・ふせ等は従います。
■柴犬の雄2歳1ヶ月。飼い始めて1年6ヶ月ほど。
飼った経緯:一人暮らしの長女がブリーダーを通じて購入。半年間、長女のもとで暮らしていました。長女は早朝仕事に出かけ18時頃に帰宅の毎日。
散歩は早朝のみでほとんど家の中にいました。トイレは家の中ですましていたようです。生まれて4ヶ月くらいから実家(我が家)で1・2週間預かり、戻り、を2回ほどしてからずっと我が家にいるようになりました。(長女の仕事がハードになり、飼うのが難しくなった)
長女は普通に犬の躾をしていたようです。(当初長女の言うことはよく聞きました)
■家族構成:父(60代 会社員)母(60代 会社員)次女(20代 無職 家にいます)
昼間:次女と一緒に家にいる
夜間:家族と一緒に家にいる
家(集合住宅)中で飼っていますが、規約ではペット不可になっているので外に出す時に気を使います。我が家は1階で通りに近い部屋です。
①遊びたいと吠えるので、ボールやぬいぐるみで遊びます。
投げたり、引き合いをしたり、部屋の中を走り回って遊んでいました。
散歩の時(夜)に公園で長いリードをつけてボールを投げて遊ぶのが好きです。
②飛びつく、テーブルの上のものを取る、テーブルをかじる、襖を破く、欲しい食べ物を何としても取る。
欲しいものがあると吠える。遊んでほしいと吠える。部屋の中を駆け回る。
やりたい放題で、1歳頃まで躾らしいことはしていませんでした。
1歳過ぎて躾教室に行き、リーダーウォークを習い、家の中でリードをつけたままにしてリードを引いて「NO」「よしよし」をしています。しかし、あまり効き目がありません。
父は怒鳴る・たたく躾をしているので、怖がって言うことをきいています。父のことは噛みません。父が主導権を握っているわけではなく、日頃の世話や散歩はしません。叱るときだけです。
躾教室・躾DVDなど試しましたが、イマイチ本質的なことがつかめずにいます。堀川さんのページを読んで犬の本質を知り、躾に取り組み始めました。しかしながら、噛むことについてはどうしてか・・わかりません。
③オヤツ・ナデナデ・声かけをずっとしていました。
④散歩は、夜遅くに次女と母と一緒に、30分から1時間。リーダーリードを心がけています。散歩の時にウンコをするような習慣をつけてしまいました。
散歩に出ていなかった時は、家の中でウンコをしていました。土日は、昼間にドッグランに行くことが多いです。社会生活に慣れていないせいか、他の犬とうまく遊べないことが多いです。その時はドッグランに入らずに周りを歩いています。
⑤タイムスケジュール
9:00 父母が出勤後、9時頃に次女の起床と共に起きます。
9:30から10:00 次女の朝食後に餌(ドッグフード)
昼間は居間で放しているか、ケージに繋いでいます。(遊んだり寝たり・・)
18時頃に父が帰宅
19:30から20:00 父と次女が夕食後に餌(ドッグフード)
22:00から23:30 母を駅まで迎えに行きながら散歩
25時ころ消灯と共に寝る
⑥ハウス:ケージ(居間の食卓の横に置いてある)ケージに繋いである。
トイレ:ケージの横(居間の食卓の横)(キッチンの横でもある)。
環境:常に家族のいるところなので、TVがついていて明るく、家族の通り道。
他の部屋は狭く、家族の個々の部屋になっています。
今回は、本当にご家族皆さんで一貫して取り組まないといけません。
問題行動の原因は3つです。
①チヤホヤ・甘やかし(従属的な接し方)で犬に主従関係を誤解させた
②体罰でしつけた
③上記の二つのギャップ・矛盾でさらにパニック・イライラが募っている
この3つです。
まず、お父様の体罰は止めましょう。
犬の知能では、自分がした行為と受けた体罰を結び付けて反省する知能はありません。防衛本能だけを刺激するだけになります。
強い体罰を加えると、その人の前では何となく大人しくなりますが、それは嫌悪刺激が嫌なだけであって、信頼関係が出来たわけではありませんので、攻撃のチャンスを伺うだけになります。隙を見て襲ってきます。
そして、犬は自分のストレスを他の弱い人に向けて、攻撃します。
その対象となったのが、お母様とお嬢様です。
もちろん、犬は可愛いですのでお気持ちはよ~く分かりますし、私や他の飼い主さんもそれで失敗してきました。
今回は特に、体罰をする家族がいましたので余計に弱い人がはけ口になってしまいます。また、犬からしてみれば、甘やかしと体罰を受けるというそのギャップや矛盾が理解できません。パニックになったりイライラして当然なのです。
お父様の毅然さは重要です。ですが、体罰まで行くとマイナスでしかありませんので、毅然さだけしっかり保っていただいて、体罰や威嚇的な怒り方は絶対にされないでください。
そして、お父様以外のご家族は、犬の特性をよく学んでください。赤ちゃんや猫を可愛がるような接し方は、犬の本能にとっては従属的に映り、主従関係を誤解させてしまうのです。
ご家族皆さんで、本書とQ&Aサイトを必ず熟読されてください。
何気ない態度・しぐさ・接し方は、すべてその人の意識からくるものです。
表面的な手法だけ上塗りしても、犬には見抜かれます。教材の熟読によって、知識と意識が必ず深まっていきますので、急いだりあせらないで、毎日コツコツ読み込んで意識していただきたいと思います。
さて他にやっていただきたいことですが、まず環境です。
狭さは関係ありませんので、場所はそこで良いです。家に常に誰かいらっしゃるようですので、トイレもそのまま離して良いです。(理想はケージとクレートハウスを合体させてケージ内にトイレを置くことです)
ただし、リードを付けたままでの繋ぎ飼いは良くありません。リードは付けないで、そのまま犬をケージに入れて扉を閉めてください。ご飯もその中で食べさせてください。
オヤツは止めましょう。理由はQ&Aサイトで「オヤツ 止め」で検索してみてください。(勉強していただきたいので、あえてここではお話いたしません)
遊びの時は、犬をケージから出して、リードを付けてそれを飼い主さんが持っておきましょう。その体勢で主導型コング遊びをしましょう。リーダーウォークも良いです。
噛まれたり吠えられたりした時も厳しくリーダーウォークし、やりながら「シ!・・シ!・・シ!」などの注意音と関連付けながらやると良いです。あるいは、噛まれた瞬間に「シ!」の注意音と同時にリードか首輪をガツンと引き上げて、注意しても良いです。
引っ張りっこ遊びはいけません。理由はQ&Aサイトで検索してみてください。(勉強していただきたいので、あえてここではお話いたしません)
そして、お父様に協力してもらいます。
お父様に仰向けをしてもらって、そこにご家族全員が交代で参加して仰向けしてください。
お父様の威を借りて、自分がしているように演出して見せるのです。
そうやって毎日自分の優位性を犬に示し続けてください。
ただし、すぐに良い結果は出ません。犬からしてみれば、長い月日、好き勝手やってきましたし自分の優位性を感じてきたわけですので、それが崩れていくのは面白くありません。反発しても自然な反応です。
ですが、それでも動揺されないで、毅然とコツコツ続けてください。必ず犬が根負けする時が来ます。
今回の犬のしつけは、長い長い根競べになります。
まずは皆さんでQ&Aと本書の熟読からです。
それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)