犬のしつけがQ&Aで分かる!

知人に叩かれてから噛み癖が強くなった子犬のしつけ

質問内容
堀川様こんばんは。本日教材の購入をさせて頂きました、○○と申します。他の教材とも悩みましたが、信頼関係を築く等のワードに惹かれ、こちらの教材にさせて頂きました。全て読ませて頂きましたが、私の望む形に近く嬉しく思っています。

以下、記入致します。よろしくお願いします。

・①甘噛みをダメと言っていたら、飛びかかって噛んでくるようになりました。噛む力が徐々に強くなってきており、傷だらけです。このままでは人間と仲良くできなくなってしまうのではないかと不安になっています。

家に来て、初めて私以外の人が来た日の夜からそうなったようにも思います。自分の犬を叩いてしつけたそうで、何度か叩かれてしまいました。見ていなかったため、どのような様子だったのかは分かりませんが、もうその人には合わせていません。反省しています。

②引っ張りっこをよくしていたのですが(引っ張りっこのオモチャを咥えて持ってきます。やってあげないと、手を噛んでくるような気がしています)
 ボール遊びの他に何か良い遊び方はありますか。ボール遊びが好きではないようで、あまり興味を示してもらえないのです。
 
③本日より噛んで来たら「ダメ」と言い、飛びかかってきたら抑えるようにしています。毎回噛むため、遊ぶたびに抑える感じになってしまうのですが、回数が多すぎますでしょうか。まだ首輪に慣れていない為、リーダーウォークは行っていません。

犬はボストンテリア、3ヶ月半、メス、お迎えをしてから1ヶ月になります。

実家で飼っていた犬を思い出し、いつか飼うぞと何年も思い続け、ようやくこちらの準備が整いましたので迎え入れることができました。一人暮らしです。子犬のしつけの時期はなるべく家にいようと思い 、今は日中も大半自宅にいます。ただ、これからは仕事で外出することも増えるかと思います。今後の練習のため、週の半分は日中もしくは夜に6時間程度のお留守番をしています。たまに帰宅時キュンキュン鳴きますが、ほぼ平然と寝ています。
 
・1日に4回、ゲージから出して遊んでいました。
【ポイント】(※本書を読む前の、以前の状況を正直にお知らせください)

①朝、昼、夜、寝る前に、引っ張りっこ、ボール投げ、ぬいぐるみをブンブン振り回すという遊びをしていました。

②とにかく褒めるしつけをしていました。トイレ、お座り、フセ、待ては、たまたましている時に褒めて(声かけ)いたらできるようになりました。
噛むことだけ叱っていますが( 人、家具、絨毯...)、「ダメ」と言う、無視をする、を繰り返していました。
ダメと言うと、怒ってきます。あまり吠えません。

③オヤツはあげていません。抱っこは興奮した時とベランダに連れて行くときのみです。興奮が続いてどうしたら良いか分からない時、立って抱っこしていました。

ただ、寝起きの時は足の上に乗ってきて寝るときがあり、可愛すぎて寝せてあげたことも何度かあります。朝の寝起きの時は、寝ぼけておとなしいので触っていました。何かを要求してキュンキュン言っている時は、完全に無視していました。ほぼ寝ているのですが、たまに目が合うと笑いかけて名前を呼んでしまっていました。

④まだワクチンが終わっていないため、散歩はまだです 。日中の暖かい時に外出し、日向に30分ほどいる時はありました。

⑤一日の流れ
7時半頃:遊ぶ①  8時半頃:朝ごはん  12時頃:遊ぶ②  15時頃:お昼  20時頃:遊ぶ③  22時半頃:遊ぶ④  23時頃:夕飯 ※時間は大よそです。2~3時間程度ズレることがあります。

⑥トイレと居住場所は別れたものになっています。本当は別の場所にいてもらうつもりでしたが、ゲージの扉の関係上、テレビの前になってしまいました。テレビを付けるときは、なるべく小さい音にしています。ワンルーム(15畳ほどです)で狭い為、ゲージの横で並んで寝ています。色々な人がよく遊びに来ます。

汚くて申し訳ありませんが、部屋の写真を添付しました。何かお気づきの事がありましたら、お教え頂けますと幸いです。

早速で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。


返答内容
今の時点では、全然ご心配されることはありません。知人に叩かれたことだけが災難でしたが、それ以外はきちんとやってこられましたので良かったです。

それと、今回のボステリちゃんの素性も良かったです。とっても頭の良い子です。良い出会いに感謝して、これから頑張って続けていきましょう。

子犬は家に来てしばらく経つと、環境にも飼い主さんにも慣れて行動が大胆になっていきます。どんどん体力もついてきて、捕食動物本来の激しい遊びもするようになってきます。

今回はたまたま、初めての来客があった・・叩かれた・・という興奮刺激がスイッチになったというだけです。成犬になるにつれて、いつかどこかでスイッチは入ります。

ただし、その興奮刺激や防衛本能のスイッチを穏やかにしてあげることと、ダメなことはダメ・・と一貫して教えていかなければいけません。


さて、まず環境です。

大きなお部屋の真ん中にケージ(寝床)を置くのは、本当は良くありません。角が一番落ち着けます。しかし、どうしてもお部屋の間取りやご事情で無理な場合もありますので、そういう時のためにもクレート型ハウスが良いのです。

犬は暗くて狭い穴倉を巣(寝床)にします。そういう条件が落ち着けるのです。

私ならば、以下のようにします。

お写真で言えば、テレビの横に空気清浄器のようなものが見えますが、あれはどこでも良いはずですので、それを移動し、スペースが広くなった分、クレート型ハウスを合体させてもお部屋の中に納まるはずです。

どうしてもそれが無理であれば、寝床の半分くらいのケージを厚手の布で覆って目隠し、巣穴感覚にしてあげてください。(夏は室温に注意)


さて続いて犬の噛み癖のしつけ方です。

まず、Q&Aサイトをしっかり熟読されてください。お買いになられたタイミングからして、まだQ&Aサイトを熟読されていない段階だと思います。本書は基礎編、Q&Aサイトは実践編にしております。

膨大な量の例を載せてありますので、情報のつまみ食いではなく、全体的に熟読されてください。

今日はポイントだけお話いたします。

まず、まだ月齢からして本格的に切り返すようなリーダーウォークはしてはいけません。ですが、犬をゲージから出す時には、首輪とリードを付けて、それを飼い主さんが持っておく癖にされてください。

その体勢で、遊んだり団らんされてください。

そうすることで、自然と主導性と毅然さを犬に示すことになるので、主従関係作りに良いのです。また、お散歩デビューの練習にもなります。暴走も誤飲事故もトイレの失敗も防ぎやすいです。

そして、今回問題の噛み癖を集中的に教えることができます。

追加の準備として、作業用の革手袋を準備しましょう。ホームセンターに行くと500円くらいで売っています。臭いが気になるようなら一回洗濯しましょう。

準備をシッカリすれば、ビクビクしなくて済みます。噛まれるのをビクビクしていると、犬がそれを面白がったりバカにすることがあるのと、犬の興奮をあおってしまうからです。

遊び方ですが、いずれコングも好きになります。今はまだ引っ張りロープの刺激の方が勝っているのと、コングの楽しさをまだ理解していないからです。

引っ張りっこ自体は、やっぱり止めてください。人への噛み癖・引っ張り癖・興奮癖をあおってしまいます。

投げると取りに行くということですので、スワレ・マテをさせて褒めて→ロープを投げる→コイで来させて褒める→ダセの音と同時に片手でガツッと取り上げて、もう片方の手の平にそれを乗せて見せながらポンポン褒めてください。そしてまたスワレ・マテ・・・

この繰り返しで遊んでいきましょう。できるようになってきたら、それを時々コングに変えてみてください。あるいは、そのロープをコングに縛って投げてみると良いです。

ダセの時に引っ張りっこにならないように、思い切ってガツンと引いてください。あるいは、革手袋をしていますので、その手で犬の口を開けて取り出しても良いです。

そして、その中で犬が噛んでくることがあるはずですが、そこで集中的に噛み癖を直す練習をしましょう。

犬が噛んだら(噛もうとした瞬間)「シ!」の注意音と同時に、リードをチョンと引き上げて注意します。

そうしたら、また手をわざと犬に見せます。そこでまた噛もうとしたら注意音と同時に・・・

をひたすら繰り返してください。繰り返していくうちに、手を見せても噛まなくなる瞬間がきますので、そこでポンポンして褒めてください。褒めようとして触ると噛む犬も多いですが、もちろんそこでも注意音と同時に・・・・で注意して教えます。

この月齢の子犬ですと、まだしばらくは知能が低い猛獣状態です。直ぐには噛み癖は消えませんので、感情的にならずに淡々と教え続けることです。

これからまだまだ体も大きくなりますし体力がついてきます。そして、成犬としての権勢本能も自我も独立心も出てきます。相手を見抜く感覚も鋭くなってきますし、反抗期もありますので、これからもっと荒々しくなる時もあります。

でもそれも自然なことですし、大人になるために必要な過程、主従関係を作るための過程でもあります。


>とにかく褒めるしつけをしていました。トイレ、お座り、フセ、待ては、たまたましている時に褒めて(声かけ)いたらできるようになりました・・

↑これは良かったです。本書で言う「良い型に対して(こちらから良い型を作ってあげて)指示音とジェスチャーを関連付けながら褒める」という教え方です。

注意点としては、嬉しくなって意味なく「ジロジロ見つめて猫なで声でナデナデ抱っこ」をしないということです。

褒めかたも、大げさでナデナデしないことです。その態度を従属的に感じ取る犬がいます。


>足の上に乗ってきて寝るときがあり・・

↑もちろん、邪険に振り払ったりしてはいけませんが、犬を人の体の上に乗せるのはいけません。

体位は関係性を示すからです。

まったりスキンシップを取りたい時は、膝の中に犬を入れるか、隣りにピッタリ寄り添わせれば良いです。いずれにしても、人の体の上に乗せないで、同じ床面に居させることです。


>たまに目が合うと笑いかけて名前を呼んで・・

↑これが定着すると必ず要求吠えしたり、一瞬声を出して相手の反応を試したりするようになります。かまわないでそっとしておいてください。

ただし、子犬期は体調が変わりやすく、特に感染症は致命的になる場合が多いです。コホコホ咳をしていないか、鼻水出したりクシャミをしていないか、食欲不振・嘔吐・下痢やフラツキがないかは、しっかり観察しましょう。横目でチラチラ見たり鏡に映して観察すると良いです。


>テレビを付けるときは、なるべく小さい音にしています・・

↑音量はあまり関係がありません。犬の聴力は人間の何倍もあります。人間に聞こえない音も犬にはよく聞こえますし、必要な音・不要な音の聞き分けも上手です。

それよりも「テレビの隣」ということで、犬と目線が合いやすくなることの方が問題です。できるだけテレビの位置を離すと良いです。もう少し窓際の方にテレビを移動できるのではないでしょうか。


それでは今日は以上です。必ずQ&Aサイト全体を熟読いただいて、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
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