犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬が「噛んですぐ逃げる」の繰り返しをする場合のしつけ方

質問内容堀川様。その節は丁寧なお返事有り難うございました。うちの仔も生後3ヶ月、家に来て1ヶ月が過ぎようとしております。2回めのワクチンも昨年末に済ませ、少しずつ躾を始めてます。

ケージも慣れて、要求鳴き(夜泣き)なども無視し続けて数日で、諦めることを覚えたようでケージに入れると少し鳴くこともありますが、数分で自分のクレートの中に入って静かにしています。

お座りをさせた後で、食事を与えるようにしていますが、其れも素直にしてくれます。(食べる時は腰を上げてしまいますが)

食事の後、排泄を促し、終わったらケージの扉前でお座りをさせて、出すようにしてますが出した直ぐは、近づいてきてくれるのですが、その後、モノの数分で興奮状態に入り、噛みつき(甘咬みから、興奮して直ぐにちょっと痛いくらいの)走り回り、こたつ布団やクッションを咬んで振り回し始めます。

手にじゃれる時、ヒットアンドラン、のようにして、歯を当てて、すぐ後ろに飛び退き、の繰り返しで、これを止めさせたいのですがとにかく、こういう状態になると乱暴(凶暴?)になってしまい言うことを聞きません。

おすわりとマテが数秒。今できるのはこのくらいで、室内でリーダーウォークはしていますが、仰向けがためは、とにかく噛みにきて、手足で押し退ける形になり上手く出来ません。当初、それでも少しやっていたのですが、逆に性格がキツくなった気がします。

リーダーウォークは、普段ケージのある洋間から、キッチンの間を歩いているのですがキッチンでは言うことを聞くものの、自分のテリトリーだと思っているのか、洋間に入ると我物顔です。

躾を始めてから、性格がキツくなった気がして、このまま続けていいものか悩んでます。マズルコントロールや、ボディタッチは興奮していなければ問題なく従順です。興奮に入ると、手が近づくだけで噛もうとしたり逃げたり...。

以前は「おいで」と言うと来てくれていたのが、今は来てくれません(キッチンでは来てくれます)。とにかく興奮しやすい仔のようで、度が過ぎた時はケージに戻して無視していますがハウスに入って、次に出す時はまた同じように...。

仰向けがため、ですが。床の上ででないとダメでしょうか?

膝を立てて座り、その大腿の上だと比較的静かにお腹を撫でさせてくれる事が多いです。あと、手を噛みに来るのですが、手ではなく、何かを噛ませて、というのでは躾になりませんか?

外を散歩出来るようになればリーダーウォークも、もう少し犬に伝わるやり方が出来て、少しは現状と変わるのかもしれませんが本当にいつか落ち着いてくれるのかと、今見ていると不安が拭えません。

とにかく、今はヒットアンドランが困っていて、サイトで拝見しても同じような症例が見当たらなかったものですからご質問させていただきました。

お手隙の時にでもお返事頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。

 

返答内容

がっかりさせてしまうかもしれませんが(笑)、今の月齢ではこれは当たり前の状況で、これからもっと子犬は大胆になっていきます。

子犬が家に来てしばらくは、新しい環境への様子見で本能で大人しくしますが、慣れてくるとやりたい放題で本性を現します(笑)

犬の今の月齢というのは、知能も経験もまったくない小さな猛獣だと思っていてください。さらに、これから体力も付いてきますし成長期の発育のためにもっと運動は活発になります。

5か月くらいがピークと思ってください。

そこから少しずつ落ち着きが出てくるのですが、今度は知能が高くなってくるのでズル賢さが加わって大変になっていきます。それが7か月から1歳くらいまで続きます。

落ち着きが出てくると言っても、まだまだ子供時代が続きます。

人間で言う20歳は、犬では2歳くらいですから、これから約2年間はまだ子供だと思っていてください。少し良くなって楽になってくる目安が、1歳過ぎです。

それまでは期待してはいけませんし、特に今の月齢では単なる猛獣(笑)ですので、一切結果は求めないことです。

スワレ・マテが数秒できるだけでも、出来すぎなんです。そういう時期です。

ですので、結果をあせって無理強いしたり、レベルの高い事はまだしないようにしましょう。

今の時点では、「リーダーウォーク・あお向け」ありきにしてはいけません。

今は、子犬にリードを付けて飼い主さんがそれを持って、団らんやコング遊びをする・・・その中でスワレ・マテを少しずつ教えていく・・・リーダーウォークと仰向けは、まね事程度で十分です。

遊びの中で時々一緒に歩いてみて、また遊び・・またちょっと歩いてみる・・・の繰り返しで、お散歩デビューの練習くらいにしておいてください。

4か月過ぎたら骨格も少しずつしっかりしてきますので、段々リーダーウォークを強化していけば良いです。

リードを犬に付けて持って過ごすだけでも、主従関係の意識の植え付けになりますので、まずはそういう自然な状況下から始めてください。


>ヒットアンドランのようにして歯を当ててすぐ後ろに飛び退きの繰り返し・・

↑今の時期らしい子犬の遊び方です。「噛んで逃げる繰り返し」は、Q&Aサイトでもいくつか書いた記憶はあります。

遊びの要素が大きいわけですが、それと犬からしてみたら、相手は親兄弟でもなんでもない知らない人間です。まだ知能も低いですので、相手が自分にとってどういう存在なのか理解しきれていませんので、色んな反応を試そうとします。

今までは防衛本能で大人しくしていました。1か月経って、とりあえず危険な相手ではないと判断し、今度は遊び半分・様子見半分でチョッカイを出してくるわけです。

また、捕食動物にとっては、動く物体はとにかく追いかけて噛みついてみるという本能があります。破壊癖もその本能の一つです。

ですので、これは発散してあげないといけない本能なので、コング遊びで追わせ、時には好きなだけ噛ませる時間も作ってあげてください。

散歩も狩猟本能の発散になります。

噛み癖の教えですが、わざと手を見せて噛ませ、犬の口に手を押し込むことをしてください。「シ!」などの注意音と同時に、指をグッと子犬の口に入れて注意します。

それと、リードを付けていますので、注意音と同時にチョンとリードを引き上げて注意するのも良いです。

素手で噛まれると痛いですので、作業用の革手袋を買いましょう。ホームセンターで500円くらいで買えます。冬場の散歩時にも活躍してくれます。

今の時点では、マズルコントロールはあまりおすすめできません。他者のしつけノウハウも学ばれたようですが、手法のつまみ食いは厳禁です。

「この人のしつけ方で行こう」とお決めになられたら、絶対に他者のノウハウは追加してはいけません。


>仰向けがためですが床の上ででないとダメでしょうか?・・

↑どこでも結構ですが、人間の体の上には乗せないほうが良いです。主従関係を誤解する犬がいます。

お話したように今は無理しないで、遊びの中で一瞬やってみてすぐ褒めてすぐ解放・・・というくらいから始めてください。


>手ではなく何かを噛ませて、というのでは躾になりませんか?・・

↑お話したように、コングを噛ませて発散することも必要ですし、革手袋をした手を噛ませてそのまま口に押し込んで注意です。


今の子犬の月齢で結果を期待してはいけないのと、良いイメージが頭にあると「こんなはずでは!先が不安!」と思ってしまいます。

でも現実的には、現状は子犬の普通です。知能が低い状態がまだまだしばらく続きますし、これからは反抗期の難しさも加わってきます。

先入観は捨てて、「子犬は小さな猛獣」というくらいのマインドセットでいてください(笑)

正しくやれば、ちゃんと結果は出ますから安心して続けることです。でも、その結果が出る時期というのはまだまだ先だということです。今は求める時期ではなく、「与える時期」です。それを忘れないでください・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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