犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで子犬が本気で噛んでくる

質問内容・問題の内容
家に来て、まだ2週間ですが、ここ1週間本気で噛んでくることに悩んでいます。リーダーウォークからやってみようと思うのですが、首輪をつけると、とたんにおとなしくなります。首輪は今までつけたことがなく、数日前に購入しました。

今日、ためしにリードをつけ、家の中を歩かせようとしましたが、全く動きませんでした。無理にひっぱっていいものなのか、悩み、相談メールを送らせていただきました。もうすぐ生後3カ月ですがリーダーウォークは早いですか?
全く動かない場合どうしたらいいでしょうか?

・愛犬の犬種、年齢、性別、他にも愛犬の有無
チワワ(オス)生後3カ月

・ご家族全員の年齢、性別、一日の愛犬との同居時間
祖父64歳 男 12時間
主人 47歳 男 3時間
息子 6歳 男 4時間
私 39歳 女 16時間(仕事のない日)
        6時間(仕事のある日)

①    どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
ケージから出す前に「お座り」をさせて、ほめてから出す。じゃれてくるときは、頭や背中をなでる。

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
ケージから出して部屋で遊ぶときに、ひもでよくじゃれるので、ひっぱりっこをよくします。でもひもで遊ぶと興奮して、最後は噛むので、ここ2,3日はやっていません。まだ家に来て、2週間なので、遊ぶというより、自由にさせてしまっています。

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
ケージにあるトイレトレイでできたら、「よくできたね、○○」といって、なでる。「おすわり」が出来たら、ほめてケージから出す。

ご飯を食べる前に「おすわり」させてから、与える。

ここ1週間は興奮して噛んできたり、噛んでいる紙を口からとろうとすると本気で噛んだり、特に、息子に対して、興奮すると足をかんでくるので、そのときに、仰向けにして、おとなしくなるまで待つのがいいと本に書いてあったので、やってみましたが、噛んでくるので、おとなしくなるまで待てませんでした。

あとは口をおさえるといいと書いてあったので、やってみました。大人しくなりますが、手を離すと噛む→口をおさえる→大人しくなる→離す→噛む・・の繰り返しです。口を押さえるときに、低い声で「ダメ」と言っていますが...

ほめ方がよくわからず、子供をほめるような言い方で、拍手をしたりしています。

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
おやつは「おすわり」を覚えさえるのに、使いましたが、今はおやつなしでもできるので、あげていません。
息子が抱っこをよくしています。
じゃれてくるときに背中や頭をなでます。
祖父は仕事から帰ってくると、必ず声をかけます。
私はよく祖父の部屋のケージがキッチンからは見えないので、気になって、そ~っと見てしまいます。そのたびに犬に気づかれてしまいます。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
ブリーダーさんに3回目の予防接種が終わるまでは散歩はしないでくださいと言われているので、まだしていません。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
5:30~6:00 ケージから出して息子とケージの置いてある部屋で遊ぶ。
6:00 朝ごはん(ケージで)
8:00~8:30 ケージから出して、家の中で自由に。
        ケージに戻す。
10:00~10:30 同上
12:00 昼ごはん(ケージで)
14:00~14:30 ケージから出して、家の中で自由に。
         ケージに戻す。
17:00~17:30 同上
18:00 夜ごはん(ケージで)
20:00~20:30 ケージから出して、家の中で自由に。
         ケージに戻す。


返答内容まず今の犬の月齢は、非常に知能が低いということを理解してあげてください。知能が低い上に経験が何もないので、必死に防衛本能で対処します。

子犬は動くリードを、まるで別の生き物であるかのように見ることがあります。

リードは、慣れるまでは持たなくて良いです。つけたまま引きずってボール遊びをしたり、そのままゴハンを食べさせる・・というように、楽しい事をさせてその中に溶け込ませると良いです。(無理に引っ張ってはいけません)。

その中で時々持って少し歩いてみたり、犬の様子を見ながら強化していくと良いです。あお向けも同じです。急に強引に続けないで、ボール遊びの途中で一瞬ひっくり返してすぐ褒めて解放・・またボール遊び・・一瞬あお向け・・ということを毎日繰り返しながら慣れさせ、少しずつ仰向け時間を長くしていけば良いです。

それと予防接種前ですが、犬にとって社会化に一番大事な時期ですので、玄関先限定で外に出しましょう。もちろん草むらに入れたり、他の動物の糞尿に近づけたり、他人や犬と接触してはいけませんが、玄関先に出て、行きかう人や動物・車や自転車など見せておくことは非常に重要です。

動く必要はないので、今の「リードを付けると動かない」状況でも出来ます。そのうち犬の好奇心の方が、恐怖心に勝ってチョコチョコ動き出します。慣れるまで見守ってください。

リーダーウォークは、余計な興奮要素がない室内で、まずしましょう。3か月過ぎてからが良いです。それまでは先ほどお話した「慣れ」の練習と外の世界を見せておくことをしましょう。

一方、噛み付きのしつけですが、これはもう一貫して口閉じで教えましょう。おそらく生後2か月前には、親兄弟犬とは引き離されたと思いますが、そうなると親犬からのしつけや兄弟ゲンカから学ぶ機会が少なくなり、噛み癖が抜けないのです。

ですので、今度は人間家族が親犬の代わりに淡々と一貫して教えないといけないのです。

子犬が噛んだら。「ダメ!」と厳しく伝え、同時に犬の口を軽く手で閉じます。そして、叱って終わりにしないで、必ず褒めることです。良い型になったわけですからそこに「シ~!」の指示音を関連付けして、犬の肩をポンポンして褒めてください。

「シ~」にする理由は将来の吠え癖対策も考慮してです。

褒めたらすぐ口を解放します。解放したら、またすぐ手をわざと犬に見せてください。見せるとまた噛んできますので、再度「ダメ!」と厳しく伝え・・・ひたすらこの繰り返しです。

手を見せても噛まない瞬間がきたら、しっかり褒めて何度も反復します。今はまだ知能が低く、親犬からも十分教育を受けられなかったので、すぐに結果は出ません。でも感情的にならずに、毅然と淡々と続けないといけない時期なのです。

子犬の乳歯は細くてとがっているので、軽く噛まれても非常に痛いです。痛ければ、ホームセンターで600円くらいの作業用の皮手袋を買えば良いです。

>じゃれてくるときは、頭や背中をなでる・・

↑こういう時は仰向けにして、体中タッチすると良いです。ただし、犬の要求に応じるかのようにナデナデはいけません。
犬同士では挨拶する時に、下位の犬が上位やリーダーにすり寄ってナメナメします。人間から受けるナデナデをそれと誤解しやすいのです。

>ひもでよくじゃれるので、ひっぱりっこ・・

↑これはあまり良くないです。対面しての力比べは対抗心と興奮をあおるのと、リードを噛んで遊びを要求したりするようになり、まともに散歩できなくなる場合があります。

遊びは主導型のボール遊びが良いです。

>「よくできたね、○○」といって、なでる・・
>子供をほめるような言い方で拍手をしたり・・

↑先ほども少しお話しましたが、猫なで声でナデナデは従属的なので、毅然と伝えながら犬の肩をポンポンして褒めましょう。指示音やジェスチャーの関連付けも鉄則です。

トイレなら、トレーを指差し(場所を関連付け)ながら「チチチチ」などの指示音を出しながら、オシッコしている間ずっとポンポンしながら褒めます。終わったらすぐ止めましょう。犬を叱るのも褒めるのも現行犯のみです。(噛み付きの教えは前述済み)

>ご飯を食べる前に「おすわり」させてから与える・・

↑続けてください。食べてる途中でも中断できるようにしましょう。またマテも覚えさせ、少しずつ待てる時間を長くできるようにしましょう。主従関係もより認識しますし、犬の集中力も付いていきます。

オヤツは止めましょう。栄養のバランスも崩れますし、知能が高くなってくるとドライフードを食べなくなります。それと食べ物で釣って行動させていると、関係作りができているかのような錯覚に陥ってしまいます。これが一番怖い事です。

時間はかかりますが、物の効果を使わず純粋な関係作りをしてください。そのほうが最終的には早く良い関係になります。

>息子が抱っこをよくしています・・

↑犬同士では体を合せる時に、下位の体の上に、上位の犬が自分の前足やアゴを乗せてきます。マウンティングも同じ意味ですが、体位が関係を表します。抱っこも、犬は関係を誤解しやすいので止めましょう。

どうしても、危険回避や犬が通れない場所を通過する場合は、あお向け状態で抱っこして、すぐ降ろしましょう。

抱っこすると多くの犬は大人しくなりますが、犬は高くて不安定な場所が怖いのでジッとしているだけです。

>祖父は仕事から帰ってくると必ず犬に声をかけます・・

↑帰ってその足で声をかけないようにしてください。まずこういう挨拶は、下位がする従属的なことですので関係が崩れますし、不在時とのギャップが大きいと、興奮癖やストレスになります。

いつの間にか出かけていて、いつの間にか帰っていた・・という自然な形にして、ギャップを大きくしないことです。最低5分は、犬に姿は見せるけれども、目も合わせずかまわないことです。犬も人間もそうですが、良い事も悪い事もギャップがストレスになります。

「家の中で自由に・・」という時間がたくさんありますので、そこでリードをつけたままボール遊び・・主導型のボール遊びをしてください。

スワレ・マテの指示を出して、できたら褒めてボールを投げる・・出来なかったら型で教えて褒めてボールを投げる・・投げたらコイ・ダセの練習・・そういう楽しい遊びを通して主導性を示し、関係作りをしていってください。(リードにも慣れさせる)。

では、しばらくそんな形で続けてください。

今の月齢はとにかく知能が低いですから、結果も出にくいですし、「三歩進んで二歩下がる」が当たり前ですので、感情的にならず淡々と楽しみながら続けましょう。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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