犬のしつけがQ&Aで分かる!

噛む犬のしつけで体罰をしても逆効果

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始めまして

7歳8ヶ月の柴犬、男の子のしつけ相談です。

主人の知り合いが急死され一人暮らしだったため急遽引き取ることになりました。うちへ来て3ヶ月です。

以前の家では来客などに吠えていたそうですが、うちでは、無駄吠えはありません。

しかし、本気で噛みます。
未遂も含めると何回も噛みました。 
最初は餌がらみでした。

散歩も、ぐいぐいひっぱるし・・・

でもおとなしく、お座りなどするときもあり、愛情も芽生えてきました。

そんな時、主人を噛み(2回目)、主人が酷い体罰をしてしまいました。

主人は、処分を考えていましたが、私や子どもたちは、反対したのでもう少し様子を見ることにしたのですが、私が、ゴミを拾う時餌と間違えたらしく私を噛んでしまいました。主人は、竹の箒が折れるほど体罰を与えてしまいました。

それでも、私たちは、可愛くて・・・

でも、犬と仲良くなりかけていたのに、それ以来変な空気が漂うようになりました。

そんな時、主人が散歩に行き背中を撫でていただけなのに噛んだそうです。
主人は、他人を噛んだらいけないから処分する。というのですが。

主人の、虐待が関係を悪くしてしまったと思いますが、以前の飼い主から甘やかされていたとも思います。

犬に噛まれないで撫ぜてやれたり、仲良くなりたいのですが、できるでしょうか?


m2.png犬に限らず動物は皆、食と安全に関わる記憶と感覚が非常に鋭いです。生きるためですので当然です。

ただし、親犬からしつけを受けたり、兄弟ゲンカをしたりしながら最初の社会化をはたし、次に人間の家族との間で主従関係を学んでいきます。それらが上手くいっていなかったことと、柴犬君の権勢本能も若干強いようです。

しかし、若干です。子供さんが処分させたくないと思うということは、常に凶暴で手におえない・・ということではないと思います。どうか犬の素性のせいにしないでください。犬としては普通の行動です。

犬は特に主従関係を大切にします。新しい家に来て数日間で、犬は自分と新しい家族との関係を良く観察して、感じていたのです。ご家族は自覚はないと思いますが、犬にとっては少し従属的に映る行動や態度はあったと思います。

しかし、犬のしつけのご経験がない、あるいは犬の本能を熟知していないと、なかなか気付けないことです。また、前のご主人が亡くなって、犬が可愛そう・・というお気持ちも、無意識に働いていたのではないでしょうか。

犬は犬の本能で、純粋に生きています。環境に適応します。ですので、犬のしつけをしっかり受ける環境に変われば犬も順応しますし、また悪い環境に戻れば、また問題行動を起こします。ただそれだけです。

しかし、最初の関係作りでつまずいてしまうと、犬のしつけを展開していったときに、犬は自分の優位性が無くなっていくので当然面白くなく反発もします。でもそれは、犬のしつけで必ず通る道ですから、焦らず感情的にならず、淡々と進めなければいけません。

体罰ですが、厳禁です。物をたたいて威嚇するなども厳禁です。自分が噛み付いていることと、受ける体罰を結び付けることは、犬の知能ではできないのです。シンプルに防衛本能で対応するだけで、逆効果です。それしか犬の知能ではできないのです。

おとなしい犬は、体罰を加えるとその人の前では何となくおとなしくなるのですが、それは自分の行為を反省しているのではなく、ただ単に体罰が嫌だから、とりあえず何もしないでジッとしているに過ぎないのです。そして弱い子供などを攻撃したりします。

今は、あお向けやマズルコントロールなどの「犬に触る系のしつけ」はしない方が良いです。犬は手の動きなどに過敏になっています。また、褒める時も頭や背中(犬から見えにくい高い場所)は避けてください。肩のあたりをポンポンポンとしてやり、「○○良い子!」とハッキリ伝えます。それ以上の褒め方や、かまい方は従属的になるので止めてください。

今はリーダーウォークを徹底すると良いです。食事前に入念にやってください。いったんフードの準備をして、それをあえて見せてからやります。これは食べ物で釣って行動させるのではなく、リーダーのおかげで食料にありつける・・という主従関係を明確に認識させるためです。

そして、しっかりスワレ・マテをさせてから食べさせます。食べてる途中も、何度も中断させます。ですのでリードを付けて食べさせると良いです。

決してかわいそう・・などと躊躇したり、そのような態度を見せてはいけません。本気噛みは危険です。犬のしつけには段階がありますが、今は本当に厳しく毅然と一貫して、やり続けないといけない状況です。

とは言っても、犬にも遊びや運動、狩猟本能のはけ口も大切ですので、毎日の散歩と主導型のボール遊びもしてあげてください。

犬のしつけは何歳になっても、どんな状況でも変化は出ます。また何歳になっても、良い子になっても一貫してやり続けないといけないのです。犬は成長しても、人間レベルの知能になるわけでもなく、犬の本能でシンプルに環境に適応して生きるだけだからです。

ただし、7年間の癖は簡単には抜けませんから、あせらず感情的にならず根気よく続けることです。結果はそれに比例ます。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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