犬のしつけがQ&Aで分かる!

本気で噛んでくる犬のしつけ

m1.png本気で噛む犬のしつけ相談お願いします。

問題の内容

○本気で噛んでくる
特に体を拭こうとした時。主人には頭をヨシヨシされた時も噛む

柴犬 5か月 メス 他には飼ってはいません。
 
・ご家族全員の年齢、性別、一日の愛犬との同居時間
主人 44歳 朝20分程度 夜2時間程度 散歩に行っています。
私 39歳 午前中少し出かける以外はほぼ一緒にいます。
長男 7歳 朝30分程度 夜 4時間程度
二男 3歳 私と同じです。あと3ヶ月で幼稚園に入ります。

①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
夜は1階で一人で寝ているので、朝おはようで「なでなで」をしています。午前中散歩に行きます。室内にいる時は良く話しかけたり、なでたりをしていました。膝が外れているので屈伸運動をすすめられ、朝夕抱っこをして屈伸運動をさせていました。

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
二男が小さく、割と最初から噛んできていたので普段はケージの中で過ごさせ、遊ぶ時だけボールを転がして追いかけっこをしたりしていました。年末に靭帯を痛めたようで、今年になって以降はフローリングでは遊ばないようにし、今は庭につないでフリスビーを取ってくるとかボールを取ってくる等の遊びをしています。(ひもが動くような仕組みにしました)

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
トイレに行きたそうな時はケージのトイレ部分を仕切って上手にできれば褒め、出来ない時は黙って拭くようにしていました。お座りもできるので、話しかけお座りができれば褒めておやつをあげる時もありました。

体を拭くのが嫌いなため、唸ったり反抗的だったときは口を押さえつけたりしていました。噛まれた時はとても叱っていました。体罰もありました。主人も反抗的に噛まれた時はひっくり返して口を噛んで唸った事もありました。

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
先に書きましたように屈伸運動は抱っこで行いますし、なでなでやお利口ねと声をかけていました。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
朝は15分程度、以前は怖がって歩かないことが多かったので、一緒に止まったり抱っこしてしまったりしていましたが、今は歩くようになったので止まっても止まらず、引く時は後ろに引っ張るようにして歩いています。夜は10分程度 主人が行っていますが、同じようにしていると思います。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
朝6時半ごろ家族が起きると起きて挨拶、その後また寝る。

8時過ぎ家族の食事が終わってから食事。散歩に行く前に室内のトイレか、庭に出してからおしっこ。

9時過ぎに散歩。帰ってから私と遊んだりお座りの練習。

10時過ぎに私たちが外出する場合は室内のケージ内で過ごす。
お昼頃戻って、私たちの食事の後食事をさせまた外で過ごす。

夕方5時前には室内に入り、犬用のガムを噛んだりしてその後寝る。

夜7時半過ぎ家族の食事が終わってから食事(主人が遅い場合は私たち3人が終わった後)。

その後10時過ぎには寝ます。


先週の月曜日に二男を噛みまして、金曜日にも体を拭こうとした私が噛まれました。やはりとてもきつく叱って鼻の部分をたたいてしまいました。土曜日はブラッシングの際にかなり唸ってきたので、顔を押さえて「いけない」と叱っています。

お留守番の後や朝は「お利口」と良く褒め、メリハリをつけようと心掛けてはいたのですが。やはり体罰がいけなかったのだと反省していますが、本気で噛んできた場合はどのように接したらよいのか、わからなくなってしまっています。

内容がわかっていただけると良いのですが。


m2.pngまず犬の本気で噛む原因は次の二つのいずれかです。

1、接し方の間違いで犬が優位性を強く感じている
2、体罰に対して防衛本能がシンプルに働いている

今回は二つとも原因のようです。まず体罰ですが、すでにご理解いただいているようですので深くはお話ししませんが、犬の知能では体罰を理解できません。特に幼犬は知能も経験もまったくありません。生まれ持った防衛本能そのままで反応してきます。

グルーミングで触る・・頭をヨシヨシ・・その外にも、人間の手が近づく状況は全て体罰と結び付けて反応しますから、防衛のために噛みます。(あま噛みとは目的も原因も違います)。

そして感情的に怒ってはいけません。毅然と叱ることとは違います。興奮や感情で怒ると、臭いや脳波で犬に伝播し悪循環になります。よく興奮するとアドレナリンが出る・・なんて言いますよね。人間同士でも伝播することが科学的に証明されています。

もともとは甘噛みだったはずです。犬は狩猟動物です。動くものを追いかけ噛み付き破壊する本能を持っていますし、生れてからもそれを磨く行動をします。知能も低いです。まずは犬という動物の本質を知り理解してあげる事が大切です。そこから少しずつ人間社会のルールを根気良く教えていく必要があります。

それがご自分の中で理解できないと、どうしても感情的に怒ったり手が出てしまいます。でも、それでは犬が理解できないだけではなく、悪循環になってしまうことを知ってください。犬の一歳まではまだまだ苦労しますし、結果が直ぐに出ない時期です。でもやり続けなければいけない・・というガマンの時期です。

ただし、お考えになっていたように厳しい犬のしつけの意識は素晴らしく、必要不可欠ですので、これからもその意識を継続してお持ちください。

続いて接し方です。

かまい過ぎ・・ではなく、犬との接し方の問題です。無視だけでは関係作りもできませんし、物事を覚える機会も乏しくなってしまいます。
まず、意味の無い声かけ・ジロジロ見つめる・ナデナデ・オヤツ・抱っこ・・・これらを止めましょう。
それらの態度は全て、犬の本能からは「従属的」に映るからです。

接し方で意識することは、「犬に必ず何か指示を出す」ということです。意味無く声かけナデナデするのではなく、オテでもスワレでも何でも良いですから「指示を出す→従う→褒める」。このパターンを意識してください。従わなかったら型をとらせて褒める・・にすれば良いです。そうすれば楽しくスキンシップできますし、主従関係も深まっていきます。なお良いのは、あお向け・リーダーウォーク・主導型のボール遊びです。

ですので、犬との挨拶も今までのような「おはようナデナデ」ではなく、先ほどのパターンで接してください。(お出かけと帰宅時の挨拶は犬のストレスになるので一切しない)。

>目があった時は笑顔を向けるようにしています・・
↑これも、いつも犬に視線を送ることはしないでください。従属的な態度に映ります。ただし、叱る・褒める・指示を出す時はしっかりアイコンタクトをとってください。

褒め方も、「かん高い声かけでナデナデ」は従属的ですし、犬の興奮をあおってしまうので、頭や体をポンポンポンと軽くたたいて「○○良い子!」と毅然と褒めます。長く大げさな褒めも興奮をあおり、従属的になります。

抱っこしての屈伸運動も、ゆっくり長めの散歩の方が良いと思います。歩く事は人間にも犬にも一番良いです。軽い負荷での連続運動が良いですし、今は社会化が柔軟な貴重な時期(生後6ヶ月まで)です。最低30分以上は外の世界に触れさせ、他人・犬、車や自転車など多くのものを見せ会わせ社会化を促進してください。その不足が問題行動の一因になっている場合も多々あります。

それと膝が問題なかったとしても、この時期の犬にはまだ激しい運動をさせないほうがいいです。骨格の成長が一段落して、筋肉が充実してくる一歳近くまでは、全力疾走は避けたほうが良いです。

ヒモ付ボール遊びは必要ですので、短い距離でコントロールしましょう。獲物を追いかける、という本能のはけ口があればそれで良いです。必ずスワレ・マテをさせ、出来たら褒めて投げることを癖にしてください。(できなかったら型をとらせる)。また、ご自分の目を指差して「ミテ」で注目させるしつけも良いです。

噛み付き行為に対してですが、甘噛みの場合は「ダメ」と同時に犬の口を軽くつかんで、その後褒める・・という型と音の教えをアドバイスするのですが、今回は人間の手の動きに過敏に反応する状態になってしまっているので、直接触れる犬のしつけはしばらく避けましょう。

まずはリーダーウォークの徹底です。家の中、お庭・・少しでも時間があったら何度も何度も完全無視でやってください。(ムキにならずに毅然とした態度を示す)。特にゴハン前だとより主従関係が明確になります。それとヒモ付ボール遊びです。その二つなら直接犬に触れなくてもできます。

それをしばらく続けて、噛み付きの反応を見ながら、あお向けを少しずつやってみましょう。最初からムキになって長時間するのではなく、最初は一瞬ひっくり返して褒めて止める。そんな感じから始めて、徐々に静止時間を長く出来るように数をこなして教えてください。

それからブラッシングや体拭きですが、犬が噛み付いてやりにくかったら、特製の作業台を作ると良いです。安くするなら、ダンボール箱を縦に二つ重ねて天辺を木の板にしガムテープで止めます。1メートル以上の高さにして、幅はなるべく狭くします。犬は高くて狭い場所が怖いのでジッと大人しくなります。そこでグルーミングすればやりやすいですし、マテ・スワレの教えもそこで出来ます。

もし日曜大工で、木などでしっかり作れれば水に濡れるシャンプーでも活躍しますね。(ガーデニング用品などで安い既製品を買っても良いです。)

それから犬のしつけ教室ですが、もし有料なら止めましょう。オヤツやしつけグッズを使う教え方ならなおさらです。物を使うと、良い関係がどれだけ作れているか見えなくなってしまいます。無料なら社会化のために大いにご参加ください。無料のドッグランがお近くにあればなお良いです。

では、今回は以上です。
しばらくの間はリーダーウォークの徹底と散歩、全力疾走させないボール遊びを続け、様子を見ながらあお向け・・そんな形で犬のしつけを進めてください。

それでは頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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