噛んだオモチャを放さない執着する犬のしつけ方
堀川さま、また相談になります。(柴犬9カ月のオス)
おかげさまで、食後の食器は、食後5分ほどで引き上げられるようになりました。一声、ガウ、とは言いますが、手に歯を当てる程度です。(激しい噛み付きは無くなった)
散歩時の引っ張りは、なかなか進歩がみられない日々が続きました。
リーダーウォークも引っ張りやリードを噛んでばかりで、後退してるんじゃないか、と思うこともありました。毎日、毎日うまくいかなくて、くじけてしまいそうになるときもありました。
でも、昨日から突然ですが、リードを引っ張らず、たわんでいる時間が多くなり、私の様子をうかがいながら歩くことができました。
まだまだ、いつもできる、と言うわけにはいきませんが、今日の散歩のときも、引っ張ることが1/10くらいに減って、心が震えるほど感動してしまいました。
毎日同じことをしていたのに、できるときは、ある日突然なんでしょうかね?
浮かれず、これからも堀川さまのしつけ方法を続けていこうと気を引き締めます。
今日、相談させていただきたいのは、骨ガムやオモチャに対する執着です。
食後の皿への執着は少なくなったようですが、柵を噛むので、骨ガムや、ヒマラヤチーズスティック(カチカチに硬い固形チーズ)をやると、熱心に齧っているのですが、その最中に取り上げようとすると、唸り、まったく離そうとしません。
無理に引っ張ろうとすると、ますます威嚇してきて、しまいにはオシッコをもらします。
だから、現在は骨ガムから、10分程度で食べきれる少しソフトタイプのガムを与えています。
普段、うちの子が遊んでいるオモチャ(ボール)は、「持ってきて、離して」と何度か言うとできるのですが、今日公園でいつもうちの子を可愛がってくださるワンコ仲間の女性が、ロープ型のおもちゃをうちの子に投げて遊ばせてくれたのですが、「離して」ができず、骨ガムのときと同じように、うなり、威嚇して全く離そうとしませんでした。
ロープが歯に喰い込んで、「シッ!」「離して」と何度言っても、引っ張っても無理でした。
結局、自宅へ帰る道中も、ずっと咥えっぱなしで、帰宅後は主人が怒鳴りながら引っ張りましたが離さず、オモチャをもらしました。
足を拭くために体を持ち上げたとたん、なぜか、パッと離したので、回収できました。
怒鳴ったり、脅したらダメなのに、夫は、つい感情的になってしまったそうです。
いつも遊んでいるボールは、離すのに、珍しいものだと執着がものすごく強くなり、離しません。こんな時はどうすればいいのでしょうか?
無理に取り上げたりせず、咥えさせたままにしておけばいいのでしょうか?
よその犬のおもちゃなので、早くお返ししたいし、唸られてオモチャを回収できないのでは、リーダーの沽券にかかわる、と思って必死で取り上げようとしたのですが。
リーダーウォークが少しうまくいった、と喜んでいたとたんに、こんなことになって、またまた悩んでいます。
どうぞよろしくお願いいたします。
頑張っておられますね(^_^)
まず、この月齢で現状でしたら、十分上手くいっていると言って良いです。
期待値が高すぎると、犬にも飼い主さんにもストレスになりますが、子犬の現状や限界を知ってあげることで、心の余裕が生まれ、犬のしつけにも良い影響が出ます。
物への執着心や独占欲ですが、まだ成犬にもなっておらず、知能も経験値も低いということもありますが、本来は捕食動物としての大切な本能でもあります。
動く物を捕まえ、捕えたら逃がさない、素早く解体して飲み込む・・・
これは捕食動物としての大切な本能ですし、群れの中でも競争する本能があります。
人間の子供でも、物への執着や独占欲があるわけですので、もう少し長い目で見てあげないといけません。
その中でも、コツコツ一貫して教えていくわけですが、犬が噛んだ物に対して、「物を引っ張って取り出す」という発想を持たないほうが良いです。
犬の歯の向き、構造上からして、噛んだ物を引っ張り出そうとすると、実は余計に食い込んでしまうのです。
さらに、犬には『反射抵抗』の作用があり、噛んだ物を引っ張り出そうとすると、余計に強く噛んで踏ん張ろうとする特性があります。
ですので、噛んだ物を放さない時は、引っ張るのではなく、そのまま口の中に押し込んでください。
片手で犬の首輪をつかみ、もう片手で犬が噛んだ物をつかみ、そのまま口の中にググーと押し込んでしまいます。
そうすると犬は、「オエ~」という感じで口を開いて、のけ反りながら放します。
そのすきに、スパッと回収して隠して知らんぷりしてください。
他には、スワレ・マテをしっかり定着させておくと、犬が物を軽く咥えたまま固まりますので、取り出しやすくなります。
スワレ・マテをさせるということは、直近で指示に従った流れ(主従関係の意識と条件反射)があるので、そのまますぐに「ダセ」の指示を出すことで、流れのまま言うことを聞きやすいのです。
ですので、普段のボール遊びでダセが出来るようになってきたということですので、それをもっと強化して定着させてください。
>毎日同じことをしていたのに、できるときは、ある日突然なんでしょうかね?・・
↑知能が低いので、何度も繰り返さないと理解できないという面もありますが、一貫することで犬が根負けする時が来るのです。
「この人にはかなわない、このワガママは通用しない」ということを理解します。
あるいは、犬がたまたま面倒くさくなったり、犬の集中力が一瞬途切れた時に、少しでも良い形になると、「あれ?このほうがスムーズで楽しいな♪」という気付きが犬の中に生まれて、そこから急に良くなったりもします。
ですので、色んな所で何度もお話ししているように、良い型を作って褒めて気付かせてあげることが大切なのです。
>足を拭くために体を持ち上げたとたん、なぜか、パッと離した・・
↑これもいろんな所でお話ししておりますが、犬は、「高い、すべる、ずれる、しなる」ような不安定な足場をとても嫌います。
ですので、高く持ち上げられて足の接地が無くなったとたんに、力が抜けてしまったのです。
ということで今日は以上です。
もう少し反抗期の余韻が残る時期です。そして、知能が上がったばかりでまだ経験不足ですので、これからドンドン良くなっていく時期です。
もちろん、接し方が悪ければドンドン悪くなっていく・・・という時期でもあるわけですが、良い接し方でたくさん教えて経験させてあげることで、ドンドン良くなって落ち着きも出てくる時期です。
それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)