2歳くらいから本気噛みするようになったトイプードル犬のしつけ
堀川様、犬のしつけ相談をよろしくお願いいたします。
家族構成は私(20代前半)、兄2人(20代前半と20代後半)、母(50代後半)、父(50代前半)です。
私の飼い犬は5歳のオスの黒トイプードルです。生後約1ヶ月で我が家へとやってきました。
以前レッドのトイプードルを飼ったことがあり、どうしてもまたトイプードルを飼いたいと強く思い、ワンちゃん探しの途中で会った黒のトイプードルに一目惚れしまして(その時のワンちゃんは既に買い手がいました)、某ペットショップにて黒のトイプードルを探してもらい見つけてもらった子が私の飼い犬です。
今回ご相談したいのは、その犬の本気噛みについてです。
普段、扉から入ってきた人(家族でも)に吠えますが、とても良い子で甘えん坊でボール遊びが大好きです。昔はタオルを使って引っ張り合いっこもしてました。
でも触っていたりして何かスイッチが入ると、すごい形相で噛んできます。(自分から手の下に入ってきて何が気に入らなかったのか噛もうとするときもあります。)
家族全員が噛まれていて、特に母親は犬がそこまで得意ではなく怖がっています。まだ病院に行くほどの怪我はしていませんが必ず出血しています。
触るときは必ず噛むといいうわけではなく、最近は落ち着いてきていたので上手につきあっていたのですが、先日リードを首輪から外そうとしたら本気で噛まれ、外すまでに三、四時間かかり、もうかなりリードに対して嫌な印象を持ってしまったと思います。
いま、毛のカットをお店の人に頼んでいて、リードをつけるようにお願いされています。月に1、2回は必ず行う作業なので次回がかなり怖く感じています。
実は過去にも同じことがあり、対処としてリードを変えてましになったことがありました。でも今回は前回よりさらにひどく、私が手を近づけようとするものなら威嚇することさえあります。
普段の生活スタイルは1日2食、基本的に遊ぶとき以外はサークルにいます。私も含め兄二人、(父は単身赴任です)仕事で夕方まで帰りません。散歩はリードをつけることの恐怖感からかなりの期間やっていません。
なぜこんなことになったのか思い当たる節はあります。
前回飼っていた犬がかなり人懐く甘えん坊で、人がいないと寂しくてものすごく鳴きご近所にかなりご迷惑をかけていました。
だから余計しつけはちゃんとしなければという思いがかなり強く、まだ小さいとき初めて人を噛んだとき絶対に直さなければという思いで仰向けにしてかなり恐怖を与えたことがあります。後悔先に立たずですが本当に後悔しています。
おやつは大好きで、おやつがあればなんでも言う事を聞きます。おやつがあると苦手なことも多少我慢していたので難しく思うこと、例えばリードをつけることは必ずおやつを使っています。
褒め方は良い時はイイコ、いけない時はダメというふうに言っています。
私の実感としては、犬の中でイイコという表現が文字通りに伝わっていないのではないかと感じることもあります。頭をナデナデすることはあまり好きではないようです。
私は振り返ってみて、かなりしつけの間違いをしている事に気づいて、どうにか犬が楽しく安心して私たちを頼ってほしいと願いつつ、術がわからず何とかなるだろうと逃げていました。
吠えるにしてもまず噛むことだけは本当に止めてほしくて、私も職業柄手をかなり使うので咬み傷はほんとうに困っています。たくさんの間違いは承知でいています。でもどうかアドバイスよろしくお願いいたします。
過去の遊びに関しましては、タオルの引っ張り合いっこ、小さいロープのおもちゃやボール、音のするぬいぐるみを投げて遊んだり、かくれんぼをしたりしてました。
タイミングに関しては確かな記憶としてなくて、私たちが遊ぼうかと思った時ということしか覚えてません。
情報がざっくりですみません。
しつけは遊びの途中におやつを使って、オスワリ、フセ、オテ、オカワリを覚えさせました。
トイレは正直なところちゃんとしつけれていません。でもトイレの位置はしっかりわかっているようです。トイレを失敗した時は、すぐにケージの中に入れて何も言わずに片付けるようにしています。
良い時はイイコ、悪い時はダメというようにしています。
前、リードにそこまでの反応をしていなかったとき、無駄吠えがかなりひどかったので状況改善のために首輪型の振動や超音波、電流を放出するお仕置きグッズを藁にもすがる思いで買って使用したことがあります。
おそらくですが、それが今リード、首輪を嫌がるようになった1つの原因かもしれません( ; ; )
オヤツは遊んでいるときにオスワリやオテ、ボールを持ってきてほしいときの合図としてモッテキテ、などをできた時オヤツをあげていました。
抱っこも昔はしていましたが、好きではないようで唸るようになってからほとんどしなくなりました。猫なで声は良いこでいる時の7割近くそうしていると思います(^^;;
過去の散歩は30分ほど近くを歩いていました。途中でたまに走ったりもしてました。
1日の流れは特に決めてませんでした。
ごはんも1日2食なので私たちが食べ終わった後に私たちのタイミングでやってました。それに合わせて私たちのタイミングで遊んだりしていました。
前、犬はかなり偏食気味で、嫌いなドッグフードだったり缶詰だったりすると全然食べないことがよくあったので、食べさせることがよくありました。(というのも手に乗せてあげると食べました。)
添付写真は我が家のサークルの様子です。トイレと寝室の別れたタイプのものです。前はもうひとまわり小柄でトイレも分かれていないものでした。トイレの掃除が楽になると思い2、3年前に購入したものです。基本的に遊ぶとき以外はこの中で過ごしています。
本気で噛むようになったのは、正確なことは覚えていませんが三、四年前ぐらいなので2、3歳の頃からだと思います。
去勢手術はまだ行えていません。
今までトリマーさんや獣医さんに対しては噛んだ記憶はないです。一回トリマーさんが苦労をにじませてらっしゃったときはありましたが噛んだというふうには聞いてないです。
生後6週で我が家に迎えています。
本気で噛むときはリードのときがほとんどですが、最近は怖いので怒らせないようにしてたこともあり、ほとんど噛んでいませんでした。
最近最後に暴れた頃からから自分から手の下に入ってきたときに唸るということはあります。撫でるのが今本当に怖い状態です。その気持ちが伝わってるのかもしれません...
家族全員の一貫した教えはできていないと思います。
1度一貫するように努力しましたが、やり方に文句を言われたりどのやり方が良いのか分からなかったりと、結局一貫できずじまいでした。
家族もそれぞれに仕事や都合があり、全員が揃うことは少ないのでよけいに意思疎通ができていないのかもしれません。
噛んだときには強くダメと言って体を押さえて落ち着くのを待っています。立ち上がる事もありますがそうするとジャンプしてまで噛んできます。
過去飼っていたワンちゃんは、成犬で知人からいただいて本当に人懐こかったのですが、一人じゃいれない子で出かけて誰もいなくなるとかなり鳴いて、あるときは1時間ほどずっと鳴いてた時もあって、母親がノイローゼになってしまい里親に出してしまいました。
その頃私は小4でかなりショックだったのを覚えています。
そのこともあり今回はちゃんと躾をすると心に決めて犬を迎え入れました。普通よりも力が入っていたのかもしれません。結局のところ力不足で空回りしてしまい、状況が悪化してしまいました。
どうぞよろしくお願いいたします。
頑張っておられますね(^_^)
詳細をお送りいただきまして、ありがとうございました。状況が良く把握できました。
まず今回のトイプー君は、素性が良い子です。生まれつき噛み癖や凶暴性が強い犬ではありません。
その根拠は↓これらです。
>本気で噛むようになったのは2、3歳の頃から・・
>今までトリマーさんや獣医さんに対しては噛んだ記憶はない・・
>自分から手の下に入ってきたときに唸る・・
>自分から手の下に入ってきて何が気に入らなかったのか噛もうとする・・
↑これらの症状からして、噛み癖を強くしてしまったのは、育った環境によるものです。
生まれつき問題がある犬は、そうそう数が多いものではありませんし、まず流通することはありません。
とても親兄弟と共に暮らすことはできませんし、ブリーダーもショップも直ぐに異常が分かるので、そういうい犬は売ることは出来ません。
それでも、もちろん生まれつきの個性はあります。異常に人の手を怖がって、おびえたり攻撃してくるような子犬がまれに流通することはありますが、そういう子は家に来た瞬間から異常なので、手に負えず返品されます。それも非常にまれなケースです。(体罰を推奨するブリーダーがまれにいます)
ほぼ100%は、育った環境によるものです。
ブリーダーやショップでの環境、飼い主さんの飼い方しつけ方で変わります。
今回の噛むようになった原因は、環境によるものですが、大きく二つです。
①根本的な接し方の間違い
②根本的な接し方と、注意する時の接し方に、ギャップが大きすぎた
ということになります。
仰向けで叱ったり主従関係を示すこと自体が、悪いわけではないのです。
問題は、その注意の仕方と普段の接し方との間にギャップが大きすぎて、犬が納得できなかったからです。
■普段の接し方のお間違いは以下です。
>猫なで声は良い子でいる時の7割近くそうしていた・・
>全然食べないことがよくあったので手に乗せてあげると食べました・・
>おやつは大好きでおやつがあればなんでも言う事を聞きます・・
>お仕置きグッズ・・
>抱っこも昔はしていました・・
↑これらを続けたことが、主従関係の崩れの原因になります。
以前に飼った犬の吠えでご苦労されたようですが、それに対する「今度の犬はキチンとしつけしなければ・・」という意識はもちろん良かったのですが、あくまで対処法になってしまったのです。
根本の主従関係が重要だということを、本当に認識できなかったのです。
だから上記のような接し方しつけ方になってしまいます。
犬の本能には、それらの接し方・態度・ふるまいは、従属的に映ってしまうのです。精神性が弱い相手だと思われてしまうのです。
犬からそんなふうに認識されてしまっている中で、ある特定のことにだけ厳しく叱ってしまうと、そのギャップや矛盾に耐えられず、犬が怒りたくなるのは、ごく自然な反応になります。
かと言って、無視だけではスキンシップも信頼関係も作れませんし、物事も覚えることができません。
そこで、主導型でたっぷり遊んであげて、型を作って教えて褒めてあげる・・・ということをしていただきたいのです。
さて、現状はできることが限られています。
今回は、いきなり本教材でお話ししている内容を全て展開するのは無理な状況です。
特に今回は、長年の接し方の積み重ねによって、習慣や関係が染みついていますので、激変しないことです。激変してもギャップに犬が耐えられずに、反発して悪循環になります。
少しずつ展開していきましょう。
まずは、飼い主さんの意識改革です。
本書とQ&Aを熟読していく中で、意識と知識が深まっていきます。
そうすると、自然と態度が変わっていきます。表面的にアレコレしなくても、自然と変わっていきますし、自然と一貫性も出ますので、ちゃんと犬に伝わっていくのです。
続けることで、犬も認めるようになっていきます。
それと、年齢的に運動量と発散が必要な時期です。
散歩や遊び無しですと、ストレスがたまって、それも悪影響に加算されます。
まずは防備をして、リードは付けれるようになりましょう。
キチンとしたリーダーウォークや主導型の遊びはまだ無理しないで、発散が出来るというだけでも、とてもプラスになります。
まずは、ホームセンターで作業用の革手袋を買いましょう。500円くらいで売っています。
腕輪も売っていますが、厚手の古着を着ても良いです。
そうやって、まずは噛まれることにビクビクしないで済むような準備をすることです。そうしないと、飼い主さんの緊張が犬に伝播して、よけいにあおってしまったり、見下される原因になります。
そして勇気をふりしぼって、リードを着けることです。
ご飯前にスワレ・マテさせて、そこで装着しても良いです。もちろんこれは、食べ物で釣るという意識ではなく、「リーダーが食料を与えてあげているんだぞ」と意識でいてください。
団らんの時間、遊びの時間は、必ずリードを犬に付けてそれを持っておく癖にしましょう。
そうやって過ごすことで、犬の行動全体を主導する形になりますので、主従関係を意識しやすいのと、噛まれること自体を防げます。噛んだ時も現行犯で注意しやすいです。
噛んだ瞬間に、「シ!」の注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意します。
コング遊びも、ヒモを付けて主導型にしましょう。
好きに噛ませて発散させる時間も作ってあげていただきたいですが、基本形はマメに回収して、遊びの主導権を握ってください。
また、お部屋の中でリーダーウォークも行いましょう。
そして、お天気の良い日は、しっかりお散歩を続けてください。もちろんリーダーウォークの意識をしましょう。
まずは、そんなところから始めていきましょう。
仰向けは、しばらく封印です。また、型を作って物事を教えるのも、しばらくは止めます。接触系のしつけはされないで、リードを活用した非接触系のしつけを中心にします。
また、精神的にも距離を置いてください。
声掛けなどは一切されないで、まず三日間から五日間くらい、一切声を出さないでやってみてください。注意音とマテだけにしてください。
そうやってしばらく続けて、変化が出てきたら、スワレの型を作ってあげて褒めても良いですし、コイやダセを教えても良いです。
そしてそれも続けていき、遊びや教えの中で、触っても噛まなくなってきたら、仰向けも取り入れてみてください。
【その他】
>タオルの引っ張りあいっこ・・
↑これはいけません。対面での力比べなので対抗心が強くなったり、人の動きに過敏に反応する癖がつくので、興奮癖・噛み癖が強くなる犬が多いです。
>おもちゃやボール、音のするぬいぐるみを投げて遊んだ・・
↑必ず主導型でしましょう。ヒモを付けて、飼い主さんが回収し、主導権を握れるようにしましょう。
>家族全員が噛まれていて、特に母親は犬がそこまで得意ではなく怖がっています・・
>家族全員の一貫した教えはできていないと思います・・
>1度一貫するように努力しましたがやり方に文句を言われたり・・
↑変に関わるくらいでしたら、一切関わらないでいただいたほうが良いです。
ただ、ゴハンや飲み水を与えたり、トイレのかたずけなどはしていただいて構いません。ただし、一切目も合わせず、声掛けやナデナデもされないという条件です。
噛み癖が直ったら、主導型で遊んだり散歩に行っていただきましょう。それまでは、一切関わらないようにお願いされてください。
それでは、これからQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)