ふだんは良い子なのに急に噛みついた犬のしつけ
堀川先生こんにちは。またご相談させて下さい。
前回ご相談させていただいてから、ご指導アドバイスを参考に頑張ってきました。結果効果はまもなく現われ、あれから4ヶ月弱経過しましたが、強く噛む、犬がわがままを通す行動は一切なくなりました。
たまに間違えて噛んでしまっても明らかに加減してくれますし、犬本人もしまった、ごめんねといった態度ですぐに自らお腹をみせてきますので、私達もダメだよ!そう!わかったね!いい子!このような掛け声で接していました。
ところが、昨夜ハウスから出して夫が遊ばせていた所、かなり強く噛みました。病院に行くほどの怪我ではありませんが、何箇所か血が出るほどです。
状況はこのような感じです。
ハウスで静かにしていましたが、大好きな義姉(夫の姉です)が訪問して来たため、大喜びする為、リードをつけてハウスから出しました。
姉の訪問に喜び全快でした。しばらくすると落ち着きましたので、夫は寝転んで遊ばせ始めました。
夫の袖口から鼻先で中のシャツをひっばるのが好きで、夫が腕を引いたり出したりするので、まるで獲物に暗い付くように、グルグル唸りながら遊びます。
その際、腕を噛むことはしません。あくまでシャツを引っ張るのみです、興奮しますので、遊びの中で何度か夫が静止します。
犬を捕まえ腕の中でじっとさせます。すぐに静かにして動きません、また再開。
何度かしたら、疲れますのでおしまいにします。昨日もこの遊びの後、犬が静かに夫の前にお座りしていましたので、頭やあごをなでていました。
夫は姉と会話していましたので、犬に集中していたわけでは無かったです。
唸ることもなく、いきなり噛んだようです・・・。
私は瞬間は見ていません、痛いコラ!との声で駆け寄りました。夫が負けず反対の手で口を開けさせましたが、再び噛んできました。
まるで、自分を守るようでしたが、なにも痛がることはしていないのに、これほど強く、しかも夫の事は上に見ているようなのになぜ?なのか困惑しています。
確かに100%ではなかったですが、仰向け固めやホールドも毎日していますし、何かくわえてしまった際は無理やり取ることはしないで、フセ、ごろんの指示。
ごろんしたら、本人が観念しましので、口から自分から離します、褒めます。くわえた物の執着度によっては時間がかかりますが、私はどうして離さなければならないのかを犬が理解する方がいいのではないかと思いそのような行動をとらせています。
最近は家族の下にポジションがあると理解していると思っていただけに悲しくなりました。噛んだ後はハウスに戻すと困った顔で見ていましたが、目をあわさず、無視しました。
噛んでしまった時はどのようの接したらいいのか?
即座に仰向けがためでしょうか?
もしあばれても、あおむけにして固定でしょうか?
姉もあんなに噛むのは初めて見たので、触るのが怖いと思ったようです。
トリミングでも、病院でも噛んだことはないです。警戒はしますが、トリマーさんにもお手はします、少し大人になったね!と言われます。
病院では吠える怖がる逃げたがるはしますが、観念はしますし、先生には吠えません。本人は余裕がないだけ?かもしれませんが・・・
アドバイスよろしくお願いします。
今回の原因は、『遊び方が悪い』のです。主従関係も甘かったです。
例えば、人間の手で遊んだり、人間が身に着けている物で遊んだりしてはいけません。
たいていの動物は、それらが「遊びの対象なのか、相手を傷つけることになるのか」という判断ができないからです。そこまでの知能がないのです。興奮の制御も苦手です。
例えば、サルの仲間は知能が高いので、メガネや服を『道具』としてある程度認識できますので、人がかけているメガネをわざと取って遊んだりできるのですが、犬にはそこまでの知能がなく、メガネや服も人間の体の一部と誤解してしまう犬が多いです。
もちろんこれも、その子の知能レベルや、教え方や訓練の積み重ねでも変わってくるのですが、基本的には認識しづらいと思ってください。
ですので、服で遊んでいると、人間の体を噛むことに抵抗が無くなったり、混同してしまうようになったりするのです。それと、いつも遊んでいる通りの条件反射も出ます。
そういう要素があるので、だから私は常々「引っ張りっこ遊びはいけません」と、本書やQ&Aサイトで解説しているのです。
人間の動きに過敏に反応する癖がついて、噛み癖・引っ張り癖・興奮癖がつきやすいのです。
遊びは、主導型のコング遊びにされてください。噛んで良い物は、
■遊び時間のコング
■ケージ内の皮ガムと歯磨きロープ
これだけにしてください。
「あれは良い・これはダメ・そっちは良い・こっちはダメ・・・」
など、あまりにルールが細かいと、犬の知能では理解しきれずにパニックになるのです。
ですので、↓これもちょっと気を付けないといけません。
>何かくわえてしまった際は無理やり取ることはしないで、フセ、ごろんの指示ごろんしたら、本人が観念しましので、口から自分から離します、褒めます・・
↑やっぱり犬には犬の知能しかないのです。教える時は必ず現行犯で、その瞬間・瞬間に体現でシンプルに教えないと理解できないのです。
「指示があったら咥えた物を出す」ということは理解できても、「噛んではいけない」ということが分かりにくいのです。
噛んだ瞬間に止める。あるいはリードで制御して、噛もうとした瞬間に「シ!」の注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意します。
もちろん、それが体罰や威嚇的でもいけません。防衛本能を刺激するだけになってしまいます。
ですが、回りくどく人間の言葉で説明したり、別の行動で『置き換え』をしても、犬の知能には理解できません。むしろ、嫌悪感を助長したり、見下す場合があります。
特に、人間の手で遊んだりに身に着けている物では遊んではいけません。
例えば、「古着のシャツ単体で遊ぶなら良いの?」というのもNGです。
臭いや見た目に類似性がありますので、区別しにくいのです。
それと、主従関係が定着するまでは、↓接し方も気を付けてください。
>静かに夫の前にお座りしていましたので、頭やあごをなでていました・・
↑『猫なで声でナデナデ』にならないように、意識設定をもう少し深めてください。
リーダーらしく堂々と、肩付近(前足の付け根付近)をポンポンポンというくらいの褒め方で良いです。
あるいは、そういう時にただ意味なく褒めるのではなく、いったんフセさせたりゴロンさせてから褒めるようにされてください。
オテでも何でも良いですから、何か指示で犬を行動させてから、それに対して褒めるというスキンシップを意識されてください。
また今回、当日は来客で興奮もありましたね。この興奮ストレスの発散行動でもあります。
それと↓これからして遊びの続きの催促だったかもしれません。
>夫は姉と会話していましたので・・
では今後のしつけ方です。
>噛んでしまった時はどのようの接したらいいのか?・・
>即座に仰向けがためでしょうか?・・
↑まずは仰向けしてみて、パニックで暴れが激しくなるようでしたら、無理せずケージに戻して無視です。
もしリードを付けて持っていた場合は、そのまま厳しくリーダーウォークです。
しばらく団らんや遊びの際は、犬にリードを付けて持っておく癖にしましょう。
服を引っ張り出す遊びを止めたとしても、まだ当面は、犬の中で習慣や条件反射として染みついていますので、リードを付けて飼い主さんが持っておく態勢は、しばらく続けてください。
それと、もう一度ご家族皆さんの意識設置と、犬の本能・特性への理解を深めていただきたいと思います。
それでは、またQ&Aを熟読いただきながら頑張って続けていきましょう(^_^)