4歳になる本気咬みする柴犬オスのしつけ
我が家では2匹の柴犬と1匹の保護猫(子猫)がおります。中でも4歳になるオスは本気咬みをします。
3か月半で迎えてから、ひと月経たないうちに咬むようになりました。触られることもとても苦手です。
1才過ぎ頃より力も酷くなり、トレーナーさんについております。親身になってトレーニングしていただけていますが「おやつ」「ほめる」が主流のトレーニングです。確かにおやつがあれば大体の事はできるようになりました。おやつがなくてもできることもあります。
「座れ」「待て」「フセ」「来い」「立って」「ハウス」「マット」「ついて」「ストップ」「お手」「お代わり」等・・・他にも芸事がいくつかできます。覚えはとても早く3度ほどでできるようになってきました。
散歩の引きも「早い!」と言えば引っ張って歩くことはありません。ほとんどは左側に並んで歩いています。好きではありませんが、保定の為の「抱っこ」や「歯磨き」「耳掃除」「足ふき」「ブラッシング」もできます。
ただ、咬むんです。咬むことさえなければ本当に素晴らしい子です。
咬んでも、私にとっては大切な子なんです。
咬むと きは大抵上部から触られそうになった時、触りすぎたとき、だとは思うのですが・・・・
他人も咬んでしまっています。息子には咬みにかかっていきます。自分の気持ちが汲んでもらえない時に足を咬んでくることもあります。
他にも物や場所に執着することがあります。物は「持ってきて」と言えば大抵持ってきてくれます。おやつと交換で渡してくれることもあります。
場所は「どいて」でどいてくれることもありますが唸ることもあり、その時はおやつを使って誘導しています。
おやつが多くなってしまいご飯を減らさなくてはいけないし、少し体重も増えてしまいこれではいけないと関係を見つめなおしています 。
先日他人を咬んでしまいました。(初めてではありません...)
知っている方で、相手の方も大事にはしませんでしたが、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
主従関係が危ういのは十分承知しています。
関係が改善できれば咬む行為はなくなるのでしょうか・・・
今はそれを願うばかりです。
家人、他人ともに気を付けることなどありますでしょうか?
家ではむやみに「見ない」「触らない」「話しかけない」を実施しています。
好きではないことは仕方なくさせてあげている感があるのでやめたほうがいいですか?
・問題の内容:咬む事
・愛犬の犬種:柴犬 年齢・月齢:3歳11か月 性別:オス
・飼い始めてからの年月日数や犬を飼うことになった動機:
3ヶ月半にペットショップから(売れ残っていた子)
・ご家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間:
夫(40代) 平日は朝2時間、夜は帰宅が早ければ一緒に散歩、就寝。休日はほとんど一緒。
私(40代)専業主婦なのでほとんど一緒。たまに留守番あり。
息子(20代)大学生なのでほとんど家にいない。いても部屋にいるのでほとんど接点無し。
他に柴犬メス(1才8か月)この子は咬みませんがオス犬を頼りにしているところがあり人との関係を勉強中。保護した子猫(3ヶ月)里親募集中。
・過去の接し方と、一日の流れ ※①~⑥は必ずお知らせください
【ポイント】(※本書を読む前の、以前の状況を正直にお知らせください)
①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?
小さなころはおもちゃで遊びました。引っ張りっこが多かった。パペット人形なので咬む遊びもしていた。トレーナーさんに注意されそういう遊びはしなくなり、代わりに人と一緒に行動しながら遊ぶことへ変更。
②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
幼い時に咬んだ時は無視(孤独が好きな子であんまり効果なし)
物に執着したは箒で脅かしたこともあった。体罰はなし。褒めるときは「おりこう!」と大げさに。褒めている。
③過去はオヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?
はい。おやつは必需品となっています。大きい子なので抱っこは保定が必要なときの為に練習しているだけで普段はしません。撫でることは小さなときから好きでないのでおやつで釣りながら練習しました。
④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
朝・夕方は1時間ほど、夜に短めのトイレ散歩。
⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
朝6時半~7時頃散歩(夏場は5時~5時半頃に行きます。
散歩から帰宅してから朝食
昼間はほとんど寝ているが、週一でトレーナーさんのレッスン2時間ほどあります。それ以外にもランダムで(私の都合で)ちょこっとレッスンしたり遊んだりします。
夕方5時~6時頃散歩(冬場は4時頃だったりする)
ただ、私が実家へ行ったとき等(両親の介護で月数回出かける)は遅い時間になります。
夜7時前後に夕食
夕食後は少し待ったりして9時頃おトイレ散歩に行きます。
帰宅後は就寝
⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、放し飼い・つなぎ飼い環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします)
ハウスはソフトクレートを使用。
トイレは外派なので家ではしません。
家の中はほとんどフリー(2階に勝手に上がらないなどの制限はあります。)
就寝時は一緒へ2階へ上がり寝室のハウスで寝ています。
悪戯や粗相、物を噛む、壊すなどの破壊行為はありません。
>関係が改善できれば咬む行為はなくなるのでしょうか・・
>家人、他人ともに気を付けることなどありますでしょうか?・・
>好きではないことは仕方なくさせてあげている感があるのでやめたほうがいいですか?・・
↑このお答えは、本書とQ&Aサイトを熟読していただく中で、自然とご理解いただけるように作り込みました。
ご質問の他にも、知っておいていただきたいこと、深く意識していただきたいことがたくさんございます。
ご購入いただいたばかりですので、まだ教材を熟読されておられない段階だと思います。
この時点で、メールでの解説だけで完結してしまうと、情報のつまみ食いになってしまってとても危険です。
特に今回は、ご家族の根本意識から見直さないと解決できない問題だとお見受けいたしました。
ですので、今日の時点ではメールで具体的に解説することを避けたいと思います。
必ずご家族全員で、本書とQ&Aサイトの「噛み癖」関係のカテゴリの記事を熟読されてください。そして、接し方のルールを皆さんでお決めになられてください。
今日は少しポイントだけお話いたします。
■まず環境です
犬の放し飼いは良くありません。団らんや遊びの時は良いのですが、そうではない時は、安心できる囲いのある巣穴に居させてください。
放し飼いでテリトリーが広くなると、その分それを守るための神経も使います。権勢本能を刺激しやすいです。
運動も遊びも、メリハリを持って飼い主さん主導の元で、たっぷりすれば良いだけです。
クレートはソフトタイプではなく、安心できるハードタイプが良いです。巣穴感覚で安心できる物にしましょう。
そのハードタイプのクレートハウスと、ケージ柵を合体させましょう。二頭一緒が良いです。
■訓練士にお願いするのはいったん止めましょう
犬は相手一人一人を見て感じて、それぞれに反応しています。
訓練士さんにお願いしても、犬は訓練士さんとの主従関係を作るだけであって、あまり意味はありません。
むしろ、訓練士さんとご家族とのギャップや矛盾を感じて、余計にバカにされたりイライラすることになります。
ご家族が変わらないと、犬の反応も変わりません。
■犬との接し方
そこで、犬との接し方(つまりご家族の意識)が変わる必要があります。
表面的な手法をアレコレしたところで、犬には伝わりにくいですし、相手の精神性の弱さを本能で見抜いてしまいます。
根本意識が変わらないと、犬には伝わらないのと一貫性も保てないのです。
その根本意識を深めていただくために、本書とQ&Aを読み込んでいただきたいのです。
意識が変わってくると、自然と振る舞い・何気ない態度が変わっていき、一貫も出来ます。それを毎日毎日犬が見て感じ続けて、少しずつ認めるようになっていくのです。
4年近くも長い習慣、関係がありましたから、そうそう簡単にはいきません。激変しても犬が適応できませんので、ご家族の意識が少しずつ変わっていくのが自然な変化で良いです。
犬も自分の優位性が消えていくのは面白くないですし、家族が急に変わると反発したくもなります。それも自然な反応ですので、すぐに結果を求めないで期待しずぎないで、長期目線で続けてください。
今回は、少し長い根競べになるでしょう。犬が根負けするまで、毅然と淡々と続けないといけません。
今回は、激変もいけませんので、徐々にオヤツを減らしていきましょう。
具体的に決めないと、またウヤムヤになって変わらないので、具体的に決めていきます。
例えば、ドライフードを朝1カップ用意して、「今日のおやつはこれだけのみ」と決めてください。
次の週はその4分の3、その次の週はその4分の2、というふうに計画的に減らして、最後はオヤツは無くしましょう。
オヤツで釣って行動させてしまうと、犬との本当の関係がどこまで出来ているのかが見えなくなってしまいます。これが一番怖いことなのです。
そうやって4年近く、だましだましやってこられたことになります。本当の関係作りをされてこられなかったのです。それは現実ですので、逃げないで向き合わないといけません。
ですが、もう過ぎたことですので悲観はされないで、今後に活かしていただければそれで良いのです。
さて、「毅然と淡々と・・」と聞くと、「犬と接することがいけない」と解釈されてしまう方がいらっしゃいますが、そうではないのです。(過干渉はいけません)
接することが悪いのではなく、接し方の問題なのです。さらに根本は、意識です。
まず、犬をケージから出して団らんや遊ぶ時は、犬にリードを付けて飼い主さんが持っておくことです。
自然と犬が飼い主さんに主導される形になりますので、お互いに意識がしやすいです。それぞれ練習になります。『飼い主さんが主導性や毅然さの意識を持つための練習』でもあるのです。
そして、リードを付けて持っておきますので、犬が咬んだり噛もうとした時には制御もしやすいです。来客も安全です。
「シ!」などの注意音と同時に、ガツンとリードを引き上げて犬を注意してください。そしてすぐにリーダーウォークに移行して、主従関係も示してください。
咬み癖が強い時点では、無理に仰向けしたり犬を触らないで良いです。
特に敏感な子は、上から近づいてくる物を怖がりますので、頭をなでたりしないことです。
背中のオシリ側をポンポンして褒めるだけで良いです。手を近づける時は、なるべく犬の目線よりも低い位置で動かしてください。
慣れと犬の反応を見ながら、徐々に頭に近づけていくと良いです。あせらないで、何日もかけて徐々にです。
遊びは主導型コング遊びです。
犬にリードを付けて持った状態で、コング遊びをしましょう。呼び戻しで犬が来ない場合は、リードで誘導ができます。常に主導性が示せます。
その遊びの中に紛れて、犬の身体をチョンチョン触ることもしましょう。
触られることと、遊びの楽しい記憶を結び付けてあげると良いです。(主導されることと、遊びの楽しい記憶を結び付けてあげることも含めています)
もちろん生まれつき敏感な子もいるのですが、幼少期のブリーダー・ショップ・動物病院の扱いが悪くて過敏になる犬もいます。いまだに体罰を推奨するブリーダー・ショップ・獣医師がいます。
体罰は犬の知能には理解できず、防衛本能を刺激するだけになってしまいます。
また、怒声で大声で怒るのも、威嚇的で同じことになってしまいます。
一方で、褒め方もご注意です。大げさ・猫なで声でナデナデ・・は、犬の本能には従属的に映ります。
ハッキリと低い声で、指示音・ジェスチャーを関連付けながらポンポンして褒めてください。褒める時は犬の名前も交えて良いですが、叱る時は絶対に名前を言ってはいけません。
まずは、犬にリードを付けてそれを持って団らんする、その体勢で主導型コング遊びをし、その中でスワレ・マテ・フセ・コイ・ダセができれば十分です。褒める時にチョンチョン触って慣れさせます。
それ以外にアレコレさせすぎないことです。
あとは、室内でリーダーウォークもたっぷりすることと、咬んだり咬もうとした時は注意音でリードを引き上げて注意し、すぐにリーダーウォークに移行して主従関係を示すことです。
お散歩時もリーダーウォークを一貫しましょう。
そして、ドッグトレーナーさんはいったん止めましょう。
教材のことは話さないで、「だいぶ長くお世話になったので、とりあえずいったん自分達だけでもう一回やってみて様子を見てみます」という話し方をすれば、当たり障りないです。
では今日は以上です。まずは、皆さんで本書とQ&Aサイトの熟読から始められてください。
それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)