噛んだり威嚇するようになった外飼いの犬のしつけ
犬のしつけの問題は、とにかく家の者みんなを警戒している感じです。
今は自分以外は全く犬と触れあってもおらず、私も先日餌の皿をとろうとしたところ犬に噛まれたばかりです。
この本を買うきっかけは、今まで散歩だけは喜んでリードも付け替え行っていたのに、5日前に行こうとしたら犬が唸ってリードを付け替ることもできなくなったからです。うちの家族は度々噛まれており、重症だったこともありました。
大体が餌をとるときと遊んでいたものを拾い上げたときです。噛むこと以外では夜吠えることや、あと犬にあげたご飯をカラスや野良猫が食べているのに犬は見ているだけなのが何でかなと。
吠え方は様々でワンワン、クウーンと低い声で寂しそうに鳴いたりです。また家族以外が近づくと必ずきばをみせてうなっています。
犬は、柴犬10歳1ヶ月オス。生後2ヶ月くらいの時に拾った。家族は、20代男二人、50代男一人女一人、80代女一人。
犬は外でリードに繋げて小屋で飼っているので、餌をやるときや月2回ほどいく散歩の時ぐらいしか一緒にいません。
①スキンシップや遊びは、ほぼこちらの都合です。餌をあげる時にお手をすれば誉めるなどです。
しかしこちらを警戒してしないときもありました。あとは吠えるのがひどいときには声をかけたりしていました。バーベキューの時などは自分達が食べているものを手で直接あげたりもしていました。
②過去の犬のしつけ方は、噛んだときなどはリードでつり上げたり、叩いたりして怒鳴っていました。幼いときは仰向けなどもさせてはいましたが、成犬になり一度家族を噛んでからはみな恐る恐る叱る程度だったと思います。
③オヤツは餌と一緒にお菓子は毎回あげています。猫なで声も家を出るときや帰ってきたときなどに話しかけていました。
④散歩はしないときは数ヶ月しなかったり、一週間連続でいったりとまちまちでした。時間は短くて30分ないくらいで長ければ1時間以上の時もありました。
排泄する場所は大体決まっているので、そこでは止まるようにしてました。それ以外の場所は止まろうとしてもリードを引っ張り無理矢理通りすぎてました。時々は止まって臭いを嗅がせたりしてました。
⑤1日のスケジュール
7時~10時に朝御飯
散歩に行くときは大体日中
18時~21時に夜ご飯
⑥ここ数年は一年中外です。外になったのは3歳くらいだと思います。5歳くらいまでは、冬には家にいれていた。木製の犬小屋は、犬が2匹入れる大きさ。木に3メートル位のリードで繋いでいる。トイレはリードの届く範囲で好きにやらせている。掃除は年末にする程度。
まず、このメールの返信内容だけで完結されないようご注意くださいませ。今までの環境も接し方も良くありませんでした。そして、他にも知っていただきたい事がたくさんあります。
必ず、本書だけでなくQ&Aサイトも全体的に熟読していただいて、ご家族皆さんで知識と意識を共有していただきたいのです。それなくして、メールの内容だけで終わらせると、情報のつまみ食いになってしまい大変危険です。
本サービスをご購入いただいてからまだ二日しか経っておりませんので、まだ全体的にお読みになられていない段階だと思います。
それからもう一点のご注意ですが、あせって無理して急がないことです。
柴犬君はもう高齢になりました。免疫力・体力が急に落ちる時です。強くしつけし過ぎたり、環境を激変すると強いストレスになり、癌などの発症のきっかけになります。
特に、長い歳月の接し方や環境の癖も染み付いていますので、激変しないで、まずは人間側の意識から変えていきましょう。意識が変われば自然と接し方が変わります。接し方が変われば犬も変わっていきます。
そういう緩やかな自然な変化に任せてください。
それと、今回の柴犬君ですが、素性は良い子なのです。悪い犬ではありません。素性に問題があったならば、もう生後半年までに手におえなくなっています。悪いのは環境と人間家族の接し方でした。それは理解してあげてください。
さて、まず環境です。本来は、犬の外飼いはとても難しいことなのです。
心身ともにストレスが大きいですので、寿命も圧倒的に短くなりますし、吠えもトイレも現行犯で教えられないので、犬のしつけの条件としても難しいです。
さらに、鎖やワイヤーでの直接の繋ぎ飼いは、さらに強烈なストレスになります。敵は侵入できる・・でも自分は逃げられない・・という条件を分かっていますので、これは厳しいです。(ワイヤーが長くても同じ)
もし経済的に余裕があれば、柵で囲って、直接の繋ぎは止めてください。普段の居場所に運動場は要りません。運動・遊びは、メリハリを付けて飼い主さん主導の元でたっぷりやれば良いのです。
それから、散歩の少なさはとても危険です。
二つのポイントがありますが、まずはストレス発散です。外を歩く行為は、犬にとっては狩猟の疑似行動ですので、大切なストレス発散になります。
それと、長時間の有酸素運動が血行と免疫力を保ちます。特に老犬期に入ったタイミングですので、このままですと危険です。
一日一回で良いですので、最低30分、出来れば1時間連続で歩いてください。犬も家族も健康になります。私は雨でも雪でも台風でも行く習慣にしています。
そして、主導型コング遊びもしてください。
散歩もそうですが、まだいきなり強いリーダーウォークや仰向けは始めないで、遊びから入ってください。犬にリードを付けてそれを飼い主さんが持って、コングをコロコロ転がして遊んであげてください。
ただ、噛み癖と威嚇癖があるということですので、コング遊びも出来ないようでしたら、軽いリーダーウォークから始めても良いです。強く切り返したりしないで、犬を無視しながらゆっくり歩く、ちょっと歩いて止まる、またちょっと歩いて止まる・・・ということを繰り返して、まずは人間と一緒に居ることに慣れることと毅然と主導性を示すことです。リードを持って無視して突っ立っているだけでも良いです。
犬を怖がってビクビクしていると、その緊張興奮が犬にも伝播してさらに犬の緊張興奮をあおってしまいます。防備は準備してリラックスできる体勢にしておきましょう。
古着を重ね着して、作業用の革手袋をしてください。(ホームセンターで500円くらいで買えます)
まずは散歩と遊びの時間を増やすことを必ずされてください。
それから、何気ない犬との接し方です。
>お菓子は毎回あげています。猫なで声も家を出るときや帰ってきたときなどに話しかけて・・
↑これらはいけません。犬にとっては従属的に映るので、主従関係が崩れていきます。
それと、留守番前後の接触は犬の興奮と不安をあおるだけですので、お止めになってください。お出かけ直前と帰宅直後は、目も合わせず知らんぷりして行動してください。
そうしないと、犬にとっては留守番時との変化ギャップが急激で大きくなるからです。このギャップがストレスなのです。なるべくギャップを小さく、変化も少しずつにしてあげることです。犬のしつけは何事もそうです。
褒め方も、大げさに猫なで声でナデナデではなく、リーダーらしく堂々と静かに褒めてください。そして良い型と指示音ジェスチャーを関連付けて褒めてください。噛み癖が強い間は、頭は触らないで、低い位置から手を近づけて犬の肩付近をポンポンポンしてあげてください。
犬への叱り方ですが、叩いたり蹴ったり、威嚇的な怒り方は絶対にいけません。犬の知能では理解できず、防衛本能を刺激するだけになってしまい、余計に悪循環になります。
さらに強い体罰でねじ伏せる人もいますが、そうすると、その人以外の人や動物を攻撃する犬になってしまいます。
まずは、人間側の意識改革で、犬に主従関係を誤解させない振る舞いを示し続けなければいけないのです。それを一貫して続けるから、犬は認めるようになります。
そういう関係になれば、シンプルな教え方でも犬は聞きたくなりますし、主従関係の崩れで吠えたり噛んでいた場合は、何もしなくても問題行動は消えていきます。
>ご飯をカラスや野良猫が食べているのに柴犬は見ているだけ・・
↑犬も人間もそうですが、自分に対して攻撃や威嚇することもなく幼少期から見慣れたものに対しては、自然でフレンドリーです。柴犬君の素性が良い子な証拠でもあります。
特に今回は、人間家族の接し方と頻度が正しくありませんでしたので、犬にとってみれば猫やカラスの方が親近感があるはずです。
それと、一回獣医さんには念のため診てもらったほうが良いです。食欲がなく、もしかしたら病気の兆候かもしれないからです。
では今日は以上ですが、柴犬君の素性も良い子ですし、環境と今までの接し方・しつけ方が良くありませんでしたので、反対に言えば良くなる余地が大きいと言えます。
このメールだけでなく、必ず本書とQ&Aサイト全体を熟読されてください。今回と同じようなケースの解説もたくさんあります。
それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)