犬のしつけがQ&Aで分かる!

食事中に凶暴化する咬みつきする犬のしつけ

質問内容はじめまして! わが家に愛犬がやってきて2カ月半、犬のしつけがこんなに大変なものだったとは・・・愛犬との生活が最近はストレスに感じています。

しかし、子どものために飼った愛犬(トイプードル、4カ月、♂)と楽しく平穏な日々を送りたい気持ちはあります。

以前から子どもが犬を飼いたいと言い続け、この春に私が仕事を辞め時間に余裕ができたこともあり、犬を迎える決意をしました。

さて、犬の問題ですが。一番心配しているのが、咬みつきについてです。

わが家は、夫婦と子供3人の5人家族です。普段、大人には時々アマガミする程度、子どもには毎日のようにアマガミをしています。アマガミだけでなく、私は本気で咬まれたことが2度あります。

一度目は、食事中です。食事中に犬に声をかけたり、近づくと唸り、威嚇し咬もうとしてきます。これではいけないと思い、ゆっくり少しずつ背中に触れたときに咬まれました。

二度目は、咥えてはいけないものを咥えていたので、ダメと言って取ろうとしたときに咬まれました。いずれも本気で咬まれ、流血しました。

大人だったからよかったものの、これで子どもが咬まれたらと思うと、強い危機感を持っています。それから、食事中の態度についてどうしたらいいか悩んでいます。

食事中に唸り威嚇する犬についてネットで調べてみたら、たくさんの事例が載っていましたが、この食事中に凶暴化する態度は直していったほうがよいのでしょうか?

わが家は子どもがいるので、どんなときでも咬まない犬にしなければならないと思っています。なので、毎回食事中に威嚇しないようになるようにいくつか試してみました。

置いた皿の中の物を食べるとき、声をかけたり、すこしずつ触れるようにするのは、何度やっても凶暴な態度は変わりませんでした。凶暴化する姿を見るのはつらく、これが癖になってしまうのではという不安になりました。

次に試したのが、お皿に人の手を添えたまま食べさせる方法。これだったら、皿を動かさない限り威嚇することなく食べてくれました。手で直接あげるときもおとなしく食べてくれました。

お皿を持ってあげたり手であげるときはおとなしく食べてくれますが、置いた皿の中のものを食べるときは別の犬になったかのように豹変してしまいます。今は、食事の時間が憂鬱でなりません。

私と主人には、仰向けは抵抗なくやってくれます。リーダーウォークは今練習中で、うまく歩けたり歩けなかったりする状態です。まだ主従関係は確立されていない状況なのでしょうか?

犬との同居時間ですが、主人は平日は不在で土日に数時間遊ぶ程度です。私と長男は、用事がない限り家にいますが、犬と遊ぶ時間は一日に一時間あるかないかくらいです。

娘二人は、小学校に行っているため、平日は朝夕に少し遊ぶ程度です。(一日一時間弱くらいでしょうか)

過去の接し方ですが、3か月になるまでは「かわいい・かわいい」と見れば声をかけたり撫でたり抱っこしたり・・・みんな好きなようにやっていました。

しかし、いくらかわいくても、アマガミをすればダメと言ってその後は無視をしたり、時にはマズルを押さえて叱ったりしていました。

他にもやってはいけないことをしたときは、ダメと叱った後は、無視をするようにしていました。褒めるときは、よしよしいい子と撫でていました。

特にトイレを成功したときには、これでもかというくらい撫でて褒めていました。おやつは、グルーミングなど嫌がることをなんとか頑張ってやったときにご褒美に卵ボーロを数個あげていました。それ以外におやつはあげていません。

散歩はデビューしてまだ一週間くらいです。リーダーウォークに心がけていますが、なかなか難しいですね。私と長女はリーダーウォークに心がけていますが、主人はたまにしか遊べないせいか、自由に歩かせてやれば・・・みたいなところがあります。

散歩時間は日によりますが、多いときで一日一時間くらでしょうか?

朝と夕方にやるように心掛けていますが、これも日によりけりです。

一日のタイムスケジュールですが、朝ごはんを8時くらい(2時間くらいずれることがありますが )、晩ご飯を8時くらい(これも2時間くらいずれることがあります)です。散歩はご飯の前にやるようにしています。

犬のハウスですが、リビングの一角に100㎝×160㎝ほどのケージを置いています。遊ぶ時間以外はケージの中にいます。ケージの中にクレイトとトイレトレーを置いています。

今の犬には広すぎるので、狭くしようと段ボールを置いてみたりしましたが、かじられてばかりで置くことは諦めました。クレイトを置いてみましたが、入っていることは少ないです。

最近はクレイトの上にのり、隙あらばケージから飛び出そうとしています。今、もっと狭いケージで屋根付きのものを探しているところです。

わかりにくい文章になってしまい、申し訳ありません。冒頭にも申し上げましたが、私は犬のことでかなり悩んでいます。凶暴化した姿をみると、正直かわいいと思えなくなりそうですし、いつか子どもや他人を咬むのではないかとノイローゼになりそうです。

愛犬との明るい将来のためにどうかよろしくお願い致します。

 

返答内容

まず環境面のお話からです。

>最近はクレイトの上に乗り・・

↑おそらくサイズが小さすぎます。適切なサイズであれば、犬が上に乗ることは出来ません。

これからまだまだ体は大きくなります。特にトイプードル男の子なので、系統によってはビックリするくらい大きくなります。

生後半年くらいになると体長・体高としてはほぼ成犬と同じになりますので、その時にしっかり合うクレートを買われると良いです。

天井の高さが、犬の頭の高さよりも高くないといけません。

そして、今は暑い時期ですので犬も入りたがらないことがあり、トイレの上でグデッと寝ていることも多いです。

また、まだ子犬で警戒心が散漫な面も影響しています。

>もっと狭いケージで屋根付きのものを探して・・

↑私ならばこれはしません。もっと大きいクレートを買うか、今はケージの天井に木の板でも縛り付けます。


さて、↓これは当然やらないといけません。

>食事中に凶暴化する態度は直していったほうがよいのでしょうか?・・

↑というよりも、個別の問題よりも根本的な接し方や関係作りを見直さないと意味がありません。

「食事の時に咬まれないようにどうするか」という表面的な手法はどうでもいいのです。問題は、犬が関係を誤解したりチヤホヤされる自分の立場を当たり前だと認識していることです。

手法はシンプルで良いです。

まずゴハンの時間になったら、先に犬にリードを付けましょう。(ケージ内で)

片手でリードを短く持って張り気味に持ち上げておいてください。そしてもう片手でフードの入ったお皿を入れれば噛まれずに済みます。

そして、リードを少し引き上げぎみに使って、スワレ・マテをさせてください。最初は1秒でも2秒でも、ほんの少しで良いです。

指示音ジェスチャーを関連付けながらポンポン褒めてすぐヨシで食べさせてください。

初日はもうそれで良いです。次の日は3秒、その次の日は4秒・・・というふうに少しずつ難易度を上げていってください。

10秒くらい待てるようになってきたら、今度は食べている途中でマテ・スワレの指示を出しながら、リードを少し引き上げぎみに使って食事を中断させてください。

今日は2秒中断、明日は3秒、というふうにこれも徐々に難易度を上げていきましょう。

食事中もマテがある程度出来るようになってきたら、スワレ・マテをさせたまま時々お皿を一瞬触ってみてください。

犬に咬まれるのが怖ければ、ホームセンターで作業用の革手袋を買いましょう。500円くらいで買えます。(冬場のお散歩用手袋にもできます)

犬が唸ったりするようなら、片手で持っているリードをチョンと引き上げて「シ!」で注意します。

犬が何も反応せずマテたら、指示音ジェスチャーでポンポン褒めて、またヨシで食べさせてください。

犬のしつけは何でもそうですが、そうやって優しいレベルから少しずつ難しくしていくことです。あせって急に最終結果を出そうとしてはいけません。

そして、今お話した手法も、犬との普段の関係が崩れていれば何も意味がないどころか、犬は激しくイライラするだけになります。

誤解させるのは、「意味なくジロジロ見つめ・声掛けナデナデ・抱っこにオヤツ」です。

下位の犬は上位やリーダーにすり寄ってナメナメ挨拶します。人間からの「ジロジロ見つめ・声掛けナデナデ」という態度はそれと同じことをしているわけですので、犬は誤解しやすいのです。

大げさに褒めるのも、犬はただ興奮したり従属的だと見下すだけです。

悪い型を止めて、良い型を取らせたら、そこに指示音ジェスチャーで静かに堂々とポンポンポンで褒めてあげてください。

叱る時も同じで、ただ怒声で怒っても犬は興奮と防衛本能があおられるだけです。上記で最後は褒める・・というところまでをセットにしてください。

オヤツも止めましょう。栄養バランスも崩れますし、好き嫌いを覚える犬は多いです。そして、食べ物で釣ってしまうと「犬との関係を見失う」のが怖いことなんです。これを忘れてはいけません。

グルーミングの時は、段ボール箱や収納ケースを積み重ねて、高い作業台を作ると良いです。犬は高い場所が怖いのでジッとします。

そこで、マテで褒める繰り返しで理解も深まります。

また、月日を重ねグルーミングの気持ち良さを犬も知っていきます。大人しく出来るようになっていきます。


>まだ主従関係は確立されていない状況なのでしょうか?・・

↑この月齢ではまだ知能が低すぎますし、今までチヤホヤの接し方だったわけですので、まだまだ無理です。

成犬に近い知能や感覚が安定し始める1歳を過ぎてどうか・・というところです。

逆に間違った接し方を続けると、1歳近くなって問題や関係の崩れが定着してしまうのです。


今はまだ子犬で知能が低すぎます。でも感覚は鋭いです。動作や手法をアレコレ教えることよりも、犬との何気ない接し方しぐさ態度・・・これらを皆さんで根本的に考えてください。

遊びは主導型のコング遊び・・何気ない接触もオテやスワレを教えながらのスキンシップ・・

必ず「主導性と毅然さ」が要素としてあるようにしてください。これができていないと、どんなしつけの手法を上塗りしても意味がありませんし、犬を混乱させるだけなんです。

犬のしつけは、それが全てと言っても過言ではないくらい重要です。絶対に毎日どんな時も意識されてください。毎日意識することで、自然と身に付いていきますし、子供さんも感じてマネするようになっていきます。


では今日は以上ですが、とにかくあせらないことです。もうすぐ反抗期に入りますし、ズル賢くなる時期もきます。1歳くらいまでは変化が激しくて不安定ですので、期待しないでやるべき事を淡々と続けることです。

本書・Q&Aサイトを熟読していただいて、まずは飼い主さんの意識設定を深めてください・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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