突然凶暴になり噛む犬のしつけ
・しつけの問題の内容:突然凶暴になり噛むこと
共働きで、犬を構う暇がないのが事実で、ケージに入れておくことが多いです。散歩の際には、ももに飛び乗るというくらい、意思疎通ができている感じがあるとき、伏せ、待てなども、ケージにいる際、食事などに対してはできていると思います。
抱っこしていたり、部屋に放しているうちに、突然凶暴になり強烈な噛み方をしてきて、捕まえるのも大変な状況になることが多いです。その結果、ケージに入れておくことが多くなり、ストレスも溜まっているのだと思います。
・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別、(飼い始めてからの年月日数や犬を飼うことになった動機なども)
11歳のポメラニアンです。男の子。去勢なし。何年も前から突然凶暴になりだす感じはありました。
飼うきっかけは、普通に飼いたいと思っていたところに、ホームセンターでの購入を決めました。ブリーダーではありません。
・ご家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間
40代の夫婦のみ。二人とも、8時から20時くらいまでは仕事で留守になります。
①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
散歩の行く前の5分程度、体に擦りつくので、さすってあげている。マウンティングはないです。脇の下に、鼻を埋める感じです。帰宅後、寝る前、朝、それぞれ5分程度、ケージから出し、部屋でトイレマットの上におしっこをさせています。
②過去はどういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
①のタイミングと、後は、部屋に放して、自由にさせることもありました。寝るときにケージに入れないこともありましたが、凶暴さが増して、最近はケージに入れています。
③過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
①と同じタイミングと、ケージに中で伏せをさせ、待てをさせ、おやつをあげています。
④過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
記載のとおりです。短いですが、しています。おやつは結構な頻度。太ってはいません。抱っこ。いい子いい子もしていますね。そのいい子いい子の途中で突然、噛み付くこともあります。だんだん、歯をむき出しにして、期限が悪くなる感じです。
⑤過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
散歩は10分程度。私の場合は私が引っ張る感じ、彼女は引っ張られる感じです。
⑥過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
①の記載の通りです。スキンシップはかなり少ないと思います。凶暴すぎる噛み癖にて、悪循環になっています。
読ませていただき頑張ってみますが、この時点でアドバイスあれ、頂きたく、また追加の質問、即効性のある対応策、噛まれないコツなどあれば教示いただきたく、よろしくお願いいたします。
やはり現状になっている原因は、普段からの接し方の問題です。
ポメ君は素性が良い子なのです。だから現状で済んでいて、イライラや興奮がたまった時に爆発しています。
もともと権勢本能が強い犬の場合は、もう生後半年くらいで手におえなくなっています。ポメ君は違います。良い犬なんです。
良い出会いに感謝して、もう一度犬のしつけを取り組み直していきましょう。もうだいぶ前から老犬期には入っていますが、哺乳類ですので生涯学んで適応する能力は持っています。あきらめないで続けていきましょう。
ですが、お互いに長年の習慣や関係が根付いていますので、とにかく激変しないことです。今回お二人で、本書とQ&Aを熟読していただけると思いますが、それによって意識が少し変わるだけでも全然違ってきます。
犬の本質とは・・犬はどう感じているのか・・それを知るだけでも良いんです。
意識があると、自然と接し方しぐさ態度全体が変わってきます。その自然さが大事なのです。
犬は相手の接し方全体を感じて、それに対して犬の本能で反応しているだけだからです。
今回は、激変して無理に仰向けやリーダーウォークはまだしなくても良いです。
意味の無い声掛けナデナデ・抱っこにオヤツ・・・を止めて、主導性と毅然さを意識されてください。
スキンシップそのものが悪いのではありません。遊びもスキンシップも必要です。そこに主導性と毅然さが加わるようにしていただきたいのです。
例えば、何気ない接触でも「意味なく猫なで声でナデナデ・・」ではなく、オテでもスワレでも何でも良いので何か指示を出し行動させポンポン褒める・・
指示で出来なければ型を作ってあげて指示音ジェスチャーでポンポン褒める・・というふうに、主導性と毅然さの要素を加えることです。
そして団らんの時でも、ただ部屋に放すのではなく、ポメ君にリードを付けて持って過ごす・・その状態で主導型のコング遊び・・ということをしてください。
犬にリードを付けて持って過ごすだけでも、関係作りになるのです。
その中で、もし噛み付いたり唸り始めたら、そのままリーダーウォークに移行すれば良いです。厳しい態度で、その場ですぐリーダーウォークを始めてください。
スキンシップの際には、ポメ君を膝の上に乗せないようにしてください。
犬の世界では、体位が関係を示します。相手の体の上に乗ることで、自然と自分の優位性を示そうとするのです。
そんな犬をひざに乗せて、猫なで声でナデナデするのは、自ら犬の優位性を認め自分が下位であると言っているようなものです。
犬を人間の体の上に乗せるのは止めて、団らん時は股の間に入れるか隣にぴったり寄り添わせてください。乗せなくてもスキンシップは十分できます。
それと、下位の犬は、上位やリーダーにすり寄ってナメナメ挨拶します。「ジロジロ見つめて猫なで声でナデナデ・・」は、それと同じことをしてしまっています。
オヤツも止めましょう。栄養バランスも崩れていますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなる犬も多いです。
そして、オヤツで釣って犬を行動させていると、犬との本当の関係が見えなくなってしまうのです。これが一番怖いことなのです。
最後に散歩ですが、10分は短すぎます。お部屋でのコング遊びか、お散歩か・・最低30分は運動させてください。
もう老犬期ですので、出来ればゆったりとした散歩が良いです。もうそろそろ癌などのリスクも高まってきていますので、ゆっくりの有酸素運動を長時間することが大切です。
血行と自律神経のバランス(免疫力)が崩れると、癌になりやすいです。有酸素運動は、それを改善してくれます。ストレスによる噛み付きと健康面、両方にメリットがあります。
では今日は以上ですが、絶対に即効性は求めてはいけません。
ポメ君の中には、長年の習慣と関係の基準値がありますので、激変したり妙な手法を上塗りするだけですと、激しく反発したパニックになります。余計に悪循環になりますので、即効性や無理はいけません。
今日お話ししたことを、しばらく続けてください。根本は飼い主さんの意識改革です。それができていないと、犬は簡単に見抜きます。
犬の特性を知り、主導性と毅然さを常に意識する・・これだけでも犬の反応は変わってきます・・・