普段は良い子なのに急に豹変して本気で噛みつく犬のしつけ
・問題の内容:犬が人に対し手を噛んでしまい、ケガをさせてしまいました。
※犬同士のケンカ?の仲裁に入った際に手を噛まれた事。また、手袋に興味?を示し噛みっとった際にけがをさせてしまった事。
時には、なんの前触れもなく噛まれることも多々あります。これらは流血沙汰です。手、指には犬歯がささり穴が開くほど深い傷です。
基本的には、無駄吠え・・・吠えることも滅多にしません。じゃれているとき、遊んでほしいとき、遊んであげているときはしっぽを振りながら甘噛みもします。
ごはんをお皿に入れ食べさせているときには、近づくもの皆に威嚇をし手を出そうものなら噛みつきます。・・上記流血です。
ただ、手にエサを乗せ食べさせる。上記エサを入れたお皿を持って与える場合には、威嚇しません。手を放した状態でエサを食べると威嚇します。・・・・とられたくないようです。
とにかく、人に噛むのをどんな時でもしない様になってもらいたいのですが、方法ありますでしょうか?
トラブル、騒ぎ事になる前に防ぎたいのです。幸いにも今のところ穏便にすんでおります。
なにとぞ、よろしくお願いいたします。
・柴犬10ヵ月19日、オス(飼い始めてから、9ヵ月)
・ご家族全員の年齢層、性別、一日の愛犬との同居時間
大人30代2人、子供は9歳男と5歳女。
朝6時に子供がエサと散歩・・・30分程(主にトイレ)→家の中にて水をあげ8時まで家族と一緒にいます。
・・ただ朝は身支度、朝食などに時間をとられ、基本的には同じ部屋にはいますが、ほっといているのが現状です。
→8時には外の犬小屋へ移動・・・道路を歩く近所の人や、犬の散歩をしている人が通る際に、話しかけてくれています。
→16時子供が学校から帰宅しそのまま、散歩へ・・・30分~60分。この間、おもちゃを使ったり、追いかけっこ、またグルーミング等、スキンシップもします。
→家の中へ移動しゲージの中へ。・・・エサ、水・・・・家族と一緒にいます。ここでも、朝同様犬に構ってあげる時間が取れないのが現状です。
→22時頃、大人にて散歩。・・・・・30分~60分。走ったり、ひっくり返したり、リーダーウォークをしたりします。
→その後家の中に戻り、就寝・・・・朝になります。
※休日は、みんなで土手に行ったり、公園に行ったりで一緒に遊んであげたり、散歩してあげたりもしています。・・・普段遊んであげられていない分を取り戻すかのように。
ただ、これも毎週というわけではありません。圧倒的に犬と接している時間が少ないと自覚もしています。
※昨年12月に左後ろ脚を骨折してしまったため、散歩やリーダーウォークがうまく出来ない事が続きましたが、基本的には、実行するように心がけております。
・・・・正しく出来ているか、不安ではありますが。ただ、犬が違和感を感じている様子がうかがえますので・・・主従関係?順位変更?の違和感を感じているのか抵抗する事が見受けられます。・・・・リーダーウォークの成果でしょうか?
・過去の接し方と、一日の流れ
①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
エサをあげたり、お手や、お座りが出来たとき、遊んであげたいとき。等でした。なでたり、じゃれたり、おやつをあげたりしていました。
②過去はどういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
時間が取れたときにしていました。おもちゃを使ったり、一緒に走りまわったり。
③過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
しつけ・・・・おしっこを覚えさせる時。トイレの位置を間違えたときには、正しい位置を教える。
褒め方・・・まて、おすわり、お手、トイレ等がうまく出来たとき。
叱り方・・・人に噛んでしまった時、道路に落ちているたばこの吸い殻等を食べてしまった時に死角からおしりを叩いていた事もあります。・・・ダメの声掛けと一緒に行っていました。※時間をあけずに、行うのを徹底しました。
④過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
基本は犬との接点と考え毎日行っていました。
声掛けは、なでなでしたり、抱っこするといった際にもしていましたが、特に意味なく気分でしていた事もありました。
⑤過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
30分~60分×3回。あまり好き勝手には歩かせず、主導権は渡さないようにしています。急に方向を変えたり、走ったり、止まったり、歩いたり。リードはできるだけ短くもっていますが、グイグイ引っ張るので犬は苦しそうにはしています。ハーネスが壊れたため、今は首輪につないでいます。
⑥過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
さきほど記載した内容と同じです。
・愛犬のハウス周りの構成、環境など
ゲージ(w:960、d:650、h:600)につないで入れてあります。※ゲージの上から脱走するので繋いでいます。中には、毛布とおもちゃ、水を置いてあり、からだの割にゲージが狭いようなのでトイレはありません。
→定期的にトイレ散歩をしています。
今回の柴犬君は、生い立ちの背景・環境の問題・しつけの問題がいくつか重なっています。
過去の事はもう取り返せませんが、環境と犬のしつけ方は変えていかないといけませんので、それぞれお話してまいります。
まず生い立ちの背景ですが、親兄弟と引き離された時期が余りにも早かったです。
本来は、親犬や兄弟犬と数か月過ごしていく中で、親犬からしつけを受けたり兄弟ゲンカで噛んだり噛まれたりしながら学んでいき、初期の社会化を果たし、徐々に噛み癖も消えていくものなのです。
しかし、生後1か月ちょっとで引き離されてしまっては、子犬は何も学べないのです。
そうなった以上は人間が一貫して教えないといけないのですが、なかなか初心者の飼い主さんには意識がないですし、一貫もできないのです。
そうやって過ごしていく中で、犬は6か月も過ぎれば知能も高くなってきますし、成犬としての権勢本能や自我も出てきますので、問題として表面化してくるのです。
さて、まず環境ですが、時間帯によって外と家の中で居場所が変わるのでしょうか。まずそれがいけません。犬の居場所は固定して、決めたら動かさないことです。
犬は環境の変化でものすごい興奮と緊張とストレスを受けています。
特に外はなるべく避けましょう。色んな物が目に入ってきますし、臭い・音・振動などをダイレクトに感じることになり、刺激と同時にストレスも強く受けています。
気温差も激しいですし、健康面・精神面両方で負担が大きいのです。できれば家の中で決まった場所で固定してください。
もし、外飼いならば、ずっと外で固定してください。ただし、車や人が通る道路からは遠ざけてください。
犬が喜んでいるように見えたとしても、実態は興奮によるストレスなんです。
次に犬のしつけや接し方のお話ですが、犬のしつけが浸透して関係作りがしっかりできた成犬になるまでは、子供さん単独で散歩や遊びはさせてはいけません。
犬の成長期にそうさせてしまうと、必ず関係の誤解が生まれます。大人でも簡単ではない犬のしつけを、子供が理解して一貫することはまず無理なんです。
散歩・遊び・しつけは、必ず親が同伴して良い手本を見せないといけません。
しばらくは散歩の回数は減ると思いますが、子供さん単独で行かせないでください。事故も心配です。
散歩は平日は夜だけ、お休みの日は日中たっぷりしてあげればそれで良いです。
まずは、ご家族全員で、過去の接し方を見直しましょう。意味の無い声掛けナデナデ抱っこにオヤツ・・など、犬の本能の視点に従属的に映る態度を絶対に見せてはいけません。
下位の犬は上位にすり寄ってナメナメ挨拶します。人間が犬を猫なで声でナデナデ・・は、それと同じことをしてしまっているのです。
オヤツも止めましょう。栄養のバランスが崩れていますし、いずれ好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなってしまいます。
そしてオヤツで釣って犬を行動させていると、犬との本当の関係がどこまで作れているのかが見えなくなってしまうのです。
これが一番怖いのです。
それを見失ったまま、犬の成長期を過ごしてきてしまったので、犬は関係を誤解して、気に入らない時に豹変するのです。
しかし、これは柴犬君の素性が良い犬だったからこそ、現状で済んでいるのです。素性の悪い犬だったら、家族も近寄れないほどの犬になっていました。
ですので、良い出会いに感謝して、ご自分たちを見直して頑張っていかないといけないのです。
かと言って、それは犬と接することが悪いという意味ではないのです。いつでもどこでも、毅然さと主導性を保っていただきたいのです。
上の子はもう、しっかり説明して手本を見せてあげれば理解できる年頃です。下の子もお兄ちゃんを見てマネします。親を見てマネをします。
まずはご両親がしっかり犬のしつけを続けて関係作りをしてください。そこで子供さんを、仰向けや主導型コング遊びに参加させてください。
犬のしつけで噛み付きに関しては、作業用の革手袋をはめて、集中的に練習もしてください。手袋はホームセンターで500円くらいで買えます。
まず犬にリードを付けて、短く片手で持ち、上に軽く引き上げておいてください。
そこで犬に手袋をした手を見せてください。噛もうとしたら「シ!」の注意音と同時に、チョンとリードを上に引き上げて注意します。
また犬に見せて噛もうとしたら「シ!」・・・ひたすらこれを繰り返してください。繰り返していくと、手を見せても噛まなくなる瞬間がきますので、そこでポンポン褒めてください。
何度見せてもOKなら、次は犬の好きな物の前でやってみてください。コングでも良いですし、ご飯を食べている時のお皿でも良いです。
噛もうとしたら、先ほどと同じ注意で教えてください。
上記を反復で何度も何度も繰り返しながら教えてください。そして大前提は、犬が飼い主さんの言うことを聞きたくなる関係作りです。
>柴犬に構ってあげる時間が取れない・・
↑こういう思いが従属性につながります。人間中心で、犬は最後の最後・・そのくらいの意識で犬と接しないと、犬は関係を誤解してしまうのです。
どんなに犬を可愛がっても、愛おしく思っても、犬はそれは理解できません。犬は犬の本能の視点でクールに見て反応するだけです。
犬にはそれしかできないのです。だからこそ、その本能や特性を理解してあげて、主従関係を作ってあげる必要があるのです。
今回は、厳しいお話を申し上げましたが、これが現実なんです。このままではいずれ柴犬君がもっと重大な噛み付き事故を起こすでしょう。そうなる前に関係の修正はしていかないといけません。
もう意識改革をしないといけないのです。
ですが、柴犬君にも数カ月間の習慣や関係がありますので急変してはいけません。
まずはご家族で勉強して、やるべき事をまとめて、一貫するために家族会議で決め事を話合っていきましょう。
決まったら、まずは犬への態度や接し方の徹底です。手法の展開は激変しないで、少しずつ少しずつ展開していきましょう。
>ゲージの上から脱走するので繋いでいます・・
↑犬の直接の繋ぎは、ストレスが大きいですので止めましょう。木の板をケージの上に置き、その上に荷物や重石を乗せれば、全体もガッシリして脱走はできません。板とケージをヒモや針金で縛っても良いです。
>死角からおしりを叩いていた事・・
↑打撃などの体罰・脅し・天罰式などは止めましょう。犬には、それらと自分の行動を結びつけて理解し、反省する知能は無いのです。
犬が神経過敏になり防衛本能が強化されて、より突発的に攻撃的になったり豹変する原因になります・・・