犬のしつけがQ&Aで分かる!

甘噛みを止めてくれない犬のしつけ

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ご丁寧なメールを頂き、早く「犬のしつけマニュアルを」読ませて頂きたいと思っておりました矢先、柴犬が緊急入院致しまして、1月2日に退院してきました。原因は、沢山の寄生虫でした。
 
ペットショップで、ついたその日に購入してしまいました。三日目に、下痢をしたので、ペットショップで紹介された病院に連れて行き、「環境が変ったのが原因での下痢だ」といわれ粉薬を頂いて帰りました。で、その後の軟便を下痢だと判断しなかったのが原因で、入院となってしまいました。
 
が、点滴や輸血を治療のお蔭で、今は下痢は止まり、7日の検便で、コクジウムは居なくなったとの事。今も食事にジアルジア・トリコモナス・糞線虫の薬を混ぜていますが、ドックフードは、完食し元気に走り回っています。
 
前置きが長くなり、すみません。
 
問題の内容: 甘噛みを止めてくれない
犬の犬種: 柴犬・メス、10月28日生まれの2ヶ月、1匹のみ
家族の年齢: 父79歳・母75歳・私50歳・主人50歳(単身赴任中月1帰宅)・甥25歳(3月まで同居予定)
犬との同居時間: リビングに居て、1日中誰か居る。(続きのダイニングかどちらかに母か私が居る事が多い)
接し方: 初心者とはいえ、そこまで無知なのかと思われる事の繰り返しです。
 
まず、背景からですが、ペットショップより、「2週間は目を合わせてはいけません」と言われ但し、「柴犬は人間不信になる事がるので、おとなしくしている時には、かまってあげて下さい」とのこと。2週間後から、しつけをしていかねばと思い、DVDや本やネットやらで勉強しました。が、この2週間に関わる情報が無かった為、甘く見ていたのかもしれません。
 
きた翌朝からウンチをして(ゲージの寝床とトイレ)汚れたのが辛かったのか、覆っていた布を外すとキャンキャン泣きながら、飛んできました。その時だけは、健康なウンチでしたが、それから、下痢(軟便)がはじまり寝床をよごしたり軟便を踏んづけたりで、寝床をあらってり、トイレを変えたりで、ゲージから出す事が多くなってしましました。
(今考えると、寝床の汚れは吐いていたのだと思います)
 
その時に、ウロウロするので、母に抱いていてもらっていました。(これが一番の原因だと思います)で、甘噛みをします。それがとても気になりながら、「駄目でしょ!!」と低い声で言ってもすぐじゃれてきます。私は、駄目とおもっても、両親は子犬なんだからと馬鹿親ぶりで甘甘でした。800グラム位だったので、噛むという意識があまりなかったのです。
 
トイレ交換以外は、一緒に遊んであげる事はせず、ゲージへいれていました。が、よく寝ていましたが、小さくて愛らしく寝ている姿も可愛くて皆がのぞきこんでいました。母は、曾孫に話しかけるように、ついつい「ねんねしなさい・・」とか「お利口ちゃんやね」とか・・、勿論私も、聞きわけが良いので「お利口やねぇ~」といい、ついつい声掛けもしていました。が、抱きまわったり、必要以上は、なるべく覗かないように皆で、我慢して遠目で見守っているつもりでした。
 
ペットショップさんの但し・・・が、一番どこまで良いのかが分かりませんでした。で、2週間後に、入院となりました。入院して、獣医さんからも、「甘噛みは止めさせてください」と言われています。目を合わさないとは思いませんが・・・と、7日に2回目のワクチンを打ち、ドクターから、今の段階での遊びや、食事の量などアドバイスをうけました。
なので、退院してから、今まで以上に厳格に、柴犬の仰向けにして、『「柴犬の飼い方・しつけ方」の本に書いてある仰向けにして、 口の中に指を突っ込んでゲッとなるまでやる』を実践しても、30分くらいしたら、ズボンのすそやスリッパを噛み付き、抱き上げると服やらを噛み噛み。
 
そして、「あおむけ固め」もしましたが、まだ小さいので顎の下にロックを入れても外れる事が多く、たまにギャフンとなると、尻尾の短くて分かりませんが少し脱力しておとなしくなりますが、力を緩めると押さえた手を本気で噛もうとして来ます。
 
歯があたるとすぐに、低い声で叱り、続くと仰向けにして羽交い絞めにして叱りますが、「毅然とした態度」には写らないのでしょう、今度は向かってきます。まだ小さいので、向かってきても怖くはないですが、歯が生え変わったら小さくても怖いと思います。まして、他人様を噛み付いたらどうしようと、ドキドキします。
 
これが、舐められてしまう原因の一つだとも思います。
 
①「スキンシップのタイミング」
食後にゲージの中でオシッコとウンチをしたら出しています。来た時から、糞を踏ませたくなかったので、慌てて出していたのが悪かったのか、食事の後、相手にしなかったら、オシッコやウンチをこれ見よがしにして、さあ出してと出口でまっています。最初は、がりがり噛んだり前足でがりがりしていましたが、諦めて寝床で落ち着いています。
 
落ち着いた所を見計らって、食後にハウスからだしています。母や父は、小さくて仕草も愛らしいので、おいでおいでと呼んでしまってました。が、退院後は、とにかく無視して見守ってとチラ見にかわっています。
 
②「遊び」
まだ、一人遊びをしています。噛んだりしたら、噛んでも良いぬいぐるみやタオルをすぐ渡していますが、後は、自分で物色し、私が駄目だと思うものには「かじり防止スプレー」を掛けて取りあえず止めさせています。が、それが、遊びです。ドクターからボール投げをして取りに行かせる遊びのして下さいと言われたので、ハンドタオルと丸めて投げますが、走って噛んで振り回しています。だた、気になるのは、噛むおもちゃにはトコトン振り回し格闘していますし、ひとりで興奮して、リビングとダイニングを走り回っています。それに飽きたら、噛み噛み偵察する様に近寄ってきます。その時、私から、めっちゃ教育的指導が入るのですが、暫くシュンとし後は「ケッ」って感じで私に、コイツーって小さい歯を見せるんです。
 
③「躾け」
数日前から、一日でご飯前の「お座り」を教えると、食べたさで覚え、食事関係なくても、何かもらえると思うのか「お座り」には反応してくれます。トイレは、サークルの中のトイレトレーには乗って、してくれています。でも、トイレ=その後は、お部屋に出れると思っているようです。
 
④「声かけ、だっこ、ナデナデ等・・スキンシップ」
外に出ている時に、大人しく近づいてきたら抱いてナデナデ・・・。嫌がります。その時、噛もうとします。手を退けろと言わんばかりに・・・。体を触れるのを、嫌がります。落ち込んだ時や、病院に行く時や、自分が弱った時は、抱っこが楽らしくぺろぺろ舐めて、素直ですが、あまり有りません。声かけは、退院して2日程は、出して遊んでとせがみましたが、諦めて寝床でうずくまっています。でも、食糞もしていたので、サークル内を除く事が多く、その時、静かにしているので「お利口やねぇ~」とか目をあけていたら「寝んねしなさいねぇ」と母は言っています。
 
⑤「散歩」
2回目のワクチンが終った段階で、3回目の2月7日からお外の社会勉強の予定です。
 
⑥「一日のタイムスケジュール」
起床は、サークルの布を取られて時です。食事まえに、トイレチェクされ、ゲージ出たさにまずオシッコをしてみせます。朝6時半から8時の間に、一回目の食事。その後、排泄し、30分ほど、リビング・ダイニングをうろうろと物色し、昼12前後に2回目の食事、で、その後、30~1時間程部屋でうろうろ。夕方3~4時辺りに、3回目の食事、夜8時前後に夕食です。食事の後、排泄を済ませ、チェクされてからサークルから出ています。
 
食事の時間は規則正しくない方が、良いとの事ですが、今は、お薬の間隔もあり、朝夕は7時~8時となっています。
 
写真の添付が出来なくて、すみません。
 
ハウスは、南側のリビングの隅に、ゲージにサークルを繋げて延長しゲージが寝床、サークルの 3/4 がトイレトレーです。入院前は、ゲージの中が寝床とトイレでしたが、トイレの始末をするのに、ドアを解放しなければならないので、上から始末出来るように延長しました。なので、本人の我儘では出られなくなっています。
 
ゲージに布を掛けて、なるべく暗くなるようにはしています。無駄吠えもしませんし、少し暗くなるようにしています。静かにしています。が、ゲージの前で声かけをすると、ガブガブゲージを噛んでいます。その勢いで、私の指も舐めないで噛もうとしています。「かじり・いたずら防止」のスプレーも一時だけのものです。
 
どうしたら、止めさせる事が出来るのでしょうか?と何度も繰り返し教えているのですが、こんなものでしょうか?簡単に甘噛みを止めさせる事の出来る時期を、逸してしまったのでしょうか?
 
文章が、下手で必要な事がお伝えできたのかは、分かりませんが、甘噛みを一日も早く止めさめなければと、焦っております。どうか、お知恵を拝借願います。


m2.pngまず、「犬のしつけの要素が無い声かけ」、が多かったです。抱っこ・ナデナデもあったと思います。人間の赤ちゃんに対する接し方と混同されていらっしゃるようなのですが、犬にはまったく通用しないどころか、犬の本能の視点から見ると「従属的」に映ってしまうのです。
 
まずご家族全員の意識改革をしなければいけません。普段甘やかしや間違った接し方をしていて、そこに犬のしつけ手法だけを上塗りしても何の意味も効果もありません。むしろ逆効果になる場合があります。ご家族全員に、私のホームページ・本書・メールの内容をご覧いただきたいです。
 
接っすること、そのものが悪いわけではありません。接し方の問題です。接触やスキンシップがなければ、群れとしてのルールや関係も学べませんし、情緒も不安定になります。「接する=しつけの要素を必ず加える」・・が自然にできるまで意識しながら、毎日お過ごしください。最初から完璧にできる人などいません。毎日努力するから上達して上手くなっていきます(^-^)
 
はじめて犬を飼われる方が、何でも理解できているほうがおかしいです。また子犬は可愛いですから、間違った接し方をしてしまっても当然です。でもその失敗に気付いて、今後に活かしていただければそれで良いのです。
 
それと生後2ヶ月の犬には、一切期待してはいけません。知能も経験も何もない小さな猛獣です。まだまだそういう時期は続きますし、正しい関係作りをしなければ何も変わりません。
 
「今犬のしつけをしても意味がない」のではなく、やり続けなければいけないのですが積み上がって結果が出るまで時間がかかる時期なのです。ですので、
 
>簡単に甘噛みを止めさせる事の出来る時期を、逸してしまったのでしょうか?
↑「簡単に止めさせる方法」、はありません。ちまたには「2秒で良い子」などというキャッチコピーがあるために、あたかもそういう手法が機能して、成功するかのようなイメージが植えつけられてしまうのですが、物の効果や天罰的な手法は一時的であり、関係作りではないのです。「かじり・いたずら防止のスプレー」でお分かりいただけたと思います。だから私はホームページでも本書でもしつこく申し上げてきました。
 
甘噛み、暴走、騒ぐ、破壊・・これらは本来の子犬の姿です。捕食動物ですから、獲物を追いかけ・噛み付き・解体する・・この潜在能力がある犬だから自然淘汰で生き残ってこれたわけです。幼少期からこの訓練をする本能があります。
 
しかし、群れで暮らす上ではルールに従わなければいけません。野生でも巣穴の中で暴走したり、噛み付けば、親犬は「あお向け」で叱ったり、噛みついて痛さを教えます。兄弟ゲンカの中でも噛み付かれて痛さなどを知っていきます。
 
それらのしつけ、教えをこれからは人間の家族がやってあげなければいけないのです。親犬のように毅然とです。毎日毎日事あるごとに、シンプルに根気良く親犬は教えています。私達が同じようにしなければいけないのです。
 
犬のしつけの柱は大きく分けて二つです。態度、あお向け、リーダーウォーク、ヒモ付ボール遊びを通じて、主従関係と信頼関係を積み上げていくこと・・そして物事(行動)の教えは、型(体現)と音の関連付けです。
 
今はまだ、キレイな形にこだわらないでください。あお向けも、リーダーウォークも、目的は体をねじ伏せることでも体罰でもありません。「立場を理解しなさい」、という毅然な態度を何度も見せ続けることを意識すればそれで良いです。
 
首輪にもリードにも慣れていませんから、特にリーダーウォークは3ヶ月くらいまでは「慣れ」を重視してください。
 
そして甘噛みです。感情や言葉で怒っても犬は理解できないどころか、興奮が伝播して悪循環になるだけです。型と音でシンプルに体現で教え続けます。噛んだら「ダメ」と同時に口を軽く手で閉じます。しっかり目を見据えて厳しい視線を送ってください。口をつかめば当然噛み付きはできません(悪い型が止まり良い型ができた)ので、ここで褒めます。
 
高揚してかん高い声でナデナデ褒めてはいけません。従属的に映ります。「○○良い子」としっかり伝え、頭か体を軽くポンポンポンとたたきます。褒めるときも毅然と褒めます。それ以上大げさに褒めてはいけません。
 
そして開放するとまた噛むでしょう。再度「ダメ」と同時に口を軽く手で・・・・
 
ひたすらこの繰り返しです。犬のしつけは根競べです。犬が根負けするか、人間が根負けするかです。そして、同じ教えをしても主従関係が出来ていないと、犬は聞く耳すら持ちません。褒められても嬉しくもなく、「うざったい」と感じるだけです。ですので普段の何気ない接し方が全ての基盤になるのです。
 
関係作り、型と音の教え・・結果はこれに比例します。結果が出ないのはそれが足りないからです。だから犬のしつけは長い長い根競べ・・毅然とやり続けるしかないのです。その毅然さを常に見せられるから、犬は根負けして相手を認めるのです。
 
触りたい・声をかけたいと思われたら、必ず「指示→犬が従う→褒める」・・これを思い出してください。スワレでもオテでも何でも良いです。そうすればその度に主従関係が深まっていきますし、スキンシップもできるわけです。犬との接点は例外なくこうなるように、ご家族全員で意識してください。ボール遊びでも、スワレ・マテをさせて出来たら褒めて投げる・・これも同じルールになっています。
 
今は結果は期待しないでください。あせりやイライラや不安になるだけです。期待しないでやり続ける・・今はそれが必要な時期です。生後6ヶ月までが社会化に柔軟な時期です。犬との関係作りを重視して、長期目線で犬のしつけに取り組んでください。
 
では、頑張って続けてください。またいつでもメールいただきたいと思います(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
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