ヘルニア持ちで噛みつく老犬のしつけ
こんにちは、柴犬13才を飼っています。
去年までは、餌でつりながら、なんとかブラッシング出来ていました。今年は、餌でつってもブラッシングすると、するなと、噛みつく動作をするので困っています。冬の毛が残っています。
7年前まで、玄関のドアを出ると階段が10段あるのですがそこで放し飼いしてました。通行人があるたびに階段の上がり降りをしていたせいか、ヘルニアになりまして、帰宅したときは、下半身まひの状態でした。
病院で注射と薬でほとんど治り、後遺症は、時々足が軽度に数秒けいれんするくらいです。その後は、玄関の中でゲージに入って過ごしています。
家族の帰宅時間が遅い時も餌を与えずに待たせてほうがいいですか?
家族が外食して遅く帰宅する場合は、どうでしょうか?
時々、腰痛で痛くて散歩途中で叫んだりよたったり、家でトイレをさせたいのですがどうしたら良いですか?
雄犬で2か月から飼っています。子供と私が飼いたいと言ったことがきっかけです。
夫50代PM10~AM7
朝の散歩
私40代PM7~AM7
朝ご飯をあげる 夜散歩(散歩後、時々10分位玄関で座って話しかける)、ご飯あげる
子20代PM00~AM7
出勤時、帰宅時ゲージから出して撫でるが、吠えられたり、噛みつかれたり
①ヘルニアになる前は、時間があるときに、テニスボールを投げて咥えて持ってきてわたしたら、餌をあげるなどして遊んでいた。
飼いだして半年くらいして子供が、部屋のベッドに連れて行って寝ると起こそうとすると噛みついてきて、大変だったので、家の中に入れるのは禁止して、玄関までにしました。
②ごはんをあげるときにお座り、待て、よし、おいでと言って出した手に来たらほほの辺りマッサージするようにしていた。
③5歳くらいまでは、しつけの練習をするときにビスケットをあげていたが、それ以降は、餌をおやつ代わりにあげている。
抱っこは、病院で治療を受けるときだけ。外耳炎によくなるので車の中から出すときに抱きかかえ連れていき、椅子に座り前足を動かない様にしてあごの下から腕を回して押さえている。
よほど耳が痒いときは、気持ち良いのでおとなしくしているが、最近目ヤニや涙が多く出て、目を拭かれるときには、噛みつこうとする。
④散歩は、10分~30分好きなところを散歩させていた。
⑤タイムスケジュール
朝、5時半散歩(散歩中にトイレ)7時ごはん
夜、7時半散歩(散歩中にトイレ)8時ごはん
ごはんの器は、手に持ってあげていた。(ゲージに器を入れてあげていたら食べ終わって器を取ろうと手を入れたら噛みつかれたので)家族の食事に関係なくあげてました。
⑥トイレは、いつも散歩でしています。
よろしくお願いします。
■環境とトイレのしつけについて
まず、家でトイレさせたいとのことでしたが、今の場所ではちょっと狭すぎて無理です。
また、環境的にも玄関で外部の気配が強いので、ストレスもたまりやすいです。
理想は、室内にして、本書のように4点セットにしていただきたいです。留守番がかなり長いですので、いつでもトイレできる環境が望ましいです。
今の場所ですと、寝床だけのスペースしかありません。
室内に変更して、今あるケージの柵を一面外して、そこに新しく買ったクレート型ハウスの出入り口を合体させることです。
そうすれば、クレートの中が寝床になり、ケージ側をトイレスペースにできます。
そして、トイレのしつけですが、まずはどこでしても叱ったりしないで、外で今まで通りさせます。その時に、「チチチチ・・」などの効果音と、地面を指差すジェスチャーを見せて関連付けすることです。
毎日続けていくと、外でジェスチャーと指示音で排泄できるようになっていきます。
外で指示で出来るようになってきたら、次の段階では、その時にトイレシートの上にさせるように教えていきます。
トイレシートをお散歩の時には必ず持っていき、させたい場所でシートを地面に敷いて、そこを指差しながら指示音でさせます。出来れば、トイレトレー自体も持って行ければ一番良いです。
外で指示でトイレシート(もしくはトレー)にできるようになったら、最後は家の中(ケージの中)でも同じように指示音ジェスチャーで促してみてください。
人間もそうですが、利尿脱糞作用が高まるのは、「起床後・食事後・緊張興奮時」ですので、起きてご飯を食べた後にコング遊びで興奮刺激を与えると、排泄しやすい条件がそろいます。なるべく多く条件を整えて、指示音ジェスチャーでさせてみてください。
今回は、外でトイレする習慣がかなり長かったですから、なかなか室内でするまでに時間がかかります。そして主従関係も大きく影響します。
■犬との主従関係作り・しつけ
ということで、トイレのしつけにも主従関係が重要です。噛んだり要求吠えを止めさせるだけでなく、犬との全ての関わりで主従関係は土台になります。
教えを聞きたくなる関係、褒められて嬉しくなる関係。これがあるのと無いのとでは、結果がまったく違ってきます。
犬のしつけに年齢は関係ありません。老犬になっても新しいことは学んでくれます。むしろ、落ち着きも出て知能も高くなっています。
ただし、当然のことながら、今ままで関係が崩れていた期間が長ければ長かったほど、修正も大変です。
そして、犬を変える前に、飼い主さんが変わらないといけないのです。
飼い主さんが変わらないと、犬も変わりません。飼い主さんが変われば、犬も変わります。
今までのように、お出かけ・帰宅の挨拶をチヤホヤしたり、ジロジロ見つめて猫なで声でナデナデかまうような接し方では、今の関係は変わりません。
必ずご家族皆さんで本書とQ&Aサイトを熟読していただいて、意識改革されてください。
意識が変わると、自然と態度やしぐさが変わっていきます。犬がそれを毎日見て感じ続けて、一貫されるから認めるようになります。それが無く表面的な手法だけ上塗りしても、犬は見抜きます。よけいにバカにされます。
特に今回は、柴君のヘルニアと老化がありますので、肉体的に負担がかかる手法は無理をできません。
リーダーウォークも仰向けも主導型コング遊びも、強度を上げられない分、よけいに精神面で犬に示す必要があります。
長年チヤホヤされてきましたから、変えられるでしょうか。変えなければ犬も変わりません。
犬と接することが悪いのではありません。「接し方」の問題になります。
スワレでもオテでも何でも良いので、何か指示を出して行動させて、それに対して堂々と褒めてあげる・・・指示で犬が出来なければ、型を作ってあげて指示音ジェスチャーで褒めて教える・・・
こういう、主導性と毅然さを保った接し方を一貫していただきたいのです。
■ヘルニアと老化について
実は、年齢的にちょっと難しい段階にあります。
薄々お察しとは思いますが、中型犬でも13歳はかなり高齢です。ヘルニアで運動不足もありましたし、そろそろお迎えが来てもおかしくない年齢です。
かと言って、それで運動を止めてしまうと、さらに肥満・老化、筋力低下でヘルニアの悪化、免疫力の低下、などなど多数の弊害が出てきます。
運動を増やしたり、しつけを強化したり、環境を変えることで、寿命が短くなるリスクと、長くなる可能性が両方あるのです。そこをどうご判断されるかも、ご家族でご検討されてください。
できれば、個人的な意見としては、もう少しお散歩の時間を増やしていただいて、軽いコング(ボール)遊びも再開してみてください。
もちろん、ジャンプしたり走ったりするような運動はいけませんが、お部屋の狭い範囲でチョコチョコ転がして遊ばせるような運動は良いです。痛ければ犬も途中で止めるはずです。
主導型にして、しつけをメインに遊び半分にされると良いです。
散歩で歩くだけでなく、自由運動もすると、体幹の筋肉が鍛えられて良いです。また、発散不足でストレスが溜まって、それが噛み癖の一因になっていることもあります。
運動を止めてしまうと、筋力や柔軟性が落ちて、余計に椎間板や関節に負担がかかります。できる範囲で運動を確保していきましょう。
そして、犬も人間も、健康には運動と食事がセットです。
高齢ということと、筋力向上がヘルニア対策には重要ですので、タンパク質を多く摂らせてください。
少し大きめのホームセンターには、13歳以上用のドッグフードが売っています。一般的なのはヒルズのサイエンスダイエットです。
高齢犬用は、炭水化物(糖分)を少なく、タンパク質を多くしています。
更に今回は、鶏肉を混ぜてあげると良いでしょう。
胸肉は脂や皮が少なく、安くて低カロリー高タンパクですので、多めに買って作り置きしましょう。
皮は脂肪が多いのではいで捨てます。お肉をミキサーや包丁でミンチにします。それを電子レンジで数分間加熱して、生の部分が無いようにしましょう。
それを冷蔵庫で保存して、毎食のドッグフードに少しずつ混ぜてください。(大さじ3杯くらい、フードに対して4対1くらい)
鶏肉は塊でトッピングしないことです。そうすると好き嫌いを覚えてそれだけ食べてしまい、ドッグフードを食べなくなる犬がいます。細かくして完全に混ぜ込みます。
ドライフードは熱湯でふやかしてください。子犬や老犬は消化吸収力が弱くなっています。ふやかすことで、それが高まります。
お湯はぬるま湯ではなく熱湯です。量はドライフードの3倍くらいです。20分から30分くらいでふやけて、温度も冷めます。その後に鶏肉を入れても良いですし、殺菌の意味で熱湯をかける前に入れても良いです。
■ご質問の件
>家族の帰宅時間が遅い時も餌を与えずに待たせてほうがいいですか?・・
↑子犬ではありませんので、全然大丈夫です。それよりも、体調が悪い時や興奮時にトイレをがまんさせることのほうが問題です。
>家族が外食して遅く帰宅する場合は、どうでしょうか?・・
↑エサの準備など時間があれば、お出かけされる前に与えてください。時間が無ければ、帰ってからでも良いです。
では今日は以上ですが、今回はヘルニアと老化の問題がありますので、しつけの強度の調整がちょっと難しいところがあります。
例えば、犬が噛んだり噛もうとした時や吠えた時には、「シ!」の注意音と同時に首輪やリードをガツンと引き上げて注意したり仰向けもしていただきたいのですが、無理はされないでください。
まずは皆さんの意識改革によって、何気ない接し方から変えて、そして運動と食事で健康も戻し、その後も問題行動に変化が無いようでしたら、リーダーウォークや仰向けを少しずつ展開・強化していきましょう。
それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)