犬のしつけがQ&Aで分かる!

老犬のしつけ方と体調管理の注意点

質問内容
現在、今年10歳になるラブラドール雌がいます。

もう今更しつけは無理なのかな? かわいそうかな? と思いつつ、いろいろ検索しているうちに堀川さんのホームページを見ました。

いくつになっても犬のしつけは必要だし、出来るとの事なので、やってみようと思いました。

あと何年一緒にいられるかわからないけれど、老犬でも楽しく幸せに暮らせるようにしてあげたいです。宜しくお願いします。


返答内容
ラブちゃん10歳ですね。実は、老犬こそ犬のしつけが必要なんです。

犬が年を取ってきますと、当然元気がなくなってきたり病気がちになるわけですが、そういう老犬に対しては飼い主さんが自然と気遣いするようになります。

もちろんこれは当然のことですし、体調は日々良く観察して、工夫もいろいろしてあげないといけません。

しかし、そういった精神的背景から、無意識に犬への接し方・態度が甘くなってしまうのが怖いのです。

犬の知能では「自分が年を取ったから優しくしてもらっているんだ」などという理解が出来ないからです。犬の本能で冷淡に感じて反応するだけです。

さらに、老犬は知能も高くて経験豊富ですので、すぐに相手の弱さを見抜いて、ズル賢く自分の特になるようなワガママをするようになります。これが要注意であり、少し悲しい現実なのです。

せっかく10年以上も良い関係で暮らしてきたのに、老いや病気を機会に飼い主さんが気を使い過ぎて、そこから主従関係がまた崩れてしまうのです。

もちろん、犬の体調はしっかり管理してあげなければいけませんが、態度・接し方まで甘くならないように気をつけてください。


続いて体調管理ですが、人間もまったく同じことですが、

・食事 ・運動 ・睡眠 ・ストレス

を整えてあげてください。

ドッグフードは、「10歳以上用」にしましょう。『ヒルズのサイエンスダイエット』は細かく年齢別に分かれていて、価格も標準的ですし、入手しやすいのでおすすめです。

それと、免疫力を維持するためにサプリメントも良いですが、市販品ではなく、動物病院でしか手に入らない物がおすすめです。私は『サプレットプロ』を与えています。(与える場合は継続すること。途中で止めると免疫力が急に落ちて危ないです。)

調子の悪い時は、ドライフードは熱湯で20分くらいふやかして与えましょう。消化に良いので、今後もう毎回ふやかしても良いです。ただ、その場合は歯磨きやコング遊びで、歯とアゴのメンテナンス・維持はしてあげてください。

オヤツとか人間の食べ物は絶対に与えないことです。

そして、毎日1時間くらいは連続で歩いて(散歩して)、血行・免疫力・筋力・心肺能力を維持しましょう。コング遊びも大切です。

あとは、寒暖の差が激しくない静かな環境で、ゆっくり睡眠・休息をとらせてください。睡眠とリラックスは免疫力を高めてくれます。

それらに気をつけて、病気や事故さえなければ、ラブちゃんなら17歳くらいまで生きれます。


余談ですが、犬は口の中の癌が危険で、転移しやすく悪性が強いです。毎日歯磨きのついでに口の中や上顎まで隅々をチェックしてください。もちろん、全身も目視と触診です。

おそらく、もうこの年ですので、脂肪腫は体中にたくさんあると思います。カチカチに固い腫瘍や、黒・灰色の腫瘍がないか見てください。


さて、老犬のしつけのお話もいたしましたが、今の時点で特に大きな問題がないのであれば、あまり無理に変えたり強くしすぎないこと、激変しないことです。

加齢で免疫力が落ちていますので、激変ストレスで癌になるといけません。

飼い主さんの意識からくる自然な態度や接し方だけでも全然違いますので、まずはそこから始めていただいて、その上で上記の健康管理をしていただければ、それで十分です。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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