「いぬのきもち」に応えるのは間違い。犬の本能に応えるのが正解。
犬の問題の内容ですが、
①リラックス時もしくは、うとうとしている時、なでると、うなる。
②呼んでもそばに来ない。
③散歩時、他犬に吠えてしまう(他犬から吠えられると、吠えない。とりあえず吠えてみる様に見える。)←リーダーウオークにて以前よりマシになってはいます。1匹のわんこ友達のみ吠えません。
犬種:トイプードル 年齢:もうすぐ2歳 性別:オス
生後2か月の頃に、うちへやってきました。主人と子供が飼いたいと言ったので。その頃、子供3人とも、動物が怖くて仕方なかった為、情操教育の一環として飼うことを決めました。今は大好きです。私は、小さな頃から、外で犬を飼う生活をしてきましたが、家内で飼うのは初めてです。
家族は30代夫婦、子供3人です。同居時間:主人・基本1時間ほど。私・13時間ほど。長男と長女・5時間ほど。次女・6時間ほど。
過去の接し方:
①犬主導の状態で、おもちゃを持ってきたら、遊ぶ。体も嫌がっても、慣れささなきゃと意気込み、どんな時も触ったりなでたりしていました。
②しつけ方は、オヤツでつり、おすわり、まてなど教えていました。ほめ方・声を大げさに出してほめていました。叱り方・「ダメ」を徹底していました。声を荒げることもありました。
③すべてオヤツで行動させ、子供は抱っこをよくしていました。通りすがりになでなでしたり、声をかけたりしていました。
④散歩は夕方に30~40分。なるべく他の犬に会わないようにしていました(吠えがひどかったので)幼少期の社会化不足が原因かなと思っています。
⑤家でお客さんが来る仕事をしているので、仕事のある日は、看板犬としておとなしく、お客様の足元で寝ています。ただ、気持ちよく寝ているときに、体に足が触れると、唸る時がたまにありました。私が留守中はゲージ内にいます。だれかが家にいるときは、ゲージから出したままフリーにしてました。
⑥リビングの一角にゲージがあり、ゲージ内にハウスをいれてます。トイレはゲージ内とゲージ外に2つあります。ゲージ内では滅多にしません。
愛犬の他の犬に吠える行動と、家で、自分からくっついてはくるものの、触れると唸る行為がひどくなってきた為、堀川さんの本を購入させていただきました。
おやつでつる事に、疑問を抱いていた為、子育て同様、オヤツはすべてやめる決心をしました。リーダーウォークとあお向け固めを実践し、散歩中の変化は早めにやってきました。今までみたいに必死に吠えることはなくなりました。
吠えない時もたまにあり、吠えても軽くはなりました。ですが、まだ、あいさつはうまくできません。おしりを匂われると、怖いのか震えます。後、横断歩道を渡るとき、以前はオヤツでおすわりさせていましたが、何もないと指示を聞かなくなりました。でも、ジェスチャーと一緒にやっていると、最近、やっとおすわりするようになりました。
お家での問題行動として、主人以外の4人がかまいすぎたかな。。。と思い、ゲージに入れる時間も増やし、むやみに声もかけず、唸ればあお向け固めをし、何もない時もあお向け固めを実行しました。
唸りは、以前よりマシになったとは思いますが、以前よりやたらに触らないせいかな?とも思います。
おいでも、まったく聞かず。呼んでもしっぽはさがったままなので、うれしい環境ではないんだな・・・と思うと、悲しくなります。ご飯のときは、すごくうれしそうです。
リーダーとして認めてもらえてない状態が2年近くもあったのだから、がんばろうとは思いますが、心が折れそうになります。あお向け固めの仕方が、悪いのでしょうか?
自分から、寄ってはきて、体をくつけますが、触ると唸るので、あお向け固めをします。唸った後のあお向け固めの時は、とても反抗的です。普段のあお向け固めのときは、割とすんなり受け入れてくれます。自分から、おなかを見せる行為は小さなころからほとんどしません。今も、自分からは滅多にしません。
愛犬の気持ちがわかってあげれていないのが、本当に悔しくて。せっかく縁あって、この家庭にきたのに・・・と。このままの形でやっていてもよいのか、アドバイス頂けたら幸いです。
今回の答えは、もうお気づきになられているはずです。今まで何が悪かったのか、これからどうすれば良いのか・・・は、メールの文面から拝見して、もうご理解されているようです。
ですので今回はクドクド申し上げませんが、確認のために申し上げておきますと、やっぱり今までの環境・接し方・犬のしつけ方は全てお間違いになられておりました。
トイプー君の素性は良い子なのです。知らない他人の足もとで大人しく寝れるような犬は、そう多くはありません。良い犬なのです。
問題が起こるようにしてしまったのは、飼い主さんなのです。
>愛犬の気持ちがわかってあげれていないのが本当に悔しくて・・
↑この考え方は実は少し危険です。
「いぬのきもち」なんてコンテンツがありますが、「犬の気持ちを知った上でどうするか」が問題なのです。
多くの飼い主さんは「犬の気持ち」にただ従属的に応えているだけなのです。
犬の気持ち・・ではなく、犬の要求に応えてしまっているのです。本来は応えてはいけないのです。
「犬の気持ちの理解」ではなく、「犬の本能への理解」が大事なのです。
表面的な「犬の気持ち」というのは、要求でしかありません。それは人間の子育ても同じです。
もちろん人間の子供で本当に幼い時点では、子供の要求に100%応えてあげて、自尊心を養い、愛情を感じさせることは絶対に必要なのです。しかし、その後は成長期が進むにつれて、徐々に親離れをさせ、社会のルールを学ばせないといけません。
人間では、それは学校だったり教育資料やテレビ・ネットがあるので自然とできているわけですが、犬の場合は、飼い主さんの意識のもとでやらなければ何も変わらないのです。
しかも犬の場合は、犬の要求に応えたら主従関係が誤解され崩れるだけになってしまいます。それが犬の本能だからです。
犬の表面上の気持ちとしては「かまってくれ」ですが、本能としては「毅然として主導してくれるリーダーが好き」なわけです。
この違いを理解しなければいけません。
今回は犬との接し方のポイントだけおさらいしておきます。(詳しくは本書・Q&Aサイトの熟読を)
今やっていただいているように、ベタベタ・チヤホヤは止めましょう。犬の群れでは、下位の犬はリーダーや上位にすり寄ってナメナメ挨拶してきます。犬をジロジロ見つめて猫なで声でナデナデ・・は、従属的な挨拶そのものなのです。
それを続けて受けてきたら、どんな犬も主従関係を誤解して当然です。
でも、無視だけではスキンシップもできませんし、物事も覚えられませんし、関係作りもできません。
「どうやって接するか」なのです。
その答えが「主導性と毅然さを保って接する」なのです。何気ない接触も、オテでもスワレでも何でも良いので何か犬に指示を出して行動させて褒める・・指示でしなかったら型をこちらから作ってあげて褒めて教える。
その中で犬が唸ったら、仰向けでも良いですし、噛まれるのが怖かったらリーダーウォークが良いです。
団らんや遊びの時も、犬を常に主導できるように、犬にリードを付けて持っておくと良いです。唸った瞬間リーダーウォークに移行して主従関係を示すことができます。
一貫して続けることで必ず変わっていきます。(もうすでに少し変わってきていますよね)
そうやって犬に信頼される関係作りが出来れば、犬との暮らしも当然良くなりますし、お散歩で他の犬に吠えることも減っていきます。そして、良い関係ができると、注意をしっかり聞くようになります。
吠えたら「シ!」の注意音で、リードをチョンと引き上げて注意します。また、他の犬を避けないで、最初は遠目から観察させるようにしてください。追いかけて歩いていくのも良いです。
「慣れさせよう!」と急に対面させないで、優しいレベルから徐々に適応させていくことです。優しいレベルなら注意も入りやすいです。
いきなり難しいレベルで興奮が激しいと、どんなに良い関係でどんなに優れた手法でも無理なんです。
>呼んでもしっぽはさがったままなので、うれしい環境ではないんだな・・
↑これは違います。確かに今の時点では関係は良くありません。しかし、「犬がシッポを振る・振らない」は別問題です。
犬は怒っていても、嬉しい時とまったく同じシッポの振り方をすることがよくあります。つまり、シッポを振る要素は興奮なのです。犬は本当にリラックスして嬉しい時は、シッポは振らずにゆったり寄り添ってきます。
シッポを振る相手というのは、慣れていない相手(興奮する瞬間)なだけなのです。
今回はトイプー君の素性が良い子なので心配はしておりません。家族の接し方・犬のしつけ方に比例して良くなっていきます。
あとは、どのくらいのレベルでどこまでやり続けるか・・です。ただ、これまでの長い期間の習慣や関係がありますので、急に結果は求めてはいけません。犬もすぐには適応できませんので、激変しないで少しずつ変えていくことです。
根本は、飼い主さん家族の意識改革です・・・