犬のしつけがQ&Aで分かる!

7カ月過ぎて犬がだんだん噛むようになってきた場合のしつけ

質問内容
堀川様、購入前のメール相談も可能とのことでしたので、思い切ってメールさせていただいております。

我が家には10ヶ月になる雄の柴犬がおります。

二年近く「犬を飼いたい」と言い続けていた小学生の娘の希望で、我が家へやってまいりましたが、幼少期から外飼いとはいえ、常に犬が居る暮らしを送っていた私も、その気持ちには答えたい思いもありました。

度々ペットショップを覗いててはいたものの、突然の出会い娘の一目惚れ。犬を衝動的に購入していいものかと思いながらも、娘がずっと反対していた夫に交渉。了解を得ての購入でした。

犬を迎える体制は全く整っていない状態でしたので、なんとか整え同居スタート。

冬の我が家。マンション飼いとはいえ、大きくなったとき対応のケージサイズ、仔犬1匹では寒かったのか、早々に風邪(ケンネルコフ)をひき、なかなか外に連れ出すこともできず、社会化の遅れ、飼うのは良いが、世話はしないという夫と柴であるが故にちゃんと躾なくては、との焦りと気負いで犬の幼稚園へ通わせることへ。(幼稚園の入園資格は生後18週まで。ギリギリの入園でした)

小さい頃から簡単にお腹を見せる子ではありませんでしたし、甘噛みはありますが、無駄吠えをする事もなく、娘のお友達に撫でられても怒ることなく過ごしていましたが。

病院の先生にもなんでも受け入れる子だね。といわれたり。

しかし、7ヶ月になった頃からフードやオヤツが絡むシチュエーションで、最初は娘が集中されて噛まれ、次に 中学生の息子。

そして段々とフードの用意をし始めるのがわかると唸り激しく要求吠えをするようになり、ケージで待っていたのに(ドアを開けていた時)わざわざ出てきて子供達に威嚇したりするようになり、とうとう私もコングで遊んだ直後に足を噛まれ、その日はご飯をあげる時にこれまでにない程、ケージ内でフードを持ってきた私に向かって歯をむき出して唸り吠えました。
カチッとスイッチが入る感じでしょうか。

私が噛まれてから幼稚園の先生にも電話で相談をしましたが、とりえず、1週間はケージ内管理。食事は別室でとらせる(3ヶ月を目安)でした。

長ければ15年程の犬の寿命のうちのたった3ヶ月。でも、その状態から本当に通常に戻れるのか?その先もずっと別室で?という不安もあり、もっと私の気持ちがしっくりくる躾法はないものかと、ネットを見ていて藤井トレーナー→森田トレーナーと息子とも体験談などを幾つも見て森田さんのーDVDの購入を決心したところで、堀川様の躾法を見つけました。

確かに、言うことは聞くけれど、目はフードを見ているし、いつまでご褒美フードを与えるの?など、疑問やしっくりこない気持ちで半信半疑で躾をしてきて、ブレも多かったかと思います。

柴犬は頑固で難しいとよく聞きます。

娘は小型の洋犬で良かったのだと思いますが、私が忠犬日本犬の魅力に取り憑かれていたのだと思います。

柴をちゃんと育てられたら、自分の中の達成感も感じられると思っていたのかもしれません。飼うまでは。。。

そういう意味で、躾を外部委託している時点でブレは生じ始めていたのかもしれません。

原点に戻るというところなのかもしれませんが、堀川様の方法が成犬になろうとしているこの子に効き目があるのか、ちゃんとやっていけるのか、また失敗したら八方ふさがりな気持ちになるのではとの思いからメールさせていただきました。

今もメールを打つ私の足元で少し触れる感じで床で寝る可愛い子なのですが。。。

噛む。散歩時の引っ張りが無ければ、(最近はインターホンに時折吠えますが、しつこくはありません)本当に可愛い良い子なのですが。。。

便がなかなか安定しません。長時間お留守番だったり、トリミング後は下痢をします。

アドバイスいただけると幸いです。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

まず今日は、色んなお話をいたしますが、最初にお話しするのは、過去のお間違いについてです。

もう過ぎたことですし、過去の私も含め、普通の飼い主さんならそうしてしまうのは自然なことですので、ご自分を責めてはいけません。

ですが、これからも犬と一緒に暮らしていく以上、知って理解しておかなければいけないことですので、あえてお話しさせていただきます。


>私が忠犬日本犬の魅力に取り憑かれていた・・

↑この『忠犬』というのは、あくまで『主従関係作りができる人に対しては・・』という意味になります。

それが出来ない人にとっては、とても飼いづらくなります。

また、実際には、「日本犬だから」や「オス犬だから」というのも、先入観の面が大きいです。

柴のオスでも、セラピードッグのような子もいますし、トイプードルやチワワやゴールデンのメスでも、凶暴な子もいます。みんな個性を持っています。

そして、犬は犬の特性を持っています。その特性を理解した上で、それに合った接し方や育て方が必要です。

もちろん、犬も人も、遺伝子上の個性があります。

何のしつけもしなくても、甘やかし放題でも問題が起らない犬もいますが、それは少数派です。

人は入ってくる情報を、自分の都合の良いように処理してしまう特性があります。テレビや映画やネット動画で、良い部分だけを見たり、良い部分だけが頭に残ってしまうものです。

まず、先入観は捨てて、犬の根本的な特性をよく理解してあげて、犬として見てあげることです。それはこれから勉強していきましょう。


>仔犬1匹では寒かったのか、早々に風邪(ケンネルコフ)をひき・・

↑これは違います。

外に出して菌に触れさせたわけではないです。子犬はブリーダーかペットショップで、最初から感染していたのです。線虫なども含め、子犬は何かしらの感染症を持ってきます。

家に来て数日たって落ち着いたら、もれなく検診して駆虫等しないといけません。


>二年近く犬を飼いたいと言い続けていた小学生の娘の希望で・・

↑末っ子、一人っ子は、やっぱり弟や妹が欲しいものです。

ですが、犬のしつけは子供に任せてはいけません。大人でも難しいですので、子供ではまだ無理です。親御さんがまずしっかり犬と関係作りをし、それを手本として子供がマネをし、親御さんの監督・指導の下で修正していく・・・というのが理想です。

特に小学生の子供が単独で接したり、しつけしたり、散歩に行くのは危険です。


>犬の幼稚園へ通わせることへ・・

↑これはあまり意味がありません。むしろマイナスになる場合があります。

幼稚園側は商売ですので、メリットをアレコレ並べて勧誘しますが、冷静に考えてみましょう。

犬と暮らすのは、飼い主さんご家族です。

他人や他所の犬と暮らすわけではありません。

もちろん社会性は重要ですが、社会の最小単位は『家族』です。

まだ家族との関係作りが十分できていない段階で、幼稚園が主体になってはいけません。また、オヤツを使った、単なる表面的な調教法に終始している幼稚園・犬のしつけ教室がほとんどです。

最悪、もし他人や犬と上手く付き合えなかったとしても、最低限、飼い主さんと上手く暮らせることが最優先です。散歩では他人や犬と距離を置けば良いだけです。

もちろん、そうなってはいけませんので、ワクチンが終わったら毎日のお散歩やドッグランなどは推奨している通りです。

しかし今回は、幼少期はご家族とも上手く付き合えていましたし、子供の友達とも触れ合えていましたから、将来の問題を予測することは難しかったです。ご自分を責めないようにされてください。


>7ヶ月になった頃からフードやオヤツが絡むシチュエーションで・・・

↑ここからが一番難しいのです。

5か月くらいから歯が生え変わり、身体も心も成犬になる準備が始まります。

そして、生後7カ月や8カ月くらいで、一気に成犬の本能が完全に出てきます。知能も急激に上がります。

今までは、人間家族を親代わりとして見て、ある程度従う特性がありました。そうしないと世話をしてもらえず死んでしまうからです。

ですが、5か月を過ぎて、そこからは今度はリーダーに従う特性が強くなっていきます。

これは、人間の子供の反抗期にも共通することです。

ですが、これも悲観的にとらえてはいけません。

「反抗期だ。嫌だな・・怖いな・・つらいな。」

と考えることもできますし、

「独立期だ。成長の証だ・・大人になる過程だ。独り立ちできるようにしてあげよう。頼もしくなったな・・」

と考えることもできます。

犬でも子供でも、この特性は、社会性のある群生哺乳類の特徴です。

そういう特性を持っていないと、種族は滅びます。


ということで、今回の問題が起こったタイミングや過程としては、ごく自然なことなのです。

犬が成長した証であり、見方によっては喜ぶべきことなのです。

飼い主さん側の、成長と理解のほうが、追いついていないだけなのです。

そして、今回の柴君の状況からしますと、素性としては全然悪い犬ではありません。本当に問題がある犬は、幼少期からもう凶暴ですし、5か月くらいで手に負えなくなります。

今回はそうではなく、7カ月からということですので、ごく自然な変化なのです。

犬の知能が上がり、成犬の特性がハッキリと出た時期に、柴君にとって飼い主さんの主導性と毅然さが足りず、リーダーとして認められる存在ではないことに、イライラを感じたという結果なのです。


>今もメールを打つ私の足元で少し触れる感じで床で寝る可愛い子・・

↑ですので、これも過信しないことです。

良い主従関係があってそうしているのと、主従関係が逆転して、犬が飼い主さんを監視したり支配しようとしている場合があります。

例えば、飼い主さんと犬が団らんでテレビでも見たりウトウトしている時に、飼い主さんが動いてトイレに行こうとした時に、怒って噛み付いてくる犬がいます。

「勝手な行動すんな!」というわけです。

そばに寄り添っていたのは、良い主従関係ではなく、犬が支配欲を持っていただけなのです。


>便がなかなか安定しません。長時間お留守番だったり、トリミング後は下痢をします・・

↑これも、支配欲・権勢欲が満たされないゆえのストレス症状が含まれます。

もちろん、犬は群生が強いですので、群れのメンバーがいないのは苦手ですが、主従関係の誤解も影響があります。


さて、ただ、7カ月までは良い子でしたので、そこから悪化するなどとは、なかなか予想・予防はできないものです。

それで良いんです。これから皆さんで勉強していただいて、関係作りをしていけば良いのです。

むしろ、やっと犬の心と体・知能が成犬のレベルになってきたわけですので、ここから始まるスタートラインに立っただけなんだと、お考え下さい。


では、少し前置きが長くなってしまいましたが、これからのお話です。

まず、このメールや、今後もし教材をお買いになられるようでしたらそれも含めて、必ずご主人にも目は通していただいてください。

もちろん、最初の「自分は世話しないぞ」という約束はあったわけですが、親として子供の安全保障に関わる問題です。無関係では危険です。

柴犬のオスでしたら、本気で噛んで首を振ったら、子供の指は簡単に引き千切れるくらいの能力は普通に持っています。

イヌ科の群れの世界では、反抗者は殺されることもあります。現代の飼い犬も、その特性は遺伝子の中に持っていますので、甘く見ないように注意しないといけません。


さて、これからのポイントです。

まずは、飼い主さんご家族で、知識と意識を深めてください。

表面的に調教したとしても、犬は相手の弱さを見抜きます。

知識と意識がしっかりしてくると、自然と態度や振る舞いが変わるものです。一貫性も出ます。それを毎日見て感じ続けて、犬は認めるようになっていきます。

子犬のころは、赤ちゃん扱いでマメに世話をしたと思います。もちろん、そうしたくて飼ったわけですが、成犬の感覚には、子犬期とは違って映ります。

「自分がカワイイから・・」などという理解は、犬にはできません。

犬の本能で冷淡に判断・反応するだけです。主従関係を誤解するだけになります。


そして環境ですが、基本はケージ内に居させてください。

テリトリーが広くなると、権勢本能を刺激しますし、誤飲や感電事故にもなります。犬の安全のためでもあるのです。

そして、飼い主さんの判断で時間を作って、メリハリを持ってたっぷり遊べば良いのです。団らんもお散歩もたっぷりしてください。

ただし、毅然さと主導性を一貫しないといけません。

犬をケージから出すときは、常にリードを付けて飼い主さんが持っておく癖にしましょう。

そうやって過ごすことで、自然と主導する形になりますので、最初のレベルの関係作りにはとても良いです。

また、犬が噛んだり噛もうとしたり唸った時には、「シ!」の注意音と同時にガツンとリードを引き上げて、注意・教えることができます。噛まれること自体も防げます。

まずは第一段階として、そんなところから始めていきます。


さて、これ以上の解説は、ご購入者様の特権になりますので、今回の無料アドバイスはここまでとさせていただきたいと思います。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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