反抗期の犬のしつけと家族間のしつけ方の違いの悪影響
☆犬の問題の内容:
犬と一緒に生活を始めてから、これまでオヤツを与えながら躾をしてきて、お座り、待て、伏せ、おいで、トイレなどを覚えたのですが、いろいろな本やサイトを見て、オヤツを使っての躾に違和感を感じ、堀川さんのサイトに辿りついた次第です。
おやつを与えれば、いろいろ覚えますし、無駄吠えもなく、大きな問題はないのですが、これから6ヶ月を過ぎて、もっと、ワガママになったりしないかと、少し心配です。
堀川さんの本を購入してから早速、オヤツをやめて、リーダーウォークを室内ではじめました。仰向けも少しずつはじめました。これまで自由にローソファーに上がらせていたのもやめて、必ずお座り、伏せの後においでの指示で上がらせるようにしました。犬は少し戸惑った感じです。そうしたところ、ここ数日前から、これまで出来ていたオシッコが、リビングのあちこちでするようになってしまいました。
いまのところ叱らずにいますが、どのようにしたらいいのか、正直わかりません。よい方法がありましたら、ご教示願います。
☆トイプードル♀生後6ヶ月。1500グラムブリーダーさんから直接購入。生後2カ月から飼育。
☆妻が犬を飼いたいと以前から希望
☆世帯主 40代 会社員 妻40代会社員 の2人家族
☆ともに平日7時~18時仕事 仕事中は留守
☆以前の対応状況:
①朝起きて仕事に行くまでの1時間半と帰宅後就寝するまでの5時間の間に、リビング20畳でボール遊びをしたりしていた。ローソファーに座りテレビを見ている時は、膝の上でブラッシングをしたり一緒にウトウトしたりしている。ごはんは、朝夕の二回でブリーダーに薦められたピュリナワン 1歳未満用を1日に50グラム。
②クッキータイプのおやつを使って、お座り、待て、お手、おいでなどの躾をやり、その都度、出来た時にはいい子と言って褒めておやつを与える。トイレシートをほじって破いた時に現行犯で叱る。これまで3回叱ったら、ほじらなくなる。叱った時は、マズルを手で30秒くらい掴み、目をみてノー言って叱った。
③おやつは、トイレの際にも、その都度、いい子と言いなが与えている。仕事を終えて帰宅した際や、ソファーでテレビを見ている時に抱っこや撫で撫でをしている。
④散歩は、○月に入ってから土日に1時間くらい、近くのひろい公園まで行っている。
⑤朝6時起床、起床後、お座り、待ての後にサークルから出す。仕事に行くまでの間に、朝ご飯を食べさせる。ごはんはドライフード25グラムにブロッコリー8グラムを混ぜて与えている。7時45分~18時まで仕事のため留守番。この間は、サークルゲージ内で留守番。帰宅して夕ご飯を食べさせ、その後は、サークルから出してあげ、リビングでボール遊びをしたり、ソファーに座って戯れている。だいたい犬はソファーに座っている膝の上で寝てしまうので23時に就寝する際、抱いてゲージに入れる。
⑥自宅は、マンションです。ハウスは、リビングに幅120奥行60高さ70㎝大で左側の3分の1がトイレスペース《仕切り有り》のハウスを設置。ハウスの全面に70㎝くらいプラスチックのサークルをつないで、留守中の遊びスペースをつくりました。もともと、畳二畳位のスペースでしたが○月から縮小しています。
アドバイスの前に何点か確認させていただきたいと思います。
①いままで甘噛みはありましたでしょうか? うなったりしますか?
②「6ヶ月を過ぎてもっとワガママになったりしないか」←ワガママ行動は具体的にどんなものでしたか?
上の①②は、特に5か月過ぎたあたりから変化が出て来たでしょうか?
③奥様はかなりトイプードルちゃんを溺愛されてきましたでしょうか?
④お写真の添付がエラーになっております。もう一度添付されてみてください。
それでは、お手数お掛けいたしますが、お時間ある時にお待ち申し上げております。
堀川様お忙しい中、お返事ありがとうございます。早速ですが、よろしくお願いします。
①いままで甘噛みはありましたでしょうか? うなったりしますか?
→甘噛みは、家にきたばかりのころ、手を甘噛みしたので、甘噛みした際に、手を隠してシッと叱ったところ、すぐに甘噛みしなくなり、今も大丈夫です。ピーピー音のなるボールを咥えて、腕に押し付けくるので、ボールを掴むと、ウーとうなります。あと、ほとんど、うなったり、吠えませんが、ご飯をあげる際に、お座り、待て、の後に、ヨシというとキャンと一回吠えます。
②「6ヶ月を過ぎてもっとワガママになったりしないか」←ワガママ行動は具体的にどんなものでしたか?
→今は、サークルから出たい時に、キュンキュン言ってます。出さないとベッドをホジホジしたり、ひっくり返したりしてています。
上の①②は、特に5か月過ぎたあたりから変化が出て来たでしょうか?
→ キュンキュン言うのは、飼い始めたころからで、ボール遊びの際にうなるのは、4か月位からだったと思います。
③奥様はかなりトイプードルちゃんを溺愛されてきましたでしょうか?
→ はい、かなり溺愛してます。堀川さんの本を一緒に読んだのですが、明らかに私より甘いです。すぐに抱っこしますし、指示以外にも、よく声を掛けてます。
④写真添付しました。
どうぞよろしくお願いします。
まず今回のトイプードルちゃんと現状については、まったくご心配されることはございません。
今回のトイプードルちゃんの素性がすごく良い子です。
お二人の接し方にギャップがあった・・奥様は犬を溺愛・・・という環境下では、大抵の犬は問題を起こしますし、ちょっと難しい素性の子の場合は、もう生後半年前に手におえなくなります。
この環境下での現状は、トイプードルちゃんの素性がとても良い子だったからなのです。良い出会いに感謝して、またこれからも頑張っていきましょう。
しかし、問題はお二人の犬のしつけ方や接し方の違い(ギャップ)です。
もともとギャップがあって、それでもトイプードルちゃんが良い子だったので問題なくきましたが、そこにご主人が犬のしつけを強化されたので、さらに奥様とのギャップが大きくなったのです。
トイプードルちゃんは頭が良くて敏感な子なので、少しその差が強すぎてイライラ・パニックになっているのです。
それともう一つの要因が、反抗期です。
ちょうど反抗期のど真ん中に入っています。トイプードルちゃんの素性が良い子なので、あまり反抗期という感じはしないと思いますが、幼少期とは必ず違いが出てきます。
権勢本能・自我・独立心・相手を見抜く視点が鋭くなってきます。
これは犬の本能でもあり、哺乳類の成長過程で必ず通る道です。
その影響があるのと、性的な成熟もしますので、マーキングしたくなる要素が増えます。オスだけでなくメスもマーキングはします。
今回は、いくつかの要素が重なっていた中で、接し方の変化でスイッチが入った・・・というところです。
いつかこうなりますし、今後もまだ変化があります。噛み癖、吠え癖が出ることも十分考えられますので、動揺されないで、やるべき事を淡々と続けていきましょう。
さて、今後やっていただきたいことですが、まずは奥様とご主人のギャップを埋めていく意識改革と作業です。
犬も人間の幼子もそうですが、知能が低いので、しつけ方の矛盾やギャップが理解できず、イライラするだけになってしまいます。周囲の大人が一貫して同じ教えをし続けて、はじめて理解できます。
まずは奥様の意識改革からです。
無理にアレコレ調教を実践するのではなく、「犬を知ること」から始めてください。犬の特性・本能を知ることで、自然と意識が変わっていきます。根本意識がしっかりあるから接し方も一貫できます。犬はそれをちゃんと感じ取っています。反対に、表面的な手法の上塗りは簡単に見抜きますし、矛盾に反発します。
犬を知るために、本書とQ&Aサイトを毎日毎日熟読されてください。
「ジロジロ見つめて猫なで声でナデナデ抱っこ」という行為は、犬の世界では従属的な態度そのものなのです。
今までは、幼子の本能である「生きるために親に従う」という特性があったのでそれで済んできましたが、独立期を過ぎると親離れをして(反抗期を経て)、今度はリーダーに従う特性が出てきます。犬も人間も同じです。
リーダーらしい存在が周囲にいなければ、自分がリーダーになろうとします。ですが、犬のそれはイコール「ワガママ女王様」であり、すぐに怒って噛んだり吠えたり手におえなくなってしまいます。
ですので、そろそろ『母親』を卒業して、『リーダー』になっていかなければいけません。
そして、奥様だけが頑張るのも無理がありますので、ご主人もいったんガマンして抑えて、奥様を待ってあげてください。
「俺がなんとかしないと!」と意気込んでガンガンやってしまうと、ますます奥様とのギャップが開いて犬が混乱します。あるいは、どちらかを犬が攻撃するようになる場合もあります。
特に今回は、トイプードルちゃんが頭が良くて敏感な子なので、なおさらそうしていただきたいです。
ただ、お話しましたように、時期的に反抗期のど真ん中です。7・8か月すぎるとさらにズル賢くなりますので、10か月くらいまでは変化が大きくて問題も出てくると思います。ですが、それも自然な時期ですので、心配されないで、やるべき事を淡々と続けながら犬の成長を待ってあげてください。
ということで、まずは奥様に犬の本質を知ってもらうこと、意識改革していただくことです。
あと、犬をケージから出す時は、犬にリードを付けてそれを飼い主さんが持って過ごすと良いです。その体勢で団らんしたり遊んだりしましょう。
それ自体が自然な主導になりますのと、チョコチョコと頻繁にトイレに連れていって、細かくオシッコさせておくことができます。お話したマーキングのはけ口も作ってあげましょう。また、リードを付けて持っているだけでも、犬がウロウロしてマーキングしたくなるのを防ぐことも出来ます。
興奮、反抗期のイライラ、性的アピール、自我・自己顕示欲などのはけ口を作ってあげることです。もちろん主導型コング遊び、お散歩もしっかりして発散させましょう。体が急成長する時期で体力もあり余っていますので、発散が必要です。
では、本書だけでなく、Q&Aサイト全体を目を通して熟読されてください。
それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)