7か月の犬のしつけで・手や顔への甘噛み・飛びつき・ハウスに入らない
犬の問題の内容は、
■甘噛み。いつもではないのですが、ソファでくつろいでいたりすると急に手や顔を噛もうとします。リーダーウオークを初めて少し経ちます。甘噛みしてリーダーウオークをすると噛まなくなりますが、しばらくすると噛みます。
■飛びかかり。帰宅時や友人が遊びに来た時に飛びかかって、友人の洋服を噛んで破ってしまいました。
■ハウスができない。以前は餌をあげるとハウスに入ってくれたのですが今は、ハウスというと座り込んでしまいます。逃げる時もありますが真剣ではなく、いつも抱っこしてハウスに入れて出勤しています。
■犬はトイプードルの7か月、女の子です。家族は、独身の私だけです。
過去の接し方と一日の流れ
①どういうタイミングでスキンシップをとっていたのか
→朝起きたときや仕事から帰った時に遊んだりしています。また食事後にオモチャで遊んでいます。
②過去どういうタイミングでしつけでいたのか
→お座り、ふせ、こいはしつけましたが、あとは甘噛み、飛びかかりをしたときに怒っていました。しつけはできたときはほめています。
③おやつは、私が食事をしているときに食べ物をほしがるのであげています。またトイレをしたときにご褒美で上げています。私が仕事に出勤するときにもあげています。
④散歩は、今は真冬なので天気の良い日に10分程度です。
⑤一日のタイムスケジュールは、朝5時30分起床し、すぐに餌をあげています。15分くらい走りまわるような遊びをし、おもちゃ遊びもして7時45分出勤のためハウスに入れます。5時30分に帰宅し、餌をあげて、遊んだりします。10時就寝です。
今回ご相談いただいた3つの問題につきましては、すでにQ&Aサイトでたくさん解説してありますので、そちらのご案内をして終わりにしようかとも思ったのですが、一点だけ⇒「顔を噛もうと・・」が気になりました。
そして月齢的に、犬を飼う中で一番難しい時期にありますので、おさらいも含めてポイントを解説いたします。
今の月齢は、急に知能が高くなり、成犬本来の権勢本能、自我、独立心、相手を見抜く視点が鋭くなります。このタイミングで主従関係が大きく崩れるケースが多いのです。
手を甘噛みする分には、遊びの要素も含まれるのでそれほど心配はなく(もちろん何もしなくて良いわけではない)、コツコツ教えていけば良いのですが、顔に向かって噛み付いてくるのは主従関係が崩れかかっている兆候です。
支配欲、威圧の表現がかなり含まれています。(飛びつきもそうです)
もっと幼い時期の子犬は、遊びやジャレ合いでそうすることは自然なのですが、この月齢でそういう行動が出始めたのは良くない兆候です。
ただし、だからと言ってあせって激変して無理をしないことです。
まずは、飼い主さんの意識改革からくる自然な態度の変化から始めてください。土台がしっかりしないで、表面上のテクニックだけで結果を出そうとしても、犬は見抜きます。その能力が急に高くなる月齢です。
毎日Q&Aサイトを見ていただいて、意識を高めていってください。それだけでも変わっていきます。飼い主さんが変わり、それを犬も感じて反応が変わっていきます。
さて、では具体的にやっていただきたいことですが、普段犬をケージから出して団らんしたり遊んだりする時に、犬にリードを付けて持っておいていただきたいのです。(関係作りが出来て問題行動が無くなるまでで良いです)
そうすることで、犬の行動全体を自然と主導する形になりますので、主従関係作りに良いです。そして、噛み付きや飛びつきを制御したり、瞬間で教えることができます。
まず噛み付きですが、あえてわざと手を見せて練習しましょう。(噛まないことが良いことだと理解定着させましょう)
なるべく素手が良いですが、痛かったり怖ければ、ホームセンターで500円くらいで売ってる作業用の革手袋を買ってください。
手を犬の口の前に持っていき、犬が噛んだり噛もうとしたら、「シ!」などの注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意する・噛まれることを防ぎます。
手を見せても噛まないで反応しなかったら、名前も呼びながら「○○良い子」でポンポンして褒めてください。
遊びや団らんの中で、何度も何度も反復していくことで、「(噛まないことが)当たり前の習慣」として定着していきます。
またリードのチョン引きだけでなく、とっさな時は首輪をつかんで引き上げても良いですし、痛さがガマンできる(怖くない)ようでしたら、噛まれた手をそのまま犬の口の中にゆっくり押し込みながら注意するのも良いです。犬は嫌がってのけ反りながら放します。
ほかには、やっていただいたようにリーダーウォークも続けていただきたいですし、仰向けしてビシッと主従関係を示すことも必要です。
続いて飛びつきです。
帰宅時は、ケージの中でジタバタ飛びつく場合も、ケージから出した時に飛びつく場合も同じ教え方で良いですが、「シ!」の注意音と同時に犬の首輪をつかんでガツンと引き下げてスワレの型を作ってあげてください。そこでスワレ・マテの指示音ジェスチャーで褒めてあげます。
そして放します。そこでまた飛びつけば、また同じように「シ!」の注意音と同時に・・・
の繰り返しで教えてください。そして落ち着いて飛びつかなくなってきたら遊びを始めてください。
来客時は、犬にリードを付けて持っておいてください。犬が来客に届かない距離を常に保ちます。そこで、犬が相手に飛びつこうとしたら先ほどと同じように、「シ!」の注意音と同時に犬の首輪をつかんでガツンと引き下げてスワレの型を作ってあげてください。そこでスワレ・マテの指示音ジェスチャーで褒めてあげます。
そうしてから初めて、相手の方にも犬を褒めてもらってください。
それまでは相手の方にも知らんぷりしていただいて、声かけしたり触ったりしないようにお願いしてください。できれば、スワレ・マテの指示音ジェスチャーも出してもらうようにお願いしてください。
それを一貫していくことで、「飛びついちゃダメなんだ。良い子にしていれば遊んでもらえる」と犬も理解していきます。
何度も何度も反復練習です。
これは例えば、お散歩で誰かが近付いてきてコンタクトをしようとしてくれた人に対しても同じです。
ただ、なかなか自然とそういう機会が多いわけでもありませんので、出来ればもしご実家が近いようでしたら、協力していただいて、ご家族を相手に練習することです。
また、ドッグランや犬OKの公園などでも、飼い主さん達であれば、しつけの練習だと理解してくれるでしょう。
続いてハウスですが、犬を抱え上げて入れても良いですし、コング遊びをケージの中まで延長してあげるのも良いです。
ただし、そこで犬を入れて「ハイおしまい」にしないことです。
入れた時に「ハウス」の音で褒めてあげたら、またそのままコイで出して遊びを続けます。そしてまた抱え上げて入れたりコングをケージ内に転がして誘って犬を入れて、指示音ジェスチャーで褒めます。そしてまたコイで出して・・・
を何度も何度も繰り返してください。
そうすることで、犬も「入ってもまた出て遊べるんだ」と理解していきます。理解できるまで体現させてあげることです。
ただし、結果はあせらないことです。
お話したように、今は知能が急に高くなったタイミングで、まだ主従関係がしっかり定着していませんので、犬のズル賢さだけが目立ってしまう時期なんです。
そして、主従関係の崩れが、「噛み付き・飛び付き・指示を聞かない」という全ての根本原因になっていることを忘れてはいけないのです。今後要求吠えも出てくるかもしれません。
10か月くらいまでは特に不安定ですので、あせらないで淡々と教え続けてください。
【その他】
散歩ですが、少ない機会にせっかく出かけたのでしたら1時間くらいは歩きましょう。最初の10分から20分くらいまでが一番寒いのです。そこを過ぎれば、身体がポカポカ温まってきますので、そこから楽になるのです。
長時間の有酸素運動は、犬にも人間にも健康に必要ですし、社交性を身に付けるのにも必要です。もったいないので、せっかく出かけたらもう少し歩きましょう。
それと、今回の問題行動の原因に運動不足もあります。体力もグングンついてきますので発散も必要です。散歩か主導型コング遊びをもう少し増やしましょう。
そして、教える時は怒声で怒ったりしないことと、オヤツのご褒美は止めましょう。釣られて行動しただけであり、主従関係や信頼関係のもとで行動したわけではありません。それで今回のようになったわけです。関係作りがどこまで出来ているのか見えなくなってしまい、危険ですのでオヤツは止めましょう。
では今日は以上ですが、情報のつまみ食いにならないように、必ずQ&Aサイトを熟読されてください。
それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)