犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬が私の足やリードに噛みつき他人や物音に吠える場合のしつけ方

質問内容
犬のしつけの問題内容:飼い始めて1ヶ月経った頃(犬が7ヶ月目に入った頃)、物音や玄関のチャイム、来客、動物病院、散歩中すれ違う人に吠えます。飛びつき、甘噛みあります。本気噛みはまだないです。

ケージの中で落ち着きなくクルクル回る。最近尻尾に向かってクルクル。ゴロンとして自分の脚を舐めて遊ぶ。ストレスが相当あります。甘え鳴きも最近増えてます。

思い当たることは、この頃食糞をしだし、口の中を拭うとき、激しく抵抗した際、無理やり何回も膝の上に仰向けに押し付けたことです。その頃から、私には怯えているようで尻尾をお腹の中に巻き込んでいます。ケージの中で常に私を警戒しているような感じです。本当に犬に申し訳ない気持ちです。何とか信頼関係を取り戻したいです。

お座り、マテできます。おいでと呼ぶと足元に来てお座りします。お利口と褒め胸をポンポンしますが、触られるのが嫌なのか、その手を舐めます。膝の上で仰向けにして、耳掃除や涙焼けの手入れやブラッシングはおとなしいです。

室内でリードを付けてボール遊びをしている中、リードで動く範囲を制限され嫌なのかリードを噛むので、ダメと口を閉じその後褒めます。また噛むので繰り返し口閉じをすると、首輪を持っていても暴れて私の手を噛もうとします。ダメと言う音に興奮するようです。私の言い方がそうさせているのかもしれません。

リードウォークを室内で行っていますが、前に出るのでUターンや止まったりを繰り返していると、イライラするようで私の足に噛みに来たり、リードを噛みます。この時はどう対応したらよいですか。私が止まって動かない時は、お座りして私を見上げます。

あお向け固めは抵抗なくしますが、尻尾が床につくこともありますが、ほとんどは緊張状態で固まっています。怯えているようです。それでも続けた方がいいですか。

初めて骨ガムを与えケージの中で噛んでいました。どんな感じかなと取り上げた時はなんともなかったのですが、2回目手を出したら、ウーと唸りました。私は思わぬことでダメとも言えませんでした。

紐付きコングやくわえたおもちゃを出させる時、唸っている中、おもちゃの動きを止め、出しての声掛けを何回かすると口から離しますが、こんな方法で、いいでしょうか。

社会化期に散歩に行かず、臆病、攻撃的にしてしまったので、今は一日1回か2回は行くようにしています。

信頼関係を取り戻したいです。よろしくお願い申し上げます。

トイプードル 8ヶ月目に入りました。メス 2kg   飼い始めて2ヶ月半。ブリーダーさんのところでは社会化が必要な5ヶ月以降の引き渡しということでした。

動機は、両親が軽く抱けるよう、室内で小さい犬を飼いたい、毛が抜けにくい犬種。

家族は父と母80代  娘の私は50代  計3人

犬との同居時間は、父1時間 母8時間 私5時間

①おもちゃを投げ持ってこい、引っ張りっこ(乳歯が抜けやすくなるからと言われ)

②お座り、マテ、おいで、引っ張りっこで、口から出す。トイレトイレの声掛けで、トレーにオシッコできます。
褒め方 : 名前を言ってお利口と胸をさする。
叱り方 : ダメと言う

③躾の際にオヤツ。抱っこ・ナデナデしてました。

④散歩行ってませんでした。犬が来て3週間目に母が骨折。介護状態になったため。今は行ってます。

⑤6:00起床 食糞があるので、隣の部屋から観察してます。ウンチしたらすぐ片付け。
7:15 ケージの中で餌
9:00~10:00 ケージがある居間でボール遊び、引っ張りっこ。自由。
その後ケージに入れる
15:30~16:30 ケージがある居間でボール遊び、引っ張りっこ。自由。
その後ケージに入れる
18:00 ケージの中で餌
21:15~21:45 ケージがある居間でボール遊び、引っ張りっこ。自由。体の手入れ。
その後ケージに入れて就寝


返答内容
今回の問題行動の原因は、仰向けしたことが原因ではありません。

この月齢(5か月から8か月)くらいの犬にとっては普通の行動です。特に7か月・8か月というのは、犬のしつけの中でも一番難しい時期です。

犬は5か月くらいから歯が生え変わり体も急成長しますが、それはホルモンバランスの変化でもあり、それによってイライラ興奮しやすくなります。

そして、7・8か月くらいから、今度は知能や本能の面の急成長があります。

成犬としての権勢本能・独立心・自我が出てきて、相手を見抜く視点も鋭くなってきます。しかし、まだ経験が乏しいですし主従関係もまだ完成する時期ではないので、ズル賢さだけが目立ってしまう時期なのです。

この時期の自然な犬の反応ですので、あまり心配しないで大丈夫です。

ただし、仰向け自体は悪くなくても、根本的な接し方全体が間違っていたらどうでしょうか。犬にとってはそれは矛盾でありギャップになります。このギャップがストレスなのです。

だから私は「飼い主さんの意識設定と何気ない接し方が大前提です」と申し上げております。環境作りも遊び方もゴハンもトイレも散歩も、みんなつながっているんです。

それがなく、部分的な手法を上塗りしてしまうから、犬には矛盾に映り、ギャップになってしまいます。

今回のトイプーちゃんは、本気噛みも要求吠えも無いようですので、素性は良い子なのです。

過去の接し方、教え方、社会化が上手くいっていなかっただけです。ですので、これから問題点を確認し、修正していきましょう。


今回のブリーダーさんは、良いようで悪い面もあったはずです。

犬は生後1か月くらいから活発になり、ジタバタしたり親兄弟に噛みついたりしてきます。それを親犬は叱ってしつけをしたり、兄弟ゲンカの中で学んでいきます。これが初期の社会化です。

ですが大半のブリーダーは、利益効率のために1か月ちょっとで引き離ししてしまい売るのです。それが原因で情緒が不安定な犬や本気噛みが直らない犬が多いのです。

今回のブリーダーさんは、それを考えてくれたわけですが、今度はそれが長すぎて、人間社会や外の世界への社会化が出来ませんでした。

ブリーダーさんがどこまで・どういう意味の社会化をやってくれたのかは定かではありませんが、おそらく他人や他の犬や外の世界には慣れさせてこなかったはずです。

生後3か月過ぎてワクチンが終わったら、たくさん外に出して慣れさせるべきなのです。

これから春になってきますので、天気の良い日はなるべく外で多く過ごしてください。回数よりも時間を長く過ごしましょう。

犬や人が多く通る安全な場所を見つけたら、そこでノンビリ座って外の世界を観察させてください。

最初から急に対面させないことです。まずは遠目から観察させて、優しいレベルから慣れさせましょう。

そして吠えた時は「シ!」の注意音と同時に、リードをチョンと引き上げて注意します。

その繰り返しです。

そして、その教えを聞きたくなるか・ならないか、が普段の関係作りなのです。普段の接し方や関係次第で、教えの結果がまったく違ってきます。

だから、普段ナデナデ・チヤホヤしている中でアレコレ手法だけ上塗りしても何も効果が無いのです。むしろギャップで犬はイライラするだけになってしまいます。

まずは、ジロジロ見つめて猫なで声でナデナデ・抱っこにオヤツ、という接し方を止めてください。犬にとっては従属的に映るだけなのです。特に7か月過ぎてくると、それを見抜く視点が鋭くなってきます。

かと言って、接することが悪いのではないのです。「接し方」の問題なのです。

遊んだり団らんする時は、犬にリードを付けて持っておく癖にしましょう。犬の行動を自然に全体的に主導することができます。

何気ない接し方でも、オテでもスワレでも何でも良いので何か指示を出して行動させる・・出来なかったらこちらから型を作ってあげて指示音ジェスチャーで褒めながら教える・・

その中で犬が噛んだり吠えたりしたら、すかさずそのままリーダーウォークする・・

そういう接し方ならば、遊びも発散もスキンシップも出来ますし、主従関係作りにもなりますし、指示動作も覚えられます。

いつでもどこでも、「主導性と毅然さ」を忘れないことです。

その意識で過ごすだけでも、飼い主さんが変わり、それを犬も感じて犬も変わっていきます。


今まで引っ張りっこ遊びをされてきたようですが、おすすめはできません。犬と対面しての力比べになりますので、対抗心が強くなったり、人間の動きに過剰反応して興奮癖が付きやすいです。噛み癖・引っ張り癖が付きます。


その表れの一部が、リードや飼い主さんの足への噛みつきです。そして、自我や権勢本能が出てくる月齢ですので、コントロールされるのを嫌がって自分が主体になろうとします。

だから飼い主さんが止まった途端、犬もピッタリ止めるのです。


でもそれも心配いりません。この月齢特有の反応でもありますので、徐々に消えていきます。ただし、もちろん今までの接し方のままではさらにひどくなるだけですので、お話したように接し方の改善をしなければいけません。

乳歯はボールやコングのカミカミ遊びで抜けていきます。遊びの時間の最初だけ、少し自由にカミカミさせる時間を作ってあげれば良いです。(今回はもう永久歯に生え変わっていると思いますが)


>出しての声掛けを何回かすると口から離しますが、こんな方法でいいでしょうか・・

↑良いですよ。今の時点で指示だけで出すなんてものすごい良い犬です。もし出さない時は、ご自分で手で取り出してください。「ダセ・ダセ」と音出ししながら取り出し、手の平に乗せて見せて、犬をポンポンして褒めてください。

犬に噛まれるのが怖い場合は、作業用の革手袋をホームセンターで買ってください。500円くらいで買えます。


では、今日は以上ですが、まだまだ難しい時期が続きますので、1歳くらいまでは期待しない方が良いです。今からきちんと続ければ10か月くらいには変わっていきますが、まだまだ幼いんです。

経験不足ですし、今回はブリーダー下で長く過ごしましたから、その分関係作りも遅れています。

まだまだ「与える時期」です。求める時期ではありません。大きな気持ちでやるべき事を淡々と続けて、子犬の成長を待ってあげる時期です・・・


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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