犬のしつけがQ&Aで分かる!

1歳近くなって吠える・ゲージ内のトイレで排泄しない犬のしつけ

質問内容・犬の問題の内容:1歳近くなって私に吠えるようになった、ゲージ内のトイレで排泄しない。

私が寝る時や部屋にいない時は基本的にゲージに入れるのですが、ゲージに入れるとひどく吠え続けて諦めません。また、私が深夜に帰って来てすぐにシャワーを浴びるために、部屋を出た時などゲージの中でも出していてもすごく吠えます。

私が部屋にいてゲージから出している時は吠えません。家族も寝ている時間なのでとても困ります。私が寝る時も鳴き止まないので家族も私も寝不足になります。

トイレはオヤツをあげながら覚えさせたのですが、場所は覚えてもトイレをする前にトイレを動かしてしまって床にしてしまったりします。それでも怒らずにできた時は褒めていました。今まではオヤツを使って。でも人のベッドに粗相することが多くてとても困っています。

また普段私の部屋で過ごしているのですが、たまに1階の家族がいる場所で遊ぶ時はとにかくいろんなところに粗相します。ゲージ内にもトイレを置いているのですが、外に置いてあるトイレにしかほとんどしてくれません。ゲージのなかではいつも我慢していることが多いと思います。

・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別
1、ミニチュアダックスとチワワのミックス犬(ミニチュアダックスの方が強いようです)♂(もうすぐ1歳になります)
2、チワワ♀(3ヶ月)
今回は2匹目を迎えて1匹目のしつけをもっと見直さなくてはと思い、購入しその相談がしたいと思っています。

・ご家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間
両親・祖母、私20代

基本的に私の部屋で犬を飼っているので私が世話をしています。犬との同居時間は、夜は仕事でいないので深夜3時か4時~夕方18時の間です。その間部屋にいない時間もあります。

①仕事から帰って来て、深夜または朝にゲージから犬を出して抱っこしたり撫でたり、ゴム製のおもちゃを投げて取って来てなどの遊び方でした。

②おすわり、おて、ふせのしつけはオヤツを使って覚えさせました。でもやはり手を見ていて目が合わないことがどうも気になっていました。

トイレがうまく出来た時はナデナデしながら小さなオヤツをあげていました。無視できない程吠え続けた時などに、口を塞いで「いけない」などと言って叱っていました。

④散歩は朝と夕方に30分~1時間(どちらかのみにすることもあります。)
道路を歩く時はリードを短くしていましたが、リーダーウォークは出来ていないと思います。河原に着くと、長くなるリードを使っていたので自由に歩かせていました。

⑤一日のタイムスケジュール
3時又は4時帰宅し遊ぶ
7時~9時(時期によって変えています。)散歩→ご飯
10時頃ゲージの中に入れて私は寝る
15時頃部屋で遊ぶ
16時頃散歩→ご飯
その後はまた私が帰宅するまでゲージです。

⑥ゲージ内はトイレとベッドを半分ずつです。犬が気に入ったクッションなどがあったら一緒に入れている時もあります。

 

返答内容

今回のチワックス君は、素性はとても良い子です。本気噛みや威嚇したりしないので、素性が悪いわけではありません。

主従関係を誤解し始めているのと、悪い癖がついているだけです。

今回は、大きく二つの事を意識されてください。

①主従関係を作り直す
②その上で直接の教えを繰り返す

この二つに分かれます。どちらが欠けても成功しませんが、大前提は①の関係です。

犬が主従関係を誤解していれば、何を教えても聞こうともしませんし、褒めても叱っても何も意味はなく、かえって逆効果になります。

関係作りをしないで無理やりテクニックで症状を抑えたとしても、犬にはすさまじいストレスが残ってしまうということを忘れてはいけません。

今回の要求吠えで言えば、犬からしてみたら「いつもチヤホヤしてくれるのになんでゲージに閉じ込めるの?出して遊んで!かまって!」となります。

悪い習慣が当たり前の癖になっているのに、「今だけガマンしなさい」と言われても犬は理解できないのです。

主従関係が崩れているのに、「飼い主に向かって吠えるな・要求するな」と言われても犬は理解できないのです。

大前提は、犬との何気ない接し方しぐさ態度です。

猫なで声でナデナデ・抱っこにオヤツ、という接し方は犬に誤解を与えます。

下位の犬は相手にすり寄ってナメナメ挨拶をします。人間からのナデナデはそれと同じことをしてしまっているのです。

そして、犬は体位が関係を示します。犬を人間の体の上に乗せる抱っこは、誤解しやすいのです。

オヤツも止めましょう。栄養バランスも崩れていますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなる犬もいます。

そして一番怖いことが、オヤツで犬を釣って行動させてしまうことで、犬との本当の関係が見えなくなってしまうことです。

「何をどうすれば良いのか」シンプルに体現させて型を作ってあげて、そこに指示音ジェスチャーを見せながらポンポン褒める・・

その繰り返しの反復の教えで、犬はちゃんと覚える能力を持っているんです。

でも、皆さん結果を急いでしまい、指示で出来ないとすぐイライラして怒ったりオヤツで釣ってごまかしたり、大げさに褒めてしまうから犬は覚えられず定着もしないのです。

例えば、人間の親が子供にハシの持ち方を教えるように、毎日毎日「こうするんだよ」と、シンプルに型を作って体現で覚えさせないと、低い知能では理解できないんです。


チヤホヤしない・・という必要性をお話いたしましたが、かといってスキンシップも無ければいけません。物事も覚えられないし、主従関係も作れません。

ではどうするか・・

主導型で接していただきたいのです。関係作りが出来るまでで良いですので、犬を部屋に出す時は、必ず犬にリードを付けて持って過ごしてください。

その状態で遊んだり団らんしましょう。

遊びは、主導型のコング遊びにして、転がす前のスワレ・マテ、転がして犬が少し遊んだらコイ・ダセ、常に遊びをリードしていただきたいのです。

指示ができたらポンポンポンで、指示音ジェスチャーと関連付けながら堂々と褒める・・・指示で出来なければ型を作って教えてあげて褒める・・

遊び以外での何気ない接触も同じです。意味なく抱っこにナデナデではなく、オテでもスワレでも何でも良いので何か指示を出して出来たら褒める・・指示で出来なければ型で教えて褒める・・

そういう「主導性と毅然さ」をいつでもどこでも意識してください。毎日毎日続けることで、飼い主さんの中でも定着していきますし、それを毎日犬が見て感じ続けるから、少しずつ認めるようになっていくのです。

それまでは根競べです。


では続いて直接の教えの方法です。

吠えについては二つやってください。

お写真に写っていたのですでにされているかもしれませんが、お風呂に行く時など(部屋から出る時)は、ゲージ全体に毛布を掛けて暗くしてください。

部屋の電気を消しただけでは意味はないです。犬は暗視力が高いので、人間には真っ暗に見えても、犬には普通に見えています。

そうではなくて、厚手の布などで物理的に視界を遮ってください。

次に人がお部屋に居て犬が吠える場合ですが、現行犯ですぐリードを付けてお部屋で厳しくリーダーウォークをしてください。「シ!・・シ!・・」という指示音を出しながら、厳しい態度で行います。1・2分やってゲージに戻して無視・・また吠えたら、またリーダーウォークを少しやってゲージへ・・

これを繰り返してください。

あるいは、「シ!」の指示音でリードや首輪をチョンと引き上げて注意しても良いです。

主従関係の誤解による要求吠えですので、リーダーウォークでしっかり主従関係を示すことが大切です。


その他、メールでお話はなかったので分かりませんが、もし帰宅時や出勤時に犬と挨拶を交わしているようでしたら、それは止めてください。

帰宅・お出かけ前後10分くらいは、目も合さず完全無視でいてください。留守番時とのギャップを作らないことです。ギャップがストレスになります。


それからトイレですが、関係作りも大きく影響しています。何を教えられても褒められても、関係次第でまったく結果が違ってきます。まずは関係作りをしっかり意識した上で、本書とQ&Aサイトのトイレのしつけ解説を見ながら実践されてください。

それと、環境も出来ればもう少し整えていただきたいです。

クレート型ハウスがあると、犬も安心できますし、寝床とトイレの区別がハッキリして良いのです。

現在はただクッションベッドがあるだけですので、分かりにくいのです。また特に夏場は暑いので、ベッドから出たがることもあります。クッションも入れないでください。

それと最初にお話したように、犬にリードを付けて持って過ごしていると、トイレの失敗も防ぎやすいです。

こまめに何度もゲージと部屋を往復して、オシッコ・ウンチさせておく癖も付けましょう。

関係ができてきて、トイレが数回成功して褒められて犬が嬉しく感じれば、また同じことを犬はしようとします。

毎日のその繰り返しで、良い習慣が定着していくのです。

トイレのしつけでは、失敗しても絶対に犬を叱らないようにしてください。犬はただオシッコしただけですので、それと叱られたことを結び付けてしまい、よけいに隠れて粗相するようになってしまいます。

どこでしたとしても、「チチチチチ」の指示音だけ出して関連付けておくことです。

トイレで成功したら、トイレへの指差しジェスチャーも見せながら、静かに堂々と褒めてください。大げさ褒めやオヤツはいけません。

では、今日は以上ですが、本書・Q&Aサイトを何度も読み返して熟読されるようにしてください。手法もそうですが、意識設定が深まっていきます。

1歳すぎてだいぶ知能が高くなっています。しかし、経験不足で関係作りもできていないので、ズル賢さだけが目立ってしまうのです。

成長期の最後です。しっかり関係作りを続けて、良い基準値を作ってあげてください・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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