犬のしつけがQ&Aで分かる!

来客に吠える噛む犬のしつけ

質問内容お世話になります。30年前からダックスと縁があり、ずっと居ました。

過去3頭の犬と暮らし看取ってきました。・・・何故記したかと申しますと・・・犬の飼育経験は長いのです。しかし、今回のように子犬を一人で育てた経験がありません。助けてください。

・愛犬の犬種:カニヘンダックス、月齢7ヶ月、性別メス、飼い始めてからの年月日数約2ヶ月。生後5ヶ月半で我が家に迎えました。

・ご家族全員の年齢層
私、同居私の母、(他県に長男・次男)

・一日の愛犬との同居時間
☆私24時間。母との接触はほとんど無し

自宅で〇〇教室をしています。4歳~大人が毎日入れ替わり訪れます。相手によって噛みがあります。母の介護があり、夜中のおむつ交換を済ませてから休むため、普通のお宅より、生活時間帯はズレています。

一番の悩みは、来訪者によって、犬の噛みが強く、何とか治して、生徒さんやご父兄、皆とうまく付き合わせたいと願っています・・・相手によっては、かなり長い時間噛んで遊びます。

来訪者にビビった様子で吠える時があります・・が、相手に抱かれると即吠え止みます。経験無い事ばかりで、とても戸惑っています。

・過去の接し方と、一日の流れ

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
★常に傍に居て、撫でる、抱く

②過去はどういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
★ひとつの家事終了度に、おもちゃを投げてひろって来たり、追いかけっこ(室内のみ)
 
③過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
★呼んで、そばに来たらほめる。餌の際に待て!をきけたらほめる。おもらしや、噛みが激しい時、声大きく叱る。口つまんで叱る。

④過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
★おやつー別段購入せず、ご褒美はドッグフードを使う。声掛けーいい子ね。シッコ。御飯よ。ねんねする?。ブブ。さあ行こうか。

⑤過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
★無し

⑥過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
★8時~9時起床 朝御飯⇒遊ぶ⇒13時半昼御飯⇒14時~19時半遊び&昼寝⇒20時夜御飯⇒遊ぶ⇒12時夜食⇒1時就寝(食事内容・時間は獣医師の指導の下)

・愛犬のハウス周りの構成、環境など
★リビングにトイレとケージ。リビングの隣が仕事場です。

取り急ぎのメール内容で、多々不備があると思います。申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

 

返答内容

まず、ダックスちゃんは素性の良い犬です。今の月齢でその内容の問題行動であれば、まったく心配はありません。

むしろ、今までの犬のしつけ環境が良くなかったので、飼い主さんがそれを変えていけるか心配です。

>かなり長い時間噛んで遊びます・・
>吠える時があります・・が、相手に抱かれると即吠え止みます・・

↑威嚇的ではなく遊びの要素や、かまってほしい要求の要素が多いです。

ちょうど今の時期は知能が急に高くなってくる時期ですので、感覚が鋭くなり何事にも敏感に反応します。

成犬としての権勢本能・自我・独立心などが強くなってきたことも影響しています。

知能が高くなってくるので、相手への反応が複雑で鋭くなってくるわけですが、同時に知能も高いわけで、経験を積んだり教えを受けていく中で学んでいくこともできるのです。

これからはそれをやってあげないといけません。そして、その前に犬との関係作りです。

犬が飼い主さんの言うことを聞きたくなるような、主従関係がないと、何をどんな教え方をしても犬は言うことを聞こうともしません。

チヤホヤ甘やかしても、良い関係は作れません。

正直申し上げれば、今のダックスちゃんだからこれで済んでいるのです。少し難しい素性の犬だった場合は、こんなものでは済みません。良い出会いに感謝して、頑張っていかないといけません。

子供さんが独立され、介護疲れの中での唯一の癒しが愛犬なのは良く理解できます。

しかし、それを理解できるのは大人の人間であって、犬は理解できません。犬は犬の本能で感じて反応するだけです。

本書やQ&Aはすでにご覧いただいたはずですので、過去の接し方の間違いにはもうお気づきと思いますが、おさらいだけしていきます。

>おもちゃを投げてひろって来たり・・

↑これは良いことですので続けていただきたいですが、必ず遊び全体を主導することです。

「犬のために遊ぶ」という感覚ではなく、「自分の遊びに犬を参加させる」という感覚でいてください。

投げる前にスワレ・マテを指示し、できたらポンポン褒めて投げる・・指示で出来なければ型を作ってあげて教えて褒めて投げる・・

投げたらコイで来させる・・ダセで出させる・・指示で出来なければ型で教える・・

犬にリードを付けて持っておくか、オモチャにヒモを付けておけば、コントロールしやすいです。

(犬との遊びで、引っ張りっこや追いかけっこはおすすめできません。動く人間の姿に過敏に反応する癖が付きます。興奮癖・噛み付き癖・引っ張り癖・吠え癖がつきやすくなります。)

いつでもどこでも主導を意識してください。

赤ちゃん扱いや、猫なで声でナデナデは、犬の視点からは従属的に映ってしまいます。

かと言って、「声大きく叱る・・」では犬も理解できませんし、脅かしや威嚇で叱っても犬は防衛本能が強化されてしまうだけです。

特に「おもらし」は絶対に叱ってはいけません。息子さんの子育てにおいてのオネショなどもそうだったはずです。理解できる知能がないのです。

犬からしたら「オシッコしただけ」なので、場所の失敗とは関連付けができず、オシッコの行為と叱られたことを結び付けてしまい、ますます隠れて粗相するようになってしまいます。

食べ物のご褒美も止めましょう。食べ物で釣ってしまうことで表面上犬をコントロール出来てしまうので、本当の関係作りがどこまで出来ているのかが見えなくなってしまうのです。それが一番怖いことなのです。

食べ物がないと犬が行動しない・・ということは、関係作りや物事の教えがまだ定着していない・・ということです。

さて、来客への噛み癖と吠えですが、今までのお話の関係作りをしたという大前提ですが、次の3つを重点的にしていきましょう。

まずは、①放し飼いをしないことです。

犬を見ていられない時間帯は、ケージ内に居させ、犬をケージから出す時は、②リードを付けて持っておくことです。あるいは、リードをご自分の腰に一周縛っておくと良いです。

その体勢で来客に会わせましょう。

それならば、吠えた瞬間・噛もうとした瞬間、「シ!」の注意音でリードをチョンと引き上げて現行犯で注意することができますので、犬が分かりやすいです。

来客をケガさせることも防げます。そして、犬の行動全体を自然に主導することになるので、関係作りになっているのです。

そして、③「犬の散歩無し」ではいけません。犬の散歩は狩猟の疑似行動になっています。長時間の有酸素運動は免疫力やホルモンバランスを整えます。(人間も同じ)

犬の散歩は心身共に大切なことなのと、色んなタイプの人や物に会う・見せる機会が必要なのです。

それをしないで慣れさせないで、犬に「吠えるな・ビビるな」と言っても無理なのです。幼少期にそれをしないから犬は怖がりになるのです。それが哺乳類です。

では今日は以上ですが、1歳くらいまでは特に不安定なので、絶対にあせらず急がず、やるべき事を淡々と続けて犬の成長を待ってあげないといけません・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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