犬のしつけがQ&Aで分かる!

噛む事とエサの時に甲高い声で鳴いて騒ぐ犬のしつけ

質問内容
明日からさっそく犬のしつけの見直しをしようと思っており、その前に不安もありましたのでご相談させて頂きました。

問題の内容:噛むのと、エサの時に甲高い声で鳴いて騒ぐ。

犬の情報:柴犬オス・まもなく10ヶ月、飼い始めて7ヶ月ほど。
家族構成:父・母・姉・妹(野口本人) 全員成人で社会人のため、朝8:00~17:00頃までは家は無人です。
散歩・エサやりなどの世話はほど私で、他の家族は私がいない時のみ散歩をしたりエサをあげたりするのみです。

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
→初めてのペットと言うこともあり、また過去に購入した本などでスキンシップをたくさん取りなさいと書いてあったため、なるべくスキンシップを行ってきました。ただし、先述の通り、私以外はほとんどスキンシップはありません。

タイミングですが、飼い始めた当初はとにかく可愛いばかりで理由も無く撫でたり遊んだりしていました。現在は2回食事を与えているので、食事の後にボール遊びなどをしたり、どうしても触りたいときはオスワリなどをさせてナデナデしています。

持っている本などで、触られることを嫌がらない犬にしましょうと書いてあるのを鵜呑みにして、とにかく褒めるときも遊ぶときもナデナデナデナデしてしまいました。

②過去はどういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
→食事の後にボール遊びを15~30分ほどと、散歩の時に公園でボール遊び10~20分ほどです。食事の後のボール遊びは、モッテコイですが、なかなか持って来てくれません......

散歩のときの遊びは、紐付きボールを私が引っ張って、犬が追いかけるパターンです。

③過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
正直、しつけらしいしつけはしていません。噛むのも、怪我をしない程度の噛み方(くわえる)ならOKということがこれも本に載っていたので、強く噛んだときはぐっと口に手を押し込んでコラっと低い声で怒ったり、散歩中は立ち止まってリードを強く引っ張ってコラッと言います。

ただし、「噛んで止められたら反省する」ことは覚えましたが、興奮すると噛んでしまいます。私の叱り方は、かなり低い声でリードや首輪を持って短く「ゴルァ!」と叱ります。そうすると、通常の噛みやイタズラであれば止めてオスワリをします。しかし、私以外の家族では怒っても聞かないみたいです。褒める時は、号令に従った時や叱ったときにちゃんと言うことを聞いたときに、フードやナデナデで褒めました。

④過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
→オヤツはとにかくどの本にもオヤツで覚えさせろと書いてあるので、今でも使っています。ただ、堀川様の疑問と同様で、オヤツがないということを聞かないため、どうしたらいいのか悩んでいました。ナデナデもいっぱいしました。今ではどこをなでても全く怒らないので、それでいいのだと思っていました。声かけも、散歩の時に独り言のようにずーっと話しかけています。その方が言葉をたくさん覚えると読んだので......

⑤過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
→散歩は1回につき遊びも入れて60分ほど、1日2回です。時間はおおよそ朝が6~8時の間、夕方は15~20時の間です。ほぼ決まったルートですが、時々ルートを変えたほうがいいと読んだので、週ごとに少しルートを変えています。ただ、リーダーウォークが出来ません。

というのも、散歩デビューの頃は本当に散歩を嫌がり、今では15分で歩ける道を1時間も2時間もかけて歩いていました。なので、とにかく元気にグイグイ歩いてくれることが嬉しくて放置してしまいました。流石に5ヶ月ごろになってリーダーウォークの練習をし始めたのですが、1ヶ月経っても全く出来ず。その頃、知人の元柴飼いから、何年か経てば落ち着いて勝手に従うようになるといわれ諦めてしまいました。

今は、私が散歩する時はなんとか私と同じスピードで歩けるようになりましたが、自分の興味のあるものが見えたり、そのときの気分であっちへ行ったり走り出したりしてしまいます。また、他の家族が散歩する時はもうひっちゃかめっちゃかで、人間が憔悴しきって帰ってきます。

⑥過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
→6:00~8:00に散歩と朝食・ボール遊び
 16:00までに母が帰宅。母が散歩する時はこの時間に行く
 17:30ごろに私が帰宅。ここから20までのどこかで散歩。夕食は20~21時ごろの間。その後ボール遊び
 22:00~24:00頃に姉と父が帰宅。出迎えてくれる犬と数分遊んで終了

補足として、エサを見せればオスワリ・ルック(こちらを見てマテをする)・フセは出来ます。また私限定ですが、リラックスしている時はよってきてお腹を見せてゴロンをします。あお向け姿勢も私だけですが可能です。でも30分ほどしか継続できません。あお向けにさせなくても、耳・マズル・爪・お腹など、どこを触っても嫌がりません。

とにかく困っていることは、噛むことです。どういう時に噛むかと言うと、まず遊んでいる時。これはちょっと痛くて跡が付くくらいですが、散歩の時に色んな子供たちがうちの子を触ったりしてくれるので、ちょっと厳しく止めさせたいです。

ちなみに、とにかく人懐っこいので、散歩の時に出会う人にはとにかくうちの子は大人しくて可愛くていい子だと言われます。外弁慶です。一番困る噛み時は、一度口に入れたものを吐き出させるときです。住まいが田舎で、畑と田んぼに囲まれています。このため、畑には魚カスが肥料として巻かれ、家畜用の魅惑的なアレコレが道端に落ち、子供たちの捨てたお菓子のカスも落ちていたりします。あとはビニール袋が大好きです。

とにかくそれらを見つけたらリードを引っ張って避けるのですが、失敗して口に入れてしまった時は、もう大変です。グルルルと唸り独り占め。こちらがフードを見せてチョウダイと言うと、ビニール袋やお菓子ゴミなどだと何とか交換してくれます。ただ、魚カスなどはダメです。唸りまくり、一歩でも近付くと足などに本気で噛んで来ます。靴の上からでも血が出てきます。

それでもなんとか奪い取ろうと格闘して、何度も負傷しました(流石に縫うとかは無いですが、血豆も2回ほどできました)。でも、取り上げた後からはケロッとして何事も無かったように散歩を続けます。どうしたらいいでしょうか?

次に、エサの時にとにかく甲高い声で鳴きます。すごいです。虐待してるみたいな声です。もともと、噛み癖を少しでも直すためにとこれも本で読んで、手からエサをあげていました。7ヶ月目くらいの頃からです。でも、やっぱり皿から食べさせないとと言うことになり、ちょうど3週間ほど前からお皿に切り替えました。

そしたら、お皿を持って行き、マテとルックをさせ、お皿を置いても食べません。じっとこちらを見ています。手からもらえると思っているんじゃないかと思い、離れて見守りましたが、15分ほど経っても食べません。しょうがなく私は家の中に入り、また30分ほど経って見に行きましたがやはり食べません。

仕方なく、その日は諦めエサを下げましたが、それが丸二日ほど続きました。3日目になって、流石にお腹がすいていたと見え、私が家の中にいなくなった時に完食しました。しかし、その日からエサを持っていった人間に激しく吠えるようになり、ある日の夕方、たまたま早めに帰ってきて犬がエサを食べているところに近付いた父が思いっきり噛まれました。見事な青あざになりました。

散歩仲間に、犬がえさを食べているときは近付かないほうがいいといわれ、それからは一人でエサを食べさせました。けど、たまたま警察犬の訓練士をしている方とちょっとお話する機会があり、いやいやえさを食べているときも近くで人間がうろうろしてても平気なようにしないと独占欲が強くなるだけですよと言われました。

それから、(現在で3日目ですが)エサを食べている間、私がそばにいてみることにしました。ところが、私が見えるところにいると、とにかくキャンキャンキンキンと甲高い声で鳴き続けます。唸りもしないし、鼻の頭に皺も寄っていません。ちょっと近付くと飛びかかろうとしてきます。エサどころではありません。そこで、家の壁に隠れてみました。

鳴くのは止めましたが、私が隠れているほうをじっと見て、10分15分ずっと動きません。最後は座ってしまいました。諦めて近寄ると、甲高い声では鳴きません。おやと思って、エサの皿に近寄っても、飛びかかってはきますが、鳴きませんし血が出るような攻撃はしません。(先述の噛み方のような、痛いけど血は出ないくらいの噛み方です)

そこで、お皿を持ち上げて手からエサをあげてみると、普通に食べ始めました。試しに、エサが残っている状態でお皿を「犬から見えるけど届かない位置」へずらして置いてみたところ、今度は血が出る寸前くらいの多分本気の力で噛まれました。
そのまま、今度は犬から全く見えない場所にエサを隠したところ、またケロっとして私の手をぺろぺろし始め、ためしにボールを投げてみたところ、普通にボール遊びを始めました。

この2点が、とにかく今悩んでいることです。とくにエサのあげ方についてはひどく悩んでいます。なぜなら、家族の出勤時間の関係で朝食の時間が早いため、キンキンと鳴いていると近所に迷惑だし、そうかと言って何十分もずっと一緒にいられないし......。

また、正直言って鳴いている理由が分かりません(手から与えて欲しいのか、どっか行けと威嚇されているのか)。普段は、とにかく獣医さんもびっくりするくらいの甘えん坊で、人懐っこい子です。無駄吠えは全く無く、しかし野良猫やカラス・知らない人間が来るとしっかり吠えて知らせてくれます。

初めての犬で、ウチに来たからにはとにかく幸せにしたい・みんなに可愛がってもらいたいと思って色々と本やネットで調べたのですが、どうにもわたしたちは失敗してしまったみたいです。今はとにかく犬に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

明日から、まずはもう一度リーダーウォークからやり直してみます。ただ、もしこのメールをご覧になって、それ以外の部分で何か出来ることがあれば、ご助言をいただきたいのです。今は、成犬になってから飼い犬との関係をもう一度気付かれたという堀川様のやり方が、最後の頼みの綱です。


返答内容>最後の頼みの綱・・

↑今回は、そこまで深刻になられるケースではまったくありませんので、安心して長期目線で、あせらず進めていってください。

犬の10か月はまだまだ成長期です。人間で言う20歳は犬では2歳くらいですので、まだまだ幼くて世間知らずなのです。それと、犬のしつけに終わりはありません。社会性のある知的哺乳類ですので、何歳になっても学べますし、逆に言えば、何歳になっても一貫して続けてあげないといけないのです。

では、噛み癖ですが、まずリラックスできる準備はしておきましょう。噛まれるのをビクビクしていると、犬によっては見下したり面白がったりする場合がありますし、緊張が伝播して犬の興奮をあおってしまいます。ホームセンターで500円くらいで作業用の革手袋が買えますので、噛み癖が直るまではそれをして、犬のしつけや遊びをしましょう。

>触られることを嫌がらない犬に・・

↑これはとても重要なことです。ですが、それを「従属的」にやってしまったことが問題でした。意味の無い声かけナデナデでなくても、スキンシップや触ることはできます。「主導性と毅然さ」を持ってそれをやるべきでした。

犬の群れでは、下位の犬が上位やリーダーに挨拶する時は、すり寄ってナメナメしてきます。つまり、人間からの声掛けナデナデは、従属的な挨拶をしてしまっていたのです。

ですのでこれからは「主導性と毅然さ」を保てる接し方にして下さい。スワレでもフセでもオテでもゴロンでも何でも良いですので、何か指示を出して行動させる・・指示で出来なければこちらから型を作ってあげて指示音ジェスチャーで関連付けてポンポン褒めて教える・・・。

そういう接し方ならスキンシップも取れます。犬の体中触れます。物事も覚えます・・そして主従関係も保てるわけです。

まずは手法うんぬんの前に、そういう何気ない接し方しぐさ態度全体を見直してください。いつでもどこでも毅然さと主導性を忘れないことです。

噛み癖を直す教え方そのものは、今までのように手を口に押し込む方法で良いです。革手袋をして、わざと犬に見せて、しつこくしつこく何度も何度も練習してください。口閉じして「シ!」で注意して、すぐ「シ~」でポンポン褒めるのも良いです。あお向けするのも良いです。

そして興奮や暴れが激しい時は、無理せずリーダーウォークに切り替えましょう。

>人間がうろうろしてても平気なようにしないと独占欲が強くなるだけですよと言われ・・

↑これは正しいです。まずは最初から多くを求めないことです。いきなりゼロから100にはできませんので、最初は簡単なちょっとしたことから始めれば良いのです。初日は「1秒マテをさせてすぐ褒めて食べさせる」・・次の日は2秒・・またその次の日は3秒・・・。

というふうに、今の時点でその犬が何とかできるレベルを把握してあげて、簡単なことから成功させてお互いに自信をつけることも大事です。

10秒くらい待てるようになってきたら、リーダーウォークをチョットしてから食べさせるのも良いです。

とにかく、急に合格点を求めないで、しばらくは本当に簡単なレベルから慣れさせてください。普段の接し方を変えるだけでも、犬の反応も変わってきます。全体で考えてください。

最初の段階では、食べて「ヨシ」の合図をしたら、もうその場から去って姿を消してください。しばらく続けて、10秒くらい待てる・・・リーダーウォークがチョット出来る・・・というレベルになり落ち着きが出てきたら、食べてる途中も一瞬マテをさせてみて下さい。

その前にマテもしっかり教えておかないといけませんし、関係作りが大前提ですので、結果は急がず慎重に進めてください。

手で食べさせるのは従属的ですし、それが習慣化すると要求しますので止めましょう。フードを犬に与えても5分10分食べないのであれば、無視して下げて、もう次の時間まで食べさせないことです。

それを数日続ければ、「ワガママしても食べれなくなるだけ」と犬も理解して、ムシャムシャ食べるようになります。

それと、少し前にいったん急激な成長が止まりホルモンバランスも変化が激しい食欲が落ちる時期がありました。

また、同時に知能も高くなってくる頃なので、好き嫌いも覚えます。※オヤツも原因ですので止めましょう。従属的ですし、好き嫌いを覚えますし、栄養バランスも崩れます。

そして、オヤツで表面上コントロール出来てしまうので、犬との関係作りがどれだけ出来ているのかが見えなくなってしまうのです。これが一番怖いことなのです。

リーダーウォークですが、まずは落ち着いてできる家の中でたくさんしましょう。外は誘惑や緊張・興奮の要素が強いです。

いずれにしても、手法の上塗りにならないようにご注意です。形のキレイさは気にしないで良いですので、毅然さと主導性をどれだけ犬に示せるか・・を意識して下さい。まずはスタートは飼い主さんの意識改革です。そして、ご家族でそれを一貫できないと犬は理解できません。

犬のストレスや反発も予想されますので、激変しないで、少しずつ少しずつ変えていきましょう・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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