犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬のしつけで噛み癖・飛びつき・子供が犬の世話をする場合の注意点

質問内容
犬の問題の内容:噛み癖・飛びつき

愛犬の犬種他:ミニチュアシュナウザー、2か月、メス、買い始めて13日

飼うことになった動機:小5の娘がおります。一人での留守番が淋しく、犬を飼っている友達が多くいることで、自分も飼いたいと半年前からせがまれていました。

共働きで、私(母)もフルタイム勤務で帰宅が遅いこともあり、犬にとってはかわいそうで思いをさせるかもしれないことや、犬を飼うことは思っているよりも大変であることなどから飼うことに躊躇していましたが、娘の強い要望に根負けし、主人とも話し、子供たちにも責任を持って世話することを約束をして飼うことを決断しました。

家族構成:

夫...土日休み 平日は、19時から翌朝
私...土日休み 平日は、19時から翌朝
長男(中1)...平日19時から翌朝、土日は、部活時間によって変動あり
長女(小5)...平日17時から翌朝、土日は、一日から半日(習い事によって)

習い事が学校帰宅後に毎日あるため、曜日によって時間に差がある。

犬との接し方:

①家に来てから丸一日はゲージの中で過ごし、それからは、基本的にゲージ内で生活。1日トータルで4~5時間くらい(間を開けて)リビングの一角を囲い、その中をフリーで遊べるようにし、スキンシップを取りながら家族を過ごしています。

飼い始めてから冬休み中ということもあり、比較的一緒にいる時間が多いです。

10日からは、7時半頃から17時頃まで留守番の生活になるので、少しずつ関わる時間を減らし、日中、一人で長時間、留守番などもさせています。

②フリーで遊ぶところにもトイレの場所を柵で作り、「マーキングが始まるとそこに入れてオシッコやウンチをさせて、褒めて出す」を繰り返しています。柵がない時には、床でしてしまっていたので、時々、タイミングがずれると床でしてしまうこともあります。

まだ、完全にマスターできていないのですが、トイレトレーニングは根気よく続け、成功に繋げていける気がしています。

③フリーで遊んでいる時、興奮すると唸りながらオモチャや人の手を噛んでじゃれます。

手を噛んできたときには、ダメと言ってあおむけ作戦をしてきましたが、余計に興奮して激しくなります。その時は、ゲージに入れてしまいます。何度か繰り返して落ち着くのを待ちます。あおむけの他に、リード作戦(首と胴体がつながる首輪を着用)を試し中ですが、こちらの方がある程度の効き目があるようです。

根気強く、しつけて行こうと思っていますが、このようなやり方でよろしいでしょうか?

④とにかく好奇心旺盛なお転婆な女の子です。興奮するとジャンプして飛びついてきたり、物を飛び越えようとします。これについては、まだ、何も対応していませんが、飛びつき行為について今後、対応した方がよろしければ、良い方法を教えていただけますか。

いきなり長文になりまして、申し訳ありませんが、どうぞ、よろしくお願いいたします。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

まず犬のしつけのお話の前に、子供さんについての注意点がいくつかあります。

>子供たちにも責任を持って世話することを約束・・

↑これはもちろん必要なことでもありますし、家族で決めたルールは守らせないといけません。

また、子供たちのほうが帰宅時刻が早いですので、特に子犬期は世話の手伝いをしてもらう必要があります。

ただし、注意点として、犬のしつけの責任を子供に負わせないようにしていただきたいのです。

子供さんが中心になって世話(しつけ)をする約束にしてしまうと、犬のしつけが失敗した時・事故や病気になった時にとても悲壮感が強くなり、自信を失ってトラウマになってしまいます。

犬のしつけは大人でも難しいですので、その犬の素性が幸運でよほど良くないと、子供さんでは無理です。

ほとんどの場合は失敗・苦労します。

また、誤飲事故・交通事故・病気で死んでしまう犬も少なくないです。

そうなった時に、子供ではとても荷が重くなります。

子供たちには、もちろんしっかり世話するように説明しつつ、しかし裏では、親御さんがキチンと犬と子供の成長・能力のレベルを把握・管理してあげる必要があります。

また、逆に犬の世話をし過ぎることによって、犬が主従関係を誤解する場合も多いですので、適切な距離感を保つことも教えてあげてください。

さて、もう二つ子供の注意点があります。

生後三か月過ぎてワクチンも終わると、お散歩デビューができるわけですが、まだ子犬で、そして子供さんが小学生の間は、単独で外のお散歩には行かせないでください。

お互いに判断力・経験値が足りませんので、事故の危険性がとても高いです。

何かあってからでは遅いですので、安全に関しては慎重でいてください。

子犬が一歳すぎて、子供さんが中学生に上がったら、単独で散歩に行ってもOKです。

もちろん、それまでに親御さんと一緒にたくさん経験を積んで、指導を受けておくことが必要です。


もう一つの注意点ですが、子犬は消化器官が未熟なため、出来れば生後6か月まで・最低でも4カ月までは、一日3回に食事を分けて与えてください。

そして、ドライフードをお湯でふやかしてあげます。

そうなりますと、奥様とご主人の帰宅が19時ですので、夕方には帰ってくるお嬢さんに、子犬のご飯を作って与えてもらうことがベストです。

ただそうなりますと、お湯を扱わなければいけませんので、ヤケドや火事が心配です。

ですので、出来れば朝のうちに夕方の分も作っておいて、それをお嬢さんが夕方帰ってきたら子犬に与えてもらうと良いでしょう。

子犬の食事は、できれば生後6か月(歯が生え変わる)までは、朝・夕方・夜の3回が良いです。

そして、トイレも汚れているでしょうから、シートを替えたり、お水を足したりしてもらいます。

ただしここで注意点ですが、子供としてはどうしてもナデナデ抱っこしたり、オヤツを与えたくなるものですが、その節度・バランスを子供が判断するのは、やっぱり難しいです。

主導性と毅然さをいかに保てるか、良く教えてあげないといけません。

「意味なくナデナデ声掛け」ではなく、例えばスワレの型を作ってあげて、そこに指示音ジェスチャーを関連付けながら褒めて教えてあげる・・・遊びも主導型コング遊び・・・犬が噛んだり吠えたりした時に、正しく教えられるか・・・

こういうことが子供さんにできるかどうかです。親御さんが教えられるかどうかです。

現実には、まだ小5の子供には難しいかもしれません。

夕方は、ご飯とトイレとお水の世話だけして、後は、「お父さんかお母さんが帰ってくるまでは、犬を触ったり出してはダメ」、というルールにしても良いです。

でもそうしてしまうと、本来の望みだった「一人での留守番が寂しくないように・・」がかなえられず、余計にガマンが辛いかもしれませんね。

そこは、ご家族皆さんで良く話し合って、お決めください。

ルールは決めておく必要はあります。


さて、今回ご相談の「噛み癖・とびつき」になります。

まず、この時期の子犬の現実は理解してあげておいてください。

はっきり申し上げまして、この時期の子犬は、「単なる小さな猛獣」です(笑)

知能も経験値もまったくありません。経験しても理解ができません。

やり過ぎればかえって防衛本能を刺激したり、人間に対して敵対心が強くなってしまいます。

特に、親兄弟からの引き離しが早かった子犬は、初期の社会化が十分できないまま来ていますので、噛み癖がなかなか抜けない子もいます。

やるべきことは淡々と続けて、でも無理せず、子犬の成長を長い目で見てあげないといけません。


>マーキングが始まるとそこに入れてオシッコやウンチをさせて、褒めて出す・・
>トイレトレーニングは根気よく続け、成功に繋げていける気がしています・・

↑はい、これで良いです。

あとは、排泄の場面で「チチチチ・・・」というふうに、音の関連付けをしてください。


>余計に興奮して激しくなります。その時は、ゲージに入れてしまいます・・

↑はい、これで良いです。

子犬は集中力が全くありませんので、グダグダになって興奮が収まらなくなってきたら、ケージに入れて落ち着けてください。

吠えるようでしたら『布掛け目隠し』をされてください(詳しくはQ&Aで検索を)


>あおむけの他にリード作戦を試し中ですが、こちらの方がある程度の効き目があるよう・・

↑はい、これもQ&Aでたくさんお話ししている通り、それで良いです。

リードを着けて持っておくことで、飛びつき・暴走・噛まれること自体も制御できます。

噛まれた瞬間には、「シ!」の注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意します。

他には、注意音と同時に噛まれた指をそのまま犬の口の中にゆっくり押し込む・・・という方法もあります。

ただし、リード作戦の注意点は、月齢を考慮しないといけません。

まだ2カ月ですと骨格がしっかりしませんので、強い引き上げはまだ行わずに、「噛まれないように・飛びつかれないように制御する程度」にしてください。

3か月くらいになったら、チョンチョンと上げる程度は大丈夫です。

同じ理由で、まだ本格的なリーダーウォークの切り返しも無理です。それは4カ月くらいになってからにしましょう。

それでは、Q&Aを熟読いただきながら、これから頑張って続けていきましょう(^_^)

飼い主さんからのお返事.png
堀川さん、こんばんは。

小5の娘です。メールありがとうございました!

これからは無理せず、家族と協力してお世話をしていこうと思います。

また、相談に乗って下さい。よろしくお願いします!

~母より~

早々のお返事とご丁寧なアドバイスをありがとうございます。

とても心強く感じております。今後とも、親子共々よろしくお願いいたします。


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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