2か月半の子犬のしつけで遊ぶ環境と噛みつきの注意・仰向けの方法など
堀川さま先日はメールの返信ありがとうございました。具体的に助言していただき助かりました。
吠えに対する毛布作戦は効果がありました。その後、キュンキュン短時間鳴くことはあっても、ワンワン長時間吠えることはなくなりました。一時的な効果かもしれないので、毛布も継続しつつ「接し方」という面でも毅然とした態度で頑張ります。
食事の件も・・・と言いたいところなのですが、実は、メールの返信をいただいて数日後に入院してしまいまして、「スープ」は試せずじまいです。
ブリーダーから家に来てちょうど1週間になる、という時に、粘液便が出まして受診させるとコクシジウムをはじめとした寄生虫が5種類も発見されました。
寄生虫がいること自体は珍しいことではないとのことでしたが、まだ2か月齢の子犬で、日中留守という状況から、大事をとって入院を勧められ、そうなりました。
10日間の入院を経て、先日退院し、虫下しを内服中ではありますが、コロコロの硬い便に戻りました。
そして、困っていた食事の食いつきの悪さも、なぜか嘘のように改善され、逆に今は早食いが心配なほどです。成長期が終わったら、きちんと体重管理をしてあげないといけない犬種であることを思い出しました(笑)。
そこで新たな疑問です。
接し方については、十分かはわかりませんが、かまいすぎず、かまうときはこちらのタイミングで毅然とした態度で・・・と意識しているのですが、家に来て19日目ともなり、ケージの外に出して遊びを交えつつ、「おすわり」「まて」を繰り返し教えている最中です。
おすわりは食事前はもともとできていたので、それを強化しつつ、遊びで興奮している時にもできたらいいと思い、少しづつ「おすわり」のタイミングを増やしています。「まて」はできているとは言えませんが、リードをつけているのでその場から動けないようリードを使って「まて」の動作を教えています。
以下質問です。
①ケージの外で遊んでいるときリードをつけていますが、興奮して動き回るので、首などものすごい負荷がかかっているように見えます。
子犬はリードの範囲内しか動けないので、ある意味「リーダーウォーク」になってしまっています。Q&Aに、まだ骨格ができあがらない2か月半程度の子なので、リーダーウォークは早いと記載されていますが、意図せずリーダーウォークのようになってしまう場合、どうしたらいいでしょうか?
かといってリードをせずにケージ外で遊ばせたら、どこまでも自由に行ってしまい安全も確保できません。
②接する時間が少し増えてくると(といっても寝ている時間が多いので、3回~4回/日、食前)、手や服に噛みつく行為が目立ち始めました。
「子犬の本能」と理解しつつも、いけないことと教えていかねばなりません。歯磨きロープやコング、ケージ、トイレなど周りのあらゆる物をかんで「噛む欲求」は発散されているようにも思うのですが・・・遊んでいると、途中から「手」しか見えなくなるようです。「手」もおもちゃだと思っているのかもしれません。
現在の対策は、皮手袋でこちらがひるまない事、噛んだら手を少し奥につっこんで離させて、「シ!」といい、褒める事、です。しかし、一度離して褒めようものなら、その褒めようとした手をまた噛む、の繰り返しです。
Q&Aにも似たように噛み癖で困っている方がたくさんいますが、そこの回答にもあるように、繰り返し教えて、いつか噛まなくなったらすかさず褒める、ということをコツコツやっていくしかないということですよね。
③②にも関係するのですが、甘噛みに対し、上記方法で対応すると、本気で噛みついてきます。注意すると興奮があおられるのですが、だからといって放置もよくないですし・・・興奮しすぎてしまったら、どう対応したらいいでしょうか。
注意の仕方が中途半端で、遊んでもらっていると誤解させているのでしょうか?ケージにいれてしまって、クールダウンさせてから(しばらくすると自然と静かになります)、遊びを再開したり食事にしたりすればいいですか?ケージをお仕置きの場所にはしたくないですが・・・。
④遊んでいる最中に仰向けにしようとしても、足で歩いてしまい体がコテンと倒れず、仰向けにできません。人の足で子犬の足を払って、とも書かれていますが、どういうことか・・・。
足を払っても、子犬の足のが早くそれをかわしてしまいます。私のやり方も悪いのだと思うのですが、むこうに恐怖感や抵抗感が強いようです。
人と犬が向かい合う状態で2足歩行みたいな体制にしてから、横にこてんと倒そうとしているのですが、もしかすると向かいあった体制からではなく、背中から覆いかぶさるようにして倒すのですか?
⑤④で仮に一瞬横になったとして、首輪を抑えているのですが、かなりの抵抗があり、そうすると子犬の関節がおかしくなってしまうのではないかと心配です。
入院中、獣医の先生から「この子は、嫌なことは嫌っていうタイプ。点耳薬とかやる時に抱っこしてるけど、ものすごい抵抗して体をよじって何とか逃げようとするけど、そこで自由にさせては駄目だよ。しっかり固定して、おとなしくなったら離してあげて」とアドバイスされています。
確かに点耳薬の抱っこの時は、しならくすると大人しくなるからいいんですが、仰向けの時はどう対応すべきか・・・。
仰向けは、最初は一瞬でよいと書かれているので、固定しすぎず慣れるのを待てばよいでしょうか?
仰向けにされたけど、暴れたら離してもらえた、と勘違いされるのも怖いです。中途半端になるなら仰向けはせず、リーダーウォークができるようになる四か月目を待つというのも手ですか?
毎回長文で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
>粘液便が出まして・・
↑教材内にも書いてありますが、子犬期は便に粘膜(血痕も)が混じることが多く、定期的に出ますので心配はないです。粘膜がまだ弱いのと代謝も活発だからです。
(もちろん血便や下痢が続くのは異常ですので至急受診)
>コクシジウムをはじめとした寄生虫が・・
↑これも教材内で書いてありますが、大抵の子犬は何かしらの寄生虫や感染症を持ってきます。それで、「子犬が家に来て1週間経ったら子犬健診を・・」というお話をしています。
検便すると、線虫や卵など見つかることが多いです。それらが原因で、食欲不振や食べても太らない、ということが起こったり、ケンネルコフなどの感染症は命に関わるので、すぐに治療しないといけません。
(1)遊ぶための環境
(Q&Aに書いてありますが)本当は、首輪とリードを付けるのは3カ月くらいまで待ったほうが良いですが、いずれはつけないといけませんし、犬にも好き勝手できないことを学ばせないといけません。
しかし、その中でも無理させない工夫はいくらでも出来ます。
誤飲を防いだり、危ない所へ行かなせないようにする、イタズラで家具をかじらせない、などのためには、①伸縮用のロングリード(巻き取り式)を買うと良いです。大抵のホームセンターで安く売っています。危ない時だけ注意音を出しながらチョンと引けば良いです。
あとは、本当に行動範囲を制限するために、②ケージの出入り口の両わきに自分の足を置いて、自分の足で壁を作り、足と股で作った半円状のスペースの中だけで遊ぶということです。
ケージの出入り口も開けておけば、その中も遊びのスペースになります。行ったり来たりさせながら指示音とジェスチャーで褒めれば、「ハウス」「コイ」の練習にもなります。ケージ好きにもなります。
あとは、③要らないダンボール箱を切ってガムテープで留めて、遊び場用の囲いを作っても良いです。②と同じように、ケージ内にも行ったり来たりできるようにして、「ハウス」「コイ」の練習や、トイレのしつけもできます。
(2)と(3)の甘噛み・興奮した本気噛み
この月齢では、まだ知能も何もない小さな猛獣状態です。
すぐに学習して噛み癖が消えることはありません。また、結果を急いであまりにも強くやり過ぎると、防衛本能だけを刺激してしまいます。
子犬は育った環境で、学習(社会化)の度合いが全然違います。例えば、親犬が育児放棄した・・兄弟が少なかった・・兄弟の中で一番強くて噛まれる経験が無かった・・親兄弟から引き離されるのが早過ぎた・・・などが大きく影響します。
まだまだしばらくは、飼い主さんが親犬代わりになって、毅然と淡々と教え続けてあげないといけません。
さて、教える方法ですが、今までのやり方で良いです。
注意音を出しながら口に手を押し込む、仰向け、をしてください。
3か月過ぎて首輪やリードに慣れてきたら、注意音と同時に首輪やリードをチョンと引き上げて注意するのも良いです。また、首の上の皮をつかんで、注意音と同時にチョンと引き上げても良いです。そこは犬はほとんど痛みを感じない場所です。
もともと、親犬が幼い子犬を移動させる時にそこを噛んで持ち上げて運びますので、同じ体勢を作ってあげることで、本能的に大人しくなる特性もあります。
4か月過ぎたらもっと強くガツンと引き上げても良いですし、リーダーウォークも始めて良いです。
興奮して本気噛みになった場合は、それ以上やっても興奮パニックをさらにあおってしまうだけですので、ケージに入れて、出来ればクレートハウス側に入れて扉を閉めて『布掛け目隠し』すると良いです。
暗く狭い穴倉は、巣穴感覚で落ち着ける犬が多いです。
放し飼いでチヤホヤ・・・をしていなければ、ケージ嫌いにはなりません。あるいは、ケージをガタガタ揺らしたり蹴ったりと、ケージ内で怖い経験をさせるようなことをしなければ大丈夫です。
また、ケージ内でも遊んであげたり、ご飯を食べさせたり、ゆっくり寝かせたり・・・普段そこを定位置にさせ、良い体験も積ませておくことです。
放し飼いでウロウロ・チヤホヤするから、それが基準値になってしまい、それができないケージ内がストレスになるのです。
ただし、犬もズル賢さや悪い意味での学習能力もありますので、ケージから出て遊んだりチヤホヤされる経験を何度かすると、それはそれで学習して利用したくなるものです。
だだっ子、ワガママも自然なことですので、そうなった時はまた毅然と教えて、あきらめさせれば良いのです。
とにかく普段、放し飼いでチヤホヤの癖だけは付けないことです。
(4)と(5)子犬への仰向けの方法と固定
ご自分であぐらをかいて、狭いスペースを作ってその中でやると良いです。そして犬を持ち上げないことです。
広い場所で犬を持ち上げると、ジタバタ足を着こうとして、実際に着く場所もあるのでやりにくいです。
犬を持ち上げずに、前足の付け根をつかんで、スパッと低い位置でひっくり返します。
それと、犬の背面からのほうがやりやすいです。
犬の背面から前足の付け根を両手でつかんで、そのままひっくり返しながら、あぐらをかいている自分の太ももに乗せれば良いのです。自分の太ももを、つっかえ棒のようにするのです。
仰向け状態になったら、あぐらの中の床に、あお向け体勢のままズリッと降ろせば良いです。
全体的にゆっくり動かさないで、スパッと思い切って素早くやってみてください。
犬は猫と違って、「高い、滑る、しなる、ずれる」という足場が怖くて嫌いです。
犬を持ち上げないで、自分の太ももをつっかえ棒にして、低く、素早く、ひっくり返しましょう。
それと仰向け後の固定ですが、まだあまりにも幼すぎますので、深刻に結果を急がないことです。
形にこだわらず、本質は飼い主さんの「毅然さと主導性を示す」ということです。
今は一瞬で良いです。チヤホヤせず、ビシッと一瞬示してそれで良いです。何度も何度も、毎日毎日繰り返して慣れてきて、2秒でも3秒でも出来るようになってきたら、ゴロンの音とジェスチャーですぐ褒めてすぐ解放してください。そこからまた少しずつ伸ばしていけば良いです。
そして、それらもコング遊びや団らんの中で良いです。
遊びの中に溶け込ませて、少しずつ慣れさせていけば良いです。
「主従関係が崩れていて反抗する」
という反応と
「まだ慣れていないので怖がる・嫌がる」
というのは全然違いますので、ムキになってやり過ぎて、子犬の防衛本能をあおったりトラウマにさせないことです。
あくまで態度で示してください。態度は、その人の意識が自然に現れるものです。
毎日教材を読み込んでいただく中で、少しずつ意識と知識が高まっていきます。本物でないと、犬は本能で見抜きます。成長過程で段々とその視点が鋭くなっていきます。
>中途半端になるなら仰向けはせず、リーダーウォークができるようになる四か月目を待つというのも手ですか?・・
↑ということで、前述したように、今から遊びの中で慣れさせていってください。
親犬は、子犬が生後しばらくして動き始めて噛み始めると、もうしつけを始めていきます。でもクドクドせず、ビシッと示してあとは知らんぷりして離れたりします。過干渉はしないのです。
しつけが『過干渉』になってしまうことがよくあります。あせって急ぐとそうなります。
犬が興奮パニックで暴れが激しければ、前述したようにクレート内で布掛け目隠しで落ち着けてください。
それでは今日は以上です。これから頑張って続けていきましょう(^_^)