犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬が来る前の準備・飼い方の段取り・しつけの考え方

質問内容犬種はマルチーズ(母犬)とプードル(父犬)の子供。オス。犬はまだ来ていない。

生後2か月ごろ、自宅に迎える予定。ブリーダーから購入で、餌をちゃんと食べられるか様子をみてから、引き渡しとのこと。

家族構成:
父(50代)   7時出勤 18時帰宅
母(40代)   7時出勤 18時帰宅 (私)
長男(高校生) 7時登校 19時帰宅
次男(中学生) 7時登校 19時帰宅

家族全員昼間は不在。犬の留守番が毎日最短で11時間。長くて12時間になります。

飼い始める動機は、子供の巣立ちが見えてきたこと、あと数年後に飼い始めるよりも今現在のほうがしっかり躾をする時間がありそうなこと(親の老後なども考え)。

自分の心身の調子を保つためにも、アニマルセラピー効果の期待。実際、犬を迎えることが決まってからというもの、気持ちが明るく前向きになりました。

主人も犬が好きであるため協力的。子供は今のところあまり関心はないようですが、子犬が来たら可愛がってくれると思います。

質問:

上記のような動機から、最初は可愛がる対象、自分の癒しとしての抱き犬が欲しいと思っていました。まだ全部を読んだわけではないのですが、抱っこやナデナデは禁止のようなことが書いてあり、とても驚きました。解説を読み進めるとかなり納得しましたが、当初思い描いていた室内犬の飼い方と違うため少しとまどっています。

質問①マテなどの指示をしてからのスキンシップならOKと書いてありましたが、来たばかりの何もわからない子犬の場合はどうしたらいいのでしょうか?

サークルから出たがったりキュンキュン鳴いても、ある程度無視して短時間だけ室内に出したり、サークルの中で上手にオシッコできた時だけ出すとか、あるいは最初の1週間くらいはほとんど触れ合わずサークルの中を慣れさせるとか、具体的にどうやって過ごしたらいいのか教えて下さい。

引き渡しの日の後、月・火は仕事を休む予定なので迎えたあと三日間はずっと一緒に居られます。四日目からいきなり、11時間くらいの留守番になってしまうので、その点もどうしたらいいのか心配です。最初の三日間でなるべく普段の留守番状態にしておくほうが良いのでしょうか?

それともまだまだ躾までいかない子犬こそ、ふれあいが大切なのでしょうか?人間と犬がお互い気持ちよく生活できる環境でありたいので、頑張りたいと思っています。

質問②

留守番中は室内に放し飼いの予定でしたが、サークルのほうが良いとあったため、購入しました。設置場所は居間です。居間以外にはスペースがありません。しかも居間の出入り口付近です。

なぜ出入り口付近かというと、部屋の日当たりの関係です。居間の奥の方だと日当たりが良すぎて高温になる。夏以外の留守番は心配ないのですが、夏場はとても心配です。

夏場は居間の出入り口の引き戸を開け放ち、廊下からのひんやりした空気に半分あたらせてしのげれば大丈夫かなと思い、保冷ができる犬小屋を購入しました。サークルの側面に繋げて設置です。

クーラーは1日中冷房による冷え過ぎや、急な停電、クーラーの故障などを考えると、怖くてできません。保冷ができる犬小屋は「SDK工房 ヨコ置き型 オアシス」という商品です。

いまのところの想像では、これで行けると思っていますが、それでももし暑すぎるのなら、夏までにトイレの躾をしっかりして、室内放し飼いにし、犬が涼しい場所を選んで移動できるようにする方が良いのでしょうか?

たとえば夏場だけサークルを移動させるようなことができればよいのですが、無理なので思案中です。またサークルに繋げる犬小屋の向きや、サークル内のトイレの場所などは最初の半年くらいは一度置いたら変えないほうが良いですか?

季節によって犬小屋を置きたい場所が、サークルの左右で違うためです。今月末に迎えたときから夏場用の置き場に設置する方が子犬が迷わず覚えることが出来るのでしょうか?

とりあえず2点質問させていただきました。まだまだこれから出てくると思いますが宜しくお願いしたします。

 

返答内容

今回のマルプー君ですが、ほぼ2カ月間親兄弟と暮らして、ブリーダー直下で来るのは良かったです。

ただし、この月齢の子犬に11時間の留守番はあまりにも酷です。

情緒も不安定になりますし、トイレもメチャクチャになりなかなか覚えられないです。そして、長時間何も食べないと血糖値のギャップが激しく低血糖になります。

せめて4か月くらいまでで良いですので、お昼に誰かが戻って、トイレとエサの世話をされてください。

さらに、そういう状況下で犬を飼うと、「日中さみしい思いをさせているから」と、帰ってからや休日にベタベタ・チヤホヤしてしまいます。厳しさも一貫できません。

それは犬にとってギャップになり、つまりはストレスになります。十分意識されてください。

ですので、最初の3日間は、その後の生活を意識して、なるべくかまわないようにしないといけないのですが、それが無くても本来はかまってはいけません。

犬は最初の接触を基準値にしますので、それが当たり前の癖になり、実行されない時はとても強いストレスを感じてしまいます。

また、犬は新しい環境に来て、とても強い興奮と緊張を持っていますので、さらにそこで知らない人たちからベタベタされることで非常に強いストレスを受けます。シッポを振って嬉しそうに見えても、それは興奮の証ですのでストレスなのです。

ですので、犬が来た最初の1週間は、最低限の世話だけして、あとはかまってはいけません。エサ・水・トイレの世話だけして、後はケージ内に居させてかまわないことです。

ただし、まだ幼すぎて体調も安定しませんのと、ブリーダー直で来るので、まだ自分だけで孤独に過ごすことに慣れていませんので、同じ部屋に居てあげて、安心はさせてください。

しかし、ジロジロ見つめたり声掛けなどはされないで、横目でチラチラ見たり、鏡に映して観察してください。

鼻水が出ていないか、コホコホ咳をしていないか観察してください。大抵の犬は、何かしらの感染症を持ってきます。1週間したら獣医さんに検診してもらいましょう。もちろん、それまでに何か症状があったらすぐ獣医さんに診せることです。(電話してから)


>来たばかりの何もわからない子犬の場合はどうしたらいいのでしょうか?・・

↑一週間経った以降のお話ですが、本書にもQ&Aにも色んな所で解説していますが、「こちらから型を作って指示音ジェスチャーで褒めてあげる」ということです。

親は子供にハシの持ち方を教えてあげますね。子供の指を手に取って、「こうやるんだよ」と、実際の持ち方の形を作ってあげるわけです。毎日毎日、何度も何度も作ってあげて、褒めて教えて定着させますね。犬のしつけもまったく同じです。

例えば、コングでもボール遊びでも、転がす前に犬にスワレ・マテの型を作ってあげて、そこに指示音ジェスチャーでポンポンして褒めてあげれば良いのです。

それならば、「主導性と毅然さ」が保て、スキンシップになり、物事も覚えられます。


>抱っこやナデナデは禁止のようなこと・・

↑ですので、接することが悪いのではなく、「接し方」の問題なのです。良かれと思って人間がやっていることが、犬の本能には従属的に映っているものが多いのです。

子犬でも、その本能の感覚を鋭く持っていますし、悪い癖も付きやすいです。人間側の事情や思考を理解して、それに合わせてくれる知能は犬にはありません。犬の本能でクールに感じて反応するだけです。誤解するだけなのです。


>当初思い描いていた室内犬の飼い方と違うため少しとまどって・・

↑人間は、入って来る情報を自分の都合の良いようにとらえてしまう特性があります。映画・テレビドラマ・CMで見た光景が、犬との生活を勝手に美化してしまいます。また知人の話を聞いたり、家におじゃましてみた時にも、「隣の芝生は青く見える」ものです。

犬を放し飼いでベタベタ・チヤホヤしているご家庭は、実は裏で問題を抱えているものです。

だから、私には1年で1000件以上ものご相談が来るわけです。

しかし実は一方で、ガマンしてきちんと犬との関係作りをした後は、今度は想像もできなかったほど素晴らしい生活が待っています。これも事実です。

でもそれまではガマンです。

犬を放し飼いで、抱っこにナデナデで問題なく長期的に過ごせる人というのは、何度も失敗を繰り返して学んで習得した人、そして犬側も、落ち着きが出て経験をたくさん積んだ成犬になってからのお話なのです。


>留守番中は室内に放し飼いの予定でした・・

↑これは絶対に止めてください。異物を飲み込んで死ぬ犬もいます。電気配線をかじって感電ショック死する犬もいます。配線ショートで家事にもなります。

それ以外にも、犬の放し飼いはデメリットがたくさんあります。トイレも覚えにくいですし、テリトリーが広くなってそれを守るために神経質になったりもします。


>夏場は居間の出入り口の引き戸を開け放ち、廊下からのひんやりした空気に半分あたらせてしのげれば大丈夫かな・・

↑これで良いです。そして、扇風機を弱で首振りで回しておいてください。お部屋には直射日光が入らないように、厚手のカーテンをすることです。窓を少し開けたり、換気扇を回すことも良いです。

夏場に入ったら、必ず休みの日に同じ条件を作って、室温・湿度を確認してください。人間が過ごせれば犬も大丈夫です。


>夏場は室内放し飼いにし犬が涼しい場所を選んで移動できるように・・
>夏場だけサークルを移動させる・・

↑これは止めましょう。放し飼いのお話はいたしましたのと、犬の居場所は固定してあげてください。犬は環境の変化にとても敏感で、強い興奮とストレスを受けます。お部屋の模様替えをしただけでも犬は興奮して落ち着かなくなります。

そのくらい敏感ですので、一年を通して最良の場所を考えて、そこで固定しましょう。


>サークルの左右で違うため・・

↑大抵のサークルは分解できますので、柵を上下左右入れ換えて位置を変えれば良いです。キレイさにこだわらないで、機能性を重視して、良い位置で針金やヒモで結んで固定すれば良いです。

もし迷われたら、お写真送っていただければアドバイスいたします・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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