犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬の飼い主さんへの大切なお話

p4.png まず、子犬の現状を知ってあげてください。子犬の生後2・3・4か月というのは、とにかく幼すぎます。知能も経験も何もない小さな猛獣状態が普通ですので、今は結果を期待してはいけない月齢です。

ただし、親犬はもうこの頃になるとチヤホヤかまう事はせず、淡々としつけをしています。子犬はみんな噛んでくるのが普通ですが、親犬は噛んで返したり、あお向けにして唸ったりして叱ります。

また、兄弟ゲンカの中でも相手に噛まれたり、自分が噛んだ相手に怒られたりしながら学んでいきます。本来はそうやって学び、初期の社会化を果たすべき時期に引き離されていますから、当然今度はそれを人間家族が代わりに教えてあげないと子犬は直りません。

まずは、人を噛んではいけないことを学ぶために、甘噛みでも噛む素振りでも許さず一貫して教えてください。

叱り方は、叱って終わりにしないことです。「シ!」で叱って、犬の口を手で閉じて、そこに「シ~」などの指示音を関連付けながら、ポンポンポンで褒めてください。

噛み付きの場合は、犬の口に手を更に押し込む方法でも良いです。嫌がってのけ反って、口から手を放したら褒めます。

褒めて口を解放したら、またすぐに子犬に手を見せて、噛みたくなるような状況を作って何度も何度も練習して下さい。続けると、手を見せても噛まなくなる瞬間がきますので、そこでしっかり褒めて何度も反復してください。

子犬の乳歯は細くとがっているので噛まれるとすごく痛いですが、怖がったりビクビク反応していると、子犬が面白がったり見下したり、緊張興奮が伝播してあおられてエスカレートする場合があります。リラックスしてできるように、作業用の革手袋をホームセンターで買うと良いです。500円くらいです。

手袋に反応する犬もいますが、いずれは冬場は手袋をして散歩に出る事になりますので、結局は慣れないといけません。根気よく慣れさせ、教え続けないといけません。

「シ~」にするのは、将来の吠えにも同じ教え方で対応できるからです。犬の褒め方ですが、大げさや猫なで声でナデナデはいけません。犬には従属的に映ってしまうので、褒める時も毅然とした態度を忘れず、良い型と指示音を関連付けて、ポンポンポンで褒めることを癖にしてください。

噛み癖が強すぎたり、興奮・暴れが激しい場合は、リーダーウォーク中心にしましょう。ただし、まだ幼すぎるのと首輪やリードにすら慣れていませんので、まずは慣れからです。本書内の子犬編・Q&Aサイトの子犬のカテゴリーを熟読されてください。

子犬と言えど、犬の本能を持って生まれてきます。むしろ、人間との生活を経験してきた成犬よりも、知能が低く経験がないので、本能と感覚のまま子犬は生きています。

野生の群れでは、リーダーのカップルに子犬が産まれた場合、群れの成犬達は、その子犬を特別扱いでチヤホヤ世話をします。その接し方を受けて子犬も自分の優位性を認識し、そのように振る舞うようになっていきます。

そしてそれは、当然人間と暮らしても同じことです。甘く接する・子犬の好き勝手させる・チヤホヤ世話をする、という人間の接し方を見て、自分の立場を勘違いする子犬が多いのです。

犬同士で体を合せる時は、必ず上位の犬が下位の犬の体の上に乗ります。マウンティングや飛びつきも同じですが、つまり体位が関係を表しているのです。ですので、抱っこやヒザの上に乗せてナデナデを誤解する犬がいます。

オヤツも止めましょう。栄養バランスが崩れていますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなります。

そしてオヤツで釣ったり、犬のしつけグッズで表面上コントロール出来てしまうと、犬との関係が出来ているかのような錯覚に陥ってしまうのです。これが一番怖いことなのです。

遊びですが、まだ月齢が低く骨格がしっかりしていないので、全力疾走で長い距離を走らせないほうが良いです。フローリングの床も禁止です。脱臼癖が付いたり股関節形成不全などを起こすことがあります。

主導型のヒモ付コング遊びが、色んな良い要素があって良いです。

まずは、チヤホヤ世話を焼き過ぎないで、毅然と接する気持ちの強さを自然に意識できるようにすることと、接する時は常に主導しましょう。

最初にスワレ・マテを教えておくと、これから色んな場面で役に立ちます。

とにかく遊びの中で、スワレの形・マテの形(型)を作ってあげて、そこに「スワレ」の指示音と人差し指を立てるジェスチャーを加え、ポンポンで褒めます。

マテの場合は、「マテ」の指示音と手の平を開いて犬に見せポンポン褒めます。

褒めたら解放して、また型を作ってあげて・・・ひたすらこの繰り返しです。何度も繰り返したら、時々、指示音とジェスチャーで出来るか確認して、出来たらそこにもしっかり指示音とジェスチャーを関連付けて褒めてください。

犬と接することが悪いのではありません。主導で接してほしいのです。

ちょっと犬を触りたい・・声をかけたい・・と思われたら、意味なく声掛けナデナデ抱っこにオヤツ・・という従属的な接し方ではなく、オテでもスワレでも何でも良いので何か犬に指示を出し行動させ褒めることです。

犬が指示で出来なければ、型を作ってあげて褒めて教えます。そういう接し方なら、楽しくスキンシップも取れますし、物事も覚えますし、主従関係も積み上がっていくわけです。


さて、飼い主さんの中には、「これから子犬を迎える」「子犬が来てまだ2・3日」という飼い主さんもいらっしゃるでしょう。

その場合の注意点ですが、子犬が来た最初の1週間は、接触したりジロジロ見つめて声掛けをしないようにされてください。

その理由ですが、犬は新しい環境に対して、とても強い興奮と緊張・不安を抱えています。そこでベタベタ触ったり接触系のしつけ法をしてしまうと、その緊張興奮をあおってしまい、とても強いストレスを受けてしまうのです。安静にしてあげないといけません。

それと、犬は最初の接触を基準値にしますので、それが当たりの基準・癖になり、それが実行されない時にイライラ要求したくなります。要求吠えの原因になります。

エサ・水・トイレの片ずけ以外は、そっとしてあげてください。

ただし、健康は管理してあげないといけませんので、横目でチラチラ見たり鏡に映して観察してください。そして、オシッコ・ウンチの場面を逃さないようにして、「チチチチ」などの音を出して関連付けしてください。(まだ褒めなくて良いです)

1週間経ったら、子犬健診を受けて、徐々に遊びを通じて接触していきましょう。さらに具体的な例は、子犬系の記事を全体的に熟読されてください。


それでは、続けていただきたいですが、とにかく今は幼すぎる小さな猛獣状態ですので、無理せず期待せず優しいレベルから続けることです。

人間で言う20歳は、犬では2歳くらいなんです。いかに今の月齢の子犬が幼すぎるか・・お分かりいただけるはずです・・

長期目線で毅然と淡々と、頑張って続けてください(^-^)


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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