犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬のしつけが上手くいかずご相談

質問内容
初めまして。10日前に家族として迎えた子犬のしつけが上手くいかず、ご相談させていただきます。

犬種:トイプードル♂3ケ月22日
家族:
私(57歳女性) 1日の同居時間 日中 5~6時間 夜間(同室で睡眠)8~9時間
両親(88歳、80歳)  日中6~7時間

ハウス環境:
私の部屋(2階)と1階の居間にそれぞれケージを設置
朝7時過ぎに1階に降ろし、日中は1階で過ごさせ、夜8時頃2階に戻る

問題行動:
1週間目まではうまく行っていたように思います。軽い仰向けがためも受け入れていましたし、私や家族に向かって吠える、うなる、飛びかかる、噛むは一切ありませんでした。狂ったように動く、ケージ内をいつまでも行ったり来たりするようなこともありませんでした。

2日前から、私に飛びかかる、うなる、噛む、物を噛んで狂ったように動くようになり、私の指示をほとんど聞かなくなりました。先ほどはとびかかりや噛みがあまりにもひどかったので、つい感情的になり大きな声で叱ってしまいました。それ以来、子犬の目の表情が違います。

2日前に初めて散歩に行きましたが、何でも口に入れるのでついつい「だめ!」と言ってしまいます。その為目も離せず、リーダーウォークはできない状態です。

そこで先ほど部屋の中でリーダーウォークをしてみましたが、リードを噛んでしまい、うまくいきません。信頼関係を作れるのか不安でいっぱいです。

環境:
2階と1階にそれぞれケージを設置。ケージ内はどちらもタオル等を敷いた寝床とトイレシートを設置。

接し方;
①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
朝起きたらケージから出し、おもちゃで遊び、軽い仰向けがため。
日中は3回ほどケージから出し、おもちゃで遊ぶ。
夜はケージに入れる前にブラッシングしながら軽い仰向けがため。

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
おもちゃ(歯固め用のような)やコング遊び。

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
ケージ内のトイレシートでトイレをした時に背中をなでて、「○○、良い子」と褒める。
名前を呼んで来たとき、お座りがほぼできた時、同様に褒める。
噛んではいけないものを噛んでいるとき、「ダメ」。

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
オヤツは何かをしたご褒美ということではなく、何度か与えました。
抱っこは移動する時のみしています。
なでるのは、結構しています。ほめる時とそれ以外にも。
声かけについては、できるだけ意味のない声かけはしないようにはしているものの、どうしても話しかけることは多くなっています。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
2日前が10分ほど。外の世界を見る・・という程度。今日は公園内を歩かせましたが、砂利を口に入れるのでとても続けられませんでした。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
起床→10分ほど遊ぶ→1階に移動、朝食→日中2~3回ケージの外に出し、おもちゃで遊ぶ、昼食→夕食→2階にあがり、ブラッシングと10分ほどの遊び→ケージに入れて就寝。

以上、アドバイスよろしくお願いいたします。


返答内容今の月齢では、全然あせらなくて心配しなくて大丈夫です。これが普通です。生後数か月の犬の知能は、あまりにも低すぎるのです。

7・8か月くらいから知能は大きく発達してきますが、それまでは知能も経験も何もない小さな猛獣です。しばらくは「これが当たり前なんだ」と理解して、落ち着いて淡々と続けるだけです。

まず一週間は、犬は様子を見ていました。全てが新しい環境に来たわけですから、大胆な行動は野生では死につながります。

最初の一週間、犬は周りの環境、新しい群れのメンバーが自分にどう接してくるか、じっくり観察していました。その中で、少しチヤホヤされましたね。本書の注意点を徹底できなかったようです。

野生の群れでも、リーダー犬の子供は群れの成犬達から特別扱いでチヤホヤされて育ちます。子犬はその様子を見て自分の優位性を感じていき、そのまま自分本位で振る舞うようになります。それと同じことをしてしまったわけです。

もう一つは、お散歩デビューされましたね。非常に強い興奮の要素であり、成犬本来の本能にも刺激を与えます。

これから、ドンドン成犬としての本能が強く出てきます。今はまだ序の口ということです。

これが犬の普通の本能ですから、理解してあげて気にしなければ良いです。ただし、先ほど申し上げた接し方の甘さがありましたので、意識を強く持って修正していってください。

アレもコレもしなければ・・ということではなく、まず余計なことをしない事です。意味の無い声掛けナデナデ抱っこにオヤツ・・これらを止めれば良いのです。犬はそれを従属的に見ているだけです。

オヤツは栄養バランスが崩れています。将来好き嫌いを覚え、ドライフードを食べなくなります。そして、犬のしつけグッズもそうですが、物の効果で表面上の操作をしてしまうと、あたかも関係作りが出来ているかのような錯覚に陥ってしまうのです。これがもっとも怖いことなのです。

下位の犬は、上位やリーダーにすり寄ってナメナメします。声掛けナデナデは、その従属的な挨拶そのものです。

他には、犬同士では体を合せる時に、必ず上位やリーダーが下位の体の上に自分の体を乗せてきます。飛びつきやマウンティングも同じことですが、体位が関係性を示しているのです。ですので、膝の上に犬を抱っこしてナデナデ・・などは、非常に誤解されやすい態度といえます。

褒め方も、猫なで声でナデナデされてきたと思います。大げさに褒めるのもいけません。褒める時も毅然と、指示音やジェスチャーを関連付けながら良い型を取らせながら、ポンポンポンで褒めてください。

もう一度、本書・ホームページを読み返していただいて、意識を持ち直されてください。

ただ、お話したように今の月齢ではあまりにも知能が低く、本能の感覚のまま生きるしかないので、「関係がどうしようもなく崩れている」などと考えなくて良いです。

本来は、数か月に渡って親犬が子犬を一貫して「しつけ」をする時期です。親犬は子犬が1か月も過ぎれば、もうチヤホヤ世話をすることはなく、反面淡々と毅然と叱って「しつけ」を続けるのです。

その時期に引き離され、人間家族に仲間入りしたわけですから、それを親犬に代わって人間が淡々と犬のしつけをしないといけないのです。

かと言って、接することが悪いのではないのです。「主導」でたくさん接してください。

犬のために遊ぶのではなく、犬のために散歩に出るわけではありません。飼い主さんが主体です。いつでもどこでも何をするにも「主導」です。

ちょっとした接触でも、意味なく声掛けナデナデではなく、オテでもスワレでも何でも良いので、何か指示を出し行動させ褒める・・指示で出来なければ型で教えて褒める。

ボール遊びでも、転がす前に必ずスワレ・マテ、出来たら褒めて転がす・・出来なければ型で教える・・転がしたら回収しながらコイ・ダセの練習・・というふうにいつでもどこでも「主導」です。

毅然さと主導性を見せ続けるから、犬は相手を少しずつ認めていきます。続けなければ認めません。

そうやって、関係作りをしていくから、褒めても叱っても教えても効果が出るのです。関係がなければどんな手法を使っても効果は出ません。そうなると、表面上効果を出したくなってオヤツや犬のしつけグッズに頼って、さらに関係作りが進まない・・ということになります。

今はまだ知能が低いので、結果を求めずやり続けてください。

【その他】

>環境:2階と1階にそれぞれケージを設置・・

↑居場所は固定して決めてください。犬が落ち着かなくなります。安心できるハウスも必要です。

>何でも口に入れるのでついつい「だめ!」と言ってしまい・・
>砂利を口に入れるのでとても続けられません・・

↑毅然と叱ることは必要です。感情的にならず淡々と叱りますが、「ダメ」で叱って終わりにしないで、リードを短く持ち良い型(地面に口を近づけない状態)を取らせ、ツケの指示音でポンポン褒めることです。

拾い食いのしつけは、家の中で練習できます。廊下に点々と小石やドライフードを置いて、上記の通り練習してください。

ただし、これもまだまだ関係作りも出来ていませんし知能も低いので、期待しないで淡々と練習してください。その練習そのものが、リーダーウォークや関係作りやスキンシップや遊びにもなっています。

散歩については、たくさん距離を歩くことは考えなくて良いです。主な目的は社会化ですので、人や動物が通る良い場所を見つけて、そこでノンビリしながらすれ違う人を見送るだけでも全然違ってきます。

とにかく色んなタイプの他人・犬や猫鳥・車やバイクなどの動くものを見せることです。


では、以上をご参考に頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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