犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬のしつけでノイローゼ気味・犬を飼ったことの後悔

質問内容子犬は我が家に来て1ヶ月半。生後3ヶ月半の♀です。

何冊も何冊も本を読み、まずはオヤツで釣る、そして徐々にオヤツの量を減らしていくという犬のしつけを1ヶ月半してしまいました。(実際にはまだ子犬なのでオヤツではなく、いつもあげているフードを小さくしたものですが)

悪いことは叱る。はしていましたが、褒めてしつける!と学習していたのであまり叱っていませんでした。
 
たしかによろこんで言うことを聞いてくれました。まずフードを握った手の臭いをかがせ、指示を出しできたらご褒美。
 
臭いを感じると、おもちゃで遊ぶことも止め、じっとそばでお座りしている状態でかわいいのですが・・・臭いがないときは、指示を出すと伏せてしまってまったく動きません。

おもちゃで遊ぶ前もとってもいい子に言うことを聞いてくれます。ボールやおもちゃを投げる前にハウス!お座り!待て!とってもよくできます。でも何も持っていないと・・・・。

このままで言い訳がない!と堀川さんのサイトに行きつきました。こんな状況でも言うことを聞く子になってくれるのでしょうか?

犬が来てから私がしつけノイローゼ気味で、この先が不安で不安で6キロも体重が落ち・・・。犬を飼ったことの後悔ばかりです。朝起きる時間になると心臓が早くなり、ベッドから出れなくなる始末・・情けないですが子育てに仕事に犬のしつけ・・・気持ちを奮い立たせ毎日がんばっている状況です。
 
また、遊ぶとき以外ゲージ飼いなのですが(トイレとバリケン・水を入れて・さらにバリケン2個分くらいの遊びのスペースがあります)。お留守番はこれでいいのでしょうか?広めのサークルでお留守番のほうがいいのでしょうか?

AM9時~PM4時のお留守番で昼休みに15分程度出して遊んであげています。ただ15分では興奮させて終わりの感じが・・・。逆に帰ってこないほうが良いのかどうか、迷っています。

また子供の対応ですが、子供に飛びついたり甘噛みしたりすごいのですが、私が叱って良いでしょうか?飛びついた瞬間に捕まえてお座り・・・いい子!を繰り返しています。

噛んだときは捕まえて仰向け固めしています。これで良いでしょうか?

情けない飼い主ですが、今後どうしたらいいでしょうか?

犬のしつけ・しつけ、で子供たちが犬への興味が薄れてきて・・・それも悩みです。

・愛犬の犬種、年齢、性別、他にも愛犬の有無:トイプードル(レッド)

・ご家族全員の年齢、性別、一日の愛犬との同居時間:主人(40)私(34)長女(10)長男(9) 朝2時間 夕方16時から寝るまで

・過去の接し方と、一日の流れ

①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?

朝・・・30分遊んだり洗濯物を干している間ベランダで外の雰囲気に慣れさせたりしています。お散歩デビューしたので3日前から10分位外を歩かせています。(大暴走ですが・・・)

夕方・・・今までは暗くなる前に抱っこで公園に行き10分くらいベンチでボーっとしたり車の通る音を聞かせたり、近所の子になでてもらったり。3日前からお散歩しています。(今日は小学生に囲まれ、一緒に走っていました)

夜・・・9時半から10時くらいまでリビングを半分に仕切って6畳くらいの何もないところ(ゲージのある部屋です)でボールを投げたり自由に歩き回らせています。その中で仰向けにしてなでたり、ブラッシングしたりしていました。

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
タイミングは上と同じです。ボールやおもちゃを投げて追わせる。ちょうだい!をしてオヤツをあげる。紐は異常に興奮して噛みまくってすごいので危なくてあまりしていません。

おもちゃを見せてから、ハウス(扉を閉めたり・・・) お座り・待て・などしてからヨシ!で投げていました。

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
部屋から誰もいなくなるとクークーすごかったので、ハウスの中でいい子にしているときに「シー・いい子」と声かけをしていました。(クークーは減りました)

拾い食いがひどく、下ばかり向いて歩いているので(ほこりなどは食べまくり・・・)現行犯のときはダメ!と口を開けて取り出し。食べなかったときに褒めていました。(口に入れたときはかなり逃げまくります。追いかけてでも出していました)

噛んでほしくないものを噛んだときにダメ!離したらいい子!と撫でてます。(でもかなりテンション高い褒め方)飛びつきもひどいので、飛びついたときは後ろを向いて立ち止まる。飛びつかなくなったらいい子!(時々わざとやらせてご褒美も上げていました)

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
かなりしてきましたが、ゲージの中にいるときは家族全員でなるべく無視するようにしていました。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
散歩デビューを3日前にしたばかりですが、一日目から大暴走・・・・。なるべくリードウオークで1回10分位、前に出たら立ち止まって・・を繰り返しました。近所にワンコがいるので、お尻の臭いをかいでもらったりしました。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
朝6時半起床・子供と主人が出かけるまでゲージの中。8時にゲージから出して一緒にベランダへ。(リードをつけたまま)8時半1回目ごはん。8時45分からゲージでお留守番。

12時帰宅・15分ほど一緒に遊ぶ。16時まで留守番・私と子供帰宅。2回目ごはん・夕方ベランダで遊ぶか抱っこで公園か散歩。

7時までゲージから出て遊ぶ(自由に)。7時から9時までゲージ。9時から10時まで一緒に遊ぶ。10時3回目ごはんでゲージの中へ。子供と私就寝。12時ごろ主人就寝

・愛犬のハウス周りの構成、環境など
リビングにゲージ(中にバリケンとトイレ)。長方形のリビングなので真ん中で仕切って何もないほうで開放してあげています。(いつでもゲージに戻れる構成)

リビングのいつも粗相してしまっていたところにもうひとつトイレ。その後トイレはゲージか、もうひとつのほうに戻ってしていて95%できています。


返答内容子犬のしつけは全体的に良く頑張ってこられましたね。
今の月齢としては良い状況ですよ(^-^)

物理的な環境も良いですし、外の散歩での社会化も良いです。

ただし、今の月齢では子犬に結果を求め過ぎないことです。とにかく知能が低い時期なのと、経験も何もありませんので、小さな猛獣状態です。これが今の時期の普通ですから、何も悩んだり悲観する必要はありません。

そして、もう数か月はそれが続きますし、生後半年前後は反抗期のような症状もあります。その現実は理解し、受け入れてあげてください。
すると少しは気持ちが楽になりますよ(^-^)

今は子犬の成長を楽しみながら、与える(教える)時期です。求める時期ではないのです。結果は出にくい・・でも社会化に柔軟な大事な時期で、一番難しい時期になります。

さて、全体的に良く頑張ってこられましたが、所々気になったところもありますので、お話していきます。

まず、ご主人にもホームページ・本書・メールの内容をご覧いただきたいです。本来なら、ご主人が主導して子犬のしつけ・子供さんの教育もまとめるべきですので、奥様一人で悩む必要はありません。仕事が忙しい・・と言っても、子犬は理解してくれませんからね(笑い)。

私もサラリーマン時代は激務の中で、犬のしつけもしましたから、ちゃんと出来るはずです。それと、かえって子犬の世話に一生懸命になり過ぎるがあまり、子犬に誤解を与えている場合もありますので、「時間がないから難しい・・」ということもありません。

まず子犬を食べ物で釣るのは止めましょう。そうしていくと、「子犬との関係が出来てきた・・」と錯覚してしまうのが一番怖い事なのです。関係作りが出来れば、犬は体現と音とジェスチャーの関連付けでちゃんと覚えてくれます。

ただし犬も人間もそうですが、オペラント(条件付け)で物事を覚えていきます。ある事をして嬉しい事が起きたなら、またその事をしたくなりますし、ある事をして嫌な事が起こったら、もうその事はしたくなくなりますね。(正の強化・負の強化)。

ですのでプロトレーナー達は、ビジネス効率のために手っ取り早く食べ物で釣って、しつけグッズで嫌悪刺激を与えます。しかし、それでは犬との関係作りはできませんし、関係がどれだけ出来ているのか見えなくなってしまいます。それはとても怖い事ですし、寂しいことです。

飼い主さんに叱られて気まずい・・褒められて嬉しい・・教えられたら覚えたくなる・・そういう関係作りが大切です。今は特に知能が低い時期ですので、時間はかかりますが、結局は最後にはそれが一番近道なのです。

お昼にいったん家に帰る・・ということですが、今の時期は出来るだけそうしてください。これは運動や遊びの目的ではなく、まだ生後3か月で子犬の消化器官が未発達なので、本来はふやかしたドライフードを一日4回程度に分散して与えてほしいからです。そうなればお昼にゴハンも必要です。子犬は体調の急変もありえますし、トイレが汚れたままだと子犬が別の場所にしてしまう悪い癖もつきます。

ですので、子犬の永久歯が生えてくるくらいまでは、お昼に一回ゴハン・・はできれば続けてほしいです。無理に遊んだり運動させる必要はないです。ただ、16時に帰ってこられてそこで二回目のゴハンがあげられるので、無理にはお昼帰宅は結構です。心身ともにキツイ・・ということならお昼に帰られなくても、3か月半ならもうなんとか大丈夫な時期です。

もしお昼帰宅されるなら、ゴハンを与えてトイレの処理をするだけでも良いですし、チヤホヤ遊ばず室内で軽くリーダーウォークをすると良いです。というのは、なるべく興奮の要素を作らないために、チヤホヤしないで運動も関係作りも出来るリーダーウォークが良いのです。そして同じことが、出発時や帰宅時にも言えます。

子供さんもご主人も意識してほしいですが、5分以上は無視して犬をかまわないでください。かまうということは、留守番時とのギャップが大きくなる・・ということです。

このギャップがストレスになります。ですのでなんとなく出かけて、なんとなく帰っていた・・という形にして、ギャップを作らないことです。

>褒めてしつける!と学習していたのであまり叱っていませんでした・・

↑叱る褒める・・を意識されるよりも、「悪い型を止めて良い型を取らせて褒める・・そこに音とジェスチャーを関連付ける」とご理解ください。実際に犬は人間の言葉を理解しているわけではないので、人間の言葉で叱っても褒めても意味はありません。

むしろ、感情的に怒れば犬に伝播して悪循環になりますし、猫なで声や大げさで褒めると従属的に映ります。ですので、「叱る」は「厳しい態度を示して悪い型を止める」・・「褒める」は「良い型と合図の関連付け」とご理解ください。一連の流れがセットです。

>トイレとバリケン・水を入れてさらにバリケン2個分くらいの遊びのスペースがあります・・

↑これで良いですよ。というよりもケージ内に広い遊びのスペースは要りません。テリトリーが広いとその分守るべきエネルギーとストレスが大きくなります。

暗くて広すぎないハウス、行き来が出来てトイレに行けて、水が飲めればそれで良いです。運動や遊びは、メリハリを付けてケージから出してすれば良いことです。

>噛んだときは捕まえて仰向け固めしています。これでいいでしょうか?

↑良いですよ。それをしちゃダメなんだという態度をしっかり示してください。それと、叱って終わりにしないで口閉じをして「シ~」の関連付けをしながらポンポン褒めることです。(シ~にするのは吠えた時の対策も考慮)。

褒めたらすぐ口を解放します。解放したらあえてまた手をわざと見せます。噛んできますので、再度口閉じで叱り、音出しで褒めて解放・・これを繰り返します。続けると、手を見せても噛まなくなる瞬間がきますので、そこで音出しで褒めて何度も反復しましょう。

子犬の乳歯は細くてとがっているので、噛まれると痛いです。ガマン出来なければ、ホームセンターで600円くらいの作業用の皮手袋を買うと良いです。

その際に、暴れが激しくて出来ないようでしたら、リーダーウォークをすぐしてください。そのためにケージから子犬を出す際は、リードを付けて持っておくと良いです。そうすれば、暴走もトイレの失敗も拾い食いも防げますし、行動を常に主導できるので主従関係も深まります。

>犬のしつけ・しつけで子供たちが犬への興味が薄れてきて・・

↑楽しい遊びの中に、主導の要素を織り交ぜて関係作りをしていけば良いです。ボールを投げる前にスワレ・マテを指示し、子犬が出来たら褒めて投げる・・出来なければ型で教えて褒めて投げる・・投げたら回収しながらコイ・ダセの練習。

そうするように子供さん達に手本を見せて教えてあげてください。

>紐は異常に興奮して噛みまくって・・

↑一向に慣れないようならヒモは外して良いです。その代わり、子犬にリードを付けて行動を主導してください。

>抱っこで公園に行き・・

↑抱っこは緊急時以外止めましょう。自分の足で歩くのをおっくうがるようになります。それと、マウンティングなんかも同じ理由ですが、体位が関係を表します。膝上抱っこもそうですが、犬が人間の体の上に乗らないようにしましょう。

>ベンチでボーっとしたり車の通る音を聞かせたり、近所の子になでてもらったり・・
>近所にワンコがいるので お尻のにおいをかいでもらったり・・

↑とっても大切です。続けてください。無理に接触しなくても良いです。見せるだけでも良いんです。色んなタイプの人間、動物、車や自転車、お店の旗など、とにかく動くものを見せる・・という経験をたくさん積ませてください。慣れれば将来、ストレスも軽くなりますし、吠えなくても良いんだ・・ということも子犬は学んでいきます。(吠えたら口閉じで教える)。

>飛びついたときは後ろを向いて立ち止まる・・

↑無視をすると、子犬は「相手は受け入れている」と勘違いしてしまうので、「ダメ!」と厳しく伝え首輪をガッチリつかんでスワレ・マテの型を取らせ音出しで褒めます。

飛びつき・マウンティングは、自分の優位性の主張と支配行動です。相手を試す行動でもあります。絶対に受け入れてはいけません。

意味の無い声掛けナデナデは止めましょう。下位の犬はリーダーや上位の犬に、すり寄って舐めて挨拶します。その行為と類似するので、犬が誤解しやすいのです。褒める時は、良い型を取らせながら音出しとジェスチャーで関連付けしながらポンポン褒める。普段の何気ないスキンシップも、スワレでもオテでも何でも良いので何か指示を出して行動させる・・出来たら褒める・・という「主導」を意識しましょう。

では、今回は以上です。しばらくそんな形で続けてください。先はまだまだ長いです。大きな気持ちで、淡々と楽しみながら続けることです。そうしないと、とてもこれから長い長い犬との根競べは続けられません。頑張ってください(^-^)

辛くなったら、またいつでもメールしてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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