犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで生後5か月は不安定な時期です

m1.png地震大丈夫でしたでしょうか。
日本中が騒然となっており、まだ落ち着きませんが、いかがお過ごしですか。
私のところは東京23区内ですので、比較的被害はなく済みました。
犬も家族もみな無事です。
堀川さんが被災地区にいらしたらこのメールも届くのだろうか?と思いながらメールさせていただいております。
もしも地震の被害で大変な状況でしたら、お返事は落ち着いてからでも構いませんのでお気になさらないでください。

先日は丁寧に早速お返事とアドバイスをいただき、ありがとうございました。
小3の娘にもなるべく毅然とした態度を取るように、抱っこはできるだけしないように、を伝えてはいますが、どうしても(特に小型のトイプードル(生後5か月)なもので、姿が可愛らしく、構いたくなってしまうようなのです)完全に...とはいきません。

夫も「抱っこが完全にだめというわけではないだろ」と言いながら、時々は抱っこをしてしまっています。

実は堀川さんの本を購入したという話をまだきちんと家族に伝えていないため、さまざまな本にはいろんな立場がありますし、「抱っこをしてあげるとおちつきます」とか「できるだけ声かけをしてあげましょう」といった記述もあったりするので、なかなか態度の統一が図れないということがあります。

折を見て説明していき、家族全員で統一した態度でのぞめるように長い目でやってみたいと思います。

今日は、5点質問があります。(たくさんすみません...)

(1)まずは、「主従関係」「リーダーシップ」を作ることが大切、そこから全て始まる、という堀川さんのしつけの考え方に非常に感銘を受けておりますが、その主従関係について。私ひとりのとき、または夫とふたりでいるときは違うのですが、娘もいて家族全員で接している時、うちの犬はとにかく娘のことを探し、娘のほうにばかり行こうとします。

私だけのときには「オイデ」と言えばこっちにきますし、オスワリもフセもちゃんとやるのですが、娘がいると、娘のほうばかり見て、呼んでもこっちを見ようとしません。ここで止まってしまって、「どのようなときにも「オイデ」「オスワリ」「マテ」をできるようにして、外出先に他の犬を見て興奮してしまい吠えてしまいそうなときにも落ち着かせる、という目標があるのですが、それに全く近づきません。

3人がいるときには必ず娘のほうに行こうとし(夫も私と同じ状態です)、娘が出す指示にはある程度従おうとします。犬は娘を一番上のリーダーとみなしているということでしょうか?

そして私はまだきちんとリーダーとしてみなされていないということでしょうか?

(かなりアイコンタクトが取れる犬で、ふたりだけでいるときには、名前を呼んだら必ずこっちを向きます。でも娘がいるときには私が呼んでも「無視」です。)

娘のことが、たんに好きなのでしょうが、私だけしかいないときには忠実に命令に従おうとするおりこうな犬になれてきているように感じるのですが、娘がいるときの犬は、言うことを聞かないただの小さい猛獣という感じです。

甘噛みなどは今のところまだ出ていないのですが、とにかく興奮して娘の顔や手、服をなめまくろうとします(ここで娘はだいたいそれに応じてしまう、または抱っこしてあげてしまうのですが...抱っこすると多少興奮がおさまるので。これをやめさせないと始まらないのでしょうか?)

改善策をアドバイスいただけたらお願いします。

(2)人に特に興味がある犬は、2本足立ちでよその人、または特にうちの娘によっていくのですが、これはいいことなのでしょうか?(人によっては、子犬のうちはし方がないです、と言います)それとも、やはり「自分勝手にふるまっている」とみなし「無視」をするほうがいいのでしょうか?

(私が外で散歩のときリーダーウォークするときは、二本足立ちをしたらそれは当然私より前を歩くことになるので逆を向いて止まる、を徹底しているのですが)リードをつけていないとき、家でサークルから出したときなどに特にそうなるので、どうしたらよいのか教えてください。

(3)堀川さんのHPを読んでいましたら、サークルから出してリードもつけず放し飼いに対しては反対ということのようでしたが、そうなると、サークルから出すときには必ずリードをつけているということですか?

リードをつけたままだと犬はなかなかオスワリやフセをしません。このように言うことを聞かないとき、どのようにすればよいのでしょうか?

今現在は、外に出すときにはリードをつけないことが多いです。そうするとどうしても、自分の行きたいほうへ行ってしまい、探検しにいってしまいます。そこでやはりオシッコをしてしまうことも多々あります。外に出しているときは自由にできる、というのがあるからサークル内をいやがるのでしょうか。

(友人の家のプードルは、ほぼ家の中どこでも放し飼い状態です。堀川さんは、そういう飼い方は×、というお考えなのですか?)
 
(4)他の犬を見かけると、どうやらその犬に興味を示しているようで、吠えてしまいます。(しっぽを見るとものすごくふりふりになっているので、遊びたいし近づきたいのだと思います)相手の犬が大人で、犬が吠えても意に介せず近づいてくれ飼い主さんも気にしないでくれるときは、鼻を近づけて、近づかせてみています。するとおとなしくなり、遊びます。

ここからは犬はむしろおとなしく、相手の犬のほうが今度は吠えてきたりするぐらいで、いったん慣れるとおとなしく遊ぶようなのですが、とにかく最初どうしても吠えてしまうのです。そのため、相手のワンちゃんも怖がりだったり、吠える犬をいやがる飼い主さんだったりする場合は、近づけることもできません。

堀川さんのHPにありましたように、吠えたらすかさず口を押さえて吠えない形を作り、吠えるのをやめたら「イイコ」とほめる、をやっていますが、口を押さえても口をとじたまま「ウウウ~」と吠えています。ただこれは、少しずつよくなっているのかなと思います。というのが、たまたま昨日の散歩のときには、4匹の犬とすれ違ったのですが、その際、あえて抱き上げたりせず、様子を見ていたら、犬は相手の犬を目で追っている(気付いてないわけではない)のに吠えてない瞬間があり、すかさず「イイコ」とほめてやりました。

数秒後やはり「ウウ~」と始まりそうになったので、そこで口を押さえると、吠えがやんだので、「イイコ」「イイコ」とほめ、さらに様子を見ていたら、昨日はそれ以上吠えることなく(今までは相手の犬が通り過ぎた後も後ろ姿に向かって吠えていました)終わりました。近づけることはできませんでしたが、吠えずに通り過ぎることがなんとかできたので、もしかしたら改善されてきているのかな、と思いました。まだ昨日1回の散歩のときだけの話なのでわかりませんが、方向性として、このようなやり方であっているのかご意見を伺いたいと思いまして...。アドバイスよろしくお願いいたします。

(5)朝起きたとき、または帰宅時、私たちの姿を見つけるとサークル内で犬は興奮してジャンプしています。それは見ずに、とりあえずほうっておき、おちついていい子にしている姿を見せたら、構ってやるようにしています。なので最近は私たちの姿を見つけるとひとしきり興奮した後、必死で興奮をおさえ自分からサークル内の低位置でおすわりし、待っているようになっています。

それで、必ず「マテ」を何秒かし、指示が聞けたら外に出す、ということにしているのですが、この外に出した直後が問題です。ものすごく興奮しまくって私たちのほうに順番にやってきてじたばたじたばたし、その間はとても指示など聞ける状態ではありません。これはしかたのないことなのでしょうか?

外に出してやった瞬間にこうだと、ひも付きボール遊びもしつけもできる状態でなく、こちら主導の構い方にスムーズに移行できず困ってしまっています。これについてもアドバイスお願いできたらと思います。

今日はたくさんまとめて書いてしまってすみません。
小分けに1点ずつでもいいですから、アドバイスいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。


m2.pngこちらもだいぶ揺れましたが、新潟中越地震の時のほうがはるかに強かったので、今回は大丈夫です。

それよりも、東北地方の方が家族や愛犬を失った悲しみを思う方がつらいです。そして今も、避難所に犬を連れて行けず、見殺しになってしまっているケースもあると想定しますので、それがなおつらいです。

さて犬のしつけのお話に戻ります。

まず犬の生後5か月は、非常に不安定な時期です。5~8か月くらいが一番成長期として変化が大きく、かつ不安定です。人間の成長期や更年期と同じくホルモンバランスの変化、歯の生え変わり、いろんな変化が大きく精神的にも不安定になります。

今は結果を求めないことです。結果はすぐ出ないけれども、やり続けなければいけない時期はあります。

そして、ご家族として冷静に振り返る必要もあります。過去の接し方が全て正しければ、現在何も問題やご不安はないはずです。問題がまったく改善されず、ひどくなっていくようなら、何かが間違っている・・改善が必要だという事です。

HPなどでもお話してきましたが、犬もご家族も環境も千差万別です。この方法が100%ということはないですし、強弱の調整も必要、他の犬との比較もしてはいけないのです。

まず現状を良く把握し、何が間違いだったか考え変えてみる・・しばらく続けて変化がなければまた別の要素を考え変えてみる・・という冷静さも段々身についていきますので、意識しながら続けましょう。

では、具体的に見てきましょう。

(1)お嬢さんを明確にリーダーとして認めたわけではないですが、それに近く、大好きなのは間違いありません。

まず、お嬢さんは犬の舐める行為を受け入れているわけですが、いつもジロジロ見て自分から頻繁に抱っこしてナデナデしているわけではないはずです。

実は甘やかしをする大人よりも、子供の言う事を良く聞く犬は確かにいます。なぜかと言いますと、大人の甘やかしは常に犬を気にかけアレコレ世話を焼くのですが、子供はあまり細かい気遣いをせず、基本は自分がかまいたい時にかまうケース(利己主義)が多いです。

犬と遊ぶときは無邪気にたっぷり遊びます。でも、自分がオモチャやお絵かきして遊んでいる時は、犬なんて気にもかけません。そういう態度に犬は弱いのです。

子供が意図してそうしているわけではないのですが、子供の利己主義が毅然とメリハリのある態度に、犬には見えるのです。

それと、お嬢さん一人っ子ですよね。ご家庭が、お嬢さん一人を中心に生活している雰囲気があると、犬はそれを見て感じています。明確なリーダーとして認めていなくても、必然的にリーダー的な扱いを受けている存在・・というふうに犬が見る場合があります。

だから犬の群れでも、リーダー犬の子犬に対しては他の成犬が特別扱いをします。

犬が相手の顔を舐める理由は基本2つです。

一つは野生の子犬の本能の名残です。巣穴で待っている子犬は、狩りから帰った大人の犬達の顔(口)を舐めて食料を催促します。大人の犬達は舐められた反射で胃の中の物を吐き出し、子犬に与えます。その名残で家庭犬も人間の口を舐める場合があります。

もう一つはリーダーや上位への挨拶舐めです。

お嬢さんへのアドバイスとしては、(2)のお話も含みますが、例えば飛びつきや舐める犬を一方的に受け入れるのではなく、いったんスワレ・マテをさせてから褒める・・指示で舐めさせる・・という「主導」を加えることです。

前回もお話したと思いますが、接することやかまうことが悪いのではなく、必ず「主導(犬のしつけの要素)」を加えることです。それなら楽しくスキンシップもでき主従関係も深まっていきます。

私も「チュ」という合図やほっぺを指さすジェスチャーで、犬からキスさせることも覚えさせました。(リーダーへの挨拶として)。もちろんキスじゃなくても、オテ・スワレ・あお向けでも何でも良いので、「指示→従う→褒める」というルールを意識する・・ということです。

よその人への飛びつきもそうです。触ってもらう前に必ずスワレ・マテをさせ(できなければ首輪をつかみ型を作る)出来たら褒めてもらうようにしてください。ベタベタ褒めではなく、「良い子」と声をかけ、肩を軽くポンポンしてもらう程度が良いです。

あまりにも大げさに褒められたりかまわれると、他人を見るたびに興奮が激しくなり要求吠えもします。

(3)家の中でリードを付けるのは、「犬のしつけが浸透するまでは」と申し上げております。それも、呼び戻しができない・・トイレの失敗・・というお話があったのでなおさらです。

他の犬と比較してはいけません。ダメ犬という意味ではありません。言う事を聞かない・・ということは、本当は頭の良い犬なんです。リーダーにふさわしい人の言う事しか聞かない・・という判断力と本能が優れているということです。

リードを付けない方が良い・・ということなら、今ご苦労されていないのではないでしょうか。もちろんちゃんと犬のしつけが浸透して、呼び戻しやトイレも問題なくなったらリードを付ける理由はなくなります。

リード=縛り付ける・・という感覚ではなく、その名の通り「リード(主導・誘導)するための物」です。

呼び戻しは、ヒモ付ボール遊びなら楽しく教えられます。運動にも狩猟本能のはけ口にもなります。

そして、何事の教えも主従関係がベースです。自分が認めていない人から褒められても嬉しくもないし、叱られても何とも思いません。
飼い主さんから褒められる・・叱られる・・それが犬にとって物事を覚えるオペラント(条件付け)になるような関係作りを、焦らず積み上げてください。

(4)まだまだ生後5か月では世間知らずです。
経験も知能もまだまだですから、怖い対象には吠えて当たり前です。だから多く経験させ、慣れることと現行犯で教えることです。口を閉じる前に(あるいは同時に)首輪をガッチリつかんでスワレ・マテの型を作ってあげてください。怒らず興奮せず、静かに「ダメ」「シ!」と伝えてください。飼い主さんの興奮や緊張は体臭などで伝播します。

まずは「ワンワン」が止まったら褒めることです。慣れるまでは「ウ~」は出ますので、急に完璧は求めないでください。しつけ方法の方向性はもちろん良いですよ。続けてください。

社交的ではない他の犬(しつけや社会性の乏しい他者の犬)は、こちらではどうすることもできないで、無理に近づける必要はありません。怒られて嫌な思いをするとかえってトラウマになったり、威嚇性が強くなってしまいます。

すれ違う時は先ほどのように、スワレ・マテ・口閉じ、、、これで去るのを待ちましょう。吠えないようになれば、そのままさりげなくすれ違って淡々と歩きを続ければ良いです。

もちろんコンタクトしてくれる飼い主さんとは、できる限り接してもらいましょう(かまい過ぎはNG)。

(5)まだまだ成長期、遊び盛り、運動も必要な時期ですから、最初に言う事を聞くようになった時点で素晴らしいですし、そのあとのジタバタくらいは今は大目に見てあげてください。好きなだけボールを追いかけ、噛ませて発散させてください。しばらくやれば気が済み、落ち着きます。そこから犬のしつけを始めればいいです。

成長と犬のしつけが浸透していくにともなって、落ち着きも必ず出てきます。
大丈夫です(^-^)

では今回は以上です。


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
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