犬のしつけがQ&Aで分かる!

良い関係ができない・よく噛みつく3か月のチワワ犬のしつけ

質問内容
いつも参考にさせていただきます。前回ご相談したのは、よく噛みつく、とびつく、トイレの方法などご指導いただきました。その節はありがとうございました。

またお手を煩わして申し訳ありません。Q&Aを参考にして読んでまいりましたが、どうも犬といい関係ができずにいます。

犬種:チワワ3か月ちょっと。生後約50日に我が家に来ました。

家族:一人暮らし、自営

住む環境:60㎝×120㎝のゲージ、ゲージ内にクレート、クレートと反対側にトイレ。ゲージの外側にゲージと同じくらいの大きさでサークルで囲んでいる。

1日3回餌(朝8:00頃、昼2時か3時、夜8時か9時)
餌の後サークル内で飼い主が座り、ボール投げ、紐あそびなど、20-30分
9:00~1:00頃、4:00~8:00頃までは仕事で犬の近くにはいません。ほとんどの時間、犬はゲージ内。昼には買い物などに出かけることありますが、飼い主はできるだけゲージ近くにいます。

(就寝は夜の餌やり後の遊び2-30分後)
3回目のワクチンが終わったら散歩に連れて行く予定ですが・・

問題点:

こちらへきて約1か月ですが、とにかくよく噛む。
来た当初からそうなので(生後50日くらい)、とにかく甘やかさず大きな声でダメと言いマズルをつかんだり、仰向けにして抑え込んだり体罰はダメだといわれていたんですが、デコピンしたり、ときに感情的になり鼻面をたたいてしまったりしました。(それほど強くしたつもりはありませんが)

ゲージにほおりこんだり、叱ってばかりをつづけていました。皮手袋をはめて仰向きにしようとしてもその指にかみつく。噛みついたとき指を口の奥に入れても意地でも指をかみ切ろうとするように強く噛んでくる。

トイレでうまくやった時などほめようとして頭を撫でようとすると、その手にかみつこうとするのでほめることができない。

餌の後は2-30分ボール遊びなどをサークル内でします。とにかく活発で乱暴な犬でサークル内を飛び回り、うなりながらぶんぶんとおもちゃをぶんまわします。

座っている飼い主のひざの上を飛び跳ねて走り回ります。ボールを見せて「お座り」というと少しお座りができ、ボールを放り投げると、飛んで行って噛みつきぶんぶん振り回した後、飼い主のほうへ飛んで戻ってきます(来いといわなくてもくる)。

来たときはよしよしと頭を撫でようとしますが、その手にかみついてきます。家に来て以来一貫として同じなんです。(要するに叱る前から)

「見て」といってもたまにみるのみ、名前を呼んでも振り向きもしません。むやみな呼びかけはダメというお話でしたので、餌をやったり、ボールを投げたりするときに名前を呼ぶくらいです。

ほめるのはほとんどできないです。(ほめるところがない。)
だけどかわいいと思っています。

でもこのまま大きくなった時が怖いです。
私の手(私をか?)が嫌いのようです(叱りすぎたせいですよね)

生後2か月になったので、先日2回目の予防接種へ連れて行きました。耳の掃除、注射、肛門腺の絞り出しと嫌なことばかりしました。とにかく噛みがひどくうなる、仰向けにしようとすると激しく抵抗し体をひねりまくって噛みながら体を手から離させようとする。

信頼関係が築けないうちに嫌なことばかりしたせいかと思っていたところへ2回目のワクチンすんだあと、社会化のためうちの従業員や子供たち(2-3歳)に会わせたら、なんと尻尾を振ってひとなつっこく、かわいらしいのです。

でもいざ、自宅にもどると悪魔のようです。(やっぱ嫌われたか)

数日後ワクチンの副作用か、人に会わせた興奮か、嘔吐と下痢をおこしました。体調を崩したとき、飼い主は大いに反省し、ダメと思いながら数日甘やかしてしまいました。
(具体的には噛もうとしても大げさなくらいよしよししてなぜました)

体調も戻ったのですが、相変わらず噛むので業を煮やし私も歯をむき出して犬の口の前でうなる真似をして脅してからは噛もうとしてもすぐやめるようにはなりました。

それでも噛みつこうとすることがあるので飼い主もうなってばかりいます。(が以前ほどしつこくは噛まなくなったと思います。)

しかし飛びつきはひどくとびつき服のボタンを噛み千切るような勢いで引っ張りますので、飼い主はうなっておこるのですがボタンを引っ張るのはやめません。とびつこうとするのを手で払うとむきになって何度も飛びついてきます。
(飛びつき→手で払う→また飛びついてくる→またまた手で払う)

今はデコピンもマズルを強く押さえたりの体罰的なことはもうしていません。また餌を食べなくなりました。手の上に載せると食べるのですが・・。

リーダーウォークもし始めましたが(自宅の少し広いスペースで)1歩歩くごとに足にかみつき前へすすめません。

噛みつくたびに方向を変えてはいますがズボンや紐にかみついて動こうとしないため引きずる格好になります。何をどうしていいやら全くわからず途方に暮れています。

どうか助けてください。お願いします。落ち着いたいい子に育てたいのです。


返答内容
今はあせらなくても大丈夫です。ご心配ないです。

あせって無理しても結果が出ない時期ですのと、あせっても余計にこじれますので、今は甘やかしのチヤホヤをしないことと、叱るにしても過干渉しないことです。

↓今回のポイントです。

・子犬がまだ幼くて知能、経験がない
・以前の体罰の記憶が消えるまで時間がかかる
・犬へのイメージを美化しないこと
・犬の他人への反応を誤解しないこと


まず、初めて会う人など、犬はシッポを振って喜んでいるかのように見えることがあります。

一方、飼い主である自分にはシッポを振らないので、「自分だけ嫌われている」と悲観したくなりますよね。

ですが、犬がシッポを振るのは嬉しい時とは限りません。犬は怒っていてもシッポを振ります。

つまり、犬がシッポを振る一番の要素は『興奮』なのです。興奮ストレスの発散行動なのです。

だから、「犬が嬉しそうにシッポを振っていたので、なでようとしたら噛まれました」ということがよくあります。

飼い主さんにイチイチ犬がシッポを振らないのは当たり前です。毎日一緒に居て、それが当たり前の自然な関係になっているからです。

犬にシッポをブンブン振られるということは、慣れていない興奮するような不自然な関係なのです。犬は本当に嬉しくてリラックスしている時は、シッポは振らずにゆったり寄り添ってきます。

もちろん、だからと言って現状が良い関係なわけではありません。

犬は食と安全に関わる記憶がとても鋭いですので、体罰を受けた記憶はちょっとやそっとでは消えません。まだしばらく時間がかかります。

嫌な記憶の上から、良い記憶を上書きしてあげないといけません。

かと言って、チヤホヤの接し方では主従関係が崩れていきます。ガミガミやり過ぎればさらにこじれます。

今は、過干渉しないで、主導型コング遊びでたっぷり遊んであげればそれで良いです。(犬にリードを付けてそれを飼い主さんが持ちながら遊ぶこと)

体力がドンドンついてきますし、まだ知能も経験値も低すぎるので、遊びでも興奮してグダグダになります。期待はしないで、まずは発散させてあげて、心地よい疲れが出てきた頃合いを見て、そこでスワレやマテの型を作ってあげて指示音ジェスチャーで褒めて教える・・・ということをされてください。

それもキレイにできなくて良いです。グダグダになっても良いので、まずはおもいっきり遊ばせて発散させることです。

その中で、遊びに紛れて犬をチョンチョン触ってください。(ベタベタ・ナデナデではない)

そういう繰り返しで、遊びの楽しい記憶と、飼い主さんの存在・飼い主さんの手に対する印象が結びついて変わっていきます。嫌な記憶に上書きされていきます。

あせらないで、少しずつコツコツ積み上げていくことです。


さて、犬の飼い主さんは、かなり犬という動物を美化しすぎてしまいます。

テレビドラマ、映画、ネットの動画などで犬の良い部分だけをピックアップして見ているのと(人工的に作られた映像でもある)、さらに人間は、入ってくる情報を自分の都合の良いように解釈・処理する特性があります。

犬は素晴らしい動物ですが、それでもやっぱり犬は犬なんです。

シンプルでクールです。本能のおもむくまま、シンプルに生きています。

そして、お一人暮らしの寂しさと、犬への無意識の美化で、現実とのギャップに苦しむのです。

ですが、これが現実であり、自然なことなのです。


そして、まだ犬があまりにも幼すぎるのです。小さな猛獣状態なのです。それが当たり前の時期なのです。

しかも、まだまだこれで済みません。これから反抗期に入り、権勢本能・自我・独立心・警戒心・相手を見抜く視点がどんどん鋭くなっていきます。7・8か月では知能が上がり、嫌なズル賢さまで出てきます。

少なくとも10か月くらいまでは不安定で、1歳くらいまでは期待されない方が良いです。

特に今回は、親兄弟から引き離されるのが早すぎて、まったく初期の社会化が学べないまま来ました。

そして、もう1か月ちょっと経ったので長く感じられるかもしれませんが、来た時があまりにも幼すぎたので、1か月経った今でも幼すぎるのです。

それらを忘れてはいけません。


さて、まだまだ犬のしつけのマインドセットができておられないようですので、もっとQ&Aサイトを熟読されて知識と意識を深めてください。

この月齢の現状、他の飼い主さんの例など、たくさん記事を載せています。

必ず会員様用ページから入っていただき、注意書きに沿ってご活用ください。

それでは、また頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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