犬のしつけがQ&Aで分かる!

外飼いする予定の子犬のしつけで吠える・散歩で止まって動かない

質問内容
宜しくお願い致します。当家の犬にはなかなか上手くいきません。現在大変困っておりますのでご質問申し上げます。以下に必要事項を記入致します。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

・問題内容:無駄吠え(頻繁)、指示無視(特に屋外にて)、散歩不可

現在室内ケージ内で飼っているため、同室に誰かがいないと良く鳴いて困っています。特に朝は、5時~6時頃になると近所迷惑になるほど鳴き続けて困っています。孤独に耐えられない様子です。

ケージ内では、オスワリ、フセ、ゴロン(仰向けにさせる)、マテ、ハイタッチ、オテ、等の指示を与えるとまずます言うことを聞きするようになりました。但し、1回の指示掛け声では難しく、何度も繰り返してするという程度です。これも相当時間をかけて根気よく教えました。

ところが、大便小便時等々で庭に出すと、まるで指示を無視し何も言うことを聞きません。此方の目も見ません。名前を呼んでも「こっち」「おいで」の指示にも自分の気の向いたときだけ言うことを聞くだけでほとんどが知らん顔状態です。

庭でリードを持って歩かせても、自分のペースで首を締めながらゼーゼー言いながら引っ張っていきます。そこで、方向ターンを行うと途端に4つ足で突っ張り抵抗し踏ん張って歩きません。此方の指示の方向には抵抗して歩きません。無理をして歩かせたら足の爪と、足の裏の皮が?け4本の足から出血してしまいました。

此方の指示に従わずに飛びかかってきたり、噛んだりした時には、仰向け固めをしますが非常に暴れて更に噛まれることもしばしばです。同時に口固めもしますが興奮していてなかなか緊張が解けて力が抜ける所までいきません。

また、敷地外には徐々に慣れさせて隣保を歩かせていたのですが、だんだんと抵抗するようになり、今では敷地外へは出ようとしません。

そこで、抱っこで50~100メートルくらい家から出ていき、おろしてから家まで戻るということもしましたが、抵抗してなかなかうまくいきません。現在散歩不可能状態です。

リーダーウォークの訓練などで、突っ張って足から出血してまで抵抗するので、此方の指示する方向などとても歩きません。
外では、オスワリ、フセ、マテ、付け、歩け・・・等々殆ど言うことを聞きません。ただただ突っ張って足から出血するだけです。屋内のケージ内では言うことを聞くのですが、野外では指示を無視し殆ど言うことを聞かず困っています。

そして敷地内から出たがらず、散歩(リーダーウォークを含む・・・方向転換で突っ張って抵抗し歩かない)ができなくて困っています。

目が輝き良く言うことを聞くのは、食事のときと、なぜか「ごろん」の指示に従ったときだけ(何か貰えると思っている)です。その他は、殆ど名前を呼んでも此方を振り向こうともしません。

【困っているところ】
・ケージの置いてある部屋に誰かがいないと鳴きやまない。
・特に屋外で此方の指示に殆ど従わない。言う事を聞かず勝手気ままな行動をする。
・リーダーウォークが全くできない。4つ足で抵抗し踏ん張り爪や足の裏から出血してしまう。
・敷地外に出たがらず散歩が成り立たない。
・仰向け固めをした時には徹底的に抵抗し、口固めと胴固めを力づくで抑え込まなければできない。
体が大きくなってくるとできなくなりそう。

・犬種等:ゴールデンレトリバー、4カ月と2週間程(現在10キロ)、オス、(飼い始めてから1カ月半、犬を飼う目的は番犬のため)

・家族:私(50代男性)、妻(40代女性)

・接し方流れ:室内ケージから出し朝6時に外で小便、7時頃食事、後外で大便、それ以外室内にあるケージ内で過ごす。(用便で外に連れ出す前にケージの中で用を足してしまうことも多々あります。)

一日のうちおおよそ2時間ことに小便を外でさせる。夕方5~6時頃食事、その後外で大便、及び  庭で少しの運動。
午後7時~8時頃に小便を外でさせる。その後室内のケージに屋根をつけ就寝。

①朝夕の食事後コングに紐を付けて庭で遊ばせる。
②食事を与える時ケージ内で、オスワリ、フセ、ゴロン(仰向けにさせる)、マテ、の指示を与える。
帰宅時には、ハイタッチ、オスワリ、オテ、・・・・等の指示を与える。
③おやつは人間の食事が後になってしまうので、食事後に歯磨きおやつ等々を与える。
抱っこは野外に散歩をする時行うことがある。(しかし殆ど野外の散歩が成り立たないので回数はごく僅か。)
指示なしのナデナデはしたことがない。声かけは、名前の認識をさせるためと、①②の時
④外へ出たがらない為散歩はできないのが現状。
是まで3回程強行しましたが、4本足で突っ張り歩きませんでした。
⑤上記、接し方流れのとおりです。
⑥ハウスは、大型犬用ハウスの屋根を外しケージとして使用。その中にトイレ設置。
可能な限り大便は殆ど庭の芝生の自分のその時々に気に入った所、小便も可能な限り昼間は約2時間ごとに庭の芝生の上でさせるようにしています。

将来的に外飼いになった時には、トイレの場所を決めてさせたいと考えています。

別添え写真
・ハウス(ケージ)、・トイレ、・庭芝生(遊ばせる所及び、屋外トイレになっています。)

以上です。どうか宜しくご指導のほどお願い致します。


返答内容
今回はあせらず、まずはゴールデン君が何とかできるレベルから、少しずつ上げていきましょう。

今の月齢ですと、まだまだ知能も経験も何もない猛獣状態ですし、まだ本書の犬のしつけを始められたばかりです。

これから反抗期の時期、急に知能が上がってズル賢くなる時期も来ますので、まだまだ大変な時期が続きます。

あまり期待はし過ぎないで、やるべき事を続けていきましょう。

さて、朝吠えの原因ですが、通常3つの要素が重なっています。

・甘えたい、かまってほしい、ゲージから出してほしい
・排泄したい
・お腹がすいた

まだ幼い子犬ですので、温もりを求める甘えはある程度は理解してあげていただきたいのですが、できることはやっていきましょう。

まずトイレですが、いずれ外飼いとのことで、外でさせる習慣は良いのですが、今の時点でそれが完全に定着してしまうと、朝どうしても外でしたくて呼び吠えしたくなります。

いずれ外飼いされるにしても、柵の中にトイレは置いてあげたほうが良いですので、どちらでも出来る練習はしておいたほうが良いです。

排泄で外に連れて行く時に、今ゲージ内にあるトイレを持って行って、そのトイレの上で排泄させて褒めていただきたいのです。

指差しして乗ってくれれば一番良いですが、最初は乗らないことが多いはずですので、まずはどこでも良いので排泄させて(音の関連付けはもちろんする)、排泄が始まったら犬を抱き上げトイレの上に乗せて、排泄の続きをさせてください。

もちろん、その間はトイレを指差して音で褒めてください。

それを続けていくと、少し興奮刺激を与えると指差しと音で、トイレの上でするようになります。

トイレの上でする癖が付けば、ゲージ内のトイレでもできるようになります。

ただ、お写真拝見しますと、少しトイレが小さいように見えます。犬はそれですとしたがらないですし、トイレでしようとしても外すことが多くなります。一番大きなサイズにしましょう。(そうすると今度はゲージが小さいように思います。)


それと、前日の夜8時にオシッコさせておられますが、そこから次の日の朝まではかなり時間がありますので、朝オシッコしたくて吠えるのも自然なことになります。

なるべく、前日の夜にもう少し遅い時間でもオシッコさせておいてください。


続いてですが、寝る時はハウス(ゲージの)屋根を付けて、光が入らないように暗くしてあげると良いです。

日中も、犬が吠えた時に手が離せないようなときは、屋根をして毛布を掛けて、暗く狭い巣穴状態を作ってあげると良いです。落ち着く犬が多いです。(呼吸のための通気口は確保する)

時間がある時は、もう4か月過ぎて骨格もしっかりしてきましたので、ビシッとリーダーウォークをしても大丈夫です。

ハウスから出して、お部屋のその場ですぐに、厳しい態度でリーダーウォークされてください。「シ!・・シ!・・シ!」の注意音を関連付けながらやりましょう。

または、ゲージの中の犬の首輪をつかんで「シ!」の注意音でガツンと首輪を引き上げて注意しても良いです。

他には、注意音で口閉じしても良いです。


甘い態度でやってしまうと、「吠えればかまってもらえる」と犬が誤解してしまいますので、厳しい態度を貫いてください。

特に、今もそうですが外に出した時(外飼いに切り替えた時)が最も大変です。

犬からしてみれば、何で外に出されるのか意味が理解できませんので、吠えに悩む可能性が高いです。

また、番犬目的の場合でも、飼い主さんの思ったタイミングで都合よく吠えてくれることはありませんので、全く吠えなくて番犬にならないか、余計な時にも吠え続けてご近所迷惑になるか、のどちらかになってしまいます。

そうならないためにも、今から徹底的に一貫して教え続けないといけません。

犬の外飼いは、現行犯で教えられない分、本来はとても難しいことなのです。

もともとゴールデンは社交的で孤独が苦手なので、よけいに難しさがあります。さらに、外飼いは心身共に負担が大きいですので、寿命も圧倒的に短くなります。

また、夜だけ家の中とか、冬だけ入れる、というのも矛盾を生んでしまい、要求吠えしたくなります。犬の居場所は一か所に決めて、コロコロ変えないことです。

できましたら、室内飼いをおすすめいたします。


では続いて外の散歩です。

あせらないで、今できることから少しずつ難易度を上げていきましょう。

まずやっていただきたいのは、室内での主導型コング遊びです。

コングに興味を示すようになったら、ヒモは無くても良いですので、犬にリードを付けて飼い主さんが持っておくようにされてください。

団らんなどの時も常にそうされてください。

まずは興奮の少ない家の中で、「リードを付けて持たれた状態で飼い主さんと過ごすことに慣れること」です。そこから始めましょう。

その遊びの中で、時々ちょっと一緒に歩いてみる・・・またコング遊び・・・またちょっと歩いてみる・・・

という繰り返しから、少しずつ慣れさせていってください。

その一方で、外の世界に慣れさせることも並行して続けましょう。

ただし、外をリードを付けて歩くのはまだです。まずは、お庭でリードを付けて飼い主さんが持ってコング遊びです。

室内と同じように、その遊びの中で時々一緒に歩いてみてください。室内と同じようにできなくてもかまいません。

犬が止まって動かなくなった場合は、マテを教えると良いです。

犬が止まったらマテの指示を出しながら近づいていき、指示音ジェスチャーで褒めます。褒めたらマテの指示を出し続けたまま、ご自分だけ数歩先に行ってください。そこでもマテの指示を出したままです。

そうしていると、今度は犬が動きたくなってジリジリしてきます。ソワソワし始めたところでコイやツケの指示音ジェスチャーと、軽くリードを引いて誘導してください。

まずは遊びから始めて、少しずつ混ぜながら難しくしていくことです。

更にそれと並行して、犬を移動用のバッグに入れて散歩すると良いです。

少し大きめのホームセンターかペットショップに行きますと、犬を乗せる肩掛けバッグが売ってますので、それに犬を乗せてかついでお出かけして、人や文明に慣れさせてください。

わりと安い値段で売っていますし、車での移動時にも役立ちますので、あった方が良いでしょう。

安全な場所に着いたら、犬を降ろして地面に立たせてみてください。

最初は歩かなくて良いんです。犬にリードを付けて持って、飼い主さんはノンビリ座って、その周りを犬にウロウロさせれば良いです。

そんなレベルから、少しずつ慣れさせていきましょう。

この時期の子犬は敏感に反応する犬も多いです。

風で揺れる気の葉っぱや、ゆらゆら揺れるお店の登り旗を怖がったりします。私の犬などは、成犬になってもしばらくは電動シャッターに怯えていました。

もっと幼い時期は、あまりにも知能が低いので怖い者知らずなのですが、本能の警戒心や観察眼が少しずつ鋭くなってくると、色んなものに反応します。

そして、そこから経験を積んで、警戒するべきものと気にしなくて良いものを自然に判別できるようになっていきます。

優しいレベルからたくさん経験させていくことです。


【その他気になったこと】

>庭に出すと、まるで指示を無視し何も言うことを聞きません・・
>自分のペースで首を締めながらゼーゼー言いながら引っ張って・・

↑今の月齢ですと、犬が無視しているのではなく、聞ける余裕がまったく無いのです。とにかく外の世界の刺激が強すぎて、緊張と興奮でパニックになっているのです。

犬も人間の子供もそうですが、そういう表情が乏しいので分かりにくいわけですが、ものすごい緊張と興奮で舞い上がっているのです。

前述のように、優しいレベルから少しずつ慣れさせていくことです。


>仰向け固めをした時には徹底的に抵抗し・・

↑まだ無理されないで、コング遊びの中で一瞬コロンとひっくり返して、すぐ指示音ジェスチャーで褒めてすぐ解放して、また遊び・・・また時々ひっくり返して・・・

を繰り返しながら慣れさせていくと良いです。

主導型コング遊びでも、リーダーウォークでも目的は同じですので、まずは出来ることから探って行って、それをメインにされれば良いです。


>帰宅時には、ハイタッチ、オスワリ、オテ・・・

↑帰宅後すぐは止めましょう。留守番時とのギャップが大きくなるので、犬にはストレスになります。

知らんぷりして帰宅したりお出かけして、ご自分の用事を済ませたりなど、少し時間を置いてから徐々に触れていくと、ギャップが穏やかにできてストレスを軽減できます。

また、お出かけや帰宅時に挨拶や接触が多いと、人の出入りに過敏になって、外飼いでは特に人や動物の気配ですぐにジタバタしたり、吠えたくなってしまいます。


>将来的に外飼いになった時・・

↑お話したように、寿命や吠えのしつけの難しさなどから、なるべく室内飼いにしていただきたいのは本音なのですが、様々ご事情もおありだと思います。

どうしても外飼いにしなければいけない場合は、なるべく早く出しましょう。

もう環境の準備は作っていただき、5か月くらいから少しずつそこで遊ばせながら慣れさせ、生後6か月にはもう外で寝かせましょう。季節的にもちょうど良いはずです。

それと、鎖やワイヤーでの直接の繋ぎ飼いは止めましょう。とてもストレスが強いです。ワイヤーが長ければ良いという問題ではなく、「外敵は侵入できる・でも自分は逃げられない」という状況がストレスになります・・・


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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