犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬のしつけで甘噛み・要求吠え・外でのリーダーウォーク

質問内容
堀川様。はじめまして、○○と申します。よろしくお願い致します。

私、外国在住で過去に2頭の子犬育てをした経験し、今回が3頭目です。甘噛み、要求吠え、外でのリーダーウォークなどに困っていたところで、犬のしつけ本を購入いたしました。

うちの子は生後66日目で家に来ました、ラブラドゥードル♂で去勢手術してあります。家に来てから4週間経ち、現在14週齢になりました。

夫と私の二人暮らしです。夫40代は出張が多く1ヶ月のうち一週間ほどしか家に居りませんでした。私40代とワンコのほとんど母子家庭状態で、しばらくはこの状態が続きそうです。

★クレートはリビングルームに隣接しているベランダ(外)に設置しています。最初使ってませんでしたが、一度トレーナーの方に来て頂き、クレートを使うよう指導されました。以後、外出するとき昼間や夜2~4時間程度留守にするときに使用していますが、夜寝るときはリビングルームの人が使っていないソファに寝ています。

私自身が犬を外で寝かせるのが可哀想だと思ってしまい、抵抗があるのです。クレートが大き過ぎるので中を半分ほどに区切って使っていますが、リビングルームに設置するのは難しく、もうひとつ小さなものを購入してリビングルームに設置した方が良いのか?と思ったり、やはり今使っているクレートを使用して外で寝かせた方が良いのでしょうか?

★リーダーウォークは最初だけトレーナーにやりかたを指導してもらいましたが、最初の2日は家の前の歩道をいい感じに歩けたのですが、3日目からグイグイ引っ張り出し、私の顔など一切見ないで興味は外にしかない感じです。人が歩いて来るとわきにおすわりをさせるのですが、近付いてくるとものすごい興奮状態であっちこっちに飛び跳ねて静止が出来ず、またその人も頭を撫でたり触ったりで余計に興奮してウレションまでします。

失礼のないようにナデナデ触ったりは断わったほうがいいのでしょうか?
来客にも毎回同じ感じで興奮して20分ほどすると落ち着きます。

今はまずは家の敷地内でリーダーウォークをしてから(問題なくできる)、家の前の歩道に出ますが、5メーター程を行ったり来たりだけしています。

あと10日ほどでワクチン接種も終わり、本格的に外に出られるのでストレスなく歩けるようにしたいのですが、どうしたらよいのでしょう? 「つけ」というのがどういう型でどうやって教えたらいいのかわからないです。

以前、大型犬にはマズルコントロールするジェントルリーダーを付けてました。引っ張らないでとても楽にお散歩できたので良かったのですが、これは使用しない方が良いのでしょうか?

★甘噛みは家に来たときから沢山してましたが、どんどんひどくなってきていました。無視してもしつこく噛んで来て、無視してると要求吠えもしてました。「口を押さえてシーと言ってから褒める」「仰向け」を始め、何回も何回も繰り返しています。やってからすぐに効果が現れ、私にはほとんど噛まなくなってきました。今のところ時々軽く噛んでは私を試してるようなところはまだあります。

★要求吠え
遊んで欲しいとき、私が食事の準備をしているとき(特に肉を扱ってるとき)
気がつかない振りをしていると突然大きな声でワン、ワン、、、本当にドキっとしてしまい嫌です。

★できること
・おすわり(95%)、・まて(家の中では80%外では20%くらい)、・名前を呼んで呼び戻し(90%.外ではわからない)
コング投げ(ヒモは付けていないです。つけた方がよいですか? 投げてやると持って来て、オフというと私の足元に落とします)

最初の一週間ほどおやつをあげてましたが、いまは骨やガム以外はあげてません。
甘噛みが減っただけでも気持ち的に楽になりました。そして、普段は子犬とは思えないほど落ち着いています。ありがとうございます。ご指導よろしくお願いします。


返答内容
まず知っていただきたいのは、今のラブドゥ君の月齢からしたら、現状は十分すぎるくらい良い状況だということです。

>「★できること」「甘噛みが減った」「私にはほとんど噛まなくなって」・・

を見ただけでも、今回のラブドゥ君が、とても頭が良く素性の良い子だということが分かります。また、本書を正しく実践して頑張っていただいた結果でもあります。

正直申し上げまして、今の子犬の段階でこれ以上は望めません。これ以上無理しても逆効果になってしまいます。

正しくやっていただいておりますので、心配しないでこの調子で続けていただければ大丈夫です。

ただし、これから変化がとても多くなっていきます。反抗期も来ます。これから成犬としての権勢本能・自我・独立心・相手を見抜く視点の鋭さ・知能が上がってズル賢くなる、など、10か月くらいまではとても不安定です。1歳までは大変だと思われてください。

あせらず急がず期待せず、やるべき事を淡々と続けて、子犬の成長を待ってあげないといけない時期です。

ではご質問の件です。

>リビングルームに設置するのは難しく・・

↑一番良いのは、なんとか工夫していただいて、家の中に今のハウスを置くことです。

小さいハウスを買っても、子犬が成長すれば使えなくなります。その時点で外に出すのもギャップがあって適応が難しいわけですが、根本的に昼と夜の居場所を変えることが良くありません。

犬の居場所は、一か所に決めて固定してあげてください。

室内と決めたらずっと室内、将来外に出すと決めたら、子犬の内は室内で育て精神的にも距離を置く、そして成長して外に出したら、もう家の中には一切入れないことです。

犬には、人間側の事情や文明を理解する知能はありません。矛盾やギャップを感じて、イライラしたりパニックになるだけです。

一番良いのは、室内に本書のような安心快適な4点セットの環境で固定することです。

>今使っているクレートを使用して外で寝かせた方が良いのでしょうか?・・

↑ですので、これは一番悪いパターンになります。日中家の中に居て・寝るのは外というのは、肉体的にも精神的にも一番キツイです。


リーダーウォークはまだ本格的にしないでください。知能も低すぎますし、骨格がまだしっかりしていませんので、今はマネ事程度・室内で散歩の練習程度にしましょう。4か月過ぎたら少しずつ強化していきましょう。

室内で団らんで過ごす時や主導型コング遊びの際には、リードをご自分の腰に一周縛ってそこに犬を付けておくと良いです。あるいはリードを持っておくことです。犬にリードを付けている時はコングはヒモ無しで良いです。

そうやって過ごすことで、自然と犬の行動を主導する形になりますので、リーダーウォークの要素が優しく入ることになります。

関係作りや呼び戻しが完璧になればそこまでされなくても良いですが、リーダーウォークの導入期間や関係作りが出来るまではそういう癖を付けておくと良いです。


>ナデナデ触ったりは断わったほうがいいのでしょうか?・・

↑スワレ・マテもしくはマテだけさせて、そこで触ってもらいましょう。まず犬の首輪を両手でガッチリつかんで、犬におんぶするような体勢で犬を抱え込んで動きを固定します。

犬を抱え込んだ時に、犬の腰付近に少し体重をくわえながらスワレの指示でスワレをさせます。犬が踏ん張って座らないようなら無理はさせず、そのままマテで動きを固定して、そこで相手の方に褒めてもらってください。

スワレかマテが出来るまでは少し待ってもらってください。出来たら褒めてもらう。それを繰り返すことで、犬も「良い子にしてれば遊んでもらえる」「良い子にしないと遊んでもらえない」ということを学習していきます。

いろんなタイプの人に会い、スキンシップをとってもらうことはとても大切です。幼少期にそういう経験ができないと、特定のタイプの人を怖がったりする犬になってしまいます。

ただし、無条件でチヤホヤしてもらうとそれが当たり前の基準値になってしまって、人を見るたびに引っ張り・飛びつきや「かまってくれ」の要求吠えの原因になります。

それと、急に外で興奮する条件でやっても難しいですので、まずは家の中でそれを何度も練習して体に覚えさせておくことです。


>ストレスなく歩けるようにしたいのですがどうしたらよいのでしょう? ・・
>「つけ」というのがどういう型でどうやって教えたらいいのかわからない・・

↑まず、この月齢で「キレイに歩く」ということは絶対に求めてはいけません。子犬にも限界があります。もちろん練習はしていただきたいですが、絶対に期待したり無理をして結果を出そうとしてはいけません。

前述しましたように、まだ犬の知能が低すぎるのと骨格がしっかりしていませんので、無理してはいけません。4か月過ぎたら少しずつ強化していき、6か月くらいからビシビシやって、10か月くらいで「完璧」というくらいのスパンで見た方が良いです。


ツケですが、シンプルに形を作ってください。犬の首輪をつかんでご自分の左わき(右わきでも良いが一貫する。どちらか決める)に犬をくっ付けて、その型とともに「ツケ」の音を出しながら、ご自分の太ももをポンポンたたくジェスチャーを見せながら、犬をポンポンして褒めてください。

そうしたら、一歩先に進んで、また「ツケ」の音を出しながらご自分の太ももをポンポン叩いて、犬の首輪をつかんで引き寄せて褒めてください。

ほんの一歩だけですので(半歩でも良い)、犬を無理に引っ張ることにはなりません。また、コング遊びの時にコングを転がす前に、スワレをさせるわけですが、その前にツケをさせても良いです。

無理に犬だけを引っ張らないで、ご自分も少し犬に寄っていっても良いです。

一歩進んで寄せて褒める、また一歩進んで寄せて褒める・・・を何度も何度も反復で繰り返してください。自然と身に付いていきます。

ですが、お話しましたように、今の子犬の月齢では限界があります。今はアレコレ教え過ぎないように配慮もしてあげてください。


>ジェントルリーダーは使用しない方が良いのでしょうか?・・

↑例えば大型犬の成犬で、「危険なので今すぐ何とかしないと」という状況でしたら、一時的には良いのですが、実際にすぐ慣れて効かなくなる犬も多いですし(私の犬も昔効かなくなりました)、怖いのは、そういう物の効果で表面的に調教してしまうと犬との本当の関係が見えなくなってしまうことです。

これが一番怖いことです。おすすめはしません。オヤツで釣るのも同様です。

引っ張りはこれからもっと大変になります。好奇心も旺盛ですし、身体が充実して体力もあり余ってきます。

まずは、お話してきた関係作りとツケとリーダーウォークの練習、経験による慣れ、そして発散です。犬と散歩に出かける前に、主導型コング遊びをして、心地良い疲れと発散を与えてから、その流れで出かけると良いです。主従関係の意識も残っています。


>突然大きな声でワン、ワン・・

↑「早く食べさせろ!」という要求吠えです。すぐに現行犯で、「シ!」の注意音と同時に、口閉じ・あお向け・首輪をガツンと引き上げる・リーダーウォーク(4か月すぎたら)のどれかで注意です。「叱る」という意識よりは、主従関係を示す意識です。甘くしてしまうと誤解しますので、厳しい態度で毅然と示してください。

来客や、火を扱っていて忙しくて手が離せない時は、ハウスに毛布などの厚手の布を掛けて暗く目隠ししてください。落ち着く犬が多いです。


さて、最初にお話しましたように今の子犬の月齢としては、出来すぎでとても良い状況です。あまり求め過ぎると悪循環になりますので、それだけご注意いただいて、また頑張って続けてください(^-^)

飼い主さんからのお返事.png
堀川様お忙しい中、早速のお返事ありがとうございます。わが家の犬は「現状では十分過ぎるくらい良い状況、これ以上無理しても逆効果」とのこと安心しました。

自分自身うまく行ってるのか?これでいいのか?とわからなくなっていました。

我が家に迎えたときから、以前の子犬たちとは行動が少し違っていて、わたしの様子をじっと観察しては、何種類か与えていたオヤツから好きなのを貰おうとしたり、甘噛みや要求吠えで遊んでもらえるかとか悪知恵が働いて来ていた様子だったので、今後どんどん体が大きくなっていくことも考えると、いままでの私の子犬育ての意識では犬にコントロールされてしまうと不安で焦っていました。

おそらく以前の子達は主人がボスになっていたのだと思います。今回は私がしっかりしないといけないということは頭ではわかっていたのですが、どうしたら良いのかわかりませんでした。

いろいろな犬のしつけ本がある中、過去の2頭はオヤツでしつける方法でしたが疑問を持っていましたし、かといってチョークや体罰は最低だと考えていた中、堀川さんのしつけ方法は納得いくものでした。また家に来てもらったトレーナーもほぼ堀川さんと同じ考え方、やり方でしたので良かったです。

ハウスの設置場所については、明日主人が出張から戻るので相談してどちらかに決めたいと思います。犬は我が家にくるまでは田舎で生まれ育ったせいか、外が大好きな様子で初日も自らベランダに設置してあるハウスに入って一晩過ごしていましたので、外飼の方が犬自身はハッピーなのかもしれません。

今後も本を読み返しながら、今やってることを欲張り過ぎないように根気良く続けて、信頼関係、主従関係を作って行きたいと思います。毅然とした態度というのが私には難しいのですが、これもお互いのためだということもわかりました。

親身にご指導いただき、すでに事例に書かれてあることまで重複してご相談してしまいましたのに、丁寧なご回答ありがとうございました。


返答内容
気候の良い地域では、ブリーダーも外の犬舎で育てている場合があります。ラブドゥ君も外の方に慣れていたのかもしれませんね。

雨も雪も多くはなく、日本よりも寒暖の差が激しくなければ、外飼いで良いと思います。また、都心部でなければ、車や人の往来も激しくないですし、隣りの家とも間隔が大きいので問題ないでしょう。

ただし、甘やかしのチヤホヤで育てて主従関係が逆転してしまうと、犬が外に居る時に「中に入れろ!かまってくれ!」と要求吠えするようになってしまいます。それだけお気を付けください。

まだまだ成長期は長いですので、これからガマンの時期も続きますが、お互いの将来のためです。間違った接し方は、お互いが不幸になります。それを知るだけでも、意識が自然と変わっていきます。

本書とQ&Aサイトを定期的にご覧になってください。それだけでも意識が変わっていきます。自然と行動や態度しぐさが変わっていきます。それだけでも全然結果が違ってきます・・・


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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