犬のしつけがQ&Aで分かる!

子供に飛び付き噛み付く5か月の犬のしつけ

質問内容はじめまして。犬が特に、娘の足をかむ、飛びつくことに困っています。

・犬種:チワワとヨークシャのmix犬で、5か月のオスです。〇月〇日にペットショップから購入したので、同居は4ヶ月くらいです。

私と、娘が犬が大好きでずっと飼いたかったので家族になりました。私は実家で、以前、チワワとヨークシャ(二匹ともメス)を飼っていました。

・家族構成:夫婦と娘。父は、朝と晩、土日の休日に一緒にいます。母は、ほぼ毎日いましたが今月から週に3,4日パート勤務の為、朝から昼過ぎまで留守。娘は、朝と学校から帰宅してから一緒にいます。

①過去の犬とのスキンシップは、暇なときに声をかけて遊ぶ。膝に座ってきたらなぜる。泣いたら相手をする。

②過去の犬との遊びは、人間が遊びたい時、おもちゃを犬が持っていたとき。キュンキュン泣いた時。

③過去の犬のしつけ方は、吠えた時、噛んだときにマズルコントロール。大きな声で起こる、つねる、たたく。トイレが出来たら、めちゃくちゃなぜて褒める。

犬が膝に座ってきたらなぜる。娘が遊びたいときに抱っこ。目があったら、声をかける。抱っこ、なぜる。

⑤犬の散歩は、母が行けるときに朝30分だったり夕方30分だったり。日によって違う。

⑥一日のスケジュール:
6時45分起床(母の目覚めとともに起きる)朝ごはん
10時散歩
12時ご飯
18時ご飯
22時過ぎ就寝
残りの時間は、遊んだり、寝ています。

ハウスは、ゲージの中にトイレ。水飲み(ゲージにつけるタイプのもの)。リビングの半分を仕切り留守番(以前ゲージに入れていたら無駄吠え(要求吠え)がひどく出したら泣きやんだため)。そこに、おもちゃとタオル、布団、キャリー。

寝る時も、ゲージでは吠えるようになったので、キャリーに入れて同じ部屋に寝ています。

仰向け固めをしてみたのですが、一日目はおとなしくされていたのが二日目から仰向けにすると全力で抵抗し、仰向けにならず唸る、噛むようになりました。

リーダーウォークも実践して、前に出る事は少なくなりましたが信号で止まると急にほえたりします。方向転換をしても抵抗して伏せの態勢に入り動こうとしません。

犬がかわいくて仕方ないですが、娘に対して特に甘噛み、飛びつきがひどいです。娘も「やめて、いやだ」と言っていますが全く聞きません。

娘も一緒に犬のしつけをしようと頑張っているのですが。娘は自分がやりたい子なので、、、、

乱文で分かりずらいかと思いますが、アドバイスよろしくお願いします。

 

返答内容

まず、絶対にあせってはいけません。今回のMIX君は、①親兄弟からの引き離しが早すぎた②反抗期がはじまった③家族の犬のしつけ方の間違い④経験と知能の不足・・の4つの結果で、現状になっています。

もう①は過ぎたことですが、これからの犬のしつけにも知識として役立ちますので知っておいてください。

MIX君の素性は良い子なのです。権勢本能が強い子は、家族にも威嚇的に唸ったり本気で噛みます。

甘噛みや要求吠えは、基本は甘えと世間知らずの結果ですので、これは教えて関係作りをしていけば大丈夫です。

これからしばらく、数か月は難しい時期が続きますので、絶対にあせらないで長期目線で育てていかないといけません。

まず①です。誕生日と購入日からして、MIX君は1か月ちょっとで親兄弟から引き離されているはずです。犬は売られるだいぶ前から引き離され、中継業者で待機することが多いです。

本来なら、親犬がそろそろ本格的に子犬の躾けを始めたかどうか・・という時期です。

子犬は何でも噛み付きます。特に動く親兄弟に反応して、飛び付き噛み付いてきます。それを親犬が淡々と噛んで返したり、仰向けにして唸ったりして叱ります。兄弟ゲンカでも、噛まれて痛い思いもしながら学んでいくのです。

でも、それが学べず人間家族のもとに来てしまいました。

しかし人間は、とにかく子犬が可愛いので猫なで声でナデナデ・・甘噛みも一貫して叱れない・・これによって子犬は段々勘違いをするようになり、エスカレートして手におえなくなり、最後は怒声で怒ったり体罰をしてしまい、悪循環・・

ということになってしまいます。親犬は、もう子犬が1か月も過ぎればチヤホヤの甘やかしなどしません。

そして今は反抗期に入りました。これから歯の抜け変わりや身体が急成長しますが、ホルモンバランスの変化が激しくなるので、それだけでもイライラします。

そこに本能や感覚の鋭さが重なってきます。犬本来の権勢本能・警戒心が出てきます。独立心や自我も出てきます。

(7か月過ぎるとさらに知能が高くなり相手を鋭く見抜いたり試したりします)

そんなことが重なり、今は一番難しい時期なのです。10か月くらいまでは変化が大きく、苦労すると思っていてください。それを知っているのと知らないのとでは全然受け止め方が変わってきます。

しばらくは、MIX君を長い目で見てあげないといけません。

そして、MIX君を勘違いさせてしまった最大の要因は、皆さんの接し方です。

>膝に座ってきたらなぜる。泣いたら相手をする・・
>目があったら、声をかける。抱っこ、なぜる・・

↑犬任せで従属的な接し方でした。

下位の犬は、上位やリーダーにすり寄ってナメナメ挨拶します。それと同じことをしてしまっています。

そして、犬どうしては体位が関係性を示します。相手の体の上に乗ることは優位性を示し確認する行動なのです。飛びつきやマウンティングも同じことです。

ですので、人間の体の上に犬を乗せてはいけません。

スキンシップは、股の間に入れたり隣に寄り添わせるだけでも十分できるわけです。

褒める時は、猫なで声でナデナデではなく、良い型を作ってあげてそこに指示音ジェスチャーを関連付けながら、ポンポンして褒めてください。

噛み癖が残っている間は、頭や背中は止めて、目線よりも低い位置の肩付近をポンポンしましょう。

大げさではなく、リーダーらしく堂々と静かにハッキリと褒めてください。

そうやって関係を誤解させてしまった上に、怒声で怒ったり体罰をするから悪循環になります。

犬は怒られることと、自分の間違いを結び付けて反省する知能はありません。

嫌悪刺激を避けるためにその場は大人しくしているだけであって、意味は理解出来ていませんし、防衛本能が過敏になって余計に威嚇性や攻撃性が強くなってしまいます。

叱って止めさせる・・という感覚よりも、主従関係を示すことと、「悪い型を止めて良い型を作り指示音ジェスチャーで褒める」ということまでをセットにしてください。

甘やかし、従属的な態度、怒る、体罰・・・これらをまず止めてください。

仰向けですが、しばらくは無理しなくて良いです。

まずやっていただきたいのは、犬をケージから出す時にリードを付けて持つ癖にしてください。

飛びつきや暴走も防げますし、犬の行動全体を自然と主導することになりますので、関係作りに良いのです。噛まれたら、すぐリーダーウォークに移行することもできます。

その状態で、団らんや主導型のコング遊びをしていきましょう。

それをしばらく続けて、少し変化が出てきたら、その遊びの中で一瞬ひっくり返してみる・・すぐ解放して遊び・・リーダーウォーク・・遊び・・また一瞬ひっくり返してみる・・

というような繰り返しで慣らしてあげてください。

犬のしつけは、表面上のテクニックだけ上塗りして「すぐ完成」ということはありえません。

何気ない接し方や、しぐさ態度がすべて関わっているのです。全部つながっているのです。それを忘れてはいけません。


次に、散歩時の吠えですが、最初にお話したように本能の感覚が鋭く出てくる時期です。

ただ、まだ知能が低いのと経験不足なので、思わず吠えて反応することが多くなっていきます。まだこれから反応は強くなります。

そして、7か月過ぎていくと知能が高くなるので、経験していく中で「怖くない・吠えなくてもいい」ということを学んでいきます。これは、7か月過ぎたら吠えは消える・・という意味ではなく、経験を積ませて同時に教えないと変わりません。

散歩を避けないで、外で過ごす時間を増やして慣れさせ、吠えたら「シ!」でリードをチョンと引き上げて注意する・・・ということを根気良く一貫して続けないといけません。

もちろん、これも主従関係があってはじめて、教えを犬が聞きたくなるわけです。


では、まとめですが今後しばらくやることは、「甘やかし、従属的な態度、怒る、体罰、をまず止めて、主導型の遊びで関係作りをする(時々リーダーウォークと仰向けを混ぜる)」これを続けてください。

方法は本書・Q&Aサイトをおさらいしてください。何度も何度も熟読してください。

では今日は以上ですが、MIX君は反抗期に入りましたので不安定な時期が続きます。期待しすぎないで大きな気持ちで続けることです。

そして、ちょうどお嬢さんもこれから「七つ八つの憎まれ盛り」ですね(笑)・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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