犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬のしつけで何から始めればいいかもわからなくなってしまった

質問内容
ポメラニアンのメスで現在3か月、2か月の時に家に来ました。家族は4人家族。主人と娘2人。同じ敷地内の隣の母屋に主人の母が住んでいます。

同居時間:私は1日一緒に過ごしています。主人と娘は帰宅後夕方5時頃から。主人の母は、母屋に連れて行った時だけ。1日1時間くらい。

①森田式では仔犬はスキンシップが重要で時間があればひざに乗せて撫でてやるようにとのことで、私が自宅でリラックスタイムでテレビを見たりしている時はよく膝の上で撫でていました。

②遊びは、森田式を始める前は、ひものついている布製でピーピーなるおもちゃを投げて追いかけさせたり、ひっぱりっこをしたりしていましたが、森田式では、このような遊びは否定されたので、やめてしまいました。

最近は姑のいる母屋の広い座敷でひもをひっぱって走り回るのが一番喜ぶ遊びですが、すぐに興奮して甘噛みを始めます。叱ると唸ります。1日2回母屋に行って30分くらい走っては怒られ・・・の繰り返しでした。

③しつけは母屋での遊びの中で、噛んだり唸ったりしたらリードを刺激して叱り、止めたら「よーしよし」で撫ぜるを続けていました。褒めることは、森田式では犬は調子に乗ってしまうから「よーしよし」で受け止めて褒めないとなっていたので、いつも「よーしよし」でした。

それ以外はとにかく信頼関係と主従関係を作ることが一番大切だから・・・ということでそれ以外は先には進んでいない状況でした。

④おやつはほとんどあげた事がありません。犬用ボーロを2回程試しにあげてみましたが、さほど喜んでいるように見えなかったので、それ以来あげていません。だっこやナデナデは、時間があればひざの上で抱っこしてナデナデしながら「よーしよし」とやっていました。

⑤散歩はまだワクチンが終わっていないので、2回目のワクチン(6/18)が終わってから、抱いて近所や庭を歩いています。時には庭の芝生に降ろしたりもしましたが、芝生を食べてしまいました。

自宅前にちょっと広い倉庫があるので、そこで降ろしてみたら今度は砂利を口に入れてしまいました。初めのころはあまり暑くない時間を選んで、1日1回短い距離から始めて、最近は1日1回か2回近所をゆっくり20分ほど歩いています。(お天気の良い日だけ)

⑥決まったスケジュールは1日3回の食事。7時半頃、1時頃、19時半頃、それ以外は私の都合で遊んだり散歩に行ったり、ひざの上でナデナデ・・・で過ごしていました。

自宅は1階が6畳と4畳半の部屋とキッチンがあり、6畳間と4畳半はふすまで仕切られています。あとトイレと洗面所とお風呂もあります。家族は6畳間をリビングとしてテーブルと椅子を置いて生活しています。とても狭いです。

犬は隣りの4畳半にケージを置いています。その部屋は私の寝室でベッドと鏡台と小さな本棚があります。私のベッドは高さが50センチほどあり、下の部分を収納に使用しており、犬が入らないようにカーテンをつけています。(気を付けていないとすぐに入ってしまいます)

鏡台や本棚の前には葭簀がかけてあります(コンセントなどを隠す意味のあります)でも葭簀を噛んでそのかすをすぐに食べてしまうので、遊ぶのはもっぱら母屋であとはひざの上でよーしよしでナ デナデで過ごしていました。。

ケージのサイズは60×45で半分がトイレのスペースで残りのスペースにベッドが入れてあります。ペットショップさんの勧めで将来トイレトレーニングが出来たら、トイレを外に出してあげればいいですと言われています。犬はトイレの上で寝たり、今は暑いのでベッドを自分で動かして隙間で寝たりしています。

ウチに来た当初は寝る時はタオルシーツでケージを覆って寝かせていましたが、明け方にウンチをしてそれを食べてしまうので、前の部分を開けておいて気が付いたら取るようにしていましたら、自分が熟睡できなくなってしまいました。

また犬もおそらく熟睡していないようでした。私は少し体に障害があるため寝返りは自然にすることができず、目を覚ましてゆっくりと体を返すため、犬はそのたびに起きてこっちを見ています。(そんな気がするだけかも・・・)ゆっくりと眠れる囲まれたハウスのスペースは作ってありません。

問題の内容

一番の問題は犬にはなく、私自身の不安が問題であると思っています。仔犬を迎えてから約1か月半ほど経ちます。しつけは大事だと考え、森田誠さんのしつけ法マニュアルを使っていました。ウチに迎えてから2週間過ぎぐらいからです。

まず主従関係をつけることが大切ということで、厳しくしてしまいました。うまくいかないのでマニュアルを何度も読み、信頼関係が出来ていないとの事で「受け止め」そするようにとのことで、遊びより「よーしよし」ばっかりになっていきました。

最近になりストレス行動でしょうか?ケージの中でしっぽを追いかけてくるくると回ったり、手足をしょっちゅう舐めていたり、時には後ろ足を噛んでいたりする姿を見かけ、自分のやっていることに不安を覚えました。

それからよけいに仔犬のことが気になって気になって仕方がなくなってしまいました。このような心理状態では、仔犬にも自分にもどんどんストレスが溜まっています。仔犬のしつけが時間がかかり、まだ1か月しか経っていないから焦らずに・・・とは思うのですが。

森田式では犬にはダメだ・・・と思うようになって考えてみると、犬はよく吠えるわけでもなく、留守番もできるし、すごくいい子です。私がストレスを与えてしまったのだと思います。狭いケージの中をくるくる回ったり、足をなめたり噛んだりしている姿を見て、本当に申し訳なく思います。これからどう立て直していったらいいか悩んでしまい、サポートをお願いしたいと思います。

あお向け固めとリーダーウォークを試してしてみました。森田式でもあお向けにする事は何度もやっていました。なので、あお向けにはなります。やはりしつこく噛んできます。叱って止めると横を向いて目をそらせています。

犬はケージの中にいる時はしょっちゅう「外へ出して!」とお願いするような目で家族の目を見ますが、あお向けにした時はいつも目をそらしてそっぽを向いています。そっぽを向いたときは体の力は抜けていますがこれでいいのでしょうか?

森田式では「信頼されていない」と説明されていました。昨日ペットショップに行く機会があったので店員さんに聞いたら「飼い主に対して自分は敵意がないという態度です」と言われてまた混乱してしまいました。

リーダーウォークは歩くというよりも足元をぴょんぴょん跳ねてすごい勢いで走り出してリードが伸びてひっくりかえってしまう感じで歩くというには程遠い状態でした。

餌の時に「マテ」を練習することについてもお聞きします。ケージ内に餌を入れると犬は、餌を確認し、食べずに私の私のほうをむいて座っています。「マテ」ではなく「食べなさい」と言ってしまいますが、食べることはなく、私が部屋から出たら食べ始まるようです。量もかなり少な目です。獣医さんには体重に問題ないと言われています。

ものすごい長文になってしまいました。昨日お話したペットショップの店員さんにも「まだ1か月ですからまだまだこれから充分に取り戻せます。おおらかに接して下さい。」と言われました。自分がちょっとノイローゼになっているように感じています。でも何から始めればいいかもわからなくなってしまっています。どうか助けてください。よろしくお願いします。


返答内容まず、焦りすぎておられます。ご決済いただいた際に自動返信メールが届いていてお読みになられたかもしれませんが↓

http://osiete-wanwan.com/○○○.html

↑この子犬解説を熟読されてください。今は「結果が出るわけがない時期」なんです。今の月齢では、あまりに知能が低すぎて経験が何もない小さな猛獣状態なんです。

まだまだしばらくそれは続きます。5か月くらいでは反抗期もやってきます。7か月くらいからズル賢くもなってきます。

人間で言う20歳は、犬では2歳くらいですので、いかに今の月齢が幼すぎるか分かります。少なくとも1歳くらいまでは、成長期の変化も激しいですので、結果は求めずやるべき事を淡々と続ける・・それ以外何も考えなくて良いのです。

それと、一点確認ですが、犬のしつけ手法や考え方は、「ある特定の人の内容が良い」と思われたら、もうその人の方法を愚直にやり続け、その他の人の手法は一切忘れることです。

飼い主さんの中には、いろんな人の手法の好きな部分だけをつまみ食いされる方がいらっしゃいますが、それは一番良くありません。

さて、犬のしつけのお話に戻りますが、まずは親兄弟と過ごす期間が短く、初期の社会化を果たす前に人間家族のもとにやってきましたので噛み癖が残っていることは当たり前と思ってください。

興奮しやすい・何でも口の中に入れる・相手を見境なくじゃれて噛みつく・・・。人間の幼子も同じです。今はダメな事を淡々と一貫して教え続け、成長を待たなければいけない時期です。

今は求める時期ではなく、与える時期(教える時期)です。

では、気になった所を一点ずつ見ていきましょう。

>森田式では仔犬はスキンシップが重要で時間があればひざに乗せて撫でてやるように・・

↑これはおすすめできません。もちろんスキンシップは大事ですが、ナデナデしないとスキンシップ出来ないわけではありませんし、親犬はもうこの時期になればそんなことはしません。

もう3か月ともなれば、親犬も厳しくしつけしていきます。大抵の子犬は噛んできますので、噛んで返したり、あお向けで唸って叱ります。兄弟ゲンカでも、相手を噛んで怒られて噛み返されて痛い思いもしながら、何度も何度もそういう経験を繰り返して学んでいきます。

下位の犬は、上位やリーダーに対し、自らすりよってナメナメして挨拶します。つまり、人間が犬にすり寄って意味の無い声掛けナデナデをすることは、従属的な挨拶を自らしてしまっているということです。

野生の群れでは、リーダーの子犬は、子犬のうちから周囲の成犬にチヤホヤされて特別扱いで育ちますので、それを受けて自分の優位性を感じていくのです。それと同じことをしてはいけません。

抱っこも犬を誤解させます。優位性を感じている・・あるいは支配欲を持っている犬は自然と相手の体の上に乗ろうとします。飛びつきやマウンティングもそうです。

人間どうしても、自分が相手に優位性を感じていると、相手に上から肩を組みますね。これも同じ感覚です。

体位が関係性を示すのです。

ではどうスキンシップをとれば良いか・・ですが、膝に乗せなくても股の間に入れても良いですし、わきにピッタリ寄り添わせれば良いです。ワクチン前の散歩も、要らなくなったバッグにでも入れて移動し、安全な場所で下ろせば良いです。

物事は練習や段階も必要ですので、首輪とリードを付けて自分の足で地に立たせてください。ワクチン前でも、他の動物や糞尿に接しなければ大丈夫です。

いつまでも抱っこでは、関係も誤解しますし、自分の足で歩くことをおっくうがるようになってしまいます。

スキンシップですが、ナデナデでなくてもできるわけです。そして主導性も持たせることができるわけです。今はまだ指示で何もできませんので、例えばオテでもスワレでも何でも良いので、こちらからその型を作ってあげて、そこに指示音ジェスチャーを関連付けながらポンポン褒めてあげる・・何度も何度も繰り返す・・

こういう接し方なら、スキンシップも出来ますし、物事も覚えますし、主従関係も保てるわけです。

いつでもどこでも「主導性と毅然さ」、これを忘れないでください。

プロトレーナーは犬のしつけが商売ですので、即効性を求めます。ナデナデやオヤツで飴を与え、片やスプレーやチョークチェーンでガツガツのムチ・・この強弱を大きくしないと即効性がないので商売にならないのです。

ですが、一般の飼い主さんは商売でもなければ、相手は自分の愛犬です。熟練度もなく、使い分けも上手くできないです。メンタルやマインドが全く違う人の手法を使っても上手くいくわけはないのです。

時間をかけて、根本からジックリと積み上げないといけないのです。

>ひっぱりっこをしたりしていましたが・・

↑これは私もおすすめしません。対面しての力比べですので、対抗心が強くなり、人の服を噛んで引っ張る癖や動く人を見るたびに興奮する癖が付きやすいです。

しかし、遊びは必要です。運動・スキンシップ・本能のはけ口は必要です。そして、呼び戻しを教えたり主従関係も作れますので、主導型のコング遊びをおすすめしています。

今はヒモ無しで、犬にリードを付けてコング遊びをすれば、お散歩デビューの準備にもなります。また、リーダーウォークの導入練習にもなります。

そしてそれは、普段の生活にも同じことが言えますので、ケージから出す際はリードを付けて持つ癖にすると良いです。上記の効果の他に、トイレにも誘導しやすいですし、暴走や誤飲事故も阻止できます。さらに行動全体を自然に主導することになるので、関係作りにも良いのです。

>今は暑いのでベッドを自分で動かして・・

↑室内犬にベッドは要らないです。真冬でも人の住む家の中は、犬にとっては暖かいです。犬は人間よりも皮下脂肪が多く、毛皮をすでに着ているわけですので(笑い)。

それよりも、巣穴感覚で安心できるクレート型ハウスの方をおすすめします。本書でお話した4点セットが良いです。

>犬はそのたびに起きてこっちを見ています・・

↑はい、見ています。犬は人間とは睡眠形態が違います。昼夜関係なく、細かい浅い睡眠を断続的に繰り返して、時々深い眠りをします。

ですので、昼も寝ますし夜中も起きて一人遊びしたりします。物音や臭いには直ぐ起きて反応する能力がなければ、自然淘汰で生き残ってこれませんでした。ですので、犬は眠い時にはいつでもどこでも寝ますので、気にしないで人間中心の生活を送ってください。

>ケージの中をくるくる回ったり、足をなめたり噛んだり・・

↑特に成長期であったり、甘やかしから躾が始まった時期には必ずあります。人間の子供も、自分の思い通りにならずイライラすると、自分の指の爪を噛みますね。同じことです。これから反発もありますが、自然なことです。

ですが、激変しないで、段階を作ってあげながらやるべき事を少しずつ淡々と続けるのみです。

>そっぽを向いたときは体の力は抜けていますがこれでいいのでしょうか?・・

↑今はこれで良いのです。まだ知能も低すぎ・経験も何もないですので、犬は何をすれば良いのかも分かっていないのです。だからまだ求めてはいけないのです。何をすればいいのか、形を作って教えてあげて定着するまで根気よく続けないといけません。

型を作ってあげて指示音ジェスチャーでポンポン褒めて、教えてあげれば良いだけです。そして結果をすぐ求めないことです。

>リーダーウォークは歩くというよりも足元をぴょんぴょん・・

↑前述の通り慣れさせてください。

>私が部屋から出たら食べ始まるよう・・

↑ヨシと言って部屋を出てあげれば良いです。食べ始めたらまた部屋に戻って(ヨシを言いながら)、姿を少しずつ見せながら慣れさせていけば良いです。慣れれば気にしなくなります。

生き物ですから、病気でもなければお腹がすけばちゃんと食べます。心配ないです。ナデナデして手で直接食べさせたりトッピングやオヤツで釣るような事はしないでください。

>でも何から始めればいいかも・・

↑何も期待しない事です(笑い)。いえいえ冗談ではなく、まじめなお話です。少なくとも1歳までは幼すぎて期待してはいけないのです。

普段の何気ない態度しぐさ接し方から見直しましょう。このメール・本書・Q&Aサイトを熟読して、頭の中を整理されてください。

ケージから出すときはリードを付けて持つ癖にする・スキンシップは主導型のコング遊びと動作の教えで褒める癖にする。いつでもどこでも主導性と毅然さを意識する。これがあれば自然に正しい接し方になっていきます。その自然さが大事なんです。

「よーしよし」でナデナデ、チョークチェーンでガツガツ・・というふうな表面的な手法の上塗りでは何も意味がありません。

もう1歳までは期待しないで大きな気持ちでのぞむこと、主導性と毅然さの意識改革・・ここからスタートです・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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