犬のしつけがQ&Aで分かる!

堀川春広の犬のしつけ本「犬と家族の絆」の感想と質問

質問内容
こんにちは。「犬と家族の絆」読ませていただきました。感想はこれなら納得。頑張ろうと思います。

過去に一度体罰式の犬のしつけを試しましたが、ほんとにこれで良いのかとの疑問に加え、余計反抗がひどくなった様に思え断念しました。

再び犬のしつけを決心したのは、こちらは犬との信頼関係が得られる方法だと思いましたし、来年からフルタイムでの仕事を依頼されたのですが、犬がいるから留守番は可愛そうだからお断りすると、看板犬として連れて来ても良いとの事。だったら躾、がんばらないと。と思い立った訳です。

いざ、始めようと思うと迷う事がいくつか出てきましたので、質問させて頂きます。

・問題の内容

家の周りで人の気配がしたり、玄関チャイムがなると、吠え出し帰るまで吠え続ける。

何か落とした音がすると、何処に居ても走ってきて銜えようとし、銜えてしまった物を取り返そうとすると噛み付く。

主人と息子に対し、(私と娘には平気)靴下を履いていると吠えて、いつまでも脱がないと靴下を噛む。

散歩中、すれ違う犬や人に吠える。(すべての犬、人ではない。吠えない犬、人もいる。)

家族の食事中、ピョンピヨン飛び跳ね食事を取ろうとする。与えないと自分の食事を待って、待ちきれず胃液を吐く。(獣医に診察してもらい、そのような診断でした。)

シャンプー後、ドライヤーで乾かす時、噛み付く。トリミングや病院では震える。(診察室に入るまでは他の犬に吠える。)


リードウォークから始めようと思っていますが、今まで自由にさせていた為、マーキングをしようとしますが、それを引っ張るのですか?

「犬と家族の絆」に書かれていましたが、サークルの中で過ごさせるのは慣らしながらで良いのですか?
自分がリーダーだと思っているから放しておいてその場所を守るのですよね?
立場逆転しはじめると、放しておくと不安になるのですか?

(1歳までは夜寝る時と、家族の外出時はサークル。入るのを嫌がるようになった為今は、自由です。)

・愛犬の犬種、年齢、性別、他にも愛犬の有無
トイプードル・3歳・オス・1頭のみ

・家族全員の年齢、性別、一日の愛犬との同居時間
主人44歳 私44歳 娘19歳 息子17歳

①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
可愛くて、顔を見る度、なでたり抱っこしたり「いいこねー」と。

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
リビングにいつも居るので、くつろぎに部屋へ行くとおもちゃを持ってくる。その時に遊んでいます。

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
犬のトイレが成功した時「いいこね。」 噛んではいけない物を噛んだ時「ダメ。」 噛み付かれると、叩く事もある。

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
はい。私が座るとすぐに膝に乗るので、「可愛い子ねー。」と降りるまでなでています。なでる手をとめると、前足でチョンチョンと催促。 おやつはお留守番の時やシャンプーの後、家族のおやつの時間に。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
30分位、自由に。時間は決めていません。引っ張られながら歩いています。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
起床後、朝食の準備を終え、家族の食事後に犬にごはんをあたえる。

仕事に出かける時は、リビングにいる様子。お昼過ぎに帰宅。昼食後、犬にごはんをあたえる。
家事を済ませ、犬のいるリビングへ。ナデナデしてスキンシップ。おもちゃを持ってくるので遊ぶ。

頃合いをみて、散歩へ。(寝ている時でないと散歩に連れて行きたいのに、逃げ回り捕まらない。)

帰って、私は買い物へ。夕飯の準備。家族が帰るまで犬のそばに居る。ここで犬のごはん。
皆がそろうと、犬を中心にナデナデ。おもちゃを持ってきて遊びの催促。

夕飯後、犬にごはんをあたえる。食べる時間が違うので誰か食べる度にフルーツを与える。
息子がソファーに横になると、その上に乗りいろんな所をなめ、そのままずっと抱っこされる。

夜眠る時は、ソファーで。冬はホットカーペットの上。

・愛犬のハウス周りの構成、環境など
リビングの掃きだし窓の所に100×50位のケージ、その中に平たいネット付きトイレ。ハウスはありません。


返答内容犬も飼い主さんも、3歳まで長い習慣がありましたから、全部を一気に劇的に変えなくても良いです。お互いストレスが大きくなって耐えられなくなりますから、少しずつ、一つずつ進めていってください。

ただし、まずは意識改革はされないといけません。甘やかしや、チヤホヤ世話をする意識が残ったままで、そこに手法だけを上塗りしても何の効果もなく、余計に関係が崩れるだけです。

犬の問題行動に対する個別の手法は、本当は重要ではないのです。犬が言う事を聞きたくなるような関係作りをしていないから、どんな手法を使っても変わらずさらにおかしくなります。

それも、特定のことだけすれば良いのではなく、24時間365時間つねに意識して自然に表現できるようになっていただきたいのです。

犬は常に飼い主さん一家を感じています。何気ない接し方しぐさ態度すべての積み重ねで、今の関係になっているということです。

今回のトイプー君はとっても良い子です。3年間チヤホヤ自由にしてきて、大きな問題がなったわけです。普通なら生後6か月くらいで大変なことになります。

良い出会いに感謝して、犬との将来のために頑張っていきましょう。

>犬がいるから留守番は可愛そうだから・・・

↑すでに精神的に犬に負けてしまっているのです。これが犬のずるい魅力でもありますが(笑い)、犬はちゃんと留守番ができる動物です。練習や教えをしない、関係作りをしないから留守番が出来なくなります。

また、飼い主さんが犬との別れをガマン出来ない場合もあります。しかし、その精神状態で犬と接してしまうから犬はさらに関係を誤解します。何気ない態度しぐさで全部伝わるんです。

反対に言えば、例えば飼い主さんへの噛みつきや要求吠えなどは、直接教えなくても妙な調教法など使わなくても、正しい関係作りをするとそれだけで直る場合が多いのです。

>玄関チャイムがなると吠え出し帰るまで吠え続ける・・
>靴下を履いていると吠え・・
>散歩中、すれ違う犬や人に吠える・・

↑まず大前提は、犬が飼い主さんの言う事を聞きたくなる関係作りです。と同時に直接の教えも並行しましょう。

吠えにしても噛みつきにしても、物事の教えは全て同じです。「悪い型を止めて・良い型を取らせ・そこに指示音やジェスチャーの関連付けをして褒める」。シンプルに何度も淡々と体現させます。

家での来客にしても散歩でも、人や犬を避けないで、むしろ教える・慣れるための良い機会ととらえて練習しましょう。家族で分担してチャイムを鳴らして練習しても良いです。

まず、飛びつきやジタバタする時は、飼い主さんが犬におんぶするような体勢で首に手を回し首輪をガッチリつかんで、スワレ・マテの型を作ってキープさせます。

良い型が出来ているので、マテの指示音を出しながらポンポンで褒めます。

(猫なで声でナデナデは従属的なのと犬の興奮を増長するのでNG)。

吠えたら「ダメ」とハッキリ伝え、犬の口を軽く手で閉じます。これで良い型ができたので、「シ~」の指示音を関連付けながらポンポンで褒めます。

褒めたらすぐ口を解放します。するとまたすぐ吠えると思いますので、再度口閉じで教えます。

何度も何度も毎日毎日淡々と繰り返してください。関係作りが出来て、犬や人にも慣れてくれば、その教えでちゃんと理解できます。

噛みつきも同じ教え方で良いです。口を閉じで大人しく待つ・・ということは共通なので「ダメ」「シ~」で同じで良いです。

褒めて口を解放したら、また靴下を見せて「噛みたくなる状況」を何度も作って教えます。繰り返していくと、靴下を見せても噛まなくなりますので、見逃さず褒めて何度も反復してください。

>リードウォークから始めようと・・マーキングをしようとしますが、それを引っ張るのですか?・・・

↑私のリーダーウォークの目的は、特定の問題行動への対処法ではありません。関係作りをするための手法です。

犬に主導性と毅然さを見せ続け、犬がそれに根負けして認める・・あお向けも同じことですが、それを表現するための一つの手段でしかないのです。

ですので、あお向け・リーダーウォーク・主導型ボール遊びを、犬のしつけの段階に応じて使い分けていただければ良いです。(例えば犬の噛みつきが怖ければ、あお向けの前にリーダーウォーク、それも無理なら主導型の遊びから入る・・など)。

もちろん、不要なマーキングだと飼い主さんが判断したら、リードを持って切り返してください。(好き勝手させないという意志を伝える)。

クレートトレーニングもしてください。もちろん家族団らんは一緒に過ごして、主導型のスキンシップや遊びをしてほしいですが、犬を直接見れない時は、ケージに居させてください。留守番、家族のゴハン時・・ルールは作って毅然と教えてください。

放し飼いは犬のテリトリーを広げ過ぎて、それを守るためのストレスが大きくなります。ケージの中に、狭くて暗いハウスとトイレ、水ボトルの4点セットが理想です。

>入るのを嫌がるようになった為・・

↑犬に合せているから関係が崩れ、要求吠えもするようになります。吠えは関係作りと口閉じで教え、ケージ内でゴハンを食べさせたり遊んであげたりして、落ち着ける良い場所だと理解させることも必要です。

>可愛くて、顔を見る度、なでたり抱っこしたり「いいこねー」と・・

↑下位の犬は、上位やリーダーにすり寄ってナメナメ挨拶します。それと同じことをしてしまっています。

犬と接することが悪いのではなく、「主導」で接してほしいのです。オテでもスワレでも何でも良いので何か指示を出す→犬が行動→褒める・・というパターンを鉄則にしてください。

指示で犬が出来なければ、型で教えて褒めれば良いです。

主導型のボール遊びもスキンシップに良いです。ボールを転がす前にスワレ・マテの指示、出来たら褒めて転がす、出来なければ型で教える。転がしたらヒモで回収しながらコイ・ダセの練習・・・というふうに、いつでもどこでも「主導」を意識してほしいのです。

褒める時はナデナデではなく、ポンポンで、指示音やジェスチャーの関連付けを必ずしてください。それと膝上だっこは止めて、となりに寄り添わせる形にしてください。

犬同士では体を合せる時に、下位の犬の体の上に上位やリーダーが、自分のアゴや足などを乗せてきます。マウンティングや飛びつきもそうですが、体位が関係を表しているのです。

>散歩は引っ張られながら歩いています・・

↑リーダーウォークを徹底してください。反対方向に切り返すか、反対を見てジッと止まって無視・・など、犬に合せないこと・主導することを意識してください。犬の体のコントロールではなく、飼い主さんの毅然さと主導性を見せる根競べです。

>誰か食べる度にフルーツを与える・・

↑ドライフード以外の食べ物を与えないでください。まず栄養のバランスも崩れていますし、好き嫌いを覚えますので、いつかドライフードを食べなくなる可能性が高いです。

そしてその態度そのものを犬は感じ取っています。催促すれば食べ物がもらえる都合の良い相手・・そのように犬はクールに利己的に見ています。

まずは、ご家族の意識改革からスタートです。本書・ホームページ・サポートのメール、皆さんで何度も読み返してください。

「犬が4歳になって急に激しく噛みつくようになり手におえなくなりました・・」、というような事例もよくあります。どうしようもなくなり保健所へ・・里親が見つからず殺処分・・というケースが現実にたくさんあります。

そうなってからでは遅いので、ご家族皆さんで学び、改善していきましょう。

では、頑張って続けてください(^-^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針