犬のしつけがQ&Aで分かる!

捨て犬だったほとんど目が見えない犬のしつけ

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今日、目がほとんど見えなくなっている、秋田犬(メス、10ヵ月)をひきとりました。

飼い主に捨てられるという辛い経験をして、落ち込んでいるようです。(殺処分されるところでした)。このような犬の場合では、どのように接すればよいのでしょうか?

やはり、同じように貴書に書かれた感じで、接する(鉄の意思で)べきでしょうか?

あと、耳は聞こえるようですが、こういう犬のしつけの良い方法があれば、教えてください。どうぞ宜しくお願いしますm(__)m


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○○様の決断と行動に敬意を表します。良くご決断されました。

ただし、相当なご覚悟が要ります。視力がどれくらい残っているのか・・過去、体罰を受けてきたかもしれません。他人や犬と会うような社会化がまったくなかったかもしれません。それらの度合いによって、難易度も変わってきます。

まず注意しなければいけないのは、その犬の生い立ちをあわれんで、過保護やご機嫌を伺うような接し方をしてしまうことです。

優しく、いつもそばに居てナデナデしてあげたくなりますが、やっぱり健常犬と同じように毅然と接してあげなければいけません。

犬は人間の複雑な感情や思考・・飼うことになった経緯など知る由もないですし、理解する知能がないのです。その犬を思いやって甘やかしや、かまい過ぎると、必ず主従関係が逆転します。犬は犬の本能でシンプルに反応してくるだけです。

毅然と主導し続ける・・そうしてあげることが犬の本当の幸せです。

そう申し上げるのも、実は目が見えにくいことも関係します。犬はもともと、人間のように物体を細かく正確な形で理解しているわけではありません。動体視力は優れていますが、色の認識も不得意で、それを補うために臭覚と聴覚が発達しています。

もし、過去に体罰を受けてきて人と接触する機会もほとんどなかった・・となるとかなり臆病になっています。そこに視力のハンディがあると、人間が少し動いただけで空気の流れや音の変化を察知し、怖がって吠えたり当たりかまわず噛んでくる可能性があります。

そこにさらに甘やかしをすると、主従関係が逆転し、噛み付きや吠えが激しくなります。それが怖いのです。秋田犬ですから体もまだ大きくなります。

ですので、普通の犬以上に毅然と接してあげたほうが良いです。

まず、全体的に動きをゆっくりにしてあげましょう。早く動くと過度に反応し、ストレスも溜まります。それから犬の目線よりも高い位置から手を近づけないことです。体罰を受けたことがあると余計嫌がります。

低い位置からゆっくり手を近づけ、ナデナデではなく、肩を軽くポンポンして褒めてください。意味の無い声掛けや、猫なで声で褒めたりはいけません。低い声で落ち着いて褒めたり叱ったり指示を出してください。

どれだけ視力が落ちているでしょうか。スワレやマテなど犬に物事を教える時は、シンプルに体現させてあげて、そこに音の合図とジェスチャーを関連付けてあげますが、ジェスチャーがどれくらい見えているでしょうか。なるべく大きくゆっくり動かして教えてあげてください。

ジェスチャーも見えないようでしたら、かなり難易度は高いです。体で型を作ってあげて、ハッキリ分かりやすい音で関連付けを根気よく続けないといけません。

心の傷付いた犬は、主導型のボール遊びで楽しく関係作りをするのが一番ですが、ボールも見えないでしょうか。

犬は臭覚と聴覚が優れていますので、音源と臭いの流れをキャッチし意外と目が見えなくても動ける動物です。訓練しだいでその能力も磨きがかかるので、あきらめないで色々続けてみてください。

老犬になって、完全に目が見えなくなる犬もいるのですが、臭覚と聴覚で補って普通に行動する犬も多くいます。

ですので、やっぱり甘やかさず毅然と関係作りをしてあげてください。もちろん体罰や威嚇も厳禁です。


まずしばらく一緒に生活してみて、どのくらい視力が残っているか把握されるのが良いです。例えば手や指を動かしたときに反応はする・・などお知らせいただければ、それにそってまたアドバイスさせていただきます。

ただ、まだ幼犬で経験も少ないので、今できなくても経験と練習の中で色々覚えていけるはずです。まずはしばらく軽いボール遊びをしてみたり、家の敷地内でゆっくり一緒に歩いてみたりしてください。

それをしばらく続けて、運動も確保し、少しずつ信頼関係を深めていくことです。急に外の散歩に連れ出したりしない方が良いです。慣れ具合を見ながら、玄関先で数日慣れさせてから外を歩く・・などの配慮も必要です。

また、鎖での繋ぎ飼いもストレスがたまり神経質になるので、気を付けましょう。目が見えない分、囲いがあることが分かるとより安心できます。それと、信頼できる獣医さんを早く見つけましょう。

では、頑張って続けてください(^-^)
何かあったらいつでもメールください!


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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