犬のしつけがQ&Aで分かる!

保護犬が慣れてきてケージ内で大ジャンプしたり吠えたり噛んだりする場合のしつけ

質問内容
犬のしつけに困って、こちらにたどり着きました。ご相談お願いしたく、メールいたします。

家族構成は、私、主人、長女と長男(中学生)、二男(小学生)です。

●月に、近所の神社の本殿の中に放置されているチワワ(オス推定2歳前後)を保護しました。我が家の家族として迎え、3か月が経とうとしています。

保護した時は、お肌がボロボロだったのですが、とてもおとなしく、誰にでもシッポを振って、吠えも噛みもしない子でした。

お肌は、アレルギー体質ということで、フードをあれこれ試し、今は見違えるように綺麗になって、毛が抜けていた所にも生えてきました。

とてもおとなしかったのは、最初の2週間で、2週間を過ぎたあたりから、少し声が出るようになり、徐々に吠え、甘噛みが増え、サークル内で興奮して大ジャンプを繰り返すようになりました。

足がサークルに挟まったこともあり、危険さえ感じます。

困っていることはたくさんあるのですが、大まかにいうと、、、

①ピンポンに吠える
②他人に吠え続ける、時に噛みつこうとする
③家族(私以外)がサークルを通り過ぎると大ジャンプして本気モードで噛みつこうとする(特に主人の動きに反応)
④甘噛み(特に末っ子の手をおもちゃのように噛む)→エスカレートすることもしばしば
⑤サークル内では8割ペットシーツにトイレ出来ているが、サークルから出すとどこにでもしちゃう
⑥ペットシーツをボロボロにする
⑦サークル内で前足をピョンとしながら、くつろぐ家族にワンワンと吠える。
⑧散歩が怖くて歩かない(庭は歩くのですが、庭から外への一歩が無理なので、毎日庭で30分ほどリードでお散歩風に歩かせていますが、すぐに家に入りたがります)
⑨ご飯の時、唸る

などです。

一度、ドッグトレーナーさんに来ていただき、カウンセリングとしつけの仕方を教わりましたが、噛まれたら声に出さず怒りを表しながら無視とか、出来ません。。。

サークル内で大ジャンプするのは、ここに来る前からの癖だろうとおっしゃっていました。おやつをあげるしつけ方法だったのですが、興奮を治めることはなかなか難しいです。

基本はとても可愛く、夜も朝までぐっすりで、日中も私と二人なら特に問題はありません。

まだまだ書き足りないのですが(笑)、こんな子でも大丈夫でしょうか?

特に③の大ジャンプをなんとかしたいです。知らない人が来ても、落ち着ける子になってほしいです。

長々と失礼いたしました。



返答内容
頑張っておられますね(^_^)

まず今回、犬の保護をご決断いただきまして、ありがとうございました。

善意善行に、感謝申し上げます。


>こんな子でも大丈夫でしょうか?・・

↑もちろんです。その子は普通の犬の反応、行動をしているだけです。普通に良い子です。

保護犬の場合は、いったんはこうなってしまうのは仕方のないことなんです。

人間との信頼関係を失っていますから、最初は多少チヤホヤもして、まずは環境・家族に慣れ、信頼関係を回復しないといけません。

そしてそこから、徐々にしつけのレベルを上げながら調整していかなければいけませんが、そのタイミングや強弱は簡単ではありませんし、特に初心者の飼い主さんでは、そういう必要性すら想像することができません。

それは仕方のないことですので、良いのです。

人間側は、捨て犬の境遇を思い、優しくしたくなるのは当然のことです。

しかし、犬の知能にはそれは理解できません。「僕が捨て犬だから優しくしてもらっているんだ」などとは理解できないのです。

犬は犬の本能で、冷淡に判断します。

最初は、生きていくために愛想も使って食べ物をもらわないといけません。

しかし、一緒にしばらく暮らして、群れとしての意識が出てきた時には、自分や相手一人一人がどういう存在なのか、を見極めて行動するようになっていくのです。

まずは、自我やワガママが出るくらいに慣れてきたということですので、スタートラインに立って、やっとこれから犬のしつけを本格的に始める準備ができたということです。


さて今後のことですが、吠えにしても噛み付きにしても何のしつけにしても、根本は主従関係の構築になります。

それが出来ただけで消える問題行動もありますし、関係が出来たことで指示や教えが入りやすくなります。

『言うことを聞きたくなる関係』 『褒められて嬉しくなる関係』

があるのと無いのとは、同じ教え方をしても、結果が全く違ってきます。

そのための、主従関係の作り方、直接の教え方、色々ありますので、本書とQ&Aサイトで学んでください。


さて、今日は直近の問題だけアドバイスいたします。

ケージ内での大ジャンプですが、このままですと、犬の骨折・ヘルニア・脱臼・関節形成不全が起こりますので、止めさせないといけません。

主従関係の崩れと運動不足が両方あるかもしれません。

それらの実施で、いずれ大ジャンプは止めることになりますが、それがいつになるのかが断言できません。

二・三日で直るかもしれませんし、数週間かかるかもしれません。

その場合、直るまでの間にケガしてしまう可能性もあります。

そこで、今すぐ対策されたいのであれば、環境面で施策しましょう。

まず、足がサークルに挟まらないように、ケージの内側から透明のアクリル板を着けると良いです。

そうすれば犬の足が柵に引っかかることはありません。

ホームセンターにいけば売っていますので、寸法を測って必要な大きさを買って、ガムテープや針金で柵とくっ付けてください。

そして、天井には金属柵を追加し、屋根を作ります。

高さは、なるべく低くすることです。

犬が普通に四つん這いで立って歩いた時に、頭の高さよりも少しだけ天井が高い、というくらいが良いです。

それでしたら、普通に歩けますし、ジャンプしたり二本足で立ち上がることはできません。


続いてしつけですが、基本形は『犬にリードを着けてそれを飼い主さんが持って過ごす』というふうにされてください。

(犬と接しない時はケージ内に居させます)

その態勢で、主導型コング遊びをしたり団らんすることで、自然と犬の行動を主導する形になるので、主従関係作りに良いのと、犬が吠えたり噛んだりした時に現行犯で教えることができます。

注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意できますし、噛んだり吠えたりを未然に防いだり制御もしやすくなります。

主従関係作りにしても、吠えも噛み付きも、具体的なしつけ方法については色々ありますので、ご購入後にQ&Aサイトを熟読されてください。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針