犬のしつけがQ&Aで分かる!

ボーダーコリーのしつけ

m1.pngボーダーコリーのしつけ相談お願いします。
こちらニュージーランドでは犬を飼っている家庭がとても多く、マナーにも結構うるさいです。多くの方が通常ドッグスクール(週1、3ヶ月くらいのコース)に飼い主と一緒に通うんですが、誰に聞いてもスクールでは食べ物を使うというのにちょっと疑問を感じ、行くのをためらっていました。


問題
・触ろうとすると手を噛む(以前色々な方法でしつけて少しマシにはなりましたがまだ噛みます)特に子供たちに。
・リードをひっぱる。強く引き返しても、チョークチェーンもへっちゃらです。
・車に乗せると(ハッチに入れてリードを結び付けています)外を見てめちゃくちゃ吠えます。
・他の犬、車など動くものに吠え掛かります。吠えなくてもかなり興奮状態になりリードをひっぱりまくります。
・ご近所の犬とフェンス越しに喧嘩のように吠えまくっています。フェンスは相手が見えなくても気配を感じると、バーッと走って行き吠えます)
・うんち・おしっこ家の庭のどこででもします。(広くて見つけられず時々踏んだりして・・・最悪です)
・呼んでも来ません。特に外で犬を放したとき(放しても良い公園やドッグランなどで)
・自分のウンチを食べることがあります。
・散歩中に拾い食いします(鳥の死骸とかお菓子とか・・・)
・叱ると逆ギレして噛みついてきます。
などなど・・ボーダーコリー7ヶ月のオスです。

犬との過ごし方(1日の流れ)
※ 犬小屋は外で、家の中には基本的に入れません。リビングに接する裏庭で放し飼いにしてます。

朝6時半~7時の間、主人と息子が食事の後、犬に食事を与えてからリードを着け犬の散歩(自転車で走って行くことが多いです。放してもよい公園や学校のグランドなどでボール遊びをします。)その散歩中にだいたい道でうんちします。
帰宅後、主人は仕事に行きます。息子を8時半くらいにプリスクールに送ります。以前は一緒に連れて行っていたのですが、息子は引きずられるし、私も娘を乗せたベビーカーを片手に犬に引っ張られ、思いっきりひっぱり返してもびくともしません。おまけに車に吠え掛かり、通り過ぎる人にもジャンプしたりしてびっくりさせたりするので、もう連れて行くのを止めました。通常裏庭から出入りするので一緒に行きたがりますが、おいてけぼりを食らうので「ワンワン」吠えます。
 
帰宅後私は家事で忙しいので犬は無視してます。洗濯物を干しに行くとボールを持って押し付けてきたりしますがほとんど無視です。たまに干しながらボールを蹴るからか、しつこいです。
 
娘は犬の名前を呼んで、よくちょっかいを出しに行っては噛まれて泣いてます。娘は犬に乗ったり、顔をつまんだり、顔を叩いたり色々するので犬もかなりうざい顔をしています。一応噛んだのを見たらすぐ飛んで行って{NO!」と怒鳴りながら口を押さえたり、地面に首を押さえつけたりして怒ります。犬は暴れて逃げたり、たまに返り討ちに合いそうになります。
 
時々いつの間にかこっそり家の中に入ってきてリビングでくつろいでいることがあります。娘が昼寝していたりするとただリビングの床で寝ているだけなので特に怒らずそのまま放っておくこともあれば、調子に乗ってる感じがあれば「アウト!」といって外に出します。言うことを聞かなかったら首輪を掴んでひっぱり出します。これも私に噛み付きそうになります。
 
午後は息子を迎えに行ってそのまま出かけて夕方まで帰ってこないこともよくあります。その間犬はせっせと穴掘りしたり、庭でうんちしたりおしっこしたり、デッキで昼寝したりして過ごしてます。午後うちで過ごすときは30分くらい遊んであげます。
 
夕方私たちが帰ってくると嬉しくて?興奮した感じで前足をかけてきます。すかさず犬のお腹を膝蹴りしてジャンプされるのを避けます。子供たちには顔を舐めに行ったりぶつかっていったりします。
 
主人が帰宅するとしっぽを振って大興奮で、もちろんジャンプやたまに興奮して噛みそうになります。主人は「ハロ~!」といってなでたりじゃれたりして相手をします。私はしません。
 
家族の夕食後、犬の散歩に主人、息子、娘の3人で行きます。夕方は他の犬もよく公園で会うので、よその犬と追いかけっこしたり、吠えたり、ボール遊びしたりします。遠くの犬を追いかけて帰るからと呼んでもだいたい来ないので、主人はいつもドッグフードを持ってそれで釣ります。
 
帰宅後、犬の食事です。食事の前はおすわり、まてをさせて、遠くにご飯を持って行き、私がコイといったら来て、もう一回マテをしてから食べていいといったら食べるようにしてます。このご飯のときだけは、悔しいけどとても従順な顔ですばらしい集中力でよく言うことを聞きます。
 
子供が寝てから私たち夫婦はテレビを見たりしてリビングで過ごすのですが、時々中に入れたりしていたので、入れないと窓越しに「入れてくれ~」と訴える顔をして「ク~~~ク~~~」と犬が鼻を鳴らし窓の前にへばりついています。
 
根負けして主人が犬を中に入れ、床に落ちてるご飯などを探し、リビングでくつろぎ、私らが寝るので嫌がる犬をまた外に引っ張り出し、諦めて犬小屋で勝手に寝ます。
 
これが大体の1日の流れです。
 
ちなみに雨の日は散歩に行かないし、暇な犬は雨の中せっせと穴掘りに励みどろだらけなので絶対に家に入れません。
 
※ 私は元々動物は苦手で犬とまともに接したことがなく怖かったのですが、だんだん慣れてきて、主人も噛んだりするとグーで殴ったりするし、もっと厳しく接しないといけないと言われ続けてきたので、かなり強い態度で接しています。特に子供に危害を加えたときは一発蹴りを入れることもあります。それか、お仕置きとして犬小屋や木につないだりします。
 
近所の犬とフェンス越しに吠えあう時ですが、以前水鉄砲を使った時、とても効き目があって、私が水鉄砲をもってくるのを見るとさっと止めてそそくさと退散していました。でも、裏庭は結構広く、家の中にいたりするとわざわざ走って水鉄砲をもって駆けつけるのが億劫でたまらず、だんだん行かなくなり、もう今では吠え放題です。よその犬も飼い主に「だまれ!」と注意されることもありますが、だいたい辞めずに気が済むまで吠えています。ちなみに水鉄砲は犬に隙を見せたときにとられ、ガリガリと噛んで3つほど壊されました。
 
 
犬のハウス周りの構成 環境
 
以前犬があちこちにウンチをするのに耐え切れず、リビングから見えない庭の奥のほうに犬にゲージのような環境を作りました。しかし、全然見えないのでかわいそうで止めました。現在は、私たちの寝室に接する裏庭に犬小屋を置いて、そこで寝てます。家の中で犬を飼うのはかなり難しいです。場所の問題もあるし、息子の友達や親戚に猫や犬アレルギーの子がいるので家にこれなくなってしまいます。
 
こちらは犬を家の中で飼ってる人は多いですが、みんな放し飼いです。なので大きな犬のゲージなんかは売っていません。外に作る人は結構いるみたいです。私もできればそうしたいですが、外は日陰や日向がちゃんとできるように作るのは以外に難しいですよね。

現在は、堀川さんの本を読んで、毎日リードウォークしてます。(2~3回、10分くらい)。犬の頭がちょっとでも私より前に出たらUターンしてます。最初の二日はズボンに噛み付いたりしていましたが、そこまでしなくなりました。しかし、私の膝がよく犬の頭とぶつかったりすると(犬を内側にに円を書くように歩くと犬が私の動きを見てないのでぶつかります)怒ってリードを噛んでひっぱったりします。でも今日はだいぶうまく回れるようになりました。3日目です。しかし、そこに主人や子供が登場すると気が散って全然リードウォークできませんでした。
 
時々かまれそうになったりする、とあご固めもするんですが・・足の爪で引っかかれたり、力も強いのであまりうまくいってないようです。薄々感づいてはいましたが、なかなか頑固な犬ですよ・・・・私に似て
 
では、長くなりましたがよろしくお願いいたします。


m2.pngでは内容です。いくつか改善が必要な部分がありますので、一つ一つ解説していきますが、まずは今のボーダーコリーちゃんの状況です。
 
生後7ヶ月ですが反抗期に入りました。子犬から成犬へ成長し、犬本来の権勢本能などが強く出てきます。ホルモンバランスも変わってきます。また、特にボーダーコリーですから運動量も必要になってきますし、捕食動物としての本能のはけ口も作ってあげないといけません。(犬種がボーダーコリーだからしつけ方が違うという意味ではありません)。
 
まず犬のしつけで一番重要な、主従関係の意識をご主人とともに、しっかりご自分に植え付けてください。直ぐには理解できない部分もあるのは当然ですので、犬のしつけを実践しながら、何度も本書・ホームページ・メールを読み返してください。後で気がついたり理解が深まっていくことも多いです。
 
主従関係も信頼関係も、一夜にして出来るものではありません。とても根気が要ります。先が見えなくて結果が出ないと、どうしても食べ物、オモチャで釣ったり、しつけグッズや体罰で嫌悪刺激を与えたりしたくなるのですが、それでは「関係そのもの」は築けないのです。これからの子供さん達への教育も同じことが言えます。
 
今回は外飼いなので基本的には「甘やかしの度が過ぎる」という状況ではないですし、毅然な対応(強い態度)の重要性はご理解されていると思うのですが、まだ一貫していない部分もあるのと、体罰は逆効果になってしまう場合があります。
 
では、一つ一つ見ていきましょう。
 
リーダーウォーク頑張っておられますね。段々良くなってきているわけですから、素晴らしいじゃないですか!必ず自信にしてください。たった三日で変化が出てきたわけですから、続ければもっと良くなるわけです。これは2、3回・10分といわず、庭で暇さえあればやってください。一度に長時間やりすぎないで、時間をはさんで何度も何度もやってください。
 
たった三日で上手く回れるようになってきたのは今回のボーダーコリーちゃんの素性が良かったことと、飼い主さんの態度がちゃんと伝わってきた・・という事です。私の動画のような状態は、あくまで完成形ですので、最初から上手くコントロールすることは考えないでください。リーダーとしての毅然とした態度を見せることが目的です。その調子でやり続けてください。
 
周りに人が居てもやり続ければ、ちゃんと気が散らずできるようになります。リードを噛んできても無視してやり続けてください。もちろんご主人にもやっていただきます。
 
それから今回のボーダーコリーちゃんの場合は、あお向けをする前に、しばらくはリーダーウォークである程度関係作りをしてほしいのと、ヒモ付ボール遊びをしてください。犬単独での自由運動は呼び戻しの練習にもなりませんし、主従関係も深まりません。
 
ヒモ付であれば簡単に回収できて、同時に呼び戻しにもなります。この遊びのポイントは、投げる前にスワレ・マテをしっかりさせ、飼い主を良く注目させる事です。(指示は英語でも日本語でも短くする。sit,down,waitなど)。
 
自分の目を指差して「ミテ」(lookなど)を教えるのも良いです。そしてそれが出来たら褒めてボールを投げる。「○○良い子」、と頭でも体でもポンポンポンと軽くたたいて褒めます。大げさに高揚して褒めたり長時間褒めると、犬には従属的に映ってしまいます。
 
犬との接し方は全て、「指示→犬が従う→褒める」・・このパターンを意識して下さい。ですので普段のちょっとしたスキンシップも、意味なく触ったりするのではなく、スワレでもオテでも何でも良いので必ず、「指示→犬が従う→褒める」を使って主従関係を作りましょう。簡単なことをまず一つ覚えさせ、それを普段の挨拶代わりや主従関係の確認儀式に使うと良いです。
 
お話が少しそれましたが、ボールを投げたあとは、コイの指示と同時にヒモを引いて回収し、呼び戻しの型をとらせてください。もちろん来たら褒めます。そしてまたスワレ・マテ・ミテ・・出来たら褒めて投げる・・回収して褒める・・この繰り返しです。時には犬の好きにボールを噛ませてください。
 
お庭も大変広いので、一日何度かやってください。自由運動、ストレス発散、狩猟本能のはけ口、遊び、主従関係の構築など、良い要素がたくさんあります。またそれくらいお庭が広いとフリスビーもできますので、ボールを持ってこれるようになったらフリスビーもチャレンジしましょう。
 
「庭が広いので放し飼いで運動不足によるストレスはないはず・・」、と思われるかも知れませんが、ストレスの根幹は広さではなく、捕食動物としての本能のはけ口が少ないことです。ですので動く物や人に異常に反応します。ボールやフリスビーなど、動く物を追いかけて捕まえる・・というストレス発散を多く作ってあげてください。
 
そして、ボール遊びの流れの中で、ゴロンと一瞬ひっくり返してみる・・あお向けはそんなところから始めてください。最初は一瞬でもひっくり返ったら褒めて止め、またひっくり返す・・そんな感じで、いきなり長時間無理強いする必要はありません。少しずつ静止時間を長くしていけば良いです。ニュージーランドは今夏でしょうか・・もし暑くなければ、厚手の手袋をしてリラックスして行ってください。ご両親が問題なく、あお向けできるようになったら、補助して子供さん達も参加させてください。
 
ご飯で釣る・・という感覚はいけませんが、ご飯前に特にリーダーウォーク、あお向けをたくさんやってください。リーダーのおかげで食料が得られる・・という主従関係が明確になるからです。
 
外の公園に行くのも良いことですので続けてください。他の人間や犬と遊んで楽しんだりする「社会化」を目的に行きましょう。
 
犬小屋の周りをケージで囲い、簡易屋根をぜひ作っていただきたいです。(最後にご紹介)。犬にとって放し飼いは、テリトリーが大き過ぎるのです。守るべき範囲が大きいと、その分ストレスも大きくなります。もう一ついけないのが、部屋に入れたり入れなかったりすることです。外飼いと決めたなら、部屋に入れてはいけません。犬は一度でも部屋で過ごすと、なぜ今は許されないのか理解できず、入れてくれるまで要求吠えします。
 
普段いつもケージで過ごし、遊びやしつけやスキンシップの時間は出す・・これをしっかりルール化して特例を作らなければ、犬はちゃんと環境に適応します。ただし、前述したように運動量、狩猟動物としての本能のはけ口は十分作ってください。そうしてあげないとストレスはやっぱりたまります。それと大前提が主従関係です。しっかり出来れば、それだけで要求吠えが消えることも多々あります。
 
ただ、はやり犬の知能の限界もあります。吠えと噛みつきについては、主従関係を積み上げていくと同時に、型と音で根気良く教えましょう。「ダメ」と同時に片手で首輪をガッチリつかみ、もう片手で口を軽く閉じます。当然吠えも噛むこともできませんので、そこで褒めます。また開放すると吠えたり噛んだりするので、再度「ダメ」と同時に片手で首輪を・・・ひたすらこの繰り返しです。飛びつきのしつけにも使ってください。一瞬でもやめたら褒めることを忘れないでください。
 
体罰を犬は理解できません。強い体罰をする人の前ではなんとなく大人しくしますが、自分の罪と体罰を結びつける事が、犬の知能では出来ないのです。体罰でしつけると、犬は別のはけ口を作るのと、他の人を攻撃するようになります。
 
【その他】
 
家から出かける時、帰宅時は、一切犬とコンタクトしてはいけません。声をかけず目も合わせません。家の出入り時にかまったり挨拶していると、家族の出入り、来客の出入り、家の前を通る人の気配・・これらに異常に反応しストレスになります。
 
食糞は、「まだ栄養が残っているから食べる」、という普通の犬の行動です。拾い食いも同様ですが、これも現行犯で型と音で根気良く教えるしかありません。
 
最後に犬小屋周りの柵と屋根です。
 
まず犬は寒さに適応した動物なので、冬は犬小屋に毛布でも入れてあげれば十分です。(ネットで調べた限り、ニュージーランドの人が住む地域はめったに30度以上や0度以下の気温になることがないとのことなので)。
 
問題は夏場の直射日光です。犬は暑さに弱いです。頑丈な屋根は必要ないので、日よけになるキャンプ用のタープを、風で飛ばないように犬小屋やブロック片にくくりつけると良いです。日本のホームセンターやネット通販では5000円くらいで買えます。(添付写真)。外国の方がキャンプは盛んだと思うので、ニュージーランドでも安く買えるのではないでしょうか。
 
それからケージですが、添付写真は私の自作です。白い金属柵が見えると思いますが、ホームセンターに行くと単品で安く買えます。ニュージーランドにもあると思うのですが・・ご主人が日曜大工にチャレンジしてくれれば安く作れると思うのですが・・
 
柵を何枚かと、ベースになる木材を買って、針金で結合していけばある程度自由に形作れます。ブロック片も何個か買って下部で結べば風で飛ぶ心配もないです。
 
あるいは人間の赤ちゃん用のベビーガードやガーデニング用素材、建築用素材など、柵状のものがあれば針金などで結合して作れると思うのです。犬用の既製品は、あったとしても高価ですからね。
 
 
では、あまり長くなると混乱するといけないので、今日はこのくらいにいたします。またいつでも何回でもメールしてください。頑張って続けてください(^-^)


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